○園田(康)
委員 そうすると、五十五件以外にもひょっとしたら、管理もずさんだったんですけれ
ども、その指示系統に対して、その指示を守らなかったということですね、残っているということは、逆に。すなわち、言うことを聞くときと聞かないときとあったようでございますけれ
ども、もしこれが幸い、言うことを聞かずしてこの通知を無視して残していた場合、それは国民にとってみれば、この台帳がひょっとしたら残っていて、復元される可能性だって出てくるわけですから、これはぜひもう一度きちっと、全国の
社会保険事務所、
調査をやはりこれもするべきであろうというふうに私は申し上げておきたいと思うわけであります。
さて、そのときに破棄せよという通知をすること自体が私は問題であるというふうに思っているわけです。すなわち、こういう事態にならなければこの台帳が残っていて、そして、時間はかかるかもしれないけれ
ども、ちゃんと完全な形の台帳という形で国民の皆さんに御提示ができたはずだったんだろうなというふうに思うわけなんですね。
したがって、このときの管理監督責任というのは、やはり私は、その当時の職員、OBの職員も含めて、実際にさまざまな形で携わった方々というのは責任をとるべきではないのかなという思いは持っております。
なぜこういうことを申し上げるかというと、一番最初に岐阜県庁の話を申し上げました。古田知事が何をその際にやったか、県民の皆さんの信頼を回復するためにはどういう手法をとってこの問題に対処したかというのを実例を挙げて申し上げます。
まず処分です。組織責任にかかわる処分とそれから個人責任にかかわる処分、これは刑事告発も含めてです。この二つの種類に分けて処分を行っておられます。ですけれ
ども、例えば、公金をプール金として裏金をつくって、そしてそれで個人的な飲み食いに使ってしまった、そういった
部分に関しては、これは横領罪が適用されるわけですから、当然刑事告発が今なされていますし、裁判の司法上の
関係の中で扱われている事例であります。それは個人の責任にかかわる処分という形でありますけれ
ども、古田知事が一番こだわっていらっしゃったのは、組織責任にかかわる処分というものでありました。
一、今般の不正資金問題は、公金意識の欠如や組織の隠ぺい体質に根差したものであり、これらは今回問題が発覚するまで変わることなく、職員組合への集約であるとか個人的な保管、処理などの形で隠ぺいが続けられていた。ここからが重要です。二、さらに、昨年政策総点検を行ったにもかかわらず、不正資金の存在が内部から明らかにされるような組織、体制づくりがなされていなかったことについて、現在の知事以下の管理職員の責任は重い、こう結論づけています。三、以上の組織責任を明らかにし、反省を促すとともに、厳しく戒めるため、別紙のとおり、知事以下すべての管理職員について、処分を行う。
岐阜県庁の役人の中で処分を受けた総数は四千四百二十一名、実に全職員の五七%にも上る処分を下しました。訓告処分から、さまざまな処分の形態があったわけでありますけれ
ども、全職員、まず現役の職員に対する処分を行いました。
そしてその中で、この知事はすごい責任感のある方だなというふうに私は拝見をさせていただいたんですが、先ほど申し上げた十七億円、そして利子もつけて返さなければいけないのは十九億円であります。そして、第三者
委員会から
指摘をされた額でありますけれ
ども、知事みずから、自分の給料、減給処分として科しました。自分の給料の二分の一、これを一年間、総額約一千百万円です、一千百万円。まず自分の給料の減額、私が管理責任の最高責任者である、処分として、これは私が責任を負うものであるという形で、まず一千万円を、自分の給料の半額で責任をとって、県民の皆さんに対して責任を全うしたということがありました。そして、副知事以下はもう全員です。管理職の方々は減給十分の二であるとか十分の一であるとかいう形でやっておられます。
そして問題は、過去に起きたさまざまな、その時々の部長や課長の組織の中で行われていたというものもありますし、あるいは中には、その部長が何も知らずに、課長以下が部長には告げずに、部長は来てまた移ったりとかいう形になりますから、部長は何も知らないけれ
ども課長以下がそういう組織的なことをやっていたという事例もありました。でも、組織責任として、そこについた部長には、あなたが携わっていなくても、これは岐阜県庁全体の問題であるから、あなたもその責任の一端を担ってください、全職員に対してそのことを明言し、そして給料も含めて返還をさせる。
これは、現役の職員が全体の額の約四割、そしてOBの職員に対しては、もう退職をされている方々にも、その約六割をOBの職員の皆さんで話し合っていただいて、そして県民の皆さんの信頼の回復のために皆さん方にも御協力いただけませんかという形でもってOBの方々にもその呼びかけをして、そして裏金の使われた
部分、そこの部署のポストについていたということだけをもって返還させた。ほぼこれは全額が返ってきたそうであります。
こういう処分のやり方があるんですが、今回の消えた
年金、消された
年金、宙に浮いた
年金、いろいろ言葉はあるでしょうけれ
ども、この不祥事について、歴代の
社会保険庁の職員も含めて、長官も含めて、
大臣は今、どのように責任やらその責任の所在を明らかにしようとされていらっしゃるでしょうか。