○岩國
委員 こうした医療格差というものが全国的に広がり、しかも、格差そのものが拡大しているという認識は厚生省もお持ちだろうと私は思います。しかし、それは地方にだけ起きている問題ではなくて、東京のすぐそばの神奈川県でさえもそれは起きております。地方から見れば、神奈川県はもう十分首都圏。
その中で、神奈川県の保険医協会
理事長の平尾さんが、論文の中で、厚生省の将来の国民医療費負担というものは過大に推計されているんじゃないかという
指摘と、そしてもう一つは、神奈川県だけではなくて全国
各地で、
地域的にはありますけれ
ども、各市町単位でそうした医療費の増加というものを抑制し、患者負担を減らし、診療報酬を上げ、そして、国民医療費を減らすという方向に向けての、診療報酬そのものは国が決めることですからできませんけれ
ども、そうした、国全体で患者負担を減らし、診療報酬を上げ、しかし、国民医療費を減らす、この三つのセットでいろいろな努力をされている。ぜひ私は、この論文を
皆さんもお読みいただきたいと思います。これは、神奈川県の保険医協会の
理事長、平尾
理事長のものですけれ
ども。
全国
各地でどういう
取り組みがされているか、それを積み重ねていけば、長野県の例については
皆さんもよく御承知だと思いますけれ
ども、それを一つ一つ積み重ねることによって、決して将来の六十五兆円という恐ろしい数字だけ、それを早目にブレーキをかけなきゃいかぬ、そういう、
皆さんも、焦り、思い、緊迫感というのをお持ちだからこそ、早目早目に、こういう対応をされたと思います。
しかし、ブレーキのかけ方によっては、結局、医療行政あるいは安心できる
日本の医療の仕組みというものを壊しかねない。壊してしまっては、ブレーキを早くかけ過ぎて車がだめになったというんじゃ何にもならないわけですね。車を壊さない程度にブレーキはかけなきゃならないので、どういう方向に持っていくのか、
皆さんの方でぜひとも早急に再検討をしていただきたいと私は思います。
私は、出雲市長を務めましたときに、昔は衣食住ということを言いました。着るもの、食べるもの、住むところ、衣食住、だれでもわかることですね。私は、その言葉をかえて、治療の、医者の医にかえ、食べる食は職業の職。いいお医者さんがいて、いい職業がある、そして住む
環境があれば。私は、この医職住を私の政策公約、マニフェストに掲げて市長選挙を戦いました。
いろいろな御協力をいただいて、出雲市には国立の医科
大学もあり、県立の中央病院があり、その屋上からヘリコプターが出たり入ったりする。僻地のためにも非常に
活躍し、それでは開業医さんは大きな病院が来たから減ったかというと、開業医さんの数は人口当たりでも一位です、県内では。その上、難病研究所もある。易しい病気はすぐ近所の開業医さんに、ちょっと難しければ県立中央病院に、もっともっと難しければ医大の附属病院、もっともっともっと難しければ難病研究所もある。出雲市はおかげさまで、どこへも行かなくても、出雲市の中で簡単な病気から難しい病気まで全部手当てを受けられる。
県立中央病院が新設されたとき、私は言いました。安心して病気になってください。あの
建物を見ていれば、けんけんしてでも行けるところ、もう安心して病気になってください、私はそう言って歩きました。私が安心して病気になれと言うものですから、余り病気にならなくなってしまった。私はこういうことも大切だと思うんですね。医療
制度が充実している、お医者さんも多い、いつでも安心して病気になれると思うと、人間というのは逆に病気が減っていくものなんです。そういう心のある医療行政というのもやっていただきたい。
これは、自民党の青木幹雄
先生が参議院でおっしゃいました。隠岐島というところはお医者さんがいなくなる、赤ちゃんを産むのにその出雲市のヘリコプターで、昔は赤ちゃんはコウノトリが運んできましたけれ
ども、今は出雲市ではヘリコプターが赤ちゃんを運ぶ。それでもいいんです、そういうことに役に立てば。
そういう、
地域地域に合った医療行政というもの、神奈川県には神奈川県の、そして地方の県には地方の県に合ったような医療行政を、急ブレーキさえ踏めばスピードは落ちて安全運転になるんだ、それは本当に安全運転なのか、それこそが危険運転なのではないか、そのように私は思います。医療行政のあり方について、この十七年度決算だけにとどまらず、十八年から始まった新しい予算的な
措置も含めて、全面的な、早急な見直しというものは国民全員の願いではないかと私は思います。ぜひそういう方向でお願いしたいと思います。
次に、いわゆる二重国籍といいますか重国籍についてお
伺いしたいと思います。
これは、担当は法務省、おいでいただいていると思いますけれ
ども、フランス、スイスに在住しておられる
日本人の方からのいろいろな請願、陳情が相次いで来ていると思います。
最近は、これは
日本に限らず世界の流れですけれ
ども、留
学生がどんどん外国へ出かける。留学した結果として、あるいは海外勤務の結果として、あるいは企業そのものが海外へ移転した結果として、こういう国際結婚というものがふえ、また外国でお生まれになる赤ちゃんも多くなってきています。
そこで、国籍という、ややこしい、しかし一人一人にとっては大切な問題が激増しているわけですよ。この問題について、
日本は、そうした
日本国籍のほかに外国の国籍を持つという方向に緩和しつつあるのか、逆に、外国の国籍は持たせないという、いわゆる純血主義というんですか、方向に動いているのか、どちらの方で行政は対応しておられるのか、お聞かせいただけませんか。
〔古川(元)
委員長代理退席、
委員長着席〕