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2007-04-18 第166回国会 衆議院 教育再生に関する特別委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    特別委員会平成十九年四月十三日(金曜日)議院において、教育再生に関連する諸法案を審査するため設置することに決した。 四月十七日  本特別委員は議長の指名で、次のとおり選任された。       赤池 誠章君    井澤 京子君       井脇ノブ子君    伊藤 忠彦君       稲田 朋美君    稲葉 大和君       猪口 邦子君    大島 理森君       亀岡 偉民君    河村 建夫君       木原 誠二君    小坂 憲次君       鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君       とかしきなおみ君    中山 成彬君       西村 明宏君    西本 勝子君       馳   浩君    原田 憲治君       平田 耕一君    二田 孝治君       保利 耕輔君    松本 洋平君       やまぎわ大志郎君    安井潤一郎君       山内 康一君    若宮 健嗣君       川内 博史君    北神 圭朗君       田島 一成君    田嶋  要君       高井 美穂君    西村智奈美君       野田 佳彦君    牧  義夫君       松本 大輔君    横山 北斗君       笠  浩史君    伊藤  渉君       大口 善徳君    西  博義君       石井 郁子君    保坂 展人君       糸川 正晃平成十九年四月十八日(水曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 保利 耕輔君    理事 大島 理森君 理事 河村 建夫君    理事 小坂 憲次君 理事 鈴木 恒夫君    理事 中山 成彬君 理事 野田 佳彦君    理事 牧  義夫君 理事 西  博義君       赤池 誠章君    伊藤 忠彦君       稲田 朋美君    稲葉 大和君       猪口 邦子君    木原 誠二君       木原  稔君    北村 茂男君       鈴木 馨祐君    鈴木 俊一君       西村 明宏君    西本 勝子君       橋本  岳君    馳   浩君       原田 憲治君    平田 耕一君       藤田 幹雄君    二田 孝治君       松浪 健太君    武藤 容治君       やまぎわ大志郎君    安井潤一郎君       山内 康一君    若宮 健嗣君       北神 圭朗君    田島 一成君       田名部匡代君    高井 美穂君       西村智奈美君    平岡 秀夫君       松本 大輔君    横山 北斗君       笠  浩史君    伊藤  渉君       大口 善徳君    石井 郁子君       保坂 展人君    糸川 正晃君     …………………………………    議員           藤村  修君    議員           牧  義夫君    議員           笠  浩史君    議員           田島 一成君    議員           高井 美穂君    議員           松本 大輔君    文部科学大臣       伊吹 文明君    文部科学大臣      池坊 保子君    文部科学大臣政務官    小渕 優子君    衆議院調査局教育再生に関する特別調査室長     清野 裕三君     ————————————— 委員の異動 四月十八日  辞任         補欠選任   井脇ノブ子君     藤田 幹雄君   亀岡 偉民君     北村 茂男君   木原 誠二君     鈴木 馨祐君   とかしきなおみ君   橋本  岳君   西村 明宏君     松浪 健太君   松本 洋平君     武藤 容治君   川内 博史君     平岡 秀夫君   田嶋  要君     田名部匡代君 同日  辞任         補欠選任   北村 茂男君     亀岡 偉民君   鈴木 馨祐君     木原 誠二君   橋本  岳君     とかしきなおみ君   藤田 幹雄君     井脇ノブ子君   松浪 健太君     西村 明宏君   武藤 容治君     木原  稔君   田名部匡代君     田嶋  要君   平岡 秀夫君     川内 博史君 同日  辞任         補欠選任   木原  稔君     松本 洋平君     ————————————— 四月十八日  保利耕輔君委員長に当選した。 同日       大島 理森君    河村 建夫君       小坂 憲次君    鈴木 恒夫君       中山 成彬君    野田 佳彦君       牧  義夫君    西  博義君  が理事に当選した。     ————————————— 四月十八日  日本国教育基本法案鳩山由紀夫君外五名提出衆法第三号)  教育職員資質及び能力向上のための教育職員免許改革に関する法律案藤村修君外二名提出衆法第一六号)  地方教育行政の適正な運営確保に関する法律案牧義夫君外二名提出衆法第一七号)  学校教育環境整備推進による教育振興に関する法律案笠浩史君外二名提出衆法第一八号)  学校教育法等の一部を改正する法律案内閣提出第九〇号)  地方教育行政組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第九一号)  教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案内閣提出第九二号) は本委員会に付託された。 四月十八日  「改正教育基本法廃止を求めることに関する請願高橋千鶴子紹介)(第五七号)  憲法九条を守り、「改正教育基本法廃止に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第五八号)  同(石井郁子紹介)(第五九号)  同(笠井亮紹介)(第六〇号)  同(穀田恵二紹介)(第六一号)  同(佐々木憲昭紹介)(第六二号)  同(志位和夫紹介)(第六三号)  同(塩川鉄也紹介)(第六四号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六五号)  同(吉井英勝紹介)(第六六号) は去る二月二十日文部科学委員会に付託されたが、これを本委員会に付託替えされた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員長及び理事互選  学校教育法等の一部を改正する法律案内閣提出第九〇号)  地方教育行政組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第九一号)  教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案内閣提出第九二号)  教育職員資質及び能力向上のための教育職員免許改革に関する法律案藤村修君外二名提出衆法第一六号)  地方教育行政の適正な運営確保に関する法律案牧義夫君外二名提出衆法第一七号)  学校教育環境整備推進による教育振興に関する法律案笠浩史君外二名提出衆法第一八号)      ————◇—————     〔二田委員委員長席に着く〕
  2. 二田孝治

    二田委員 これより会議を開きます。  衆議院規則第百一条第四項の規定によりまして、委員長が選任されるまで、私が委員長職務を行います。  これより委員長互選を行います。
  3. 牧義夫

    牧委員 動議提出いたします。  委員長互選は、投票によらないで、保利耕輔君委員長に推薦いたしたいと存じます。
  4. 二田孝治

    二田委員 ただいまの牧義夫君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 二田孝治

    二田委員 御異議なしと認めます。よって、保利耕輔君委員長に御当選になりました。     〔拍手〕  委員長保利耕輔君に本席を譲ります。     〔保利委員長委員長席に着く〕
  6. 保利耕輔

    保利委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま委員各位の御推挙によりまして、委員長の重責を担うことになりました。  国民が注視している事項でございますので、委員各位の御指導と御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じます。  何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  7. 保利耕輔

    保利委員長 これより理事互選を行います。
  8. 牧義夫

    牧委員 動議提出いたします。  理事は、その数を八名とし、委員長において指名されることを望みます。
  9. 保利耕輔

    保利委員長 ただいまの牧義夫君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 保利耕輔

    保利委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に       大島 理森君    河村 建夫君       小坂 憲次君    鈴木 恒夫君       中山 成彬君    野田 佳彦君       牧  義夫君    西  博義君 以上八名の方々を指名いたします。  この際、暫時休憩いたします。     午前十時三分休憩      ————◇—————     午前十一時開議
  11. 保利耕輔

    保利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出学校教育法等の一部を改正する法律案地方教育行政組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案並び藤村修君外二名提出教育職員資質及び能力向上のための教育職員免許改革に関する法律案牧義夫君外二名提出地方教育行政の適正な運営確保に関する法律案及び笠浩史君外二名提出学校教育環境整備推進による教育振興に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。伊吹文部科学大臣。     —————————————  学校教育法等の一部を改正する法律案  地方教育行政組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案  教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案     〔本号末尾掲載〕     —————————————
  12. 伊吹文明

    伊吹国務大臣 ただいま議題となりました三法案について、逐次その内容を御説明申し上げます。  まず、このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  昨年、約六十年ぶり教育基本法改正され、新しい時代に求められる教育理念法律上明確になりました。  近年の教育を取り巻くさまざまな問題を解決し、内閣の最重要課題である教育再生を実現するため、改正教育基本法理念のもと、学校における教育目標を見直すとともに、組織運営体制及び指導体制充実を図ることが必要であります。  この法律案は、このような観点から、義務教育目標を新たに定め、各学校種目的等を見直すとともに、学校に置くことができる職として新たに副校長等を設ける等により、学校教育充実を図るものであります。  次に、この法律案内容概要について御説明申し上げます。  第一に、改正教育基本法において明確にされた教育理念を踏まえ、義務教育目標を定め、各学校種目的等に係る規定を見直すとともに、学校教育法規定する学校種の順序について、教育を受ける者の発達段階等を踏まえ、幼稚園から規定することとするものであります。  第二に、学校は、教育活動等状況について評価を行い、改善のための措置を講ずることにより、教育水準向上に努めるものとするとともに、保護者等との連携協力推進するため、教育活動等状況について情報を提供するものとするものであります。  第三に、大学等は、学生以外の者を対象とした特別の課程を修了した者に対し、証明書を交付することができることとするものであります。  第四に、学校組織運営体制及び指導体制充実を図るため、小学校中学校等に置くことができる職として、新たに副校長主幹教諭指導教諭を設け、これらの職務内容をそれぞれ定めるものであります。  このほか、所要規定整備を行うことといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要でございます。  次に、地方教育行政組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  国民から信頼される教育行政を実現するためには、教育基本法改正を踏まえ、地方における教育行政の中心的な担い手である教育委員会が、より高い使命感を持って責任を果たすとともに、国と地方の適切な役割分担を踏まえつつ、教育に国が責任を負える体制を構築していくことが必要であります。  この法律案は、このような観点から、教育委員会責任体制明確化体制充実教育行政における地方分権推進と国の責任の果たし方等について所要措置を講ずるものであります。  次に、この法律案内容概要について御説明申し上げます。  第一に、合議制教育委員会がみずから管理執行し、教育長に委任することができない事項を明確にするとともに、教育委員会事務管理執行状況の点検、評価制度化を図るなど、教育委員会責任体制明確化するものであります。  第二に、市町村教育委員会共同設置等に努めることとするとともに、市町村教育委員会事務局指導主事を置くよう努めることとするなど、教育委員会体制充実を図るものであります。  第三に、地方公共団体の長が、スポーツ、文化に関する事務管理執行することができることとするとともに、県費負担教職員の転任については、市町村教育委員会の内申に基づいて行うこととするなど、教育地方分権推進するものであります。  第四に、教育委員会事務管理及び執行が法令に違反する場合またはその管理及び執行を怠るものがある場合において、緊急に生徒等生命身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、文部科学大臣は、教育委員会に対し是正改善の指示ができることとするなど、教育における国の責任の果たし方を見直すものであります。  第五に、都道府県知事は、私立学校に関する事務について、必要と認めるときは、都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求めることができることとし、私立学校に関する教育行政充実を図るものであります。  このほか、所要規定整備を行うことといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要でございます。  最後に、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  学校教育の成否は教員資質能力に負うところが大きく、教育基本法改正を踏まえ、教員全体への信頼を高め、全国的な教育水準向上を図ることが重要であります。  このため、教員が、社会構造の急激な変化等に対応して、最新の知識技能を身につけ、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得られるようにする必要がある一方、指導が不適切な教員に対しては、厳格な人事管理実施を通じて毅然と対応する必要があります。  この法律案は、このような観点から、教育職員免許更新制の導入及び指導が不適切な教員に対する人事管理について、必要な事項制度化を図るものであります。  この法律案内容概要について御説明申し上げます。  第一に、教育職員普通免許状及び特別免許状に十年の有効期間を定め、更新制を導入するとともに、勤務実績不良等により分限免職の処分を受けた教員免許状の効力を失わせることとするものであります。  なお、既に授与されている普通免許状または特別免許状を有している教員にも、十年ごと更新講習を課すものであります。  第二に、公立小学校等教諭等任命権者は、児童等に対する指導が不適切であると認定した者に対して指導改善を図るための研修実施しなければならないこととするとともに、研修の終了時の認定において児童等に対する指導を適切に行うことができないと認める者に対して、免職その他の必要な措置を講ずることとするものであります。  このほか、所要規定整備を行うことといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要でございます。  三法案につきまして、何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。  ありがとうございました。
  13. 保利耕輔

  14. 藤村修

    藤村議員 ただいま議題となりました教育職員資質及び能力向上のための教育職員免許改革に関する法律案を趣旨説明させていただきます。  このたび、約六十年ぶり教育基本法が改定され、政府は、中教審答申も踏まえて教育職員免許法改正提案されています。ただし、その内容は、簡単に言えば、教員免許状に十年の有効期間を設け、十年ごと免許状更新講習実施し、修了した者に免許状有効期間を更新するだけのものであります。  民主党は、何より、教員免許見直しを行うなら、教員養成段階に手をつけない限り何ら抜本的な改革にはならないと考え、ただいま議題となりました民主党提出のいわゆる免許制度改革法案提案いたしました。  民主党案のポイントは、第一に、教員養成段階教員となる者の大幅な資質向上を図るために、教員普通免許状については、現在の四年制大学修了から、さらに一年間の教育実習を含む二年間の修士修了者免許することといたしました。  第二に、修士を経て教員の職についた者が、実務経験八年以上を経た後に、さらに教職大学院大学で一年の専門的な教育を受けて、今日までにはない専門免許を創設して、いわゆるスーパーティーチャー資格を設けることといたしました。  第三に、免許状には政府案のように十年の有効期間は設けないものの、原則として免許授与後十年ごと講習を受け修了認定することとし、また、専門免許にはこれら講習の必要がない仕組みといたしました。  このように、民主党案では、養成段階での大幅資質アップ、さらにスーパーティーチャー資格の新設、十年ごと講習修了認定仕組みなどを盛り込んだ、内容の厚いものとなっております。  以下、法案内容概要を御説明いたします。  第一に、本法案は、教育職員免許状制度改革について基本的な理念と方針を定めるもので、教育職員が高度の専門性と豊かな人間性が求められる職業であることを踏まえ、その養成段階において、教職員としての使命感を涵養しつつ、その職務をつかさどるための必要な資質及び能力を確実に修得させるとともに、実務についた後においても、研究と修養の機会を十分に与え、その資質能力の一層の向上を図ることができるようにし、並びに教育職員資格付与等に関し国が果たすべき役割責任を明確にする等を基本にしています。  第二に、免許状子供発達段階に適切に対応したものとするため、教諭普通免許状及び特別免許状は、現行学校種別でなく、幼稚園小学校初等教育学校、中学、高校の中等教育学校、そして特別支援学校三つに区分すること。また、教諭普通免許状は、専門免許状及び一般免許状に区分すること。専門免許状は、一般免許状を有し、教育実務等に八年以上携わった者が、教職大学院において三つ分野、すなわち、学校経営教科指導、生活・進路指導等の各専門分野における高度な資質能力を修得するための必要な科目の単位を得た者に授与し、一般免許状も、現行制度で学士の資格のところを修士資格とすることといたしました。  第三に、民主党は、日本国教育基本法案においても提案のとおり、普通教育に関し国が最終的な責任を有することにかんがみ、普通免許状文部科学大臣が授与するものといたしました。  第四に、免許状は、原則として十年ごとに、知識技能に関する講習模擬授業を中心とする演習等から成るおおむね百時間程度の講習を受講し、その修了認定を受けなければならないこととすること。最初の十年経過の際の講習は、教育公務員については、義務づけられている十年研修制度をもってこれに当てることを想定しております。また、専門免許状取得者は、いわゆる十年ごと講習対象者とはしないことといたしました。  以上が、民主党教員免許改革法案説明でございます。  議員各位におかれましては、何とぞ、十分な御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。
  15. 保利耕輔

  16. 牧義夫

    ○牧議員 引き続いて、民主党のいわゆる学校教育力向上法案の一つであります地方教育行政の適正な運営確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要について御説明申し上げます。  今、教育現場では、教育格差の問題、いじめ、不登校、学力低下子供をめぐる痛ましい事件の続発など、毎日問題が起こっており、こういった問題の解決、改善が求められております。  しかし、きめ細やかな対応が必要な問題であっても、現在の教育行政は、国が学習内容を決め、都道府県教職員の採用や人事を決め、市区町村学校設置管理を行うなど、責任所在がばらばらの実態がございます。さらに、地方自治体においても、教育予算編成など教育財政首長が決め、教育行政については教育委員会が行うといった二元行政仕組みになっており、民主党は、こうした仕組み改善することが今の学校教育現場及び教育行政に求められていることだと考えております。  民主党は、今国会にも再提出をいたしております日本国教育基本法案において、普通教育義務教育について、学校主権の確立と、いざというときの国の最終責任を明確にいたしました。その上で、各学校活動について基礎自治体も大いに支援する必要があり、そのためには、地方公共団体が行う教育行政についても大きく改革しなければならないと考え、教育財政責任を持つ地方自治体首長教育行政にも責任を持ってその任に当たる方が、今の教育現場を日々よりよくしていくためには望ましいと考えております。  政府与党は、こうした教育行政改革に本気で取り組んでおらず、今回も小手先見直しにとどめ、根本的な改革は先送りとなっております。  こうした無責任政府与党に対し、私ども民主党は、既に昨年の臨時国会において教育行政改革する本法律案提案し、今回、改めて学校教育力向上させるための法律案として再提出したところでございます。  以下、本法案の主な内容について御説明申し上げます。  本法案は、民主党提案している日本国教育基本法案理念に基づき、地方公共団体における教育行政の民主的かつ適正な運営を図るため、地方公共団体による教育機関設置及び学校理事会教育監査委員会等に関し、必要な事項を定めようとするものであります。  第一に、責任所在が不明確な教育委員会廃止し、その事務地方公共団体の長に移管することとしております。  第二に、地方公共団体に新たに教育監査委員会設置し、地方公共団体の長に移管された事務実施状況に関し、必要な評価、監視を行い、長に対しその改善のために必要な勧告をすることとしております。  第三に、地方公共団体設置する学校ごとに、保護者地域住民校長等から構成される学校理事会設置し、各学校において主体的、自律的運営を行うこととしております。  第四に、公立学校教職員任命は、すべて設置者である地方公共団体の長が行うこととしております。また、設置者である地方公共団体の長は、いわゆる指導力不足教員がある場合に、引き続き児童等に不適切な指導等が行われることがないよう必要な措置を講ずることとしております。  最後に、政府提出地教行法改正案は、現在の教育行政仕組みを温存したままの小手先見直しにとどまっており、責任所在は依然として不明確であります。  いじめや未履修を初めとするさまざまな教育現場の問題は、今の教育行政の弊害も大きな原因の一つとして引き起こされた問題であることは間違いありません。したがって、民主党は、責任政党として、学校教育力向上を目指し、教育問題における責任所在を明確にすることを前提に、教育行政のあるべき姿として、本法律案提案した次第であります。  何とぞ、十分御審議の上、御賛同くださいますようによろしくお願いを申し上げます。(拍手
  17. 保利耕輔

  18. 笠浩史

    ○笠議員 引き続きまして、民主党学校教育力向上法案の一つであります学校教育環境整備推進による教育振興に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要について御説明申し上げます。  現在、我が国の公教育に関する公財政支出の割合は、先進国の中で最低の水準になっています。一方で、教育費が占める家計の負担は最高水準です。こうした状況の中で、教育格差、学力格差などの問題が深刻になっています。親の経済力によってその子供の学びの機会に差がつき、その結果として、習得できる能力や就業できる職業、ひいては生涯の所得には格差がつく、まさに格差の世代間連鎖が起こっております。  こういった教育格差是正し、教育現場が抱える問題を具体的に改善するためには、教育財政の拡充が求められます。人づくりへの投資にもっと十分な予算を充てる体制へシフトする仕組みが必要です。  政府教育予算の削減を進めようとしているのに対して、民主党は、今国会に再提出している日本国教育基本法案の中で教育財政充実を明記しており、その理念を具体化したのが本法律案であります。学校教育力向上させるために、よりよい学校教育環境整備するための指針等を策定するとともに、その着実な達成を図ることにより、教育振興に資することを目的としております。  以下、本法案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、学校教育環境整備は、子供たちがその発達段階及びそれぞれの状況に応じた適切かつ最善な環境学校教育を受けることができるよう、多様な教育機会の提供、きめ細やかな教育指導充実、安全、快適な学校教育のための諸条件の整備、心身の健康、職業選択等に関する相談体制充実等を旨として行うことを基本方針とすることとしております。  第二に、国は、この基本方針に基づき、学校教育環境整備に関する施策を総合的に策定、実施する責務を有することとしております。  第三に、地方公共団体は、この基本方針に基づき、学校教育環境整備に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その区域の特性を生かした自主的な施策を策定、実施する責務を有することとしております。  第四に、教職員の数、教員の有する免許状の種類ごとの比率等の教職員の配置、学級編制、学校の施設整備など学校教育環境整備に係る重要項目についての目標水準、その達成の目標年次等に関し、日本国教育基本法案第十九条の教育振興に関する計画の一部として、政府整備指針を、地方公共団体整備計画を、それぞれ策定することとしております。  第五に、国及び地方公共団体は、日本国教育基本法案第十九条に規定する教育予算の確保充実目標を踏まえ、整備指針及び整備計画を達成するため、必要な財政上の措置等を講ずることとしております。  第六に、行政改革推進法の五十五条の三項と五十六条の三項に当たる、公立学校教職員の削減を定めた規定及び人材確保法の廃止を含めた見直し等を定めた規定を削除することとしております。  教育予算の充実こそ未来への投資であります。学校現場における教育力向上させるため、安定的な財源の確保は必要不可欠であると考え、本法律案提案した次第であります。  何とぞ、十分御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手
  19. 保利耕輔

    保利委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十四分散会