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柳澤国務大臣 今の
岩國委員の御
質問は、まず、納付率について不公平が生ずるのではないかという観点からの御
質問が一つあったかと
思います。
つまり、非常に所得等が高い東京だとかいうようなところ、あるいは愛知県も六〇%台と言えばそうなんですが、そういうようなところで非常に納付率が低い。それに反して、所得が比較的厳しい状況にある島根県とかそういうようなところの
国民年金の納付率が高い。これはいわば、所得の低いところが所得の高いところに内部補助をしているような不公平が生じるのではないか、こういう御
指摘が一つあったかと
思います。
これについては、実は納付をしない人は
国民年金の受給権もまた持たないわけでございまして、そういう
意味では、そのような内部補助というか、そういうようなことを通じての不公平というのは生じないということであろうと
思います。
しかしながら、それでは、そういう未納付の人は受給権も持たないということでいいのかと言えば、それはやはりそうではないわけでございまして、私
どもとしては、納付する義務のある人にはできるだけ納付をしていただいて、それで受給権もしっかりと持っていただく。もちろん、
保険料の納付が難しいという方には段階的な納付の免除というような
措置も講じておりまして、できる限りの納付をお願いするという制度も持っておりますので、そういう形でできるだけ納付の義務を果たしていただくということに実は努めていかなければならない、このように
考えているわけでございます。
しかしながら、
岩國委員の御
質問は、そういうような状況であればそこにはおのずから限界があるのであって、そもそも
国民年金の
保険料をこうした形で納めてもらうというそのシステム自体が問題なのではないか、そういう
意味では、
国民年金の
保険料というものを例えば税でもって全額負担してしまうというようなことがとれないのかということでございます。
これに対しては、私
どもは、
年金というのは、そうした公助と申しますか、そういう形に一度に飛躍するということはやはり望ましくない。やはり
年金は、基本的には自助、共助というようなことでこれを維持していくのが正しい。それは他の諸国においても同様な
考え方を基本的にとっているのであって、私
どもも同じような
考え方で今後とも進んでいくべきであるというふうに
考えておるわけでございます。
民主党の
年金制度の改革案というのは、これまで数年の間にも幾つか変遷を経ておりますので、私
どもも、どういうところに民主党の
考え方の基本があるかということについてよくわからない面もあるわけですが、例えば、全部所得比例のものを基本的に置いて、そうして低所得の者には最低保障
年金のようなものを、これは税で賄って支給すべきであるというような
考え方もあったかと
思いますけれ
ども、いずれにいたしましても、その場合でも、やはり報酬比例あるいは所得比例の部分については、自助、共助の
考え方で
保険料の徴収が必要になるというように
考えられるのではないか、こういうように思って、見ておったわけでございます。
全額税金でやってしまう場合には、これはもう全くの福祉政策ということになるはずでありまして、そうなると、
生活保護との分界というもの、
考え方の区分というものをどこで立てていくのかというようなこともございまして、私
どもとしては、まだまだ
考えなければならない
問題点が非常に大きい、このように
考えております。