○簗瀬進君 おはようございます。民主党の簗瀬進でございます。
信託法についての
議論が大詰めを迎えております。私は、特に我々の記憶にしっかりととどめておかなければならないのは、あのライブドア事件だったのではないのかと思っております。あるいは、村上ファンドの事件もございました。正に資産の流動化と、そういう
目的のために、何といいますか、ツールの方がどんどん先行しまして、市場のルールがきちんと
整備をされる前にどんどんどんどん資産流動化の方を先行させていくと。その結果として、その
制度の間隙をついた大変な不法な
行為が行われる。結果として、非常に知識のある
意味で少ない投資家あるいは
会社債権者等に対して迷惑を掛けていくと。こういうふうな、言うならば、いたずらに市場を自由化することを先行させて、一方でその市場のルールを
整備をしないで進めていった結果、たまたまその結果として、非常な市場の混乱を呼び起こしてくると、どうもこれと同じような結果をこの
信託法改正が作り出しはしないかという、そういう懸念をずっと持ち続けております。
特に、
議論をずっと見ておりますと、やはり
自己信託の扱いというようなものが非常に難しい問題点がそこにあるんではないのかなということは、これは与野党の議員が指摘をするところでございます。
自己信託が行われる、
委託者と
受託者が同じ、また地位の兼併というようなことで
受託者と
受益者が同じ、そしてまた
委託者とそれから
受益者が一体であるという、いわゆる受益
信託という形が日本の
信託では非常に多いという形になりますと、
自己信託と地位の兼併と受益
信託というようなものが同時に行われたときには、
一つの主体の中にこの
信託財産が入った形になっている。そして、それが証券化をされて、その証券が転々
流通をしていく、こういうふうなプロセスを取ったときに様々なトラブルがどうも起こりかねないんではないのかなと、そういう懸念を持っておるわけでございます。
ライブドア事件をちょっと振り返ってみますと、どういうふうなメカニズムをたどってあの不正が行われたかといいますと、まず
会社本体の財務諸表から
一定の
財産を切り離して、そして投資事業組合というようなものを作る。正に、それは
自己信託の中で委託
会社と受託
会社が、例えば連結の親子
会社の間で行われるというふうなことを考えると、同じようにライブドアのときに投資事業組合ができたと同じような形がまずは
自己信託の
関係の中で発生をするわけでございます。そして、ライブドア事件の場合にどうしたかというと、実態は自社株の売買であるにもかかわらず、それを投資事業組合がやった結果として、そこで
利益が生じたものを親
会社の方にバックをしてしまうという形の粉飾が行われるという、そういうプロセスをたどって投資家をだましていくと、こういうふうなことが延々と行われていったというのが、あのライブドアの本体であったのではないかなと思います。
そういう
意味で、今回は
自己信託についてちょっと深掘りをさせていただきたい。
質問通告では
大臣に対する
質問が先に来ておりますけど、
大臣は最後の締めのところで御
答弁をお願いをするという、そういうふうな
質問の仕方をさせていただければと思っております。一番先に問題提起をさせていただきまして、どうも
信託の実態というようなものは、日本で現時点でどうなっているのかということがなかなか分かりづらいというところがございますので、まず
質問に入る前提として、
我が国の
信託の現状、
利用実態といいますか、それがどういう状況にあるのかということを、金融庁もお見えでございますので、ちょっとまずはそこから入らさせていただければと思っております。
信託財産、
信託協会の発表するところでは六百五十二・八兆円と、ということは前回の
前川質問で
答弁を得たところでございますけれども、私は、まずは
信託協会の発表をしている
財産の中で六百五十二兆円何がしのこの中身、内訳が
財産的にどんな構成を取っているのかなということについて、ちょっと御
説明をいただければと思います。