○平
委員 自由民主党の平将明でございます。よろしく
お願いをいたします。
まず、質問ですけれども、中小
企業の資金繰りと金融の環境についてお話をさせていただきたいと
思います。
新貸金業が昨年の末に成立をいたしました。グレーゾーン金利が二年後を目途に撤廃をされるということになっているわけでありますけれども、あれから半年がたちました。法律が成立をしてすぐに、ノンバンクに対しての大銀行からの貸し出しは非常に収縮をしました。ノンバンクに対しては、早く金を返せ、銀行の側はそういう圧力を強めていったわけであります。その結果、どういうことが起きているかというと、今度は、ノンバンクが今まで貸していた
事業向けの資金を絞っていく、回収に入る、こういう
状況が見てとれるんだと
思います。
なぜそういう話をするかというと、私も入って四年ほど前にミドルリスクの銀行をつくりましたけれども、今もその経営を見ていますけれども、ミドルリスクの貸し出しに対する銀行の申込件数が急激にふえているんですね。もう
一つは、これは非常にまずいなと思っているんですけれども、ここ一カ月から一カ月半ぐらい、デフォルト比率、いわゆるつぶれちゃったという比率が、これも急速に上昇傾向にあるんですね。
中身を具体的に見ていくと、建設業、これはもう前からだめだったですね、建設業はちょっとデフォルト比率が高い。卸売業、これも引き続き高い水準にある。ここ最近顕著にあるのが飲食業です。飲食業のデフォルトがふえている、倒産傾向がある。あともう
一つは、突然死がふえているんですね。ある日突然弁護士が介入をしましたというようなことがふえています。
これをまた、さらに中身を見ていくと、どうして突然死をしたのか、どうして
会社が立ち行かなくなったのかということを見ると、うちの銀行と並立して借りていたノンバンクからの借りかえができなくなった、そういう事情があるわけです。
ですから、私、この法律が成立する過程の中で、ずっとその懸念を言っておりましたけれども、半年たって、ちょっとその傾向が出てきて、これがまた下がれば、デフォルト比率が下がってくれば、それにこしたことはないんですが、もしこの傾向がさらに強くなることがあるのではないか、そういう懸念を持っています。
さらにいえば、この間の
委員会の質問でもお話をさせていただきましたけれども、普通の銀行だったら、担保をとって低い利息でお金を貸すんですね、そのかわり、土地を担保にとる、第三者保証をとる、大体二%とか三%とか四%。その次のミドルという我々がやっているゾーンというのは、ほとんど今ないです。新銀行東京もちょっと今調子が悪いですし、余り担い手がいない。その次にグレーゾーンとなるんですね。ここのグレーゾーン、確かに消費者金融なんかのいろいろな社会問題がありましたから、その法律も当然意義があると
思いますけれども、小さい
ビジネスながらリスクをとって
ビジネスをする人たちにとっては、意外とここを使って、意外と日常的に商売をして、継続的に
事業をしていたりするんです。
このグレーゾーンがなくなるということが決まったときに、今までの経験からいくと、グレーゾーンでお金を借りていた人たちは、ミドルがないからグレーゾーンに行かざるを得なかった、銀行からお金が借りられない、本来ならミドルの金利、五から一五でお金を借りればいいんだけれども、その担い手がいないからグレーゾーンに行った。そういうパターンもあるわけですね。
そうすると、そのグレーゾーンの人をいわゆる経済合理性で、ミドルで救えるのは三割なんですよ。三割はミドルで救える、そういう認識を持っていたんですけれども、最近の傾向としてどういうことが起きてきたか。要は、ミドルの銀行がラストリゾートになっちゃったんですね。ここが最後のとりでになって、ここに殺到してくるわけですよ。そうすると、ミドルの銀行は、今までリスクをとってお金を貸していた。でも、ミドルの銀行でもお金が借りられなければグレーゾーンに行くことができたから、ある
程度リスクがとれたんですけれども、ミドルのリスクの銀行がラストリゾートになったので、我々自身、ミドルリスクの銀行自体もデフォルト比率をコントロールしなきゃいけないですから、三割救えるなと思ったのが、三割も救えなくなってくるということですね。
だから、グレーゾーンはなくなる、グレーゾーンがなくなって、ミドルの金融がラストリゾートになるから、ミドルもリスクがとれない、こういったことが現実に起きてきているんだと
思います。
そういった
意味でいくと、金融ビッグバンをやって、BIS基準を入れて、ある日突然銀行がお金を貸してくれなくなった、借りかえに応じてくれなくなった。中小
企業の側は、何が何だかわからないうちに資金繰りが破綻をしてしまったという、貸し渋り、貸しはがしのことがありましたけれども、今回は、もっと全然規模は小さいんですが、ただ、当事者は物すごく多いんですね。スモール
ビジネスですから、個人でやっている飲食業なんかも入りますから。ですから、また、あの二の舞が、ちょっと金額的には小さいスケールであるけれども、該当する人はかなり多くの人が該当する。そういったことが起きるのではないかというふうに思っています。多分、これは最前線の情報ですから、もうしばらくすると、皆さんの耳にも公のルートを介して入ってくるんだと
思います。
こういうことを考えれば、これは、金融庁の問題にも絡みますけれども、リアルな問題を対処しようとすると、省庁関係ない話でありまして、特に、中小
企業の貸し渋り、貸しはがしの際は、当時の通産省がセーフティーネットを準備したという経緯もあります。このようなことをやはりよくウオッチして、しかるべきセーフティーネット、そういうことが起きなければ、それはそれにこしたことはありませんけれども、いざ、わっと枯れ草に燃え広がるような広がりを見せたときに、迅速にその対応ができるように、現場をよく観察をして事前に準備をしておく必要があると
思いますけれども、経産省のお考えをお尋ねしたいと
思います。