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細野委員 どこに出すかとか、どういうふうにやるかということは、
日本の政治判断だと思うんですね。ただ、いざやったときにそこでうまくいくかどうかということについては、これは準備をするにこしたことはないわけですから、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
そろそろ時間もなくなってきたので、ちょっとはしょりながら聞いていきたいんですが、
大臣に次にお伺いをしたいのが、これはちょっと
EPAと
関係なくて恐縮なんですが、カザフスタンとの、今回のウランの
安定供給に対する
交渉の問題なんですね。
そもそも、それについての評価も簡単に触れていただきたいんですが、一つ私が注目をしておりまして、
大臣にぜひ御見解をお伺いしたいのが、カザフスタンというのはウランの埋蔵量でいうと世界で第二位なんですね。
オーストラリアの次ですから、これは大変大事。第二位なんだけれども、今まで
日本にはほとんどウランを出してこなかった。そういう国でありますから、今回のこの合意というのは、最近の外交の
交渉でいえば、かなりクリーンヒットのうちの一つだと思います。そういうふうに評価をしています。
ただ、問題なのは、カザフスタンにはウランの採掘工場もあるし、成形加工工場というのもあるんですが、ウラン濃縮の施設はないんですね。ちなみに、
我が国にもウラン濃縮の施設は、
日本の
国内供給の一割しかありません。ですから、実質的にこれは何を意味するかというと、カザフでウランを掘ったら、それは
日本の国に直接持ってきてもほとんど処理できませんから、ロシアのウラン濃縮工場で濃縮されるということを意味するわけですよね。
今の世界的な枠組みでいえば、ロシアにそこを依存するというのは、もちろんやむを得ないところがあるんですが、
日本に限らず、この問題、非常に微妙な問題を実は含んでいるというふうに思っていまして、
大臣の御見解を伺いたいと思います。
一言、余分なことを申し上げれば、
大臣は自由と繁栄の弧という演説をされていて、私、あの演説は文章を感銘深く読ませていただいて、こういう価値観外交みたいなことをやることに関しては必要性を認識しておるんですが、カザフスタンなんかはその大切な
対象として
大臣はとらえていらっしゃるんだけれども、その自由と繁栄の弧にはロシアは入っていないという状況の中で、ウランの問題についてはロシアに依存せざるを得ない状況をどのように
外務省としては評価するか、お伺いしたいと思います。