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麻生国務大臣 最初にこれが出たときを御記憶かと思いますが、バンコ・デルタ・アジアの資金凍結という話が出たときは、これは基本的には六
者協議とは全く
関係ない別の話で、
アメリカでいきますと財務省の話であって国務省の
関係ではありませんでした。いわゆるマネーロンダリングの話から、
BDAはとんでもないといって、財務省、あれはキミット以下がたしか入ってきたんだと記憶しますが、ばっととめられた、ポールソンが入ってくる前だったと思いますけれ
ども、とめられたのが
最初だったと記憶します。その結果、簡単に言えば、
アメリカが思っているよりはるかに大きな効果が上がったということ、影響力があった、上がったんだと存じます。
それで、その他の
国々は、それは
アメリカと
北朝鮮の話だからといって、そっちで、二者でやったらという話だったんですが、
アメリカは
北朝鮮との間で二
者協議をやってよかったという思い出が
一つもありませんので、必ず六者の中での話だというので、まずそこからなかなかスタートしませんでした。
アメリカ、
中国、
北朝鮮という三者みたいな話で少し前に進んで、
BDAの話に余りにしつこくこだわってこちらの六者が動かないものですから、
アメリカも少し譲ってフリーズを、凍結を解除というところまで譲った、
アメリカ側にしてみれば。そうすればこっちに入ってくるんだなといったら、今度は、
凍結解除じゃだめだ、
北朝鮮まで送金だと。
そんな話は聞いておらぬという話になって、またしばらく時間がかかって、今度、送金できるような
手続というのは、
御存じのように、銀行というのは預金を単に預かってそこでおろすだけじゃない、その金が送金できたり為替の分野がかわったり、いわゆるそういった業務というのを全部総合的に動けない銀行なんというのは銀行としての体をなしませんから、その部分が
アメリカの法律、
国内法によって解除されない限りは、少なくともその銀行は今後とも、この問題が解決してもほかの業務が全然できないことになるというのが初めて理解ができ始めた。僕は、そのころから多分、
アメリカの中でも金融に詳しい役人と詳しくない役人との意識の差がかなり出たと思いますね。
北朝鮮なんか特にお役人は全然わかっていなかった、僕にはそう思えます。
私は
最初から、去年の末ぐらいから、これは問題なんじゃないのと言っていたんですけれ
ども、それは余り、いいえいいえ、
凍結解除すれば終わりだ終わりだと言っていたので、やれ二週間だ、何か十日ぐらいでとかずっと言っていたのは多分そうなんだと思います。いざ今度は、やむを得ず
アメリカもいろいろな、
中国の銀行でやってくれないかとか、ついに
アメリカの銀行に、おまえやれとかなんとか言ってみたり、ちょっとそこまで譲らなくちゃいけないのかねという感があるほどいろいろやったのは事実なんですが、みんなそれは
国内法にひっかかりますので、財務省はノー、それから司法省もノーというような
感じになってきたものですから、今、そこらが話を非常に込み入らせている大きなもとだと思っております。
二千五百万ドルといえば二十五億円。
個人としては大きいですけれ
ども、国家の金としては二十五億とは大した金だとは思いませんが、これよりは、その他の、送金を含めますいろいろな銀行業務というのが大きい。したがって、今回の五月十三日の
北朝鮮のスポークスマンをかりれば、すべての経済制裁だとまたレベルが上がってきていますので、何となく、少しずつ少しずつ
凍結解除、送金、全面解除というような
感じにだんだんだんだん条件を、要求を上げてきているというのが
認識です。ちょっとこれはもう我慢にも限度があるという話がブッシュ大統領から
安倍総理に伝えられたりする
背景は、多分それだと思っております。
いずれにしても、今そこらのところの駆け引きが最も激しくなってきているんだろうと思いますが、残念ながら我々は
アメリカ側の情報しかとれませんし、
中国側に聞いても、この情報はどれだけ知っているんだ、武大偉から聞いているはずだがどれだけ知っているんだと今度のヨウケツチという
中国の新しい
外務大臣に聞いても、そこらは我々が得ている情報以上のものを知っているわけではありませんでした。
今、基本的には、
アメリカの司法省、財務省、国務省、この三省の中の調整プラス
北朝鮮との
交渉ということがどの程度推移しているのかにつきましてはよくわかりませんが、総じて、財務、司法がハードランディング、こっちの国務省の方がソフトという
感じかな、ちょっと他国のことはよく見えませんけれ
ども、大体今私
どもの得ている情報はそんなところまででして、これ以上の内容をつまびらかにしているわけではありません。