○麻生国務
大臣 笠井先生おっしゃるように、これは一歩前進であることは間違いないと思っております。
私がこの中で一歩前進だなと思っておりますのは、このサミットが終わった後の
記者会見というのが、CNN、BBC、いろいろやっていましたけれ
ども、この中で入れられた言葉で、我々は、二〇五〇年までに地球規模での排出を少なくとも半減させることを含む、EU、カナダ及び
日本による決定を真剣に検討するというところに、
日本とEUとカナダの名前が載ったことです。
これによって、EUの国々の代表、すなわち総理とか大統領とか、またカナダ、それぞれ、これはおれたちがやったといって、みんな記者
発表を自分でやったわけです。だから、あれを見ながら、もとは
日本なんじゃないかと我々は正直思いましたよ。しかし、みんなにおれの案だと思わせたところが、みそです。私は、最大の成果は、ここが一番大きかったと思っております。自分たちでやったと本当に思っていますから。だから、ではやってもらおうという話が言いやすくなったのが一点です。
それから、アメリカにつきましては、これはかなり時間がかかりました。昨年から取りかかっておりますので、もう一年弱かかったんだと思いますが、この案に主要排出国であるアメリカ、インド、カナダというところを入ってこさせるための枠組みというのが問題で、もともと、乗ってこなければこれはなくなりますので、G8では結論、何にもできなかったという結果であります。
とにかくアメリカだけは入れなければいかぬというのが我々の最大の眼目でしたので、アメリカが乗ってくれるところに関しては、数字は一つでも入れたら絶対だめというのを、とにかく、五〇、五〇というんですけれ
ども、二〇五〇年に五〇%。ではいつから五〇%だ、今からか、一九九〇年か、二〇〇〇年からかとか、いろいろ言い方がありますので、そこらのところも、入れた途端に、これはまたEUの中でごちゃごちゃになりますので、とにかく大枠だけまずはつくって入れて、それから少しずつ少しずつ現実的な話をしていこうという形にした、これが二つ目の成果だったと思っております。
最後に、
日本としてやった案というのは、これはもう
笠井先生御存じのように、EUの案というのは、おれがこのやり方をするからおまえら皆ついてこいというのがやり方ですけれ
ども、
日本の場合は、いや、そんなこと言ったって、貧しい国々で今から電気を起こしてなんというところは、一番効率の悪い火力発電所なんかつくられたらたまらないから、とにかく、おまえ、技術も教える何も教えるから、その機械じゃなくてこっちの機械の方、物すごくCO2の排出が少ないものを買え、こっちを使え、技術がない、おれたちが教えるというようなやり方をしないと実効性が上がりませんからというのが、
日本案。
したがって、これに低
開発国、発展
途上国が乗ってきたというところなんだと思います。実にいろいろなものを今から一年かかってやっていかなければいかぬところだと思っておりますけれ
ども、少なくともやっと一歩踏み出せたというところが今回の最大の成果だったと私
どもとしては思っております。
これからの話は、もう御
指摘のとおり、全部言われたとおり、今からの問題というのはいっぱいございます。