○細川
委員 民主党の細川でございます。
私は、四月四日の当
委員会で、
年金福祉事業団やその後身の
年金資金運用基金で、本来の事業とは別の団体をつくって、その収益が裏金になっていた
可能性があるということを
指摘いたしました。その団体の
名前は
年金福祉研究会といいまして、融資の申請書などを作成、販売したということでありました。
その中で、
年金局長は
調査を約束して一カ月程度時間が欲しい、こういう
答弁があって、私は、もっと早くその
調査の報告をするように、こういうことを申し上げました。このことは
櫻田委員長にも求めたところでございました。
しかし、二回目のいわば中間報告をもらったのは昨日でございまして、まだ
調査が進んでいないといいますか、そういう事項も大変多くて、私は、
余りにも
調査が遅い、進んでいない、こういう気持ちでいっぱいでございます。
きょうもこの件について
質問をいたしますが、その前に、この
年金福祉研究会の持っている
意味についてちょっと申し上げます。
まず、
年金福祉事業団ですけれ
ども、この法人は、
厚生労働省所管の特殊法人として
年金の運用、融資を行う一方で、
年金受給者や加入者のための保養施設を経営しておりましたが、その立地条件や経営手法の問題で結果的に
年金加入者に損害を与えたということで、何度も国会でも
指摘されましたし、
国民からも厳しく批判を受けてまいりました。そして、この事業団と後身の基金の部長級以上の管理職は、ほぼ全員が
社会保険庁からの天下りでありまして、彼らが
状況判断を誤って福祉事業で大きな失敗をしたのでございます。
それらの法人の役職者が、世間の非常に強い批判の中で、一方で、この内職まがいのことをして裏金づくりを続けていたとしましたら、この法人の役職者は何と常軌を逸しているかということを思わざるを得ないのであります。
一方、公務員や特殊法人の職員らが監修料を受け取っていたということも問題となりました。これも、勤務時間中に監修
作業を行っていたことも含めて、やはり公務員の内職としての批判を受けたものでありまして、この際も、厚生問題研究会のような任意団体が問題となりました。これらの件も全く反省材料にはなっていなかったというふうに言わざるを得ません。
年金積立金管理運用独立行政法人の
調査によりますと、平成十二年度にこの
年金福祉研究会は約四千九十万円の収入を得て、九十四万九千七百円の法人税を支払っております。この平成十二年がどういうような時期かといいますと、平成九年にグリーンピア事業から撤退、こういう閣議決定をいたしまして、高知県の横浪基地を譲渡、また中央高原基地を営業停止にした年でもございます。
この通称グリーンピアと呼ばれる大規模
年金保養基地について簡単に言えば、
全国十三カ所に合計千九百五十三億円という巨費をかけまして建設いたしましたけれ
ども、経営に失敗をして、自治体などに転売をしたものの、譲渡価格はわずか四十八億円、簿価にしても千八十六億円の売却損となったのであります。この建設費は財投からの借り入れでありましたから、
年金特会から財投に対して償還すべき元利合計金額に至っては三千五百八億円。いずれにいたしましても、千億円を超える金額が損失となり、三千億円を超える金額が
年金積立金から失われる、こういうことになります。
こうした事実が大きな問題になっているさなかに、事業団や基金の役職者が別の任意団体をつくって営利活動をして、この失われた
年金積立金の一部を補てんするというようなことも一切全く考えもなくて、収益を上げていたということになります。
この問題を徹底的に究明して、二度とこのようなことがないようにすることが、今度の
年金の
納付、運用、給付といった制度論の前提だというふうに私は考えております。こんな体質を徹底的になくしていかなければ、幾ら制度を変えたところで何にもならないというふうに思います。
したがって、私は、この
年金福祉研究会の問題をやはり徹底的に解明しておかなければいけない、このように考えております。
そこで、
政府の方にお聞きをいたしますけれ
ども、今度の法案につきまして、
年金の無駄遣いについては、いろいろこれまで国会でも問題となりました。こうした福祉施設の運用あるいは事務費を含めた経費に対しまして
年金積立金が流用されてきたわけですけれ
ども、こうした流用に対してどのような歯どめがかかるのか、歯どめをかけるつもりなのか、この点についてまずお聞きをいたします。