○麻生
国務大臣 今のサハリン1、サハリン2の話というのは御存じのような話になっておりますが、丸谷
先生、
一つだけ。
この種の
開発をやるには技術が要るんです。そして、いろいろな意味での、酷寒の地でやるに当たりましては、それをくみ上げる技術というのは実はロシアにはありません、その技術を持っているのはこの
開発をやってきた民間の日本の会社であり、アメリカの会社が持っておりますので、そういった意味では、これがやった後もしおかしなことになった場合はとまりますので、それは向こうも損、こっちも損ということになろうと存じます。それが一点。
この種の話では何となくとられた話が出てくるのは事実なんですが、同時に、とった側にしても、では後はおたくで勝手にやったらと言われたら向こうはできないこともまた確かなんです。そういった意味では、これは両方で組まないとどうにもならぬという話だと思っております。
二つ目は、日本の方としてはエネルギーを、石油に限って言わせていただければ、今大体九〇、九一%ぐらいは中近東に日本の石油は頼っております。ちょっと極端に偏り過ぎて、少なくともオイルショックのありました一九七一年当時は七〇%ぐらいだったと思いますから、約二〇%ぐらい中近東に依存度がふえた。それは、こっちは省エネ技術をやって物すごく進みましたけれ
ども、いわゆるメキシコとかほかのところから輸入していた分が、向こうの輸出ができなくなったものですから、その分がこちら側の中近東の方に寄ったというのが歴史というか、この三十数年間の事実でもあります。その意味からいきますと、こういった東シベリア等々のところに供給先を
分散させるというのは、国家でこの種の安全を考えたときには正しい
一つの手段だと思っております。
したがって、この種の話は、日ロ間の
協力強化に関するイニシアチブという例の話で、今いろいろ
プロジェクトをやらせていただいた中に電力とかいろいろありますけれ
ども、そういった中で、相互利益になる、ウイン・ウインになるのよという話を向こうにも
理解させるのはすごく大事なところであると同時に、こちら側としてもこの種の話の
必要性というものを正しく
理解しておかないかぬところだと思っておりますので、互恵的な
協力というのにならざるを得なくなるだろう、これは少々時間がかかるかもしれませんけれ
ども、互恵的な
関係にならざるを得ないということになるだろうと思っております。
それから、この種の
政府の話がございましたけれ
ども、これはもともと民間の話だったんですけれ
ども、
政府としては、たしかJBICやら何やらが、結構資金やら何やらをいろいろやっておりましたので、そういった意味では、この種の話を今後、これはアメリカの大きな会社もかんでいますので、そういったところで日米で一緒になってやっていくということが出てくる
可能性というのは決してないわけではありません。
今後さらに話が、もっとよこせという話になってきたら、今、五〇・一対四九・九になっていますけれ
ども、そういった部分をもう少しという話になってきたときに、さらにこちら側としては
政府の出番ということが全くないというつもりはありませんけれ
ども、少なくとも今民間のところで話が進んでおりますので、その意味で、我々として資金やら何やらの
点等々は今後とも日本としては考えていかないかぬところでしょうし、向こう側も資金の面についてはそんな潤沢ではありませんし、技術の面、そういった面も含めて、今後、双方でウイン・ウインな
関係になるようにしていくということだと存じます。