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篠原分科員 大臣、私の次の
質問の答えをもう先取りして言っていただきました。
いつも私は表をつくって皆さんにお配りして
質問をさせていただいているんですが、きょうも六種類ほど、皆さんのお手元にお配りしたので見ていただきたいんです。
一枚目、二枚目は今の過疎地の教育の問題について。ちょっと見ていただきたいんですが、最近十年の「長野県の廃校施設現況一覧」、ちょっと字が小さくて済みませんが、これはもっと前の方が物すごくあったんです。
私も分校が二つある小学校で教育を受けました。ただ、私の場合は本校でした。一年、二年の複式学級のところで、三年になると山を越えて本校に来る。もう一つは、四年まで分校にいて、自転車に乗れるようになると、自転車に乗って五年、六年で来る。もちろん今は、当然ですけれどもスクールバスができましたから、その分校は二つとも廃止になっておりますけれども、非常に遠くから通ってきたりしていた。そういうのが軒並みこの二十年、三十年、がたがたになっている。最近は少ないんですけれども、これだけあります。
これをちょっと見ていただきたいんですが、長野県から取り寄せた
資料でございますけれども、右側の方は現況、廃校になった後、どうしているかというもの、校舎として利用、ほかの施設に転用、取り壊し、古いから仕方がないんですけれども。
今
大臣がお答えいただきましたけれども、気のきいた人というのはわかっているわけです。ですから、山村留学があって、山村留学は長野県が一番受け入れています。しかし、これがだんだんままならなくなってくるわけですね。お年寄りで、とても朝飯をちゃんとつくれないとかというふうになったりしてきているので。これは公的な施設なんかつくってやったら、大都会の真ん中で全寮制の寄宿舎スクールなんて考える人はいないと思います。田舎でそういうことをやったら非常にいいんじゃないかと思います。
それで、今
大臣が触れられましたとおり、僕は逆転の発想に立っていいんだろうと思うんです。いい環境なんです。ですから、スクールバスは逆に走らせる。平地部、長野ですと長野盆地の小学校、中学校の生徒がスクールバスに乗っていって、山の中の環境のいいところで勉強し、そして遊びも川や山を走り回って、四時半になったら、お父さんやお母さんの帰ってくる時間に合わせてスクールバスで帰ってくる。サラリーマンの家庭の子が多いわけですから。そういうようなセットが考えられるんだろうと思います。
そういったことをなかなか考えられる人がいない。お金はそんなに出す必要はないと僕は思います。今
大臣が触れられましたとおり、優良事例を示す、こうやったらいいですよと。これをやったら、気のきいた父兄ですと、そっちの方がいいんじゃないかと。二時か三時に帰ってきちゃう、すぐ隣の小学校だったら。ところが、自分が帰ってくるまで田舎で遊んでいて危険もない。どこかへさらわれる危険もない。ただ、クマが出てきたりするおそれはあるんですけれども。そういう心配はありますけれども、自然の中でよく育つ。こういったことをやっていくべきじゃないかと私は思います。
これはもう
大臣お答えいただいたので、ここの点はいいです。
それで次、二ページ目のところを見ていただきたいんですが、これももう悲惨でして、小中学校だけじゃなくて、今や、長野県の場合は高校に波及しているわけです。今までずっとあった高校がつぶれるんです、人口が減っていったりするからしようがないといって。私は長野の北の端です。ここの、二番目にある長野県中野市というところなんです。中野高校と中野実業高校というのがありました。これが統合されて、中野立志館高校というふうになるんです。名前は立派、志を立てる。愛唱曲「故郷」のところに出てきますけれども、私のところは中山晋平の生まれたところでありますし、作詞家の高野辰之、「春の小川」「故郷」それから「朧月夜」ですね、この二人の生まれたところでして、
日本のメロディー、
日本の童謡、私の地元ででき上がっているという、ちょっと自慢話でございますけれども、そういう環境のいいところでございます。しかし、その高校が一つになって、八十人減らされる。
それより一番最北の市が飯山。その上です。二つあった高校が一緒になって、四十人減らされる。それから、これは南西の方ですけれども、木曽でも同じようなことが行われている。これをほっておくと、どんどんこうなっていってしまうわけです。
これも一工夫ありまして、
文部科学省の方でこういうふうにした方がいいというのを言っていただきたいんです。
どういうことかといいますと、高校なんか、古い高校も、どこにできているかというと、町の真ん中にはできていないんです。大体外れにできている。真ん中にある必要はないんです。それが、自転車かバスぐらいでしか通えなかった。今電車があり車がある、スクールバスもある。相当遠くから行ける。だから、これも逆転の発想で、今スクールバスを平地から中山間地域と言いましたけれども、ここのところでいいますと、飯山です。飯山線というのは、鉄道マニアには、私はよく知りませんけれども、只見線と飯山線が車窓のきれいな二大ローカル線というので有名なんです。菜の花が咲いてきれいで、千曲川の沿川を走っているわけです。ところが、全然乗る人がいなくなって、あと何年もつかと、一生懸命
地方自治体がバックアップして支えているわけです。
ちょっと逆転の発想に立てば、こういうことができるわけです。長野市の人口はふえているわけです。みんな山からおりてきて、県庁所在地の里に来ている。だけれども、飯山線があるんです。だから、つぶさずに、長野市の人たちが飯山線に乗って飯山の高校に通ってくる。逆の人もいたりするわけですから。そういうことを奨励して、高校になると、もう通える能力があるわけですから、電車に乗っていく、あるいはバイクじゃ危険かもしれませんが、電車があるわけです。電車に乗ってもらうのもいいわけです。電車の中でべちゃべちゃ話して、友好
関係も生まれる。
最近、コミュニケーション能力に欠けた人たちがいっぱいいますけれども、私なんかは、実は一時間かけて電車で通ったんです。長野電鉄、もう一つの方です。今、気がついてみると、だれが一番親しいかというと、クラスの者も親しくないというわけじゃないんですが、一番親しいのは、電車の中でべちゃべちゃしゃべっていた友達なんです。非常にいいことなんじゃないかと思うんです。ですから、そういうことをやっていただきたい。
そういうのをだれがねじをかけ直すか、これは長野県が工夫してくれればいいんですけれども、なかなかそういうことはしない。先ほどの例もありますけれども、学校を、幾らでも利用できるのに、利用しないで取り壊しちゃったり、何とか施設やスポーツ施設とかにしちゃっている。立派な建物があるんです。高校も同じなんです。これもやはり学習環境がいいわけですから、こういったことを文部省の方から、こういうのは
地方分権に反しないと僕は思う、いいことなんですから。
それで、ここで大事なのは、教育行政というところで見たときに、やはり教育だけのことを考えるのじゃなくて、これは次の学校給食の問題にもかかわってくるわけですけれども、教育行政をやりながら地域全体の振興を考えていく、こういう環境も入れていただきたいんです。
これはどういうことかというと、環境省が、環境を守る、環境を守る、環境を守ると。悪い例でいいますと消防庁、安全、安全と。農家民宿をやると、いろりは危険だから、いろりがあるところで農家民宿をやっちゃいけないんだ、こんなとんちんかんなことを言い出す。地域の振興ということを全然考えない。
教育行政も、この地域間格差が広がって困っている、中山間地域が人が少なくなって困っている、田舎の市町村は人口が減っているというのを幾らでも覆すことができる。前は工業立地とかいうのでやりましたけれども、工場も行かなくなりました。しかし、教育は何も都市部にある必要はないと思う。観光もありますが、教育が
最後ではないかと思いますが、教育が、地域の振興に役立つということ、地域に人を置いておくということが忘れられているんじゃないかと思います。
剛腕の伊吹
文部科学大臣の間にぜひこういう指令を出していただきたいんですが、いかがでしょうか。