○笠井
委員 今、
大臣、
テロ対策の
重要性も強調されましたが、まさに今、
国際的に言えば、
関連条約が十三あって、そして
我が国は既に
発効済みの十二をもう既に
締結していて、今度最後ということになるわけです。
そして、
大臣言われましたように、
国際テロ組織というかそういう問題というのは、もう国境を越えて活動している。
テロ対策にとっては、まさに、だれが
テロ犯罪の
容疑者であって、その支援者であるかを可能な限り立証する
国際的な共同の
努力が必要になってくる、不可欠だと思いますし、その勢力が明らかになるなら、
国際政治と
国際世論による包囲と告発、経済的、政治的制裁など、彼らを法に基づく裁きの支配下に置くために、
国際社会として可能なあらゆる
努力を共同すべきだ、まさにそのとおりだと思います。
他方で、この間、
国際社会が目の当たりにしてきましたが、
テロ犯罪に対して軍事力で報復するということになりますと、これは
テロ根絶に有効でないばかりか、地球上に新たな戦争とそれによる巨大な惨害をもたらす結果になる、さらに一層の
テロ行為と武力報復の悪循環をもたらすということになるので、まさに泥沼化するということになると思います。
そういう点では、
国連憲章と
国際法上の根拠を持たない軍事力による報復というのは、
テロ根絶のための大義を失わせて、
テロ勢力にとってまさに逆に思うつぼの事態を招くことになるということで、まさに、無法者に対しては、法に根拠を持たない対応じゃなくて、法に基づく裁きに徹するべきだということを強調しておきたいと思います。
関連して、去る四月三十日から五月十一日までウィーンで開かれた、二〇一〇年NPT、核不
拡散条約運用検討
会議の第一回準備会にかかわって、幾つか質問したいと思います。
この
会議では、議題案をまとめるのに相当やりとりがあったということでありますけれ
ども、最終的には、天野議長の作業文書を含む報告書が全会一致で
採択をされたということであります。
前回の、二〇〇五年のNPTの運用検討
会議、私も
国連本部で傍聴いたしましたけれ
ども、あの失敗を繰り返さずに、核不
拡散とともに核兵器廃絶に向けて前進すること、そのためにも核保有国がいわば率先して核軍縮の義務を
履行して核兵器廃絶のための作業に踏み出すべきだ、今回の
会議でも、そうした主張が多くの非核保有国やNGOの代表から共通して出されたというふうに認識しております。
そこで、
麻生大臣、こういう中で私が注目したのは、今度の
会議における米国代表の発言であります。
クリストファー・フォードという核不
拡散担当の特別代表の、私、テキストも読みました。その中で、彼はこう言っております。NPT前文と六条は核兵器廃絶を求めているが、これを達成できるような世界をつくり出す実際的な
方法に役立つ選択肢を奨励、支援することが重要だと。さらにその後、もし核兵器とすべての
大量破壊兵器が魔法の呪文か何かであす朝までに世界じゅうから消えるとすれば、どの国よりも一番喜ぶのは米国であると言ってもいいと。私は、これは、そういう
意味では、この間の
アメリカの言ってきたことからすると、核兵器廃絶に言及しないという態度を重ねていましたので、一定の変化と言っていいんじゃないかというふうに
感じました。
この間、米国が核兵器廃絶に言及してこなかった姿勢ということから照らしてみると、私はこの点注目したんですが、三月二十三日の当
委員会で、去る一月にキッシンジャー氏らの核兵器のない世界の呼びかけについて、私、尋ねましたら、
大臣は、君子は豹変するなと思った、時代は大きく変わりつつあるのかなという感想を述べられました。今回の準備
委員会での米国代表の発言に見られる変化、この流れがあると思うんですが、どのように受けとめていらっしゃるでしょうか。端的に感想をいただければと思います。