○
渡辺(周)
委員 ぜひともこの問題、氷を解かす旅、
ほほ笑み外交を重ねながら、実はもう
中国は着々とこの既得権益の確保のために強固にしている。それで、
我が国として、その微笑の裏に隠されているそのしたたかな
戦略に対して、やはり
我が国も毅然とした
戦略を持って臨まなきゃいけない、そのことはもう認識しているでしょうけれ
ども、ぜひとも早く、見える形で相手国に対して、
中国に対してやっていただきたい、そのことを強く要望するわけでございます。
残りの時間で別の
質問に移らせていただきたいと思います。
ことしの十二月十三日で、南京虐殺と言われる、と称される、
中国が言うわけですけれ
ども、七十年であると。それに合わせて、七十周年に合わせて反日プロパガンダ映画、特に南京を
テーマにした映画が
中国、アメリカ、カナダという国で十本ほどつくられるということになりました。これの原作になりましたのは、アイリス・チャンという
中国系アメリカ人の亡くなった作家の書いた「レイプ・オブ・南京」という、正直言ってでっち上げの本の中がもととなってできている映画でございます。この問題が恐らくことし大きくクローズアップされてくる問題だろう。もう既に、今この南京の問題については、民間レベルでは、民間というか学者レベルで随分これは進んで、私もそうした会に出ていろいろ見せてもらいました。
つまり、「レイプ・オブ・南京」という本の中に出てくる写真というのは、全く違う、アサヒグラフであるとか毎日新聞社が出していた上海事変の従軍記者の方が撮った写真が、そのままあたかも
日本軍が当時婦女子を連行していく写真だというふうにキャプションをつけて、写真として本に載せているわけですけれ
ども、これは実は、アサヒグラフを見ましたら、
日本軍に守られて、いわゆる日の丸村という守られている村に帰る婦女子たちの帰るシーンなんだと。ところが、そこをトリミングして、後ろの綿を積んだ荷車、台車を引っ張ったおばあさんは笑っているものですから、そこのところを入れるとこれはキャプションと合わないということで、そこはトリミングしてカットされて落とされている。あるいは、鶏を買った兵士の笑顔が、これは略奪したものだということで差しかえられている。出どころはもう既に、昭和の写真の、もっと言えば、南京とは関係ないところで撮られた写真までもが、すべて南京で行ったことだということで、平気で使われているわけなんです。我々としては本当に口惜しい、悔しい話であります。
ただ、こうした本をもとにして、アメリカの脚本家なり作家なりが読んで、これから映画づくりに着手をする。そういう
意味では、これは、史実としては全く疑わしい話をさも事実のように取り上げられているわけでありますけれ
ども、この映画が上映をされる、世界で見た人にしてみると、極東の小国である
日本が八十年前にやったことを欧米の人間が理解するわけがない、その映画がすべてである、現実、事実であるというふうにして、これは非常に
我が国の名誉をおとしめることになると思います。
これは、
中国のプロパガンダとどう戦争するかということはもちろんなんですけれ
ども、誤解をする人たちに対して、どのように
我が国としてちゃんと説明をし、国として
主張するか、否定をするかということについて、まず国がどうお
考えかということを伺うんですが、
日本の
外務省の
ホームページを見ましたら、南京の事件についてどうお
考えですかといったら、非常にさらりと書いてありました。これも、本当にこんなのでいいのかなと思うぐらい、人数はわからないけれ
ども、そういうことがあったことは事実だろうと思います云々という形で、ちょっと今資料がここにはありませんけれ
ども、本当に数行なんですね。
中国はあらゆる、映画を作成するに当たっても、巷間言われているのは、当然、
中国側から、あるいは反日団体から資金
提供も受けて、政府の協力もある中でやってきている。つまり、直接のプロパガンダというのは銃弾にまさる、これはある
意味では宣伝戦争であるということを言う識者もいるわけであります。
ところが、
日本の
外務省を見ますと、南京のこの問題については、「
歴史問題Q&A」のクエスチョン八に、「「南京大虐殺」に対して、
日本政府はどのように
考えていますか。」「一
日本政府としては、
日本軍の南京入城(一九三七年)後、多くの非戦闘員の殺害や略奪
行為等があったことは否定できないと
考えています。」「二 しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると
考えています。」「三
日本は、過去の一時期、植民地支配と侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことを率直に認識し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻みつつ、戦争を二度と繰り返さず、平和国家としての道を歩んでいく決意です。」たったの七行しか書いていない。
これが
日本の
外務省の、「
歴史問題Q&A」と
ホームページに出てくる、これが見解なのかなと思いますが、やはり、この問題について、史実として認められること、認められないことについては
日本としての見解をちゃんと出すべきだし、また、それを世界に向かって私たちは発信しなきゃいけないと思うんですけれ
ども、
外務省、
いかがですか、
外務大臣。