○山井
委員 民主党の山井和則です。
これから五十分間にわたりまして、去る二十三日、
東京地裁の判決も出ました薬害肝炎の問題、判決、そして今後の患者救済、早期全面解決ということについて、
柳澤大臣、そして
武見副
大臣、石田副
大臣に御
質問をさせていただきたいと
思います。
まず
最初に申し上げますが、きょう私が胸につけておりますこのカキ色のバッジは、肝炎訴訟を支える
方々のバッジであります。そして、きょうは傍聴席にも、原告の方、患者の
方々にお越しいただいております。残念ながら、この間、たびたびの面会希望にも
大臣にはこたえていただいておりませんので、せめてもということできょうは傍聴にお越しいただいておりますので、患者の
方々、原告の
方々の
思いを少しでも代弁させていただきたいと
思います。
お手元に資料は行っていますでしょうか。
きょうお配りした資料の説明から入らせていただきます。
これはもう言うまでもないことでありますが、二十三日、フィブリノゲン、そしてクリスマシンに関しても、国、企業の責任が断罪されたわけであります。そしてこれは、大阪、福岡に続く三度目の国の敗訴であります。もちろん、一部原告敗訴している
部分もありますが、これが薬害であるということがこれで確定したのではないかと思っております。
まず一枚目、毎日新聞の記事でありますけれども、今回、投与の時期によって勝訴、敗訴が分かれていると。しかし、司法においてはそうかもしれませんが、国が安全だと認定した薬によってこのような肝炎にかかってしまわれた
方々にとっては、その被害の大きさ、苦しさというのは、当然、年代とは全く関係ないものでありますので、こういう司法の判断を超えて、政治的にはすべての原告、患者の
方々を救済すべきだと私は思っております。
二ページ目の記事でありますが、この朝日の記事にも、見出しにありますが、「「使われすぎている」血液製剤普及の教授」と。今回、フィブリノゲンでもクリスマシンでも、やはり、その有効性を超えて、特に必要でなかったのにこの薬剤が投与された。ですから、患者の
方々にとっては、必要性が十分になかったにもかかわらず投与をされてこういう肝炎になってしまった、まさに怒りがますます高まっているわけであります。
そして三枚目、日経新聞「「薬害」国に猛省促す」「薬事行政後手に回る」と。きょうの
質問のポイントは、まさに薬害、この三回の判決で、国の責任があるということは明らかに、もうほぼ決定的になったと言えます。この国に猛省を促すという中で、国はどう動くのかということこそが、今問われています。
四ページ目、「国の責任三たび認定 クリスマシンも
対象」ということであります。
そして、次のページ、五ページ目には社説を載せております。「「敗訴慣れ」せず救済を図れ」「争うより感染者救済を」「控訴やめて救いの手を」、これは今までも私、
委員会で取り上げておりますが、大阪地裁の後の社説も福岡地裁の後の社説も、すべての社説がもうこの論調一色であります。そういう意味では、マスコミも世論も含めて、司法に任せるのではなくて政治的な決断が今求められている、このことに関しては、もう
全国民的に異論はないと私は思っております。
七ページ目には、ある九州の原告の方の記事を載せさせていただきました。「
残り時間はごくわずかなのです」と。この原告の方も、慢性肝炎で、いつ肝硬変になってがんになるかということにおびえおびえ、今この訴訟を闘っておられます。
そして八ページ目、今回の
東京地裁の判決を受けて、
厚生労働大臣に何としても会ってほしいという
申し出に対して、きのう届いた回答がこの二行でありますね。「標記につきまして、国の賠償や謝罪を前提としない肝炎一般対策に係る御
要望であれば、担当者がお会いすることは可能です。」ここでもまた
大臣は逃げておられるわけです。
九ページ、十ページ、十一ページ、十二ページは、これも今まで私、
委員会で取り上げておりますが、インターフェロン治療、早期の治療を通じて肝硬変、肝がんになるリスクが抑えられれば、高額の治療費がかかるからといって、インターフェロン治療を今ためらっておられる
方々が経済的理由のハードルなくして利用できるようになれば、かえって総医療費も安くつく、これは
弁護団も主張している点であります。
ですから、ここでも申し上げたいのは、お金の問題ではないわけですね。トータルに考えたら、今の
状況を放置して多くの
方々が肝硬変、肝がんになってしまう方が、より医療費が高くつく。
それと、もう一つ言わねばならないのが、お金の問題だけではなくて、そういう後手後手に回ることによって、いたずらに裁判を引き延ばすことによって、原告の方のみならず、多くの患者の
方々の命が奪われていく、そのことの価値。人の命が、一日百人肝がんで亡くなっておられます。
対応がおくれればおくれるほど、年間三万人の方が亡くなっていかれます。
ある原告の方がおっしゃっておられました。もし
最初の裁判が始まったときに、五年前に救済してくれていたら、多くの患者の
方々がもっと救われている、治っておられる方も多いかもしれないということをおっしゃっておられました。
そして、最後のページになりますが、さまざまなデータがあります。慢性肝炎になれば幾らぐらいお金がかかるか、肝硬変、肝がんになると幾らぐらいお金がかかるか。飯野教授、森口教授、三原教授のどれを見ても、大幅に悪化すればするほど費用もかかるということがわかっているわけであります。このような基本的なことを
最初に申し上げたいと
思います。
そして、今回問題になっているフィブリノゲンがこれであります。
大臣もぜひ見ていただきたいと
思いますが、これは国が安全であると当時認定した薬です。その薬を使用したことによって、何の罪もない
方々が御病気になっておられます。そしてもう一つ、今回企業の責任が認められたクリスマシン、第9因子製剤です。これがクリスマシンであります。
繰り返しになりますが、司法においては何年以降とか区切りがつきましたけれども、この薬によって肝炎で苦しんでいる人にとっては、線引きというのは意味のないことなんです。
そこで、
柳澤大臣にお伺いをしたいと
思います。
このようなフィブリノゲンやクリスマシンで不幸にして肝炎に感染された方、この
方々御本人に何か落ち度や罪はあったとお考えですか。