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中山(成)
委員 ぜひ国語の時間を充実させてほしいなと。何といっても一番、原点だと思うんですね。先ほど言いましたように、フランスはさすがに母国語を大事にしているなと。百六十三時間、飛び抜けていますよね。このことは大事なことだと思っています。
基礎学力もそうですが、私はここで、
日本の歴史
教育について触れないわけにはいきません。
今、
安倍総理もいろいろと、本当に宸襟を悩ませているんじゃないかと、こう思うわけでございますが、今、アメリカの下院におきまして、
日本のいわゆる従軍慰安婦の非難決議案が出ていまして、
安倍総理に謝罪を求めているわけでございます。
この案文を読んでみますと、本当にひどいことが書いてあるんですよ。
日本の兵隊
たちが若い女性を性的奴隷化した、そして集団的暴行、強制中絶、性的
暴力を加えた二十世紀最大の人身売買である、だから
総理大臣に、謝罪しろ、こういうことになっていまして、
日本の
国民の皆さん方は
余りお知りになっていないかもしれないけれども、まさにそれがあるいは採択されるかもしれないという話になっているわけでございまして、とんでもないことだ、私はこのように思うわけです。
そもそも、このいわゆる従軍慰安婦の問題、私
たちは、
余り口にしない、そういった
気持ちがあるんですよ、お互いに
思いやって。だけれども、国際社会において
日本がそういうふうな非難を受けているということであれば、きょうはテレビも入っていますし、
国民の皆さん方にもぜひ理解していただきたい、このように思うわけでございます。
そもそも、この従軍慰安婦という
言葉が、もともとなかったんですけれども、初めて出てまいりましたのは、一九八三年に吉田清治という人が、
自分は済州島において慰安婦狩りをした、強制連行した、こういう本を書かれたんですね。それで、ある新聞が大々的なキャンペーンをいたしました。そして、それがひとり歩きしたんですけれども。不審に思った韓国の女性の、これは記者でございますけれども、済州島に行って実際調査したら、そういう事実はなかったということがはっきりしたわけです。それで、後には、この吉田清治さんという方も、実はあれはうそだったということを告白されたわけですけれども、これがひとり歩きをしている。これはまさに国際的な大きな問題になっているということを私
たちは知らなければいけない。
そしてまた、
日本の弁護士が韓国に行きまして、だれか従軍慰安婦の訴訟をしませんか、こういう募集をしたんですね。ですから、この問題というのは、
日本人がまいた種なんですよ、はっきり言って、
日本人がまいた種。
そして、私は
日本の
外交にも問題があったと
思いますけれども、歴代その場しのぎの対応をしてきた、そのことが、今
安倍総理の本当に胸を痛めていることなんじゃないか、このように実は
考えるわけでございます。
はっきりここで申し上げた方がいいと
思いますけれども、私は三つのことを申し上げたいんですね。
一つは、今は私
たちは
考えられませんが、当時は公娼制度というのがございました。いわゆる売春というのが、これは商行為として認められていたわけですね。そのことを私
たちはまず知らなきゃいけません。
二つ目は、この慰安婦と言われる方々、ほとんどは
日本人だったんですね。
日本の女性だったということ。
私は、浅田次郎さんという作家、大好きなんでいつも読んでいますけれども、一番最近の、買いました本、これは「月島慕情」という本でございますが、最初にこういう文章がございます。
明治二十六年の巳年の生まれだからミノと名付けられた。ふるさとの村には同い齢のミノが何人もいたが、一回り上にも大勢いたはずの同じ名前の娘
たちは、ミノが物心ついたときにはみな姿を消していた。ひとつ齢上のタツも、ふたつ齢上のウノの場合もそれは同様だから、世代を超えた同じ名の娘はいなかった。
雪がとけるころ何人もの人買いがやってきて、
小学校をおえた娘
たちを連れてゆくのだった。
行先のほとんどは上州か諏訪の製糸工場だったが、とりわけ器量の良い娘は東京へと買われた。そういう娘は値がちがうから、果報だと噂された。
こういうふうな文章があります。
私の郷土宮崎、ゴルフのダンロップオープンが開かれるシーガイアというところがございます。佐藤棟良さんという方がつくられたんですけれども、残念ながら、バブルの崩壊で外資の手に渡りました。四十近い、
自分が手塩に育てたそういう会社も全部売られてしまった。
その方から、この前、手紙が来ました。八十八歳になった、元気だ、しかし、
自分が一生懸命やったあの施設がまだまだ赤字らしい、何とかみんなの力で観光宮崎を少しアピールしてほしい、そういうふうな
思いでございまして、創業者として大変つらい
思いをされたと思うんです。
自分の育てた企業が買われてしまった。
その文章の一番最後に、こういう
言葉がありました。私は、
小学校のときに同級生の女の子が売られていったことを忘れることはできない。多分、私は、佐藤さんの好きな女の子だったんじゃないかなと。このことを八十八歳にもなってまだ
思い出している。そういう
時代だったということを私
たちは知らなきゃいかぬと思うんです。
三つ目に申し上げたいのは、これは
総理もしょっちゅう言っていられます、悲惨な境遇の女性
たち、同情を禁じ得ないし、本当に大変だったんだろうと思うと。そのとおりでございまして、この言ったところにも書いてあります。苦界に身を沈めてなかなか逃れられないたくさんの方がいらっしゃったことも事実でございます。
しかし一方で、そうでないところというのもあるわけでございまして、これはまさにアメリカの資料にあるわけですけれども、第二次
世界大戦中、
日本が占領したところを次々にアメリカが取り返していきました、奪い返していった。ビルマの戦線でアメリカの情報部が調べた記録が残っている。
それによりますと、慰安婦の一カ月売り上げが千五百円、これを経営者と慰安婦で半々、五分五分で取っていた。だから、七百五十円、慰安婦の手取りだったと。当時、
日本の一般の兵隊さん
たちの給料というのは七円五十銭、軍曹が三十円だったそうでございます。七円五十銭と七百五十円、百倍の違いがあるわけですね。私
たちの給料が今三十万とすると、三千万ですよ。やはり、こういうもうかる商売であったということも実は事実でございます。
先ほど、
日本の弁護士が韓国に行って、従軍慰安婦の訴訟をだれかしませんかと言って、手を挙げた方がいらっしゃいます。その女性の方は、実はもう一つの訴訟も起こしていました。これは何かというと、戦後、預金封鎖された、これを返してくれ、そういう訴訟でございました。その金額は、何と二万六千円でございます。二万六千円、当時の貨幣価値からいいますと、千円あると豪邸が建ったそうであります。だから、二万六千円というのはいかに大きな金額であったか。こういう事実もあるわけでございまして、そういったことも
日本人としてしっかり知っておかないと、私は何を申し上げたいかというと、
安倍内閣は、美しい国と言われます。この
日本に住む私
たちも本当に美しい
日本人になりたい。
学力も
規範意識も大事です、しかし、気概を持たなきゃいけない、気力を持たなきゃいかぬ。そういう
意味で、
日本人同士、信義を大切にし、何といっても先祖を敬うことも私は大事だと思うわけでございます。
本当に、大変な
思いをされた女性の方々の尊厳を大事にすることも大事ですけれども、
日本人の尊厳、特に、前の大戦で命を落とされたたくさんの兵士の方々、あるいは広島、長崎、さらに大空襲で命を落とされたたくさんの
日本人、あるいは満州で百五十万の
日本の方々が悲惨な体験をされた、そういったことについてもやはり
思いをいたして、私
たちは
国づくりをしなきゃいかぬ。そういう
意味で、ちょっと時間をとりましたが、申し上げたところでございました。
そこで、伊吹文科
大臣に質問いたしたいんですけれども、ことしは高校二年生の教科書の検定がございました。その中で、歴史教科書の中に、まだまだ従軍慰安婦とか強制連行という
言葉が残っているんです。
安倍総理、我々はずっと、この
言葉を何とかなくしたい、なかったことが教科書にあるんだから、なくそうという運動をしてきて、幸い、
中学校の歴史教科書からこの文言は消えました。しかし、高校にはまだ残っている。私は担当課に聞きました、どうして残っているのと。いや、小
中学校と高校は違うんですと。何が違うのか。小
中学校の教科書は無償だけれども、高校の教科書は有償だから、
余り文科省としては強く言えないんだと。私はあきれました。
検定制度というのはそういうものですか。有償、無償で違うんですか。お答えいただきたいと
思います。