○阿部(知)
委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本来の審議にかかわります
児童手当の第一子、第二子、五千円から一万円への加算につきましては、基本的に賛成いたします。ただし、この
児童手当の問題を、
一つには
少子化問題として論ずるのか、あるいは家族
政策として論ずるのか、あるいは
社会保障の問題として論ずるのか等々、私は、この短時間の中ではとても審議が尽くせないほどの問題が背景にはあると
思います。あわせて、昨今のいわゆる働き方の問題、これは
少子化にも直に影響しておりますが、若い
人たちの不安定で先の見えない働き方ということも含めて、総合的な
政策が必要なものとは思っております。
法案自身については賛成の意を表し、私に与えられた時間で、実は、三月の十四日の日、中央
社会保険
医療協議会、略して中医協で審議がなされました、リハビリのいわゆる日数制限打ち切り問題について
質疑をさせていただきます。
これは、先ほど高橋
委員と
厚生労働大臣の
質疑の中でもそうですが、例えば児童扶養手当、特別児童扶養手当等々にもまず削減ありきということを決めておいてからやるということは、現実の場でそのことをもってしてしか生きていけない方たちにいかにも問題が多いやり方だということは、高橋
委員の先ほどの御
指摘のとおりと私は
思います。あわせて、このリハビリの打ち切り問題も全く同じような経過をとってございます。
思い起こせば、一年前、
医療制度改革の中でこのリハビリの日数制限ということが打ち出されて以降、実は、多田富雄先生のさまざまな活動、私も
大臣に御紹介申し上げましたが、署名を募り、最終的には四十八万という署名が昨年の十月
段階で提出されております。リハビリが受けられない、受けたくても受けられないという声は、洪水のように我が国の中に広まりました。
特に
大臣には御存じと
思いますが、
社会学者で、大変高名ですから皆さんも御承知と
思います、鶴見和子さんという方が、昨年の七月の三十一日、お亡くなりでありますが、それに先立って六月にリハビリが打ち切られたという、これが直接の死因ではございません、大腸がんで亡くなられましたが、しかし、その六月十五日、誌上に発表されたものの中に二つの句がございます。
大臣には特によく聞いていただきたいです。
政人(まつりごとびと)いざ事問わん老人(おいびと)われ生きぬく道のありやなしやと
御高齢で十年余りをリハビリをやりながら過ごしておられたけれ
ども、この改定に伴う中で、リハビリの打ち切りが宣告され、そして、彼女はもう一句詠んでおられます。
寝たきりの予兆なるかなベッドより起き上がることのできずなりたり
その一カ月弱後にお亡くなりであります。
この鶴見さんのように句を残され、そして、実はそういうこともままならない多くの声がここにあり、
厚生労働省としては今見直しをしている途上であるからということでずっと一年引っ張ってまいりました。しかし、結果的に見れば、実はさまざまな形で、このリハビリを受けられない方たちの存在が明らかになりました。
厚生労働省がおやりになった調査でも、二千八百二十二
医療施設から八百五十五
施設の回答を得た中でも、疾患によっては一割、そして少なく見ても、例えば非常に少ない数しか上がってございませんが、脳血管障害の患者さんでも、リハビリが
効果があるのに打ち切られた方すらございます。
大臣は、一体、こういう
政策のやり方、すなわち、先に打ち切っておいて、そして事が生じ、失意の中で亡くなる方も出て、そして、一
年間放置してリハビリを見直したといっても、やはり事が逆なんだと
思います。生身の人間の命がかかった
厚生労働行政でこの手法が続く限り、やはり人間的な
社会にはならないと私は
思います。
まず、
大臣には二つお願いがあります。やはり
政策のこうした非人間性について謝罪をしていただきたい。そして今後、いわゆるこうした犠牲になる方がないような
政策をとるという決意を、まず冒頭、お聞かせください。