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麻生国務大臣 平和と繁栄の回廊というのは
御存じかと思いますが、今度
日本が、イスラエルとパレスチナというものの長い間の紛争解決のためには、我々としては、パレスチナが
経済的に独立をしていかない限り、仮に独立をしたとしても、少なくともパレスチナが国家として成り立っていかないというのでは話になりませんよ。イスラエルも、建国した当時、成功した
最大の理由は、農業が成功をおさめたというのが、イスラエルの建国、その後の経過につながっていった非常に大きな背景だというのは、パレスチナも
御存じでしょう。イスラエル人にできて、何でパレスチナにできないんですか、おかしいとは思わぬのですか。我々は、そういった点で、この点に関して支援をしていくという用意がありますと。
問題は、農業というものは売れなくちゃしようがありませんから、つくるだけで後は何も知らないなんて、どこかの国とわけが違うので、つくったら売らなきゃだめなんですよ。売ったら回収する。その売る先はどこですかといえば、基本的には、ヨルダン渓谷を抜けていく以外にほかに方法がないんじゃありませんか。したがって、ヨルダンの人も入ってもらって、ヨルダンとイスラエルとパレスチナと三カ国で話をするということでないと、後々の保障ができかねる。したがって、パレスチナ、ヨルダン、イスラエル、三カ国で
日本でやりましょう、安心して話ができるんじゃありませんか、
日本でやりましょうやという話をして、シモン・ペレス以下、パレスチナの交渉局長、ヨルダンの王室顧問等々が来て、下打ち合わせもしましたけれ
ども、
日本でいろいろ話をして、一番最後のところで、この話がまとまるところまで来た。
まとまるところの段階で、ここまで行けたのはひとえに
日本のおかげだという話をされたので、私
どもの方から、何で
日本を信用しましたか、何であなた、
日本人を信用したんですかと聞いたら、うんと言って詰まったから、早い話が、我々は西洋人じゃなかったからでしょうと。我々はおたくの
地域にいまだかつて何の
関係もありませんから、しかし、
経済的には
世界第二の
経済大国にのし上がって、しかも、おたくらと同じように
うちは資源はないから、その資源のない国でもこれだけできたということが我々を信用させたんじゃありませんか、すなわち我々が東洋人だったからですよという話をして、向こうはいきなり手を出して、にっこり笑って、そのとおりだと言うから、その話を説明しやすくしただけであって、そこを青い目だ何だと、そこだけとられてこんなことを書きやがるから、頭にきたといって、この間のどこかの
委員会で、ふざけているじゃないか、こういった
国益に背くような話を堂々と流しているのはおかしいと。
これを出した通信社もどこだかわかっておりますが、ほかの通信社も何もみんなわかったから、そこは何も書かなかったけれ
ども、この通信社だけが書いたというのが背景だと思っております。したがって、これは向こうも物すごく理解をしている、これはみんな同じですから。
この間、パレスチナに選挙の支援で、
うちは外務省から
大臣政務官を選挙管理に出したんですけれ
ども、ぞろぞろ人がついてくるというわけです。何か気持ち悪いなと思ったら、何人、何人、どこから来たとみんなはしゃいじゃった。東洋人を見たのが初めてというようなところに選挙に行きますので、そういったぐらい、
日本人とわかったら、多分パレスチナ語だかアラブ語だか、ちょっと詳しい
言葉は知りませんけれ
ども、うわあっと言って今度はわっと人がふえてくる。それぐらい信用があるというのは、やはりこれは、我々の先輩やら多くの方々が培ってきた
外交力、国家のブランドとしては物すごく大きいんだというのを私は思いました。
私は、この話がなかったら、正直、この平和の回廊というのはそれまでちょっとやれる自信がなかったんですが、昨年、この
大臣政務官の報告を受けたものですから、それで、よし、これはやれるかなと思ってこの話を企画したというのが背景で、いろいろおもしろおかしく話をとられているのは、きのうも、何
委員会だか忘れましたけれ
ども、参議院で御意見がありましたので、同じように、笹木先生よりはもう少し
言い方がちょっとあれだったので、もっと激しく答えたんですが、きょうはにっこり答えております。
それが事実であり、そういうように真意をお酌み取りいただければと存じます。