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山井委員 これから三十分にわたりまして、
質問をさせていただきます。
今、資料を配付させていただいております。
国民年金の納付率についての資料、そしてもう
一つは、消えた
年金についての資料であります。お手元で見ていただければと思います。
この消えた
年金の問題、一ページ目にお配りしました「私の視点」で、社会保険労務士の廣瀬幸一先生も書いておられます。朝日新聞の九月三十日、昨年でありますが、長年、
年金保険料を納めたはずなのに、確かめてみたら
記録の一部が抜け落ちていて、
年金額が少なくなるということですね。ここで廣瀬先生が書いておられるのも、
国民年金保険料の十年九カ月分の
記録が消えていた女性のことが書いてあります。これは、やはり非常に深刻な実害になってきてしまうわけであります。言うまでもなく、老後にとって
年金というのは、これはもう命綱なわけであります。
その次の資料も簡単に御説明しますと、五月十二日朝日新聞、
統合できぬ個人
番号が五千万件ある、受給額が途中で変更になった、多くが、少なかったためにふえたわけですが、二十二万件というふうにあります。そして、三枚目は毎日新聞の報道でありますが、納めたはずが未納になっているということで、
社会保険庁は二十四万件を訂正したということであります。
そこで、具体例を挙げて少しお話をさせていただきたいと思います。私のもとにも何件もの相談が寄せられております。一例を読み上げさせていただきます。この資料にありますように、「消えた
年金の実例」、本人は、名前は出さないでほしい、名前は出さないでほしいが、ぜひ
柳澤大臣にこの私の思いを伝えてほしいということで、今回、依頼をいただきましたので読み上げさせていただきます。
ここにありますように、昭和十五年六月
生まれの六十六歳の女性、ひとり暮らしの方であります。前の夫が昭和五十四年に死亡をされまして、その後再婚をされます。そして、
国民年金を五年半払ったはずなのが、今は払っていないということになっております。再婚をして、転居をされています。そして、領収書は処分されているということであります。
そこで、ちょっとこの女性の方からの
柳澤厚労
大臣への訴えというものを読み上げさせていただきます。
五年半、毎月毎月払いに行った私の
国民年金が消えてしまいました。
昭和五十四年五月四日に、私の前の夫は、亡くなりました。このため、遺族
年金をいただくことになったのですが、そのときに老後のため
国民年金を掛けておく方がよいといわれて、
国民年金をかけることにしました。多分翌月から毎月一回、職場を遅刻して、市役所の支所まで
国民年金と
国民健康保険料を持って行くことといたしました。こうして、私は、昭和五十四年六月から昭和五十九年十一月か十二月まで毎月毎月、
国民年金を支払いに市役所の支所まで行きました。
その後、昭和五十九年十二月に再婚いたしまして、となりの市に引っ越しました。その再婚した夫も
平成十六年に亡くなってしまいました。
私は、六十五歳になる一ケ月前の
平成十七年五月に
国民年金をいただくため相談に行きました。すると、再婚前には、
国民年金を支払っていた
記録がないというのです。間違いなく、私は支払いにいっておりましたので、納得できませんでした。ですから、しっかり調べてほしいと頼みました。
でも結局、「領収書がないからダメ」としか答えてもらえません。その領収書も
平成九年まではとってありました。でも、
年金手帳が
一つにまとめられたので、もう領収書と古い
年金手帳はいらないと亡くなった夫に言われて、捨ててしまいました。領収書をとっておかないと
年金がもらえないことがあるとは、思いもしませんでした。
「しっかり調べてほしい」と言うと、いつも、「
コンピューターで管理しているので間違いはない」と言われます。でも間違いなく、私は払いに行きました。私の記憶は間違いで、
コンピューターは間違いがないと決めつけられるのでしょうか。
市役所に
記録はないか聞いてみましたが、「そんな五年以上前の
書類があるはずがない」と言われました。でも、私が領収書をとっておかないからダメと言われているのに、市役所は
書類をとっておかなくてもいいのでしょうか。
年金相談の方に、毎月勤め先を遅刻していたので、そのことを昔の勤務先に
確認してほしいと言いましたが、「
記録がない以上、そんなことをしても仕方ない」といわれるだけでした。
それからも、何回も
社会保険事務所に相談に行き、今も調査してもらっていますが、毎回
記録がないという返事ばかりです。でも、私は間違いなく再婚前に五年半
国民年金を払いました。それが、なぜなくなるのか、どうしても納得できません。
領収書・
年金手帳を処分した以上、自己
責任であると柳沢
大臣はお考えですか。
こういうふうな訴えであります。
匿名の方でありますが、このような現状に対して、
柳澤大臣、これは氷山の一角で、このような例が非常に多いと思うんですね。このような切実な訴え、おひとり暮らしの女性で、本当にとらの子のこの
年金が、きっちり払っていった、ここにも書いてありますように、毎月わざわざ仕事を遅刻してまで払いに行った、間違いはないと本人はおっしゃっておられます。もちろん、もしかしたら、絶対に思い間違いをしていないということは
大臣も判断するのは難しいかと思いますが、今回のこの間の経緯でも、領収書などで
記録が、
社会保険事務所や
社会保険庁で不備があったことが明らかになった例も五十五例あります。
この六十六歳の女性の方の場合も、
記録の不備の
可能性が高いのではないでしょうか。
柳澤大臣、いかがでしょうか。答弁をお願いします。