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前原委員 予算との兼ね合いになってくると思います。それはもちろん、
大臣が一番考えられるべき問題だと思いますけれ
ども、今おっしゃったように、仮に北朝鮮が撃ってくるということになれば、まず目をねらってきたり、あるいは原発という重点
施設をねらってきたり、あるいは大都市ということになって、順番、イージス艦も含めて、そういう可能性、危険性は私はあると思いますので、やはり複数持っておくということを、今御
答弁されましたけれ
ども、
予算を全体の中でどう配分していくかということは、極めて高い政治的な判断はあろうかと思いますけれ
ども、私も検討すべきだということを申し上げておきたいと思います。
さて、四類型の話、先ほど若干
大臣がお話をされましたけれ
ども、私は、四類型全部をきょうは議論するつもりはございません。ミサイル
防衛に関してのみ、少しお話をしたいと思います。もっと突き詰めて言えば、この四類型の中で集団的自衛権なのは、ミサイル
防衛ぐらいなんですね。ほかのは、これは集団的自衛権というよりも集団安全保障、あるいはマイナー自衛権の集団的自衛権版みたいな、そんなものですね。ですから、厳密に言えばミサイル
防衛がこの集団的自衛権で、マスコミ報道はすべてが混同されているような、少し違和感を感ずるわけでありますけれ
ども、私は、私が今から申し上げる考え方をどう思うかということを御
答弁いただきたいと思います。
私は自分のホームページにも論文を載せたのでありますけれ
ども、集団的自衛権は、何もアメリカを守るだけのことではない。つまりは、集団的自衛権の行使というものが日本自体を守ることにもつながるというふうに私は思っています。
具体的にどういうことかというと、北朝鮮が今は日本に届く運搬手段、ミサイルは持っている。しかし、アメリカに届くものまでは持っていない。しかし、恐らく開発するんでしょう。先ほどお話のあったムスダンも含めて、そういったことを開発してくるんだというふうに思います。
よく言われる核の傘の議論でありますけれ
ども、言葉の上では、あるいは2プラス2でも、あるいは日米
防衛首脳
会議でも確認をされたことなのかもしれませんが、日本に対する攻撃、同盟国に対する攻撃はアメリカへの攻撃とみなして、もしそういう攻撃が行われれば、アメリカは日本を攻撃した国を攻撃するということは、言葉では言っていますけれ
ども、実際にそういうことが起きた場合に、果たして集団的自衛権の行使を同盟国であるアメリカが行うかどうかというのは、一〇〇%うのみに考えるのは少しばかげているんではないかと私は思っています。
そのときに、どうやってアメリカを引っ張り出すかということを考えたときに、例えば、北朝鮮がアメリカまで届くミサイルを開発した、核弾頭が載っているかもしれない。そのときに、例えばシアトルやロサンゼルスのいわゆるアメリカ
国民を犠牲にしてまで、日本に対してミサイル攻撃がされたので、同盟国であるからやらなきゃいけないというふうにアメリカの為政者が思うかどうかというのはいささか疑問なんです、繰り返し申し上げますが。
では、そのときに、残存能力が日本にあるということが
大前提になりますけれ
ども、北朝鮮がアメリカに対して撃つというものについては、日本はしっかりと集団的自衛権の行使もして撃ち落としますということを常日ごろ言っているということになれば、これは、私は核の傘がちゃんと穴があいていずに差す可能性というのは出てくると思うんですね。つまりは、その分、シアトルやロサンゼルスに核ミサイルが飛んでくる可能性というのは減るわけで、そうすると、日本に対しての攻撃をみずからのものとみなしてアメリカが報復をしてくれる可能性もふえる、一〇〇%じゃないですよ、ふえる可能性は出てくるんではないかと思うわけです。
そうなったときには、集団的自衛権の行使を行うということは、北朝鮮の日本に対するミサイル攻撃の抑止にもつながるし、そして、アメリカが核の傘を本当に差しかけてくれる可能性というのも出てくると私は思っています。
首をかしげておられますが、どうぞ、御意見をおっしゃってください。
〔
寺田(稔)
委員長代理退席、
委員長着席〕