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岩國分科員 そこで、
院長のおっしゃった、国の金がと。要するに、国の金がというのは、
国税として入ってきたものが
地方に
補助金という形で出ていく。国を経由していった
お金がそういうところで適正に行われるということをきれいにする、見届ける、そして納得して次の
予算の編成に移る、これは大変大切なことですし、基本的なことだと思うんです。
しかし、そうした国の
補助金が、適正に行う意思もなければ能力もない、そして前歴もあるというところに、次の年、また同じように同じような
予算をつけていいのかどうかという検証が、余りにも
国会では薄弱だと思います。そういう
健康証明をもって初めて、また次の年も
国費の投入を認めるということでなくちゃいけないと思うんですね。
それからもう
一つ、
お金といいますのは、国に納める
お金と
地方に納める
お金があります、
地方の
税金。
地方の
税金についても、もっと徹底的にやらなきゃいかぬ。
そして、
外部監査制度が取り入れられて、
制度も法律も変わりました。しかし、国の
会計検査院とかなりその辺は様子が違って、
地方で
監査委員とか
監査委員会というのは、ある程度、市長とか知事とか、そういった者と面識、
関係が多かったり、よく調べたら実は親戚だったりとか同級生だったりとか、そういうケースがこれから出てくると、なかなか鋭い
検査というのはやりにくい
体質。
しかも、そのやりにくい
体質の方へ、これから
権限、
財源の移譲で行くわけですから、
日本の
税金、
国税経由だろうと
地方税直行であろうと、私は、今
会計検査の
機能と
責任が大切だということを何度も繰り返すのは、そういう
流れの中で、
日本の
税金そのものが、汚染された
使い方、不適正な
使い方というのは
全国に拡散されている。新しい
夜明けの
時代、いい
意味の
夜明けじゃないんですよ、新しい
夜明けの
時代を迎えているからこそ、私は、
会計検査院として、今までの発想、今までの
業務を超えたことをやっていただきたい。
さっきから申し上げますように、不
適正マニュアル、こうすればあなたも悪いことができます。例えば、お医者さんの書く本を余り我々が読めないのは、どうしたらあなたは健康になれるかばかり書いてあるからです。そうじゃなくて、こうやったらあなたは
病気になれますよ、こういう
病気にはこうやったらなれますよという、それの方が本当は
一般にわかりやすいんですよ。
会計検査院の
報告あるいは
皆さんの
業務解説というものを見ましても、このようにしなければならないと。こうやれば
裏金がつくれます、こうやればうまく不
適正支出ができます、そういうのが書いてあれば、そちらの方が本当は
一般の人にはわかりやすいんじゃないかと思うんです。
皆さんにはそんなことは必要ないかもしれない。だから、私は、そういうことも含めて、
国民的な啓蒙と
関心を持たせること、それが
中央の
会計検査院、そして
地方の
監査委員会の
皆さんの
仕事に対する
関心と期待を高めることになると思うんです。
私は
鬼平犯科帳の
愛読者でもありますけれども、外国に勤務しているとき、ずっとビデオを撮り、文庫を読み、全部やりました。
島根県の
県庁がやったことも、
鬼平犯科帳の中に書いてあります。あの土蔵に一年間に三千回も盗賊が侵入している、三千回も。しかも、何がとられたかもよくわからない。要するに、
県庁の不適正システムはこんなものですよ。何千回と
県庁の職員が土蔵に侵入しては、いろいろな空出張だとか官官接待、あるいは買ってもいない文房具を買ったことにする、そういう手口というのは
鬼平犯科帳の中にほとんどすべて網羅されています。
私は、鬼平の盗賊の中でどの盗賊が一番優秀かという本を書いたこともあります。最小の人数で、最小のコストで、人をあやめないで一番立派な
仕事をやった盗賊はどれなんだ。それはまさに盗賊ガイドブックみたいなものです。
そういう発想も私は必要だと思いますから、ぜひ、そうした啓蒙活動もしっかりと、
会計検査院としては、
自分たちの
仕事さえやっていればいいんだというだけではなくて、
病気にすれば後から治療だけじゃなくて予防的な方向に行くためには、
検査員というのは、何か依頼をされて、何か問題があったときにだけ行くというのではなくて、今の
時代は予防
行為が必要なところに来ている、この不
適正支出についても。
新しく採用された方に対する訓練
マニュアル、この訓練
マニュアルにも私は目を通しましたけれども、私は、もっともっとそういうことに対する危機感というものを、新規採用の職員に対しても、要するに国の
税金を
自分たちが守ってみせる、国の
行政機構の清潔さというものは
自分たちが守ってみせるという、ある
意味では官の中の官という
意識をもっと私は高揚されていいんではないかと思うぐらいに、比較的淡々としかここへ書かれておらないんですね。私は、大きな期待を持っているがゆえに、
皆さんにそれをお願いしたいと思います。
私は、出雲市長に就任して、それまで民間の会社におりましたから、民間の会社の社長車でも支店長車でも、どんなときでも自由に、昼でも夜でも使うのは当然でした。私は、四年を終えて、そして統一
地方選挙の時期を迎えて、助役が同行してずっといろいろな公務で回って、午後三時、私の後援会の方へ、日程が入っておりましたから会場へ向かおうとしました。そうしたら、ある街角で、出雲市の助役が私に言いました。市長さん、申しわけありませんが、ここでおりてください。ここでおりてくださいとは何事か、まだ会場まで大分あるのに。ここからは公務でございませんので、申しわけありませんけれども、タクシーに乗りかえてください。私は、この助役は立派だと思いました。普通、助役というのは、市長にそんなことを、気にさわるようなことは言わないものですよ。それを私は初めて教えられました。
私も、実はそういう感覚は少し麻痺しておったんですよ、そのときには。市長が公務の一端ぐらいに思って、そして選挙を控えて、後援会が全部集まっている会場まで公用車で行くことがいけないことだということを、確かに、考えたらいけないことだとは思いますけれども、つい感覚はそういうふうになっておったんですね。そして、私はおりてタクシーで行きました。私は、いいことを助役は
指摘してくれたと思うんです。たとえ
地方の都市といえども、公私の別をきちっとする、こうあるべきだなと私はそのとき初めてわかりました。
ことしの春の統一
地方選挙、私のところにも、現職の市長さんやあるいは助役さんがあいさつに来られます。ぜひ推薦をいただきたいとおいでになるんです。私は、そのとき、いつも秘書を下へ見張りに行かせます。その市長さんや助役さんが公用車で来るか来ないか、それから随行秘書がついてきているかどうか、運転手がついてきているか。ほとんど公用車で、そして秘書を連れて、もちろん運転手もいる。つまり、昼日中、三人の男が公務を離れてこっちへ来ているんですね。ガソリン代も使っています。恐らく高速の通行料金も払ったでしょう、区役所からここへ来るまで。
私は十何年前の出雲市の助役のその一言というものがあるがゆえに、これから規制改革をやります、役人に役所を改革できたためしなんかないよと私が言いますと、いや、私は徹底的にそれをやるんですと言いながら、徹底的にそれを無視している。公用車で来るわ、秘書は連れてくるわ、ガソリンは使うわ、そんなことを昼日中やって、私は、こういう人はとても推薦できないな、そんなことを思いました。
余計なお話を申し上げましたけれども、私は、ぜひ、こうした
裏金、不
適正支出ということについては、今だけではなくて毎年毎年やらなければならないと思う。そのためには、私は、
会計検査院の
皆さんにしっかりと立ち上がっていただいて、
会計検査院は少しやり過ぎじゃないかと言われるぐらいに、これから
地方の
時代の前ぶれ、先手をとって、
地方の
検査官も今まで以上に頑張るんだということをやっていただきたい、そのように思います。
そこで、議長に私は再度お願いいたしますけれども、こうした
裏金づくりを実行した、そのお手本とされるような人たちを私はこの
決算委員会で
参考人として招致していただきたいんです。
会計検査院の不
適正マニュアルというのはしばらくできそうにありませんから。やはり岐阜県の知事、あるいは、ああ、この方ならベテランだ、どうすれば実行できるかということをよく御承知だという方にここへ来てしっかりと答弁していただいて、それを我々
行政を
監視する方も
監視される
行政の方も
参考にして、一日も早くそういうことを回避すべきじゃないかと私は思います。
これは、以前
決算委員会でも私は申し上げてあります、
参考人招致ということについて。ぜひ理事会でこれを早急に
審議していただいて、結局は
国会というところは、非難する、要望する、しかし結果的にはなあなあで、またこれから一年間同じことが繰り返されるだろう。そのような目でこの
決算行政監視委員会が見られることは、私にとっては耐えられないことです。
国会の中で一番大切な
委員会の
一つじゃないかと思います。ある
意味では
予算委員会以上に必要ですよ。
予算委員会は、金を集めて使おうということ。しかし、国の大切な
お金がどのように使われたかということを、
国民の
皆さんに、一〇〇%適切に使いましたということを、
健康証明を発行できるのはこの
決算委員会であり、会計
院長ではありません。健康診断だけやっておいて、健康であるという証明書も発行できないようなお医者さんがどこにいますか。ぜひこれを理事会で徹底的にお諮りいただきたいと思います。
終わります。ありがとうございました。