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麻生国務大臣 鷲尾
先生、今までの経緯を見てもおわかりのとおりに、これは対話だけではらちが明かぬということになろうと思います。これはどう
考えても圧力なしで対話だけで話が進まないというのは、これまでの
交渉の過程を見ても明らかだと思っております。
それから、一九九三年のノドン、九十何年のテポドン、そして二〇〇六年のテポドン2と、三回いわゆるミサイルの実験を行っております。このミサイル、一発目のときはほとんど何も世界じゅう反応なし、二回目のところは、たしか私の記憶では
議長声明だけで終わり、三回目のときも、今度は共同何とかというのをやろうとしたんですが、昨年の七月、絶対これはだめということで、制裁を科すべしということで、安保理の中で
日本が大いに頑張って、結果として制裁という決議を決め、それは約十一日かかりましたけれ
ども、今回の十月のいわゆる核実験と称するものの中におきましては、六日間で結論を得るということになりました。
そういった
意味では、北朝鮮の侵略的意図というものに関しては、国の意図というのはなかなか判別しにくいところでもありますが、少なくともその能力があることは、間違いなくノドンとかテポドンとかいうのにレベルを上げてきておる、しかもそれに核弾頭をつけるというところまでやろうとしているという意図は、我々としては酌み取れるところでもあります。
日本としては、この種の話はイランの話よりよほどこちらの方が深刻ではないのか。地理的条件からいけば西
ヨーロッパに近いものですから、そちらの方に関心もあるし、国としても、人口の大きな国でもありますし、かつてのペルシャ帝国でもありますので、いろいろな
意味で、アラブの
国々に限らず
ヨーロッパの
国々も脅威というものは大きいけれ
ども、この北朝鮮の場合の話についても、これは我々にとっては極めて地理的に近いこともあるし深刻なんだという点は、昨年の六月のモスクワのG8外相サミットで
日本だけが主張しました。アメリカがそれに同調、それ以後、結果的には他国もこれにある程度同調して、一カ月後にテポドン、そして四カ月後には核実験ということになってきておりますので、そういったことは我々が常にウオーニング、警告を発しておりました
部分が、予想したもしくは警告を出していたような形が情況証拠としてどんどん進んでおりますので、
日本が言っているのはうそでも何でもない本当の話だったということは、現実問題として他国に理解をされるようになりつつある。それが
国連の総会におけるアブダクション、拉致という言葉が正式に採用されるに至っていった大きな背景だとも思っております。
今後ともこの点につきましては、我々緩めるわけにはいきませんので、きちんとその都度、相手側に我々の意図を言い、そして圧力をかけ続けていく。同時に、圧力だけでやって、我々は何も会話の窓口を閉じたわけではありませんので、三月七日、八日、
向こうは一方的に打ち切っておりますけれ
ども、我々としては、当然六者協議の場等々で北朝鮮と
交渉する、話をする用意があるということはきちっと見せておると思っております。