○竹島
政府特別補佐人 審判部門を分離すべしという
経済界の御
意見もありまして、それに関して、いや、独立行政
委員会というものは審判機能を持っているからこそ独立行政
委員会なんだ、だから今のままでいいんだ、そういう両方の
議論があるわけでございます。
それらをまさに、過去二年間、
内閣府の基本問題懇談会の審議事項の
一つの大きなテーマとして審議がされてきているわけでございまして、それが今月中に出てくるということでございます。
それを踏まえて我々としては対応するし、その後、
関係方面との調整という問題が残っていると思っておりますが、私なり
公正取引委員会の考え方は、これは先ほども申し上げましたように、
公正取引委員会というのは三条機関、八条機関ではないわけでございまして、諮問する立場にあるわけじゃなくて、自分自身が行政権をみずから行使できるという、大変独立性の高い、
日本の
政府の中では大変希有な存在として認められているわけでございまして、そういう行政
委員会が審判機能を持つことがどうなのか、こういうふうにやはり考えるべきだろう。
それで、もう
一つ申し上げたいのは、もしもそれが、審査と審判を同じ傘のもとでやっているがゆえに、審判の結果である審決が何らかゆがめられているということであれば、その後、東京高裁、最高裁ということがあるわけなんで、そういうところでそれは是正されるはずなんであります。過去を見ましても、
実質的なところで、事実認定がおかしいとか法の
適用が間違っているとかいうようなことで、
実質的な事案の処理について裁判所で負けたことはないわけでございます。
そういう
意味で、私ども、審査と審判が同じ傘のもとにあって、最終的には
委員会が、審判官が当然独立してはやってきていますけれども、その審判官が出してくる審決案というものを
委員会としてきちっと吟味した上で、
委員会として審決を出すわけでございますが、そういうことについて、実績から見ても、きちんと今までやってきているなと思っているわけです。
したがって、ほかの国はそうじゃないじゃないかと、確かにそれぞれの国で違います。審判というものを外に出しているところもあります。内部にあっても、
アメリカのように行政判事というものがおりまして、これが各役所に、例えば連邦取引
委員会に派遣されて、それがヒアリングといういわば
日本の審判に当たるようなことをやっているというようなことで、それぞれ事情が違います。
これは、それぞれの国のやはり立て方が違うわけでありまして、ほかの競争当局がこうだから
日本もというのは、私はちょっと、全体の
位置づけというものを見失った、その部分だけに注目した
議論で、うまくいかないんではないか。
日本の場合に行政判事という
制度もありませんし、ほかの
制度においてだって、特許庁における特許の不服はやはり特許庁の審判官がやっているわけでございまして、それでも問題があれば高裁に行くという建前になっているというようなことです。
証券取引等監視
委員会は八条機関でございますし、それがそうだからこっちもそうであるべきだとかいうことには、私は機械的には言えない。むしろ、
日本にはどっちがよりふさわしいんだ、審判をやめちゃって、いきなり
地方裁判所に排除措置命令の取り消し訴訟を行うという方がいいのかどうかというのは、やはり
日本の
実態を見て、また実績を見て御判断いただきたい。
私どもは、現行
制度が基本的にはいいと。ほかの条件が全部そろって行政審判庁みたいなものができて、あらゆることをそこでやりますというようなことに変われば、またそれはそのときでございますが、そうでもない現段階において審判をやめるというようなことは、結局、行政
委員会の機能を弱化させるということになるし、当事者にとっての実害も起きていないというふうに私は思っております。