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2006-10-26 第165回国会 参議院 文教科学委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年十月二十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         荒井 正吾君     理 事                 大仁田 厚君                 北岡 秀二君                 佐藤 泰介君                 蓮   舫君     委 員                 有村 治子君                 荻原 健司君                 神取  忍君                 小泉 顕雄君                 中川 義雄君                 中曽根弘文君                 水落 敏栄君                 鈴木  寛君                 西岡 武夫君                 林 久美子君                 水岡 俊一君                 山本 香苗君                 鰐淵 洋子君                 井上 哲士君    国務大臣        文部科学大臣   伊吹 文明君    副大臣        法務副大臣    水野 賢一君        文部科学大臣  池坊 保子君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       小渕 優子君    事務局側        常任委員会専門        員        山口 俊史君    政府参考人        内閣官房教育再        生会議担当室副        室長       山中 伸一君        警察庁生活安全        局長       竹花  豊君        文部科学省生涯        学習政策局長   田中壮一郎君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        文部科学省高等        教育局長     清水  潔君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        樋口 修資君        文部科学省国際        統括官      瀬山 賢治君        厚生労働大臣官        房審議官     村木 厚子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○教育文化スポーツ学術及び科学技術に関  する調査  (北海道滝川市におけるいじめ自殺事件の真相  解明に関する件)  (文部科学省発表いじめ原因とした自殺者  数の調査方法に関する件)  (教員免許更新制の諸課題に関する件)  (いじめ対策数値目標を設定する問題点に関  する件)  (放課後子どもプラン制度創設に関する件)  (子ども読書活動推進への取組に関する件)  (学校選択制地域教育力に関する件)     ─────────────
  2. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官巽高英君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 中川義雄

    中川義雄君 自由民主党の中川義雄です。  先日の大臣所信を聞いて非常に感銘を受けたものですから、今日は本当は大臣所信について具体的にいろいろ聞くつもりだったんですが、その後、いじめ問題が大変な問題になってしまいまして、そして、私の選挙区である北海道滝川市で一年以上も前に起きた事件が、あらゆる隠ぺい工作をしながら、ようやく最近になって問題が出てきたと。私は、この隠ぺい工作がしてなかったら、ひょっとしたら福岡県での事故は防げたのではなかろうかと私は本当に残念で仕方がないものですから、この問題について私が調査しながら得た情報に基づいて文部省担当者のいろんな見解をお聞きしたいと思いますので、しかし時間が余りにもない、私に与えられた時間、何時までですか。時間が限られておるものですから、できるだけ細かい話は簡潔に答えていただきたいと思うわけであります。  昨年九月九日に滝川市の江部乙小学校教室でこのクラスに所属する六年生の女子児童が、読みにくいんですけど、首をつってぐったりしている、そのことを登校した生徒が見付けて、そして校長に知らせたと。駆け付けた職員が人工呼吸応急処置をしたが、意識不明のまま病院に入院したと。  その日の滝川市教育委員会発表によりますと、女子児童は早朝に登校して自殺を図ったと見られております。これに対して、滝川市の辰巳信男教育部長は、遺書があったかどうかは現時点では把握していない、そう新聞記者の前で話しております。学校は、二時間で打ち切って、全児童を下校させ、六年生に特に動揺が見られたので、先生が手分けして家庭訪問をしたと。この内容は、当時の道内各紙の中で一番詳しく報道した毎日新聞内容であります。これが一番詳しい内容なんです。  この事実を文部科学省はいつ把握したのか、政府参考人見解を求めたいと思います。
  6. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 文部省がこの事件把握をいたしましたのは、事件当日、平成十七年九月九日金曜日の……
  7. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) マイクを入れてください。
  8. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 失礼いたしました。  改めて御答弁させていただきます。  文部科学省がこの事件把握をいたしましたのは、事件の当日、平成十七年九月九日金曜日の二十一時四十五分に北海道教育委員会から連絡が入った時点でございます。
  9. 中川義雄

    中川義雄君 これは九月十日の新聞です。翌九月十一日の朝日新聞でも報道しておりますが、発表は、現時点では原因と思われるものは見当たらないと、そしてこの児童は普通の児童であったと、非常に簡単なコメントを学校当局がこの時点発表しております。そして、この時点でようやく、教室担任の机に数通の手紙が置いてあった、中身は確認せず保護者にそのまま渡した。しかし、この事件報道に触れて、約一年後にこの問題について、もうぎりぎりになって遺書内容発表した。そして、今日の大問題になったわけですが。  この間に、ルポライター野田さんという方がこの問題でずっと当時から現地に行って非常に精査しております。そのルポライターの、私、会ってお話も聞き、それからある週刊誌報道されたこともあって野田さんの話は、責任問題がありますから野田さんと言います、これからは。野田さんの話によるとという形にします。野田さんの話によるとと言わない限りは、私は、現場学校先生だとか教育委員会その他の人から聞いた話だということで区別していただきたいと思います。  で、このルポライター野田さんの話によると、当日、少女はいつもより少し早めに自宅を出て自分教室に入ったと。いいですか、教壇の上に立って、用意してきた自転車用自転車荷台用ゴムひもを天井からつるしてOHP用のスクリーンに掛け、首に回すと教壇をけったというんです。そして、その後、足下には、私が死んだら読んでくださいという紙の下に七つ封筒が置かれてあったというんです。この七つ封筒に書かれていた内容から見ると、いじめによる自殺を図った遺書である。  つい最近、滝川市、一年間かかってようやく認めたわけですが、私は、この一年間も、私も後ほどこの遺書内容を見て、一年間もこれを放置しておいたという学校当局滝川市教育委員会のやり方は許し難いものを感じているわけですが、その点について、随分早くに知った文部省当局は、この、長い間こういうことが、事実があったことを隠ぺいしていた学校市当局に対する政府参考人としての考え方を示していただきたいと思います。
  10. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 市の教育委員会学校いじめがあったかなかったかを調査することにしたわけでございますが、調査の方針が必ずしも明確ではなく、教育委員会学校からの報告を受け対応している状況でございました。その結果、調査に一年以上掛かったと。それから、市の教育委員会遺書内容把握をしていたわけでございますけれども、公表をしなかったということがございます。  この事件につきましては、遺書内容承知をしていながら公表しないで、かつ迅速に原因究明を行わなかったことなど、市教育委員会学校対応に問題があったと考えております。
  11. 中川義雄

    中川義雄君 私は、一年間にわたってこの問題を隠ぺいしようとした学校市教育委員会当局のそのこそく背景というものがよく分かるような気がしてなりません。それは九月、昨年の九月九日なんです、この事件が起きたのは。そして、九月十一日がいわゆる郵政解散選挙でありました。当時マスコミは、小泉劇場というような形の中で、ほとんどそちらに報道内容は集中していたんです。  この問題について、地元では余り影響力のない毎日新聞が一番大きく報道しておりますが、圧倒的な地元では影響力の強い北海道新聞の当時の切り抜きを見て私はびっくりしました。本当に数行のべた記事で、事実だけ淡々として書いておって、しかも遺書があったとかそんなことは全然書いてないんです。そのことによって、私は、この学校当局や市の教育委員会は、これは報道に大きく取り上げられぬ限り隠し押し通せると思ったことが今日までこういう遅れた結果になったんだと。これは私の推測であります、それぞれの心の中身まで明らかにしてくれませんから。しかし、当時あの異常の中で取材していた野田さんも私と同じような見解を持っています。  異常なこの事態、これが全然マスコミが取り上げなかった。マスコミというものは、遺族がこの遺書発表した途端に、物すごい、今でも、今朝のテレビを見ましてもわんわん報じておりますが、この事態が起きたこの時点マスコミの責任はほとんど果たしてなかった。このことが隠ぺい工作を助長した原因になっているのではなかろうか。これは私の個人的な見解ですから、政府当局の考えは聞くつもりはありません。  しかし、大臣がこの事件を知って、さすがだと思ったのは、即刻現地調査に入れと言って、三人の文部科学省担当者現地に、把握して、私も帰ってきた結果を聞きましたが、この調査の結果、概略でいいですから、局長見解をお示しいただきたいと思います。
  12. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 滝川市の児童自殺事件は、ただいま先生からお話がございましたように、子供自殺を図ってから、その原因背景究明に一年掛かったわけでございます。先ほども申し上げましたが、教育委員会において遺書内容承知をしていながら、そのことを公表しないで、かつ迅速に原因背景究明を行わなかったことなど、やはり教育委員会学校対応に問題があったと考えております。  私どもといたしましては、いじめの問題につきましては、できるだけ早く見抜いて迅速な対応を取ること、教育委員会学校が問題を隠すことなく対応し、家庭地域と連携をして対応するといったことが重要だと考えております。  いじめは決して許されないことではありますが、どの学校でも、どの子にも起こり得る問題であることを十分認識をして、問題を隠さずに迅速に対応するといったことがあればというふうに思っております。     ─────────────
  13. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文科、スポーツ学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、内閣官房教育再生会議担当室室長山中伸一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  15. 中川義雄

    中川義雄君 そこで、これはまた野田さんのレポートによりますと、当日、母親の話では、仕事中の午前八時くらいに職場に学校先生から電話がありましたと。娘さんが首をつったので来てくださいと、そういう声が聞こえましたと。もう動転して、その後のことは余り覚えておりませんと。とにかく急いでタクシーに乗って病院に向かいましたと。その日の夕方でしたが、自宅へ帰ってから、私が、書き置きなど残していないか、部屋を夢中になって捜しておりましたと。ちょうどそのころチャイムが鳴り続くので扉を開けると、校長ともう一人の教師、これはどういうのか担任でないんです、立っていました。玄関に入ると、いいですか、手紙を持ってまいりましたと、そう言って私に渡しましたと。これは私は明らかに遺書だと思いますから手紙とは言いません。母親もその後は手紙とは言っていません。学校が言ったのは手紙であって、母親は、遺書は七通ありましたと。七通のうち学校あてと六年生あてがあったので、そのときに来た校長先生が見せてくれないかと言うから、いいですか、学校あてと六年生あてのがあったから、これは私のところへ来たものでない、学校あてと六年生あてだと思ってそれを校長先生に手渡したら、もちろん母親は、その内容が全くその場でですから分かりません。そしたら、校長先生担任先生が夢中になってその内容メモに写していったそうです。そのことだけは、何で自分に来たものをメモに取っているのかなと異常に思ったものですから、そのことだけはよく知っていますと。そして、ただ一言、申し訳ありませんでしたと言って帰りましたと。  私はその後調べてみましたら、七通の遺書のうち学校あてと六年生の皆さんへというのとが二通、それからお母さんと大伯父さんあてが一通ずつで二通、そして友達あてが三通、計七通であります。学校あての封書を、手紙か知りませんが、学校に置かれていたものを何で、開いたか開かなかったかよく分かりませんが、遺族に返したのか、全くその行動は私には、校長先生だとか学校先生というのは常識人でなければならないと思いますが、全く分からないんですが。  このことについて調査に行って、もちろん知ったことだと思いますから、学校当局やそして市教委、どんな見解を持っていたのか、ここで具体的に示していただきたい。大切なことだからちゃんと説明していただきたいと思います。
  16. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 北海道教育委員会によれば、事件発生後、滝川警察署現場検証を実施をし、遺書については捜査資料として押収をしたそうでございます。捜査終了後、遺書につきましては遺族にすべて届けるようにとの指示があって校長遺族に渡したということでございます。道の教育委員会、市の教育委員会学校としては、警察指示どおり遺書保護者に返したものであるが、遺書を一読した際にきちんと記録を取ることができなかったと考えるという見解であるというふうに報告を受けております。  文部科学省としては、校長学校あて遺書内容を十分把握できなかったということは適切ではないと考えております。
  17. 中川義雄

    中川義雄君 これ、警察がそのときどう言ったのか、私が調べてみても、もう一年もさきの話ですから、私も調べてみました。そんなことまで警察はよく分からないという話でした、だれにそのあれを渡せとかなんとかといった、そんなことまでは。しかし、はっきり分かっているのは、あて先がきちっと書かれた遺書であったということだけは警察も認めています。そして、これは後から、私は方便だと思うんです。警察から遺族に渡せと言われたから渡したんだと。校長先生ってそんな無責任なものなんでしょうか。自らにあてられたものを、今になってから、話が困ってきたら警察に当時言われたからなどと言うのは、私はふざけたことを言うなと。自らにあて内容、そして一貫してそのときはその内容をよく把握していなかったと言うんです。いいですか。  後から遺書内容を全面的に言いますが、そんな長いものだったですか。物すごい短い、端的に書いたしっかりとした、写真もありますから、小学校六年生の割にはしっかりとした内容遺書でありました。そして、それをそこでは書き取っていったのを母親はよく見ているというんです。それを、遺書内容はよく分からなかったというのが最近まで校長先生が押し通してきた論理であります。  そして、いじめがあったかないかということについては、これは客観的ないろんなものがないと、本人が言ったからすべていじめがあったかないかということを判断するのは早計であります。私はそう思います。  しかし、文部省通達では、まず本人がどう思っているかを一番大事にしなさいと言っているのが文部省の一貫した通達であります。ですから、この遺書内容をまず精査することが、その原因をしっかり把握するために学校当局市教育当局がしなければならなかったのに、その後ずっとそれを見ようともしなかった事実がありますから、今のような簡単なものではないんです。いいですね。  私もだから報告、三人が行ったというから私もその報告を求めたら、ほとんど、私が電話市当局学校道教委やいろんな関係者に、一人しか私調査する者がいません。ただし、途中から私の札幌の事務所の所員、全動員して調査しましたが、残念ながら私の調査した内容の方が、三人の人がわざわざ高い旅費を掛けて現地まで行った内容より私の調査内容の方がはるかに自慢でないが良くできていたと。  この野田さんのレポートというのは、ちゃんとした週刊誌発表されています。文部科学当局はこの野田さんに会って事実を確認しましたか。その点だけはここでお答えいただきたいと思います。
  18. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) お話野田さんにはお会いしておりません。
  19. 中川義雄

    中川義雄君 当時のマスコミの中でこの問題をこれだけ詳しく取り上げたのは、私の知る限りでは野田さんだけなんです。ですから、私は、忙しい中に野田さんと半日会っていろんな話を聞かせていただきました。野田さんに会っていろんな話を聞いたら、生々しい、当時のあの現場でいろいろと、調査したのは野田さん一人だったものですから、私は野田さんの話に相当の真実性だとか、後から言うが、野田さんが予測したことがそのまま事実であったことが分かるわけですから、野田さんは東京に在住している方ですから、わざわざ北海道へ行かなくても、本当にこの問題を解明する意思があったら、野田さんぐらいは、ちゃんと署名自分の名前を入れた署名入り記事でありますから、野田さんぐらいに会っておいてほしかったなと、私はそう思うんです。  野田さんから聞いて、私はこれはいじめによるものだなと強い確信を持ったのは、去年の八月から九月にかけて、この六年生児童修学旅行へ行っているんです。修学旅行へ行くと、部屋割りその他で事前に子供たちと話し合って調整しているんです。六年生ですから、男の子と女の子とを同じ部屋に泊めるわけにいかない。しかし、この担任先生は非常に民主的な先生だったんでしょう。部屋割り生徒の自由に任せたんだそうです、意思に。そうしたら、この当該の女性だけ一人だけが余ってしまった。そういう事実があったと野田さんはその当時、修学旅行に行った子供たちや何かの話を聞いて間違いない事実だと私に言っておりました。  これもレポートの中にありますが、これが間違いある事実であったかなかったか、文部省は確認しましたか。
  20. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 修学旅行部屋割りで問題が生じまして、その子が班に、どの班に入るかが決まらなかったということは確認をいたしております。担任女子の全員を集めて話合いを行って、ある班から私たちの班に入ってもいいよと担任報告があって、担任から亡くなられた児童へこの班でよいかという話をして、本人が納得したという報告を聞いております。
  21. 中川義雄

    中川義雄君 これは、あなた、そこだけ言ってほかのこと隠しているんです。その子が、いいですか、了解したと言っているんですね。もういなくなったことですから、了解したかしなかったかというのはだれも説明できないんです。それをあなたは了解したと言っているんです。私は了解してなかったと思うんですよ。なぜそう言えるかというと、子供たちが宿泊するときはどうしても女性でなければならないから、女性部屋に強制してでも泊まらせんとなりません。しかし、受け入れられなかったものですから、今度は昼間、班をつくって、いろいろと見たり聞いたり話し合ったりした。この女性はどの班に入りましたか。
  22. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 道教委の、道の教育委員会からの報告によれば、男子一緒グループに入ったというふうに聞いております。
  23. 中川義雄

    中川義雄君 そこまで道教委がようやく調べて、私も市教委に何ぼ言ってもその辺が明らかでなかったんですが、道教委が調べて、男子生徒行動をともにしたというんです。  それは私は頭が悪いが、夜まさか男子生徒一緒女生徒を、六年生ですから、同じ部屋に泊まらすわけにいかないから、およそ担任先生が強制しても女生徒一緒に泊まった。しかし、女生徒がそれを拒否したものですから、行動男子生徒とともにしたと。私は、単純に思ってそう思います、それは。まあいいでしょう。これはあなた方も、ここにいらっしゃる皆さん方も、どう判断するかであります。その判断が誤っていたから今日までおかしかったわけでありますから。  そして、これは野田さんのお話によりますと、ずっと当時取材していたら、そのとき非常に差別されたといいますか、いじめられた実態が周りの子供たちの証言からも出てきたというんです。修学旅行先少女はやはり孤立していましたと。自由時間や食事の際にも独りっきりでいた少女の姿が何度も目撃されていると。これは同じ同級生の話であります。しかし、担任のこの教師は、その際、少女に何の救いの手も差し伸べたというものは見られなかったというんです。  この修学旅行というのは、九月九日に自殺しているわけですから、直前事案であります。このことについて、この直前のこの事案とこの自殺に全然関連がないと、市当局学校当局もそう考えているのか。文部省調査したはずですから、文部省の、ここでは今度は文部省見解を示していただきたいと思う。私はその、私の見解は、この時点見ただけでいじめによる自殺であったと、私の見解はそう思うんですが、文部省見解を示していただきたいと思います。
  24. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 先ほど申し上げましたように、昼の修学旅行中のグループについて、亡くなられた子供さんは女子グループではなく男子グループに入っているわけでございます。  そこで、私どもも、そのことはやはり他の児童、他の女子児童とうまくいっていないということではないかということで、いろいろお聞きをいたしました。いわゆる仲間外れではないかということではないかというふうにお聞きをしましたけれども市教委としては、結果としてグループに入ったことや自主研修、自由時間の様子から、この時点ではいじめがあるとは推察できなかったと考えているということでございました。  ただ、私どもとしては、やはり仲間外れというのはいじめでございますから、そのことが、そういう状況がやはりあったというふうに考えております。
  25. 中川義雄

    中川義雄君 これは私に対する道教委調査結果の、これからはしばらくの間は道教委調査結果に基づいてお話ししますから、少なくとも、道教委調査結果ですから、それに対してはしっかりとした見解をお示しいただきたい。  昨年九月二十三日、保護者というのは、これから保護者と言いますが、これは大伯父さんのことであります。母親はもうその後ほとんど世間に顔を出さなくなってきております、ショックで。九月二十三日、学校へ行ったら、校長先生が、当時仲間の児童が作った、仲間の児童とPTAが作った折りづるをその伯父さんに、大伯父さんに渡したそうです。そうしたら、大伯父さん怒って、こんなものは要らないと。いじめがあったかなかったかの事実について、その調査を、結果を、こんなことより真実を知りたいんで、そのことを欲しいといってそれを拒否したんだそうです。  それに対してそのとき校長はどう対応したのか。何も対応がないものですから、九月の二十六日にこの大伯父さんは再度学校を訪れて、同じことを、何でいじめがあったかないかについて何も触れないのか、校長としての責任ある見解を示してほしいと、またくどく言っているんです。そのとき校長はどんなことを言ったのか。調査の結果、それに対して、こういう校長の態度が教育者としてしかるべき態度であるかどうか、これは文部省の責任者としての見解をお聞かせいただきたいと思います。
  26. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 北海道教育委員会からの報告のまま申し上げます。  九月二十三日金曜日については、遺族の方から、九月九日に保護者会を実施したときになぜ手紙の話をしなかったのか、早く保護者会を開き、子供にも一読した手紙内容を読んでほしい、校長一人が決められないのは分かっている、二十五日の日曜日の午後六時までにやるかやらないかを早く決めてほしいので電話を入れてほしいと求められたので、校長は分かりましたと答えたとのことでございます。  それからまた、千羽づるのことを保護者皆さんにお礼をしてほしいと言われ、その日の夕方、校長が御遺族電話を入れたところ、御不在であったということでございます。  また、九月の二十六日につきましては、遺族から電話があり、手紙の公開はしばらく待ってほしいと言ってこられたので、校長は了解したと答えたというふうに伺っております。
  27. 中川義雄

    中川義雄君 それは道教委見解ですか。道教委見解ですか。それとも、だれが言っていたんですか。  私が道教委と確かめたときには、学校からこういう形式的な報告が来ているが、その中身については道教委としては、ここまで明らかになった時点で、今いろんな調査が入っているんで、私にはその中身は言えないという話だったんです、道教委は。しかし、今言ったら、随分学校側に都合のいい話が出てきているんですが。  それでは一方聞きますが、学校側で言っていることとこの保護者が言っていることでは大分違うんですよ。今の話は、これは道教委なんて分かるはずがないんですよ。学校当局者とその当事者しか分からない話なんですよ。当事者である保護者の話を聞いた上でのあなたのお話なんですか。その点、しっかり報告してくださいよ。
  28. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 先日、文部科学省から現地調査に参りましたときに、保護者の方にはお会いをしておりません。ですから、保護者の方からのお話は伺っていないわけでございます。  先ほど申し上げました道教委お話は、私どもも何回も確認をいたしましたけれども道教委は先ほど私が申し上げましたような回答でございました。
  29. 中川義雄

    中川義雄君 学校当局教育委員会がそんなことを言っているということは私も道教委から聞いています。私の言いたいのは、道教委の言っているのは、一方の、今まで隠ぺいしてきた今の話ですから、隠ぺいしてきた当局者の話だけ聞いて、もう一方の当事者である保護者の話を聞かないでどうしてそんなことを言えるんだと言ったら、道教委も、私もそう思いますと言っているんですよ。  いいですか。隠ぺいしてきた、言わば、私に言わせると教育者として悪いやつですよ。今更悪いやつの言い訳を聞いて、その一方の当事者の、主張した当事者の話を聞かないでこの公の席で言うのは、ちょっとこれからも注意してくださいよ。そうでしょう。調査というものは、公平な調査でなければなりません。これは当事者間に見解に争いのある事実なんですよ。  それでは聞きますが、なぜ会わなかったんですか。
  30. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 前回私ども現地に赴きましたときは、まず、教育委員会それから学校からまず話を聞こうということでお伺いをいたしました。そういうことで、保護者の方にはお会いしなかったということでございます。
  31. 中川義雄

    中川義雄君 そう答弁すると思いまして、私は休み明けの二十三日の日に全部細かくあなた方に示して、再度調査した上でここできちっと答弁してくださいよと。だから、もう忙しいのに早く、ゆっくりしていれば今日までも調査できたんですけれども、私が調査した結果を皆さん方に全部明らかにして、再度調査した上でここで見解を述べてくださいと、私はそう言っているんですよ。  それが何、ずうっと前に大臣から言われて、駆け足で行って一日で戻ってきた人の、一日で戻ってきているんですよ、大臣。その人の話だけを言って、一方の言い訳をしていると思われる人の話だけ聞いて、それで調査と言えるんですか。もう一回見解を示してくださいよ。私が二十三日、苦労して、しかも二十三日の朝にこの通告をしているんですよ、二十六日まで十分時間あると思ったからですね。で、その際、これに基づいて調査の上、文部省当局見解を示していただきたいと言っておるのに、これじゃ議会軽視じゃありませんか。もう一回答弁してくださいよ。
  32. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 先生からいろいろと資料をいただきまして、私ども、道の教育委員会と何遍も事実確認のやり取りをして本日の委員会に臨んだわけでございますけれども、私どもとしては、道の教育委員会それから市の教育委員会は、十月の五日に、この子が、亡くなられた子がいじめを受けていたということを認めて、すべてをもう今後隠ぺいすることなく報告をするという姿勢になったと思っておりまして、道の教育委員会を通じましてその後も調査を行ってきたという事情でございます。
  33. 中川義雄

    中川義雄君 あのね、道の教育委員会、市の教育委員会、私が言っているのは、その人たちの、隠ぺいしていた当事者の一つですよ、その人たちの話、そんなに聞いたって、私にだって同じことしか言いませんよ、それは。隠ぺいした当事者が、私隠ぺいしましたなんて言うはずがない。それだけ調査して、だから、そうじゃなくて、もう一方の当事者がいるんだから、いいですか、いじめであったとそのときから主張していた、遺書内容等についてもしっかり把握していた。  私が言っているのは、それならもう一つ、そう言うけれども道教委道教委道教委を通じて調査したんでしょう。最近、道教委がこの問題で、遺書が紛失したとかなんとかと言っているんですよ、これ。そんな無責任な機関に聞いて、あなた、それで納得するとしたら、本当に、非常にやっぱり優秀な人たちというのはすごいもんだなと。  私は、庶民の立場に立って考えると、こんなことは許し難いからここで質問しているんですよ。もう一回誠意のある答弁をしてください。
  34. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 私どもも事実をきちんと明らかにしたいという思いは強く持っているわけでございます。また、こういう問題につきましては、事実を隠したり、事実でないことを話をしたりするということはあってはならないことだと思っております。  私どもの事実の確認について、現時点でまだ不十分なところがあるというのは、ただいまの先生の御指摘でも、私ども言わばまだ確信が持てない事柄があるわけでございますので、引き続き、遺族の方への聞き取りも含めて、更にしっかり文部科学省として調査をしていきたいと思っております。  なお、その遺書を紛失した件につきましては、これはもう極めて遺憾でございまして、実はあした、道の教育委員会の方もこの件について私どもの方へ訪問することになっておりまして、この点については再度厳しく指導を行いたいと思っております。
  35. 中川義雄

    中川義雄君 私も道の教育委員会だとか滝川市の教育委員会又は校長先生お話を聞いて真相を明らかにしたいですよ。しかし、もう一回隠ぺい工作をしてしまった当局者ですから、なかなか言ってもできませんよ。そしてまた、私の場合、国会議員という立場で、ここでは議論できますが、道教委だとか市教委に対して言うと何か権力の濫用みたいな形にも取られるものですから慎重にしているんですよ。だから、私は道教委に対してもただ静かに頼んでいるんですよ。一方の当事者の見解を聞いて知らせてくださいと言っても、それは知らせてくれないんですよ。いいですか。  だから、私は国会議員ですから、国政の問題として、学校教育の最高責任者としての皆さん方に聞いているんですから、相変わらず道教委市教委が隠ぺいした、その当事者の話だけじゃなくて、自らが行って調べる気があるかないのか、ここでちょっと見解を示して、後で大臣見解は聞きますから、あくまでも。
  36. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) この滝川市の件につきまして、私どももきちんと事の真実というものを明らかにしたいと思っております。私ども、一度現地に参りまして調査を行い、その後も教育委員会を通じまして事実の把握に努めているわけでございますが、まだすべて明らかになったとは考えておりませんので、現地にまた調査に行くことを含めて、真相を明らかにしていきたいというふうに思っております。  なお、私ども、繰り返しになりますけれども、事実を隠したりするということはこれは許せないことでございますので、道の教育委員会、市の教育委員会に対しましても率直に事実を私どもに伝えてほしいということはまた繰り返し要請をしていきたいと思っております。
  37. 中川義雄

    中川義雄君 これは野田さんから聞いた、間接に聞いた話です。ですから、事実がどうであったのか、私もまだ確かめておりません。というのは、残念ながら時間がなくて私もまだこの保護者に会っていないんです。で、野田さんが保護者に会ってこの辺についての、余りにも学校市当局の言うことと懸け離れているので、これは野田さんが保護者に会った話ですから全部正しいかどうかは分かりません。しかし、私は、野田さんと会っていろいろ話して、この人は私にうそを言う、偽りを言う何の利益もない人ですから、かなり怒りに覚えた形で言っていることは事実ですが、これは野田さんの言った話に基づいてこれから聞きますから。  昨年の十月十二日にこの保護者は、野田さんに言った話によると、学校に行って、校長に対して、遺書内容について学校でも知っているのではないのかと。というのは、それは届けた日に母親の目の前で学校あてと六年生あての二通を見せて、先ほど言ったようにメモを取っていたという事実があるものですから、そのことを言って、学校だって知っているだろうと。何回言ってもこの校長は詳しい内容は覚えていないと言うんです。後から言いますが、本当に短い遺書内容ですよ。それなら何で見たのか。何でメモまで取ったのか。都合が悪いから言わないだけではないですか。  そして、そのとき、保護者が怒って、そこで再度その遺書内容校長先生の前で、学校あてと六年生あて遺書内容を読み上げたと言っているんですが、こんな事実があったのかないのか、これも通告してありますから、調査の上ここで報告していただきたいと思います。
  38. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 道教委からの報告によりますと、十月十二日に児童遺族の方が校長に対しまして遺書内容を知っているかと質問をし、校長が詳しい内容は覚えていないと答え、見せてほしいとお願いをしたところ、遺族の方が読み上げたとのことでございます。
  39. 中川義雄

    中川義雄君 そのとき、少なくとも間違いなく保護者の、その今盛んに言っている大伯父さんの前で読み上げられたわけですから、その内容を知ったはずです。知った上で、校長はどのような見解を持っているんですか。
  40. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) まず、校長は、その遺族の方が読み上げた後、遺族の方から今聞き取った内容をまとめたものを見せてほしい、それから次のことを考えたいと言って帰られたので、校長は後日、十月の十九日と聞いておりますけれども、まとめたものを遺族に確かめてもらったと承知をいたしております。  なお、まとめたものにつきましては、学校市教委に連絡をいたしましたが、市教委から道教委への報告はなかったというふうに承知をいたしております。
  41. 中川義雄

    中川義雄君 調査というのは道教委に対してだけやったんですか。ちょっと答弁してください。
  42. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 現地に参りました調査は、道の教育委員会、市の教育委員会、それから学校に対して事情を伺っております。
  43. 中川義雄

    中川義雄君 間接的に聞いたらますます分からなくなるわけですよ。今、私は質問の通告の中でも、当事者間でどんなやり取りがあったのか具体的に調べてここで答弁してくださいと言ったのに、道教委の話によればという話だったら、これどうするんですか、これ。もう一回、それでいいんですか。  本当にこのいじめ原因だとか、今後の、このせっかく幼い命をなげうって訴えているわけですよ。これを無にしないためにも、この際あらゆる角度から調査して、その結果を明らかにして、その上で対応策を考えなければならない大事なときに、道教委道教委と隠れみのみたく道教委を使ったって、僕も道教委のことをよく知っていますけど、同じことを言っていますよ。それは百も承知ですよ。昔からの付き合いあるから、どやし付けたこともありますよ、何を言っているんだって。それでも同じことをオウム返しで返ってきていますよ。その道教委だけの話でこんな大事な話を説明されても困りますんで、もう一回ただ聞きます。  じゃ、その当事者に文部科学省は直接当たったのかどうか、その点を確認させていただきたい。
  44. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 私の説明が十分でなくて大変失礼をいたしました。  十月十二日に児童遺族の方が遺書を読み上げたときの事情につきましては、一方の当事者でございます校長からその辺の事情は伺っております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、さきの現地調査は、道の教育委員会、市の教育委員会、それから学校、つまり校長からしかお話を伺っておりませんので、私ども、引き続き遺族の方を含めて更にお話を伺って調査を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
  45. 中川義雄

    中川義雄君 それ、まあ仕方がない。それしか把握していないんですから仕方がありません。  それじゃ、もう一つ聞きますが、どうも母親保護者の話によると、この子が急におかしくなってきたのは、どうも思い当たるのは、小学校五年生になって今の担任の下に入ってからおかしくなってきたと。その前の担任であった、今の、この学校の教頭先生になっているんだそうです、四年生当時の担任先生が。そこで、この保護者はもうたまらなくなって、うちの子はそんなに悪い子供だったんでしょうかと、何でいじめを受けなければならないようなことになってしまったんでしょうかという、その子供が非常に尊敬していたと言われる教頭先生に会ったんだそうです。教頭先生に会って、教頭先生、どうですかと、うちの子がなぜこんなになってしまったんでしょうかと。あの遺書に自ら書いているわけです、後から言いますけれども。そうしたら、その教頭先生はその遺族に対して、この子は授業に対しても積極的に取り組み、どの教科についても十分な能力を持っていた、要するにできる子だったと、逆にできるためにひょっとしたらそねみを受けたかもしれないというようなことを言っていたそうです。  このことも私は通告にしておりますから、これ当事者に確認してほしいと言ったんですけど、教頭先生はこのことに対してどう言っておりました。
  46. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 先ほどの私の答弁で一点補足をさせてまずいただきます。  先ほど校長先生からも話を聞きましたということを申し上げましたけれども、その席には市の教育委員会等も同席をしておりましたので、その点は申し添えさせていただきます。  それから、ただいまお尋ねの件でございますけれども、私ども把握をいたしておりますのは、十月の十四日に教頭先生が当該児童が四年生のときの担任教諭の転勤先の学校を訪れまして、当該教諭、つまり四年生のときの担任教諭から次のような話を聞き取ってきたということを聞いております。その内容は、その子は授業に積極的に取り組み、どの教科についても十分な能力を身に付けている児童であったというお話であったというふうに聞いております。
  47. 中川義雄

    中川義雄君 この教頭先生は、ほかの学校に転勤した先生のところに行って聞いたんですね。その辺は私が野田さんから聞いたのとこれは若干、要するに四年生当時の担任先生から聞いた話がそうだという、それを確認したんですね。教頭先生がそのことを確認したと。
  48. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 先生おっしゃるとおりでございまして、教頭先生が四年生当時の担任先生から先ほど申し上げたような話を確認をしたということでございます。
  49. 中川義雄

    中川義雄君 十月の十七日にこの保護者校長先生をまた訪ねて、この間も読み上げた遺書内容、それから部屋割りの話等を挙げて、学校いじめがあったことを学校側は率直に認めてほしいと、認めてもらわなければ私たちはこれから何をやっていいか分からないと、子供の死を無駄にしたくないと、だからまず認めていただきたいと、子供の死を無にしたくないと。そして、これで終わりませんよと、この死の、なぜ死を選んだかのことについて、教育者、学校当局見解がしっかり定まるまでは何回でも来てお話ししますよと言っておりましたが、調査の上でこの校長先生はこの保護者に対してその後何か積極的に説明したような事実がありますか。
  50. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 十月の十七日でございますけれども、これは遺族の方から校長電話がありまして、学校いじめがあったことを認めてほしいと、こういう内容電話だったそうでございますけれども、これに対して校長は、現在調査中であるので、認める、認めないとはまだ言えないと回答したというふうに聞いております。それは、その時点ではそういうふうに答えたということでございます。  やはりこの点は、先ほど来、冒頭から申し上げておりますように、学校あるいは教育委員会がこの自殺の問題について迅速に、あるいは事実を公表して原因究明を行わなかった対応に問題があるということを申し上げましたが、その一つのそれは表れではないかと思っております。
  51. 中川義雄

    中川義雄君 そして、十月の二十日、十七日から間もないころですが、またこの保護者の話によると、午後四時ごろに学校へ行って、その前日に、その保護者に渡したんじゃなくて、校長が出した現段階における学校の取扱いについて、その文書をコピーにして渡したと。そこで、それをもらって家へ帰ってよく見て、この保護者は再度、翌日の十月二十日に、午後四時ごろ、先ほど言った午後四時ごろ学校に訪校して、先日のあのコピー、現段階における学校としてのとらえ方について、保護者はこれは違うよというようなことを具体的に校長先生に質問をし、回答を求めたと聞いていますが、その具体的なやり取りについてお示しいただきたいと思います。
  52. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 十月二十日、保護者の方が来校しまして、ただいま先生からお話のございました「現段階における学校としてのとらえ」というペーパーの内容について説明を求めております。  私どもが聞いております質問は三点だったそうでございまして、第一点は、この「現段階における学校としてのとらえ」の中で「一年生の教室に自ら出向き、児童の面倒をよく見るなど、低学年から慕われていた。」という記載がありますが、この記載の事実関係について質問があったそうでございます。これに対して学校側は、当該児童は、四月当初、一年生の教室に行き、率先して遊んであげたり、面倒を見ていたと回答したということでございます。  それから、二点目でございますが、この「現段階における学校としてのとらえ」のペーパーの中に、「一学期の終わりごろ、席かえのことや友人関係について本人から担任に相談があり、担任の指導により解決された。」と、こう記載をしてあるわけでございますけれども、本当に解決されたのかという質問をしたそうでございます。これに対して学校側は、席替えや友人関係に関する相談については解決したと思っていたと回答したそうでございます。  それから、三点目でございますけれども、チクりという言葉の使い方について質問がありまして、これに対して学校側は、当該児童が他人の秘密にしていることを他の人に話してしまったことからこの言葉が出たと思うと回答したと聞いております。  私ども、とにかくまだ十分でないかもしれませんが、事実関係についてはできるだけ詳細に把握をするように今努めているわけでございますけれども、十月二十日の点につきましては以上のような状況だったと把握をいたしております。
  53. 中川義雄

    中川義雄君 今の、私の調べたのとちょっと違うのは、今の席替えの話だとか何かは、私の調査したところでは十一月四日の保護者会の席での話だったと聞いております、席替えの話。この現段階における学校のとらえ方の中で、席替えの話だとか何かは出ていたんですか。私が聞いたのとはちょっと違って、いや、私も間接に聞いたことですから何も私の言ったことが正しいとは言っていませんので、私の調査では、十一月四日の保護者会においていろんな説明のあった中に今の席替えの話、その他があったと聞いていますが、今のはちょっと早過ぎるんじゃないですか、これ。その辺ちょっともう一回確認を。私の、間違っていたら間違いで、私の方が正しかったら正しいで。
  54. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 今、私、この「現段階における学校としてのとらえ」、二〇〇五年十月十九日最終稿というペーパーに即してお話を申し上げているわけでございますが、この中で⑦という部分に「一学期の終わりごろ、席かえのことや友人関係について本人から担任に相談があり、担任の指導により解決された。」という記載がございます。  この十月の二十日、保護者といいましょうか遺族の方が来校した際には、この十九日のこのペーパーに即して質問があったということでございますので、十月二十日にもこのことは話題になったというふうに受け止めております。
  55. 中川義雄

    中川義雄君 間違いない、そのことは事実なんです。  この子は、小学校五年、六年生になったころからかなり同級生の仲間で孤立してきたものですから下級生と遊ぶようになってきた、下級生の面倒をよく見るようになったと。これは私の調査でもそうなってきているんです。同級生に仲間がいないものですから、孤立感、孤独感、そして昼間は母親は職場に行って、いませんから、隣近所の人たちも下級生と一緒によく遊んでいたとか、まあこれ仄聞すると少ない小遣いだったんだそうです。その少ない小遣いの中から下級生に何かを買ってあげるというのは隣近所の人も見ていたということを、このルポライターがそう言っております。  野田さん、だから、そのことを見ただけでも、この子は学校で同級生からは相当いじめられていて、心の寂しさを下級生を面倒見ることによって自らを励ましていたのではないかというふうに、これは野田さんの言葉です、言っておりました。私もそうでないかな、そんな感じがする。  そして、さっき、友達あての三通の手紙の中には、同級生あてが一通、あとの二通は仲良くしていた下級生あてなんです。そんなことも、教育者ならば、この子供の心の奥みたいなものを見とって反省すべきではないかとも今思いますが、一年間待たしてしまったんです。そして、これまでは母親も何とか命だけはもち続けてほしいと願っていたんですが、今年の一月六日に残念ながら病院発表では多臓器不全で死亡したと。そして、市教委が記者会見して当該女子の死亡を発表しましたと。  ここからが大事なんですが、市当局のコメントによると、現時点で直接事故に結び付く原因を特定できる情報は得られていないと。いいですか。手紙については七通残されていたと。そのうち三通については校長が一読しており、校長から、報告によるとおおむね次のとおりであると。  いいですか、この内容がびっくりするんですよ。学校への、友達が少なかったこと、先生方へ迷惑掛けてごめんなさい、これは学校あてなんです。六年生の皆さんへは友人関係の好き嫌いについて書いてあったと。しかし、個人的な問題だから発表しないと。お母さんあて手紙は、御迷惑を掛けてごめんなさい、そして席替えの話だとか、もうこの時点で明らかになっているんですよ。修学旅行の様子ということについては一切触れておりません。特に、いじめについては全然触れてないんです。かすかに残っていた生への希望が絶たれたときの記者会見の内容がこうなんです。  このことについて何か、私の調査ではそういうことなんですけれども、事実と間違いがありますかどうか。何か別なことを記者発表しているかどうか。
  56. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) ただいま先生からお話のあったとおりではないかと思っております。  市の教育委員会の記者会見、すなわち一月六日に当該児童が亡くなられたときの記者会見では、遺書内容からは席替えや修学旅行の様子が特定できる記述が見られなかったことから触れなかったと聞いております。また、自殺原因いじめであることについては、その時点では特定できていなかったことから触れなかったと聞いております。  なお、校長からは、今先生がお読みになりましたような、学校へは、友達が少なかったこと、先生方へ迷惑を掛けてごめんなさい、六年生の皆さんへは友人関係の好き嫌いについて書いてあったと、お母さんあて手紙は御迷惑を掛けてごめんなさいという内容であったといったようなことは言っております。  私は、やっぱり……
  57. 中川義雄

    中川義雄君 そこはいいよ、ちょっと重複、時間がないからそのとおりだったらそのとおりで。
  58. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) この時点対応というのは問題が多かったというふうに思っております。
  59. 中川義雄

    中川義雄君 それが本当の姿なんです。私は、保護者の、これは野田さんに言った話ですが、この遺書は、要するに市教育委員会の幹部が見舞いに来たときにこのお母さんがこう言ったんだそうです。この残された遺書はあの子が生きてきたあかしでもあるのです、ですから、翌日市教育委員会の幹部が入院先に訪ねてきたものですから、これは明らかに遺書ですと、是非読んでくださいと言ってその市教育委員会の幹部にそれを渡そうとしたら、それは文章だと言ったんだそうです、教育委員会の幹部が。それは文章だ、見たくないと言ったんです。そして、一切見ようともしないで、受け取りもしないで帰っていったというんです。  いいですか。これはもう校長先生も何もみんな知っているんですけれども、ここで私は遺書の文面、学校あての文面を朗読させていただきます。  この手紙を読んでいるということは、私が死んだということですと。私はこの学校生徒のことがとても嫌になりましたと。それは三年生のころからです。なぜか私の周りにだけは人がいないんです。五年生になってから、きもいと言われてとてもつらくなりましたと。六年生になって私がチクりだったのか差別されるようになりました。一時は収まったのですが、周りの人が避けているような冷たいような気がしましたと。何度か自殺も考えました、でも怖くてできませんでした、でも今は決心しましたといって教壇をけっているんです。  これは遺書でなかったとか、単なる文章であったとか、いじめはあったとは思われないとか、この文章を見、知っていた教育者が一年間もこれを隠しておいて、いいですか、これで本当にいいんでしょうか。このことを知っても、なお文部科学省皆さん方道教委市教委の話によればという淡々としたお答えで終始するのでしょうか。  ここで、きもいとか、私はよく分かりません、チクりとかという言葉は分かりませんが、周りの若い人に聞いたらみんな知っていましたが、きもいとはどういうことなんですか、チクりとはどういうことなんですか。
  60. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) きもいという言葉については、気持ち悪いという意味とされております。それから、チクりについては、秘密などを他の人に告げ口するとの意味で用いられていると承知をいたしております。これらの言葉は、言われた相手の心を傷付ける表現でございます。  私、今先生が「学校のみんなへ」という遺書を読み上げられましたけれども、これは明らかに無視とかあるいは仲間外れとか、そういったいじめであることはもう間違いないと思いまして、本当に心の痛む思いがいたしております。先ほど冒頭申し上げましたけれども、やはり一年間も掛かって、その間事実を公表しないということは、やはり教育委員会学校対応に私は問題があったと思っております。
  61. 中川義雄

    中川義雄君 今言ったように、まだあるんです、本当は。だけど、時間がなくなったから省略しますが。  昨年九月から遺書の公表に至るまで遺族が足しげく、同じようなことを繰り返して、担任学校長、教育長を訪ねて、いじめの存在、自殺について要因を問うているんです。明確な回答がないものですから、十月一日、遺族遺書の公開を決断して、その内容新聞やテレビで大々的に報道されたんです。  本当にこの子が亡くなったときは何の報道もしなかった報道機関が、要因も探ろうとしなかったのが、もう天下の月光仮面のような報道をがんがんやっているんです。あれを私は見て、余り歓迎できない。ここまで一年間、報道機関もほうっておきながら、遺書が公表されるや否やあのオーバーな報道ぶり。私は、それでいいのかな、報道機関に責任なかったのか。一年前にもっとこの真実について報道機関がしっかり取り上げて、そしてこの事実が明らかになっていたらあの福岡の事件は起きなかったのではなかろうかと思うと。学校にも社会にも、特に報道機関にだって責任はあるのではなかろうか。我々政治家も気が付かなかったことには、そして文部科学省もこういう事実を小さいうちにしっかり把握しておけばですね。残念でたまらないわけであります。  そして、この報道が出た途端に、当初はいじめはなかったと、あったかどうかは分からないとか、言葉を濁していた市の教育委員会は、市長を先頭にして、特に伊吹大臣から、遺書を握りつぶすことがあってはならないと大臣が非常に強くアピールした。その結果、十月五日になって、これまでこれだけ否定していたのに十月五日になって遺族に謝罪して、十月十日には市教委が、教育長は辞表を出し、教育委員長も辞表を出し、教育委員会の幹部は更迭されて、私はこれも無責任だと思う。本当に教育に携わる者だったら、ここまで天下に明らかになったら、これまでの事実をもっともっと調べて、これをなくするための努力を最後にして、その結果自らの責任を天下に請うというんならいいが、うまい話をして逃げてしまった、私はそうとらえているんですが、大臣、このことについてだけは大臣見解を伺いたいと思います。
  62. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) まず、中川先生が、こういうことを二度と起こさないこと、そのために真実をしっかりと把握して、そして将来の同じようなことが起こらないための参考にもしなければならない。これがあればあるいは福岡の事案がなかったかも分からないと。私は、先生の御努力、そして御調査にまず敬意を表したいと思います。  そして、亡くなられた子供さんが、まあ随分社会状況が変わっておりますから、従来でございますと、いじめがあった場合には御家庭で訴える人がまずいると、あるいは地域社会の中でだれかがくるんでやる人がいると。もちろん学校にもそういう人がいる。それが、そういう人たちが見付けられないまま苦しんでいた子供の心情を考えると本当に気の毒だと、哀れだという気持ちがいたします。そういう中で、先生がおっしゃったように、当事者である学校先生方、それから市の教育委員会、道の教育委員会がまあお互いにかばい合って隠し合ってやっていたんじゃ、もう全くこれは問題の解決にならないんで、私は先生のおっしゃったとおりだろうと思います。  今政府参考人が答弁をしておりますのを先生方お聞きになって、非常にまだるっこいというか、靴の上から何かかいているような気分で聞いておられたと思います。私は、政府参考人は言いたいことはあるんだけれども、そのことを国会の先生に言うのは僣越だと思いながら私は答弁していただろうと思うことをちょっとお話ししておきたいんです。  それは、私たち選挙によって選ばれておりまして、議院内閣制で内閣を構成しております、中央の政府は。それから、道の知事も、それから当該市の市長も議員もみんな選挙で選ばれているんですね。ですから、特定の政治理念を持って教育の在り方、特に教え方に対して介入をするとかいうことがあってはならないという一つの防波堤として教育委員会制度というものをつくっているわけなんですね。ですから、この教育委員会の設置に関する地方教育行政の組織及び運営に関する法律という法律が、これは国会で議決されている法律なんですね。これを読みますと、「教育委員会の職務権限」というところに、まず今回でいえば当該市の市立小学校を設置するということがあって、それを受けて学校の組織編制、教育課程、学習指導、そして今の生徒指導ですね、及び職業指導に関することを扱うと、こうあるわけです。  ですから、私たちが直接教育委員会に対する指導権というのか、この指導権というのもまた非常に緩やかなことなんですが、指導、助言及び援助を行う権限を文部科学省は有しております。そして、それに関する調査権を持っておるわけです。ところが、学校そのものの設置権、運営権は市にあるわけですね、市の教育委員会。だから、先ほど政府参考人教育委員会を立ち会わせてという言葉をわざわざ添えているということです。  ですから、先生がるる御指摘になりましたように、教育委員会というものはどうしてもやっぱり守り抜かねばならないものです、政治介入を排除するために。しかし、その人がこれだけ無責任なことをやっているということが各地に散見され、また学校教師への指導ができないということであれば、やはり法律上の国の関与をどうするかということを考えなければならない。しかし、そこまでやると間違って使われた場合に困ることになるから、もう一度やはり教育委員会教育委員の自覚を促して先生の御指摘どおりの責任感を持ってやってもらうということを我々政治家がすべてやはり考えないと、こういう隠ぺい工作をしたり、隠し立てをしたり、かばい合ったりする人たちのところになかなか今の法体系では風穴を空けにくいと。しかし、みんながそのことをしっかり自覚してやらないと、国家の教育への介入とか、特定政党に支援された地方自治体の長の教育への介入とかいうことが起こりますから、みんなでひとつ教育、この教育委員会の在り方というものを議論して、いい方向へ、そしてこんな悲しい事件は二度と起こさないようにしていただきたいと思います。
  63. 中川義雄

    中川義雄君 これで最後にさせていただきますが、安倍総理は美しい人間をはぐくむ教育、そして美しい国ということを盛んに言っていますが、この美しい教育、はぐくむ教育というものを、それを念頭に置いて早速官邸内に教育再生会議というものを設置しました。  私はその点は歓迎したいんですが、ただちょっと危惧するのは、文科省の中にも中央教育審議会というのがあって、やっぱり有識者もそこに入っているんです。官邸がそういうものをつくるのは歓迎しますが、屋上屋を重ねて混乱するのではなかろうか、その点を心配しているんです。そして、教育再生会議というのが動きやすいのかどうか分かりませんが、昨日、このいじめの問題にポイントを当てて会議を開いたんだそうでありますが、これもタイムリーでありますが、しかし、伊吹大臣の今の考え方というものは普遍的な考え方を示していただいたと思うんです。  総理と大臣、議院内閣制にあって余り議員がタッチできない教育再生会議というものが屋上屋にあって、総理補佐官という人がそのてっぺんに立っている組織がそこにあると。議院内閣制の下に、大臣の下に中央教育審議会があると。下手すると、教育は今言ったように難しい問題がたくさんある中で、確かにきれい事ではいいことかもしれないが、この運用を誤るとただ混乱を呼び起こすことだけに終始しないか、私は心配しているんです。  その点について、この教育再生会議、内閣府の責任者の見解大臣見解をお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。
  64. 山中伸一

    政府参考人山中伸一君) 教育再生会議でございますけれども、これは二十一世紀の日本にふさわしい教育体系を構築し、教育の再生を図るということで、内閣総理大臣、内閣官房長官、文部科学大臣、それから十七人の有識者によって構成されている会議でございます。  総理の方からは第一回の会議で、先生おっしゃられましたように、世界に開かれた美しい日本、これをつくる、教育はそのすべての基礎を成すということで、家族、地域、国そして命を大切にする豊かな人間性、創造性を備えた規律ある人間の育成に向け、教育再生を国政の最重要課題の一つとして位置付けると、そういうことで取り組みたいということで設けられたものでございます。  この会議におきましては、総理の方からも、次代を背負って立つ子供に高い学力と規範意識を身に付けるための機会を保障するための方策等について検討をいただきたいということをいただきますとともに、また教育再生会議では、文部科学省の所掌事務に限らずより幅広い観点から教育の再生のための抜本的な施策、文部科学省に限らずいろんな省庁にまたがります、あるいは社会の協力を得なければならない、そういう事柄につきまして抜本的な施策を考え、検討いただき、この会議での議論の成果を踏まえまして、政府全体で教育再生に取り組むという、そういう形でこの会議を運営していきたいというお考えが示されたところでございます。
  65. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) まず、昨日再生会議がございましたが、これはいじめのための会議ではありませんでした、事実関係だけを申しますと。ただ、その中でいじめについて何人かの方が御発言になったという事実はございます。  それから、再生会議の事務局長をしておられる総理補佐官の山谷さんが、我々が派遣をいたしました小渕政務官に遅れてジョインをして、そして福岡の関係者皆さんに、これも先ほど申し上げたように残念なことですが、教育委員会を同席させ、教育委員会を通じて事情を聞かれたということです。  やはり、再生会議は、なぜこれをつくるに至ったかということは、教育にやっぱり携わっている者がみんな、特に文科省も従来の考え方だけでいいのかということは、やはり真剣に受け止めねばなりません。今申し上げたように、例えば家庭教育力を高めようとすれば、やはり三世代一緒に住んでいるという家庭を再生しなければなりませんね。そうすると、北海道なら北海道で働き場所がなければ、若い人は必ず東京へ出てきて核家族になるんですよ。再生をするということになると、これは公共事業から工場誘致までの話になりますね。お父さん、お母さんをうちへ帰して、自分学校でこういういじめに遭っているということを話すだけの家族をつくり直そうとすれば、これは労働法制の話になりますね。そういうことも含めて議論を私はしていただきたいと。  その中で、学校教育の分野にかかわることは、当然中教審という組織はございますから、そこへお諮りをして、そして教育論は、まあそもそも論とか居酒屋談義ならだれでもできますけれども、実際それを実行しようとすれば、法律を作り、政令を作り、通達を出し、予算の裏付けを作らなければならないんですから、それは必ず国権の最高機関にお諮りして決めていくと、これはもう当然のことでございます。
  66. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 中川先生に引き続き、いじめについて質問させていただきます。  手元の資料にあると思いますが、文科省がまとめたいじめの定義というのがあると思いますが、これをお目通しください。いじめの定義、自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を持続的に加える、相手が深刻な苦痛を感じるものとされています。  考えようによっては、この定義は学校側にとって当てはまらなければいじめにならないという抜け道としての、利用できてしまう一面を持っていると思いますが、大臣、どう思われますか。
  67. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 昔から、大仁田先生もそうだと思いますが、私も、今から思うと、ああいう、あれはいじめられていたのかなとか、こういうことでいじめたなとかというのがあるんですが、このごろのいじめというのはやっぱり救いがないんですね。従来は、いじめられていてもだれかが必ず話し掛けてくれるとか、一緒に餓鬼大将みたいな人間だけはかばってくれるとかということが昔はありましたが、このごろは一方的に、もうほとんどの人が集団的に一人の子供いじめると。  ですから、今先生がおっしゃったように、自分より弱い者に対して一方的にということになりますと、一対一、あるいは二対一ぐらいで弱い者をいじめている場合はこの定義に当てはまらないとか、そういうことは当然出てくるから、先生がおっしゃっているように、この定義だけであればいじめとして報告しなくてもいいというものがあるということは御意見のとおりだと思います。
  68. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 大臣、認めてくださってありがとうございます。  ところで、ここに文科省が報告された自殺者の数と原因というものがあります。(資料提示)あっこれ、手元にペーパーありませんが。これに自殺者の数がここに、(発言する者あり)いや違います、それは違います。ここの、これを見ていただければよく分かると思いますが、これが過去七年間、これだけの自殺者があります。それで、いじめの発生件数が三万から二万、これだけのいじめの件数があるんです、事実、あるんです。それなのに、文科省が発表されたのはこの数字です。七年間ゼロ。  おかしいんじゃないですか、どう考えても。これだけのいじめ自殺者がいて、これだけのいじめ発生件数があるのに、ゼロというのはこれはどういうことなんでしょうか。
  69. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 児童生徒自殺に関する調査におきましては、自殺の理由につきまして、調査時点自殺の主たる理由を一つ挙げて報告をしてもらっております。平成十一年度以降のいじめによる自殺につきましては、教育委員会学校におきまして、調査時点でその主たる理由がいじめであると判断できなかったことからゼロということになっているものでございます。  ただ、その後いじめがやはり自殺原因ではないかと指摘をされている事例もございます。そこで、私ども、そのような事例につきまして再度調査をすることといたしております。
  70. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 僕は思うんですけど、先ほど銭谷局長も隠ぺいらしきものを認めていただいた。そして、大臣も素直に隠ぺいというものがあったと認められたじゃないですか。このゼロっておかしいじゃないですか、どう考えても。それで、いじめや暴行三年連続増加、警視庁や法務省はちゃんと認めているんですよ。  法務省及び警察関係の方にお聞きします。これどうして、どうしてこれ文科省ゼロなんですか。それで、政府のほかの機関である警視庁や法務省が調べたら増加傾向にある。おかしいじゃないですか。理由をお聞かせ願います。先に法務省と警察庁の方でも結構ですよ。それから銭谷局長でも結構です。先に法務省。
  71. 水野賢一

    ○副大臣(水野賢一君) 法務省としては人権侵犯事件の救済手続という形でいじめ事件を取り扱うことがございますけれども学校におけるいわゆるいじめに関するその人権侵犯事件の救済手続件数の目下開示した件数は、平成十三年が四百八十一件、十四年が五百二十四件、十五年が五百四十二件、十六年は五百八十四件、十七年、最新のデータで七百十六件となっており、先生おっしゃられるように年々増加しておるのは事実でございます。
  72. 竹花豊

    政府参考人(竹花豊君) 警察庁におきましては、各都道府県警察において検挙又は補導した小学生、中学生及び高校生によるいじめに起因した事件の件数について、毎年一月一日から十二月三十一日までの発生件数等について報告を受けております。  この報告によりますと、平成十三年中には百十件、平成十四年中は九十四件、平成十五年は百六件、平成十六年が百六十一件、平成十七年が百六十五件となっております。
  73. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 今法務省と警察庁の、局長聞かれたと思いますけど、年々増加されている。それなのに、学問をつかさどり日本の教育を考える文科省がゼロ回答というのはどういうことなんですか、局長
  74. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) ただいま法務省、警察庁が行った調査におけるいじめの数についてお話がございました。法務省、警察庁それぞれ調査目的に応じた定義により調査をされているわけでございます。  文部科学省いじめ調査による小中高等学校いじめの件数は二万件でございますけれども、これはここ数年大体横ばいで数としては推移をしております。ただ、そのいじめ原因とした自殺報告がここのところゼロだということが今話題に、課題になっているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、私ども調査自殺の理由について、調査時点で主たる理由を一つ挙げて報告してもらうということになっておりますので、その時点で主たる理由としていじめということを挙げていなかったということがあるわけでございます。  自殺につきましては、背景としていろいろな要因が重なり合っているわけでございますので、自殺の理由について主たる理由を一つ挙げるということでいいのかどうか、それ、私ども課題だと思っております。  また、今年の八月から児童生徒自殺予防に向けた取組に関する検討会というものを開催しているところでございまして、そこでの議論も踏まえつつ、自殺原因背景がより適切に把握できるように検討してまいりたいと思っております。
  75. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 今、銭谷局長が言われたように、この二枚目のペーパーをごらんください。ここにいろんな項目があります。これがアンケート調査です。これが文科省が教育委員会及び学校に配布したこれ調査です。ここの下の注意事項のところに、主たる理由を一つ選択してください、先ほど銭谷局長言われましたね、これだけじゃないって。大臣も言われました、これだけじゃないって、いじめ原因は。それなのに、何でここから一つ選んでゼロ回答というのが出るんですか。おかしいじゃないですか。それを今改めようとしている。それじゃ遅いじゃないですか。  原因はどこにあるのかって、もっと、もっと突き進んで文科省は自殺原因及びそんなものを調査するべきだったんじゃないですか、事前に。僕は中川先生と同調なんですけど、意見は。どうなんですか、局長
  76. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 私ども調査が十分であったかということにつきましては、私どもも十分そのことを振り返る必要があると思っております。自殺原因について主たる理由を一つ挙げさせるというこのやり方については、今後よく検討していきたいと思っております。  また、先ほど申し上げましたけれどもいじめ原因ではないかと指摘をされている自殺の事例もあるわけでございまして、そのような事例について再度調査をしてまいりたいと思っております。  なお、私ども今、今といいましょうか、これまでも、またこれからも、学校において、いじめがやっぱりどこでも発生し得るんだと、そういうことから、学校子供の立場に立って、いじめの件数が多い少ないがいい学校、悪い学校ということではなくて、本当にいじめというものをきちんと早期に発見をして早期に対応する、そういう観点からこの問題に取り組んでいくようにこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
  77. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 銭谷局長、文科省にはあらゆる歴史があるわけですよね。いろんなことを考えている。これだけの人たちが働いている、いろんなことを毎日考えているわけですよね。それで、警察庁は増幅している、そして法務省も増幅しているって、ゼロ回答自体がおかしいじゃないですか。そうでしょう、局長。  それに、筑前町の三輪中学校の、それで学校側は何もしなかったじゃないですか。それで、父兄の方々が、父兄の方々が学校に行って学校に直談判して、是非子供たちにアンケートを取ってもらいたい、このいじめ原因について究明したいから、父兄の方からですよ、学校側からじゃないんです。それについてどう思われます、局長学校の方からじゃないんだ。
  78. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 筑前町のケースでは、亡くなられた子供さんの親の依頼によって、全校生徒いじめの事実関係を把握するために亡くなった生徒の件で原因など知っていることをアンケートで聞いたということでございます。  私ども、やはりこういう痛ましい事件が起きた時点で、学校がその背景原因についてきちんと把握するためのいろいろなアンケートを始めとする手だてというのはやっぱり自ら講じていく必要があるというふうに思っております。
  79. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 僕、そんなこと聞いてないんですよ、局長。僕は、学校側からそういうことが出ないで、なぜ親側からそういったものをしてもらいたいって出る、そういった教育システム自体がおかしいということを言っているんです。そうじゃないですか。僕ら学校を信頼していましたよ。教師を信頼していましたよ。だから、信頼関係の下に学校というものは成立してたわけじゃないですか。  これで、この全校生徒のアンケートを調査したと聞いているが、事実なんですか、局長
  80. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 今申し上げましたように……
  81. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 端的にお願いします。
  82. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 学校は二回全校生徒に対するアンケート調査を実施をいたしております。
  83. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 それは文科省の方々見られたんですか。
  84. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) アンケートの結果そのものはちょっと調査に行った者が見たかどうか、今確認をしたいと思いますけれども、一回目のアンケートで筑前町においては、亡くなられた子供さんが周りから相手にされないとか、トイレでズボンを下げられそうになったことがあるとか、あだ名での冷やかしがあったという生徒からの回答があったということを承知をいたしております。
  85. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 はっきりしてください。局長局長、見たんですか。文科省は、その生徒たちから個別にもらったアンケートを見たんですか。どこにあるんですか、それは。はっきりしてくれ。
  86. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) ちょっと、まだ調査に行った者から確認が取れておりませんので、明快にお答えできないことを許していただきたいと思います。  ただ、アンケートの中に何が書いてあったかということは事実関係として、先ほど申し上げたように把握をしているところでございます。
  87. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 それ、おかしいじゃないですか。はっきり言って、先ほど市や教育委員会学校隠ぺい工作されていた、一年も期間が掛かった。そして、局長は何て言われました。対応に対して本当に責任がないって言われたじゃないですか。じゃ、文科省の対応、何ですか。見られたんですか、それは。それは事実あるんですか。局長、答えてください。そのアンケート用紙というのはあるんですか。あるんでしょう。あるんでしょう。
  88. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 筑前町におきましては、学校が十月十二日に第一回目のアンケート調査を実施をいたしております。そのアンケート調査の回収したものは、今、私どもの手元にはございません。学校の方が持っているものと思います。それから、もう一回目は十月十六日にアンケート調査を実施をいたしております。  そのアンケートの結果は、いずれも、先ほど申し上げましたように、学校において今整理をしているところだと承知をいたしております。
  89. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 大臣も言われましたよ。恥を忍んで大臣が言われました、そういった事実はあるって。  局長、そういった隠ぺい工作があるということは、期間が掛かるということは、また第二、第三の事件が起こり得るということじゃないですか。その対応の鈍さは何ですか、文科省の対応の鈍さは。違いますか。まだ答えてくれていない。ちょっと端的にしゃべってください。  それで、是非、是非、文科省がそのアンケートを見て、是非その資料を要求いたします。我々に見せてほしい。我々に見せてほしい。プライベートな問題ですので、敏感な問題ですので、名前や、それもですよ、子供たちはですよ、子供たちはちゃんと自分で学年、名前を書いてですよ、正直に書いた答えを今や学校が持っている。その学校が信用できないんだ。  是非、資料を要求しますが、どうでしょうか、局長
  90. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 福岡県筑前町における中学校男子生徒自殺の件でございますけれども、これは十月の十二日に亡くなられたわけでございますけれども、この件につきましては、学校側がいじめの事実があったかないか、十分に把握していたかどうかの問題はありますけれども、町の教育委員会あるいは学校がその事実を隠しているとか隠ぺいしているとか、そういうことではないわけでございます。むしろ、北海道と違いまして、この筑前町における自殺事件につきましては、指導に当たっていた一年生のときの担任先生、こういうこの先生のいろいろな行為、これが一つ今問題になっているわけでございまして、学校がそのいじめの事実を隠したとか、そういうことではない事案でございます。  それで、学校としては、先ほど十二日と申し上げましたが、十一日に亡くなっておりますので、翌日の十二日に親御さんからの要望もあってアンケート調査を直ちに実施をしたと、こういうことでございます。  今、調査結果については学校において整理をしているところだというふうに私ども把握をしているところでございます。
  91. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 僕は何も、隠ぺい工作があったって大臣局長が認められたから言っただけですよ、別に。僕が言っているのは、この原因がここにあるんじゃないかということを言っているんです。それも、学校側はそれを調べようとしなかった。親側が、親側が学校に嘆願して、それで調査をしたんですよ。もう学校、動こうとしなかった学校、そんなの信用できないじゃないですか。  是非おれたちに、おれたちにですよ、おれたちにその資料を見せてもらいたいということをお願いしているんです。そのことを言っているんです、僕は。局長、御回答を。見せてほしいと要求しているんだから。
  92. 荒井正吾

  93. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 局長に聞いているんです、大臣
  94. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) いやいや、ちょっと待ってください。伊吹文部科学大臣
  95. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 委員長、いいんですか。
  96. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) はい。
  97. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 私からお答えを申し上げます。  まず、先ほど中川先生の御質問の最後にお答えしたように、国の持っている調査権がどこまで及ぶかという、やはり法治国家ですから、法律の範囲内で、我々は、しか行動できないんです。ですから、学校がやった調査を一元的に管理しているのは当該町の教育委員会です。プライバシーの問題その他があるでしょう。だから、できるだけ我々は、委員長のお裁きで必要があるということであれば町の教育委員会に出せるかどうかを尋ねてみますが、国家管理の教育現時点では許されておりませんので、我々が強制的にこれを出させるということは法制上できません。
  98. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  99. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 はい、お願いします。  大臣の御答弁、よく分かります。だけど、一人一人の命です。そして、今後も起こり得る可能性があるんですよ。  僕がなぜここを指摘したかというと、教育というものは、教える側、教えられる側、確かにあります。それを、その教えられる側の家庭環境及び社会全体の問題だとして、そうしたら何を指摘しなきゃいけないか。やっぱり教える側が、教える側がやっぱり引き締めていかなければならないんじゃないかと思って僕は大臣に質問しているんです。それも、それも、それを取りまとめる、それを取りまとめる文科省がこのゼロ回答というのはおかしいだろうということを言っているんです、局長。  僕、興奮しているかもしれませんが、やっぱり議員は……(発言する者あり)してますよね。ちょっとずつ、クールダウン、はい。  局長、僕が言いたいのはそういうところなんですよ。大臣がいみじくも言っていただいた。是非ですね、是非、大臣局長、この原因については、一部かもしれません。だけど、全員でこれ目を通すことによって何人かが救えるんじゃないか、そういったことも論じていかなければ僕はいけないと思うんです。  是非、これに対しては文科省として、是非そういうふうに動いていただきたい。それで、委員長が言っていただいた、理事会に掛けてですね、この、この事実、子供たちが真実の声を、語っている声を是非この委員会で目を通していただきたいと思います。  いろいろありがとうございました。
  100. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩をいたします。    午後零時十分休憩      ─────・─────    午後一時十分開会
  101. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  102. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 御苦労さまでございます。民主党の佐藤泰介です。  大臣、御就任おめでとうございます。改めてお祝い申し上げます。久しぶりに大物文科大臣を迎えましたんで、是非十二月の予算獲得、大変期待をいたしておりますので、よろしくお願いしたいと思いますし、私は日ごろ同朋の会、あるいは名古屋から京都まで行って報恩講に参列させていただいていますので、今年はたしか十一月二十六日だったかと思いますが、そんな折々に御指導をいただいておりますことにも感謝を申し上げておきたいというふうに思います。  まず、今日の午前中、いじめ問題が中心に議論をされました。中川先輩の質問が、見えるなら褒めようとしたのに、民主党席からやられたら本当によかったのになと思っておりましたし、また、むしろ、これぞ質問という議論を聞かしていただいたような気がします。私も、文科省を追い詰めるだけの質問ではなくて、前向きに質問をさしていただきたいと思いますので、大臣におかれましても、政府参考人におかれましても、そのような要望を受け止めていただきたいと思います。  それで、質問に入る予定をいたしておりましたが、今朝の新聞すべて一面に必修漏れ十都道府県六十三校という問題が、これは通告してありませんが、今朝の新聞ですから、一体どうしてこういうことが起きて、大臣はどんな、これを、新聞読まれてどんなお感じを抱かれたか、まずお聞かせ願えれば有り難いと思います。
  103. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 昨日からこの報道が一斉に行われまして、私の感じをお尋ねでございますので率直に申し上げたいと思います。  まず、高等学校教育は何のために行われているかということをみんなでもう一度確認をしないといけないと思います。  中学校、高等学校を通じて、一応、日本の歴史を中学校で、そして世界の歴史を高等学校でという、それに地理を組み合わせて学習指導要領を作っているわけです。そのゆえんのものは、やはり高等学校を卒業して、あるいは大学に行かれ、またそのまま社会人になられた場合に、この国際社会の中で立派な日本人として生きていっていただく、特に海外の人と接する場合は、海外の人の歴史的な背景を知らずして、その国の文化を知らずして国際的な付き合いというのはなかなかできないだろうということで学習指導要領でこれを必修と定めているわけです。  ところが、高等学校においては、目先の大学入試に大勢の卒業生を入れる、また高校生あるいはその父兄も早くいい大学へ入りたいという気持ちがあって、大切な素養の原点というものを忘れてしまって、そして受験戦争に有利な扱いを取決めに反してしたということが現実だと思います。  ですから、二科目を必ず取るという、試験に課しているのは東大とか京大とか極めて少数でございますから、このことを考えると、そういうカリキュラムを教育委員会に提出しておるにもかかわらず、そのまま見過ごしていた教育委員会も困るし、やり方をしっかりと指導しているのにそのとおりやらない校長も困るし、これは決まったことはきっちりやってもらわねばいけませんし、特に教育委員会においては私はもう少し使命感、責任感を持ってやっていただきたいなと思っております。
  104. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 ほぼ私も同感ですけれども、この新聞を見る限りにおいては、私立ならそういうことがあるのかなというふうに思うんですが、私のこの朝日新聞、私立高校については三県で各一校ずつと。いわゆる、これ公立高校がめちゃくちゃ多いんですね。これはやっぱり文科省はしっかり受け止めていただいて、対処をお願いしたいと。  と同時に、学校が知っておって生徒に伝えないわけですから、これ卒業させないというようなことが起きたら私大変だなと思っています。生徒に責任はないんで、卒業させないというようなことが起こったら大変だと思いますし、受験生にしわ寄せが及ぶようではいけないと思いますし、まあ起きちゃったということですから、その辺りも含めて文科省の方で今後の対策、対応を考えていただきたいと思います。  あわせて、昨日のテレビを私も見ておりました。そうしたら、女子の高校生だと思いますが、女性の高校生だと思いますが、うらやましいと。うらやましいということは、何かあるんですよね、やっぱり。で終わっているわけではありません。うらやましいが、ずるいという発言を高校生がしておりました。そうすると、必修科目というものの、どういう観点から今後やっていくのか、そういった点をやっぱり考えないと、このうらやましいというのが受験にないのになあといううらやましいという意味なのか、そこまでは本音は聞きませんで、テレビでは映しませんでしたが、ずるいということは言っていましたね。  したがって、もう自分さえ良ければよいという、そういう考え方を学校が肯定したことになりますよね、これ。それは今のいじめの問題も含めて大変な認識、これが広まれば広まるほど子供たち生徒自分だけ良ければいいんだと、自分学校だけ良ければいいんだと、それを認めたんですから、学校が。という辺りも含めて、今後御指導を、あるいは何かの機会にまた聞かしていただきますので、どんな対応を取られたか。今日の今日ですからまだ事実把握に走ってみえると思いますのでこの程度にしておきますが。  それでは本題に入らせていただきますが、私は小中学校教師をしていました。五年間専従で組合の仕事もやり、教頭を辞して立候補しました。衆参通じて十四年間務めさせていただいております。大臣に私を分かってもらえるためにちょっと話をさせて。  組合の委員長時代に教育とは子供たちがテーブルの上に乗っていることに例えて話をしてまいりました。御存じのように、テーブルには四本の脚があります。ない場合もありますが、大方四本の脚があると思います。一本は保護者を含めた地域の人々がその一本の脚を支える。教員組合が二本目は支える。三本目は管理職等々が支える。教育委員会も入るでしょうか。まあ教育委員会も入るでしょうね。それで、もう一つの柱は教育行政が支えるんだろうと思います。  したがって、この四本の脚のいずれか一方が高くなってしまうと、子供が三方に落ちていきます。一本が高くなると、低くなるとこちらへ落ちていきます。したがって、私は四本の脚が同様に高くなっていくことが子供たちの水準を上げることだと、このように考えたからです。県下では、ちょっと済みませんね、佐藤のテーブル論として一定の評価を受けました。  私のこの考え方について、大臣の所見を伺いたいと思います。
  105. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 佐藤先生の経歴は、改めてお話しいただかなくても、なかなか重要人物なので、私ももう十分勉強いたしております。  今の四本の佐藤説ですが、私はやはり今先生がおっしゃった御家庭、つまり保護者を含めての地域社会、これはまあ一ついいと思います。それから、教職員組合という……
  106. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 教員でいいです。教員でいいです。
  107. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 教師ですね。
  108. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 はい、教師です。
  109. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 教師ですね。
  110. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 組合にこだわられるなら。
  111. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、教職員組合というと、大体組合の加入率が今三〇%でございますのでね。七割の人はらちの外の教師になってしまいますから、やはり教師学校の管理者。それから、もう一つはやはり行政。この三つが、三本の柱というんじゃなくて、大きな土台となって学校を支えていく上に子供が乗っていると。  先生の今の教職員組合というところを除いては私は全く同意見でございます。
  112. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 いや、あえて申し上げたのは、あえて愛知で評価を受けたということを申し上げました。愛知県教員組合は九九%の組織です。ほんのわずか入っていないだけです。あそこにお座りの水岡委員のところも、兵庫もほとんど同じです。どこもかも三〇%ではありません。ないところもあるし、低いところもあります。高いところは九九%から一〇〇%です。その御認識をしておいていただきたいと思います。したがって、私の愛知でこれはしゃべったというんですから、九九%の教員という意味に御理解をいただきたい、愛知では、ということを思います。  次へ移ります。  ある教師がこんなことを言っていました。子供の健全育成を基盤にした教育改革に一層力を入れたい。いじめ、非行、登校拒否など、教育荒廃の克服に学校現場先生たちに掛かる期待は大きいが、今の子供は他人との付き合いが少ない孤立型になっている。社会が変化したのだから、昔の子供と違うのは当たり前。それを認めた上で、教育のプロとしての教師が共同行動を取る必要がある。もちろん、子供教育学校だけでできるものではない。地域家庭との連携を深めるため、教師たちが外へ出ることが求められる。昨年、県下百か所で教育対話集会を開いた。地域の父母や働く仲間から厳しい意見や励ましの言葉をいただいた。今年も互いの共通理解を深め、できることから行政に反映させようと努力したい。元来趣味は子供という社会科の先生、真に子供たちのための教育改革に情熱を燃やす。こんなことを述べ、新聞に掲載されました。  もうお分かりだと思いますが、私自身のことです。何年前のこれ記事だ、皆さん御存じですかね。たまたま連休で部屋を掃除していたら、真っ茶になった新聞が出てまいりました。それでコピーを取ってみたら、これが書いてありました。二十年前ですよ、この文章を書いたのは、インタビューに答えたのは。一九八六年、中曽根内閣のときに小生がインタビューを受け、応答した抜粋です。  この考えは今でも通用する認識ではないかと私は思います、二十年前も。だから、遅々として教育改革は進んでいないと、私はこういう認識でおりますが、残念ながらこのときの私の教え子たちが今保護者ですので、反省を大変いたしております、私は。  この私の言っていることに対する大臣の感想が伺えればと思いますし、また御賛同いただけるんならば、文科委員会が提案される閣法は、真に子供たちのため、先ほど申し上げた組合を除いても結構ですが、四本の柱を支えていく我々国会議員が合意できるものを、合意できない場合は慎重に議論を重ねた上で修正していただき、全会一致で法案させるのが最も良いと私は考えています。私どもも努力しますので、政府におかれましても、特に教育問題でいえば、すべての大人が経験し、すべての子供たちがその場に置かれるわけですので、全会一致で法案をできるだけ通したい、こんな努力を私どもも進めてまいりますので、政府にもそんな御努力がいただければというふうに思います。  この二点について御所見があったら伺います。
  113. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 先生が二十年前におっしゃっていることが今もそのままだということは、その間に教育改革は進んでいなかったということなのか、あるいは先生がそのときおっしゃったことが教育を扱う場合に普遍的な真理としていつの時代にも通用するということなのか。私は、やはり先見性のある佐藤先生のおっしゃったことは、普遍的なことをおっしゃっているんじゃないかと思いますね。  ですから、地域とそして家庭学校とが一体となってやはり子供のために教育をしていけるという原点はしっかりと大切にしていくべきだと思います。おっしゃっているとおりだと思います。  ただ、残念ながら、時代の変遷とともに、例えば、核家族化が進んで家族の教育力が低下している、あるいは共働きをしていただかなければ日本経済も日本社会も成り立たないほど大きな今、日本経済になり、その豊かさの中で我々一人一人が生きているということの中で家庭の力を回復させようとすれば、労働法制その他を含めて考えなければやっぱりならないだろうなという気がしておりますから、私はそういうことを再生会議に大いに期待をしているわけです。  それから、法律のことは、これは具体的に教育基本法のことをおっしゃっているのかどうなのかつまびらかではございませんが、これは、我々が出しましたものは私たちは一番いいと思って出しておりますし、これが先生のおっしゃった方向に沿うための教育改革のスタートになると自負をしております。しかし、民主党も今のままの教育でいいと考えておられないからこそ対案をお出しになっているわけで、これは国権の最高機関である立法府においていろいろ議論を交わしながら、今先生がおっしゃったような方向になるかどうかは、議会人お一人お一人のお立場で御判断いただけることだと思っております。
  114. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 さすが大物大臣ですから、ちょっと私の視点と外れたところで処理をされましたが、私は教育基本法のことは言っていません。これはこっちどうなるか分かりませんので、そのときはそのときでしっかりやらせていただきますので、何も教育基本法のことを言っておるわけではないんです。  と同時に、私も今二、三問、最初にも言いましたね、本音でしゃべる。大臣はどう考えるのかと。議会人が考えよというんだったらこれは当たり前の答えで、決して大臣に聞く必要はないんですよね。今日大分用意しましたので、深掘りをしていくとそれだけで終わっちゃいますので、そのことをちょっと御要望しておきます。  本音で聞いております、私も。そしたら、議会人として判断せいと。それは当たり前の答えですよ。とはいうものの、大物伊吹はこう思うと、それを付け加えていただかぬといけないのではないかと、このように思います。  次に、本日、安倍内閣の目指す公教育の再生の中身について伺わせていただきます。  まず、小学校の英語教育についてです。  小学校でなすべきことは、まず本来の読み書きそろばんを徹底的に培うことだと思っています。とりわけ国語力、読書が大切で、国語力、読書は小学校時代に身に付けさせなければならないとも言われます。例えば、多くの大人が教育者も含めて、あの時代は地域力、家庭教育力があったと言われています。しかし、その当時、日本は貧困だったです。しかし、貧困の時代にはもう戻れません。とすると、その当時のことを知るには私はまず読書ではないかと。あるいは、大臣は人間力向上と言われましたが、人間力とは私はコミュニケーション、そしてコラボレーションが大切だと思います。引きこもり、不登校の子供などは様々な要因がありますが、コミュニケーション能力が十分でないことが深みに陥る要因の一つとも言われています。これらの点は、私は人間力向上のため国語力を身に付けることが大事だと常々思っています。国語は大切だという点では、大臣もそう言われておりますので、拍手を送りたいと思います。決して小学校に英語を取り入れることなく、国語力を培ってほしいと思います。  また、大臣は英語が御堪能だと聞いております。私の経験では、帰国子女を担任した折に、先生、何で日本語は帽子をかぶる、眼鏡を掛ける、上着を着る、ズボン、靴下を履くと使い分けねばいけないのかという質問をされました。私は、おまえが向こうへ行っておるときは、それは二十六文字文化なんだと、ほとんど。全部ウエアで簡単じゃないかと。せいぜいプットオンかハブオン程度だと思います。いざとなれば全部ウエアでいいわけだと思います。日本では駄目ですよね、眼鏡を着るでは。やっぱり掛けるでないといけません。だから、二十六文字文化と違うのが日本の文化であり、漢字があり、平仮名があり、片仮名があると。二十六文字文化とは違うんだと。これが日本の文化だと。苦しいけど頑張れって子供に言いました。そしたら理解してくれました。まあ相当頑張って、成績も国語力も付いてきまして、本を読むような子になりました。  就任以来、伊吹大臣は、小学校での英語の必修化に否定的な発言を続けておみえになります。英語を学ぶ前にまず日本語をしっかりしろという意見に反対する人は少ないと思います。英語ができなければ海外とのビジネスがスムーズに進まないことは言うまでもありませんが、日本で生活している限り、日本語をしっかり学び、自分の考えをまとめ、表現する能力を身に付けた上でなくては英語でハードな商談もできないでしょう。  今の小学校では、日本語の基礎を確立することが私は最重要課題だと思っています。大臣小学校での英語必修化に難色を示してみえるその理由を聞かせていただきたいと思います。
  115. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 私は、再三、英語教育の必修化について申し上げたわけじゃなくて、一度しか言っていないんですが、非難の声も率直に言ってございました。不思議なことに、海外で勤務をしている経験の方は、ほとんどと言っていいほど私の意見に賛成のメールを送ってこられましたですね。ですから、今先生がおっしゃっていることと全く同じことを多くの人が感じているんだと思います。  やはりOECDの調査で、これはもう先生にこんなことを申し上げるのは釈迦に説法なんですが、理数はまだ五番目内に入っているんですよ。しかし、自国語で自分意思を、コラボレーションとおっしゃいましたが、表現をし理解をする能力は残念ながら二けたに日本は落ちております。こういうことを考えると、やはり学校教育法に書いてあるように、「郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養う」ということしか書いていないわけですから、まあこんにちはという言葉でも、グッドデーという言葉もあれば、ボンジュールという言葉もあり、グーテンタークという言葉もあると、まあ言葉というのはいろいろあるんだなということが私は小学校では分かればいいんじゃないかと思ってああいう表現をしたわけでございます。先生の今の御示唆と私の考えていることは同じでございます。
  116. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 決して、会話中心の英語に変えても、大臣言われたように日本の中学生の英語力は向上していません。単語数を相当減らしましたし、決して、英語力は会話を入れたらもっとうまくいくんだと思いの中で会話中心的なことになって、英語の学力そのものはぐんと下がった。アジアの中でも下がった。最下位じゃないですかね。先進国ではもちろん最下位ですよね。と思いますので、是非その初心を貫いていただきたいと思います。  多分、私は、漢字力、読書量の実態は大変お寒い状態だろうと思います。例えば、現在はパソコンとか携帯電話とか、そういう携帯、あれがありまして、辞書代わりに使えますから、字をほとんど書きませんので、漢字力は相当落ちておると思いますが、銭谷局長、突然振って恐縮ですが、どんなもんでしょう。
  117. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 最近、やはりパソコンの普及で、自分で漢字を書くということがなかなか機会が少なくなってきました。逆に、パソコン上にはたくさん漢字が出てまいりますんで、読む方は結構習っていない字についても接する機会が多いといったような傾向があろうかと思います。  ただ、最近、民間の調査でございますけれども、漢字力についての小学生、中学生の読み書きの調査がございまして、その結果を見ますと、実は読む方も書く方も余り変わっていないという結果が出ております。
  118. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 いや、それはいつの調査ですかね。十年ぐらい前の調査じゃないでしょうかね。僕は落ちておると思いますね。  たまたまうちの女房が塾をやっていますので、僕が落選したときに食っていけぬもんですから、今、塾生が常時五、六名来ますので、その子たちと話をしていると、ほとんど漢字が書けないというのは僕は実態として見ていますので。まあ、佐藤塾は成績の下位の子しか集めませんのでそうなのかもしれませんが、その子供たちを見て私はそう思っているんで、調査がちょっとおかしいんじゃないかなと思いますが、これもまあこの程度にして。  もしそのようなことを、大臣が言われたように、そうだと思われることがあったら速やかに正して、今教育に携わるすべての者に切実に求められている姿勢だと私は思います。間違ったことは正す、ずるいことはやらない、必修科目はきちっとやる、これが今教育に携わる者に求められておるというふうに思います。子供たちもそれを望んでいるだろうと思います。  もう一度英語のところへ行きますと、帰国子女の小学生であっても、来たときはべらべらって英語がしゃべれますが、週二時間以上の英話教室に通い続けて力を維持しようとしても、多くはその英語能力を失ってしまうという指摘もあります。小学校での授業時間数は限られています。国語力、読解力の向上が義務教育の課題とされていますが、小学校での英語必修化はアブハチ取らずになる可能性が高いと私は思っています。  既存の教科以外にも、各方面から求められている食育教育、安全教育、体力向上教室といった○○教育にいかに対応していくか、学校現場対応に大変苦慮しております。この点は、まあ要求を押し付けられる文科省も同じ苦しみを味わってみえるんだろうなとは思います。授業時間が少ないとの批判が強まる中で小学校に新たな必修科目を押し込むならば、それ相応の覚悟が求められます。教育現場での英語教育の実践を生かす道は必修化だけではないと私は思っております。  中教審は小学校高学年における週一時間程度の英語教育の導入を検討していますが、大臣は必修化反対の持論を先ほど申し上げましたが、もう一度、今後もそれを貫いていくという決意を聞かせていただきたい。  あわせて、日本語を大切にする読書力を付けることが普通の学校であり、普通の子供たちだと私は思っております。何もエリートをつくるのが普通の学校ではない。特に小中の公立学校は、普通の学校で普通の子を育てるのが役割だと思っております。この点についてもお尋ねをしたいと思います。  また、英語教育に対する大臣の意見に個人的には賛同しますが、個人的には拍手を送りますが、政権の枠組みが変わらないにもかかわらず、内閣が変わるたびに時の文部科学大臣の意向次第で方向性がくるくると変わる。国民は文部行政に対して、というよりも、教育現場もおろおろを超えてふらふらしていますよ、もう。拙速な教育議論の問題点を端的に示した例とも言えると思います。  私は、ちょっと資料でお示しを後でします。ちょっとないな。ちょっと待ってください。小中学校校長が答えた、東京新聞地元では中日新聞と言いますが、小中学校校長、改革速過ぎる、教育改革が速過ぎて現場が付いていけないと考えるかとの質問に、強く思うと答えたのは三〇%、思うは五五%、計八五%が改革が速過ぎると。ころころころころ方針が変わっていく、現場はもうそれに振り回されて子供に集中できないというような状況が続いておると思います。  ちなみに、先ほど教育基本法のことが言われましたんで、この調査が同時に教育基本法の改正を調査しております。東大全国調査、東大が調査をしたと。教育基本法改正は六六%反対という結果が出ております。これはもう追加のあれですから結構でございます。こちらへ来たらしっかりやらしていただきますので結構でございますが、今言った、前段で言ったことについてお答えをいただけますでしょうか。
  119. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 今先生は英語教育の必修化のことを例に取られて、内閣あるいは文部科学大臣が替わるごとに方針がくるくる変わるという御指摘をされました。  この件については、御承知のように、中教審に答申を出しているわけでして、どちらにするかということは別にまだ何も決まっていないと思います。ですから、中教審がお答えをお出しになっても、教育行政を預かる者としてそれを参考に御意見を申し上げなければならないということは、これはもう当然のことであると私は思っております。  それから、くるくる変わるということがあってはいけないと思いますが、今おっしゃったその教育改革というものの具体的な中身は何を指しておっしゃっているんでしょうか。それを少し具体的に教えていただきたいと、そしてそれにお答えをいたしたいと思います。  それから、教育基本法の調査のことも、先生のおっしゃった数字を私も見たことはございます。これはしかし国民すべてのために教育基本法というのはあるわけですから、現場教師の賛否で判断するんじゃなくて、有権者の賛否で判断すべきものだと考えております。
  120. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 教育基本法は別途しっかりやらしていただきますので省かしていただきますが。  授業時数も減って、あるいは減った分を一日の六時間以降に積んでみたり、高校受験で補習廃止の運動がかなり前に行われましたが、また補習をやれと、基礎学習しっかりやれと。最初は基礎学力しっかりやれというのは言いつつも、指導要領で、そして、これ発展的な内容は教えるなと。すぐ批判が出たら発展的な学習も教えよと、こういうことですよ、具体的に言えば、現場では。  文科省は中教審答申して出てきたらこうすると言ったって、教育というのは長いスパンで考えるわけですから、せいぜい一人の子が小中義務教育終わる九年ぐらいは同じパターンでなかったらやっていけぬ。小学校を卒業したら、中学校でもうパターンが変わっておったと。それを言っているんですよ、私は。そんな短期間にくるくる変わると、義務教育ぐらいの九年間は、今は九年間ですので、それぐらいのスパンではやっぱり方針がころころ変わってはいかぬと思いますし。  中教審のことを出されました。後で質問しますが、十七年答申と十四年答申で、あれ変わりましたね、何か、教員免許制が。十四年の答申では絶対入れていかぬと言っていました。十七年でやれと言っておる。三年間ですよ、三年間で変わるんですよ、中教審も。中教審を隠れみのにもしてはいけないですよ、それは。  次へ移ります。人材確保法と教員の給与水準の在り方について伺います。  閣議決定である行政改革の重要方針の下、人材確保法の見直しが進められております。閣議決定では、廃止を含めた見直し方針の下、十八年度中に結論を得、二十年春に制度改正を行うとされています。  伊吹大臣は、教員給与の在り方について聞かれ、良い教員だけを上乗せするなど、人材確保法の趣旨に合うように工夫する、財源がないからといって同法をなくすというのは乱暴だと、このように答えておみえになると思います。財源がないから人確法を廃止というのは乱暴だとの趣旨は私も本当に全面的に賛同するものであります。これも、その意思を最後まで忘れないでいただきたいと思います。  問題は、良い教員だけ上乗せするという考え方にあります。人材確保法は教員のなり手がない時代、優れた人材を教育現場に誘導する趣旨から提案された法律であります。人材の二〇〇七年問題は教員の世界にも当てはまります。既に東京都の小学校教諭の採用試験では、倍率は二から三倍程度にまで低下しています。我が国において教育を目指す者の志は例外なく高いと信じたいところですが、教職への関門が緩んでくれば、様々な職種の選択肢の一つとして厳しい人材獲得競争にさらされることになると思います。同じ教諭でも、中学校、高校の一部教科など高倍率が続いている分野もありますが、今後十数年の需給バランスも地域間にばらつきがありますが、単純な給与水準の引下げは、ただでさえ難しい採用計画を一層困難にするおそれがあります。  大量退職、大量採用時代を迎え、意欲と能力を兼ね備えた人材が教職を志すような給与体系を示していくことが求められていると思います。給与水準の引下げから議論がスタートするようでは、厳しさを増す教育現場に優秀な人材を集めることは到底かなわないのではないかと危惧しています。  既に文部科学省と財務省の間で、二〇〇七年度以降五年間で一般行政職の給与との差二・七六%、平均給与で一万一千三百二十三円の引下げで合意しております。これは、今年の六月に河村元文科大臣から、優遇分の在り方についてよくよく検討するようにとの指示に基づき検討した結果であるとされています。また、財政制度等審議会は、人確法の優遇分の撤廃にとどまらず、民間企業の水準に合わせて更に引き下げる必要があるとの認識で一致しているといいます。  教員給与の在り方を議論するための中教審ワーキンググループでは、こうした前提の下で、私、全部読みましたけど、これ、ワーキンググループの各委員の言っている意見を。そうすると、この前提で話がスタートするのかと質問している方はたくさんみえますわ。そうすると、事務局はそうですと。二・七六%、一万一千三百二十三円引き下げたところからどういうふうに配分するかを考えよといって事務局は答えてみえるんですね。このちっこい字、ちょっともう今見えないんで読みませんが。そうなんです。  どこまで読んだか忘れちゃった。ああ、分かりました。こうした前提条件はこれ以外にない、これだけの前提条件だと。これはのめということか。更に前提条件が出てくるのか。総額抑制といったかせがはめられていないのか。これだけが前提なのか。更にまた前提条件が出てきて引き下げることが始まるのか。今前提になっておることも私は満足していませんよ。しかし、更に何か出てきて、引き下げる要因が出てくることを心配しております。  中教審における関係団体からのヒアリングでは、人材確保法堅持の声が相次いでおり、今月に入って人確法維持の方向で一致し、実績、能力に応じた給与体系にするための具体策をまとめると言います。具体策の検討に当たっては、めり張りのある給与体系がキーワードになっているようです。ここでも言われております。ワーキンググループでもめり張り。具体的にめり張りとはどんな意味か、まず伺いたいと思います。大臣でなくても結構です。  第二点は、めり張りを付けるには客観的、公正、科学的な教員評価ができることが前提にならなければなりません。しかし、いじめ集団のいる、先ほど、午前中に話をされたいじめ集団のいる学校や、精神的に不安定な子供たちを受け持ち、教員の努力の成果がなかなか現れない状況にあるときの教員評価の在り方など、問題はたくさんあると思います。めり張りを付ける手法自体がいまだ確立していないのではないか。これが二点目です。  三点目は、こういう状況下で見切り発車すると、今回のいじめ問題のように、評価を恐れ、隠ぺい体質を助長しかねません。やはり拙速は避けるべきだと思いますが、こうした三点にわたってどのように対応されていくおつもりか、お答えをいただきたいと思います。
  121. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) めり張りの付け方等については、後ほど参考人からめり張りを付けた答弁をいたさせますが、まず基本的な私の──佐藤先生、よろしゅうございますか。佐藤先生、よろしゅうございますか。  基本的な考えだけ私は述べておきたいと思いますが、行政改革推進法案には先生が今御心配になったような記述があることは確かです。しかし、地方へ行くと公務員給与そのものが民間よりもかなり高くなっていますから、これはやはり私は調整をせざるを得ないと思います。  しかし、人材確保法案で文部科学省が国民からお預かりしている財源をそう簡単にむざむざと離したら大臣は何のためにいるか分からないわけですから、これをどこに使うかは少しやっぱり納税者の立場に立って考えないと、先ほど先生が称賛された中川先生の御質問にあるような教師もいれば、あるいは福岡のような教師もいる。これはみんな人確法でかさ上げした給与体系の中にいる方ですから、やはりめり張りを付けてということをこれから御説明いたしますから、そしてやる気のある教師にはやっぱりしっかりした給与を上げるということだけは私はしっかりやりたいと思います。    〔委員長退席、理事大仁田厚君着席〕
  122. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) ただいま大臣からお話ございましたように、行政改革推進法に基づきまして、教職員給与の在り方につきましては十八年度中に結論を得るということになってございます。そのため、中教審の中にワーキンググループを付けまして、教職員給与の在り方について現在検討を行っております。  その際に幾つかのやはり観点がございまして、現在教員の給与については、一つは、大体一律に処遇をされておって、ある意味では大変頑張っておられる先生、あるいは大変優れた先生、あるいは学校の中で校長、教頭に次いで学校運営のかなめとなっておられるような先生等々、非常に頑張っておられる先生に対して給与上の処遇が必ずしも十分でないんではないかといったような御議論が一つございます。一方で、いわゆる指導力不足の教員でございますとか、そういった問題を抱える先生についても同様の処遇になっているのではないかといったようなことが言われております。  こういった観点から、本当にすぐれて努力をし、成果を上げておられる先生についてきちんと給与上の処遇をするということが今回の検討の一つの大きな課題になっております。  それからもう一点は、そもそも教員は教職という専門性、また勤務の特殊性を有しているわけでございますけれども、そういった他の公務員に比して専門性、特殊性に見合った給与体系というものをやはり考えていきたいということが二つ目の大きな課題としてございます。  もちろん、人材確保法に基づく優遇措置につきまして、これをどうするかということは全体としての大きな課題でございますけれども、現在の議論の状況としては、教職に優れた人材を確保するという観点から人材確保法の精神というのはこれは必要なものではないかという議論で現在審議を行っているところでございます。  なお、二点目といたしまして、教員のその評価というのは大変難しいということは佐藤先生お話のとおりだと思います。ただ、今いろいろ教員の評価につきましては各教育委員会におきましてその評価の在り方について研究もし、試行もまた現に実施しているところもあるわけでございますので、そういった教員の評価についてのこれまでの経験を生かした教員評価というものが教員給与に反映されるようにしたいと思っております。  なお、評価をすることによりまして、例えば先ほどお話がございましたような、いわゆるいじめの問題を隠ぺいしたりして数を減らせばいいといったようなことが逆にいい先生の評価になるといったようなことがあってはならないわけでございまして、そういう点につきましては当然十分配慮をした評価にしていかなければならないと思っております。
  123. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 ちょっと簡潔にお願いしたいと思います。  端的に聞きます。人確法の評価、今局長の話を聞いていると人確法は間違いだったと、そう聞こえますよ。人確法は間違いだったと。  人確法は、当時で、私の記憶でいえば二五%ぐらいの改善だったと思います。それから、教職調整額が付いて、四%付いて約三〇%上がった経験があります、私の途中から。で、人勧を精算すると二度、十二月にボーナスをもらったような気になりました。それぐらい安かったわけですよ、最初は。それで改善されて、ボーナスと人勧と人確法と調整額合わせると、ボーナスを二回もらったようになるんですよ。それでやっとゆとりが出てきたわけですよ。  大臣にも申し上げておきたいんですが、良い先生というのをどうやって見分けるのかと。部活を一生懸命、夜遅く真っ暗になるまでやっているのが、そして授業中寝ておるのが良い先生なのか、授業で勝負している先生が良い先生なのか。そんな基準はないですよ。この学校は部活を一生懸命やる学校、この学校はそういう暴れる子がいないので、少人数で学力を上げていく学校、それぞれ一校ずつ違うんですよ。教員も変わるんですよ。そこで良い先生と悪い先生をどうやって分けるんですか。それがめり張りですか。絶対反対です、それがめり張りなら。  今のベースがあって、更にいい先生だけ上乗せするというならまだ、まだ認めますが、削って、削っておいた末に良い先生へと、悪い先生の分が良い先生に乗るだけじゃないですか。大臣、分かりますか。
  124. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 分かりますよ。
  125. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 そうでしょう。それがめり張りだったら意味がない。  銭谷局長の答弁も、人確法は駄目だったというふうに聞こえますよ。だから、改めてワーキングチームに答申したんだと、そういうふうに聞こえますよ。  ちょっと、もういいですよ、時間がなくなってきたので今日は余り、さっき申し上げたように前進的な前向きな質問をすると言ってきましたので、参考にしていただきたいと思います。  次に、教員免許の更新制について伺いますが、先ほど申し上げたように十四年の中教審答申と本年七月の答申との性格の違い、大きな私は違いがあると思っています。  十四年は、有効な方策とは考えないと。十七年のになったら、これは期待されるものであると。不適格教員の排除を直接の目的とするものではなく、言わば教員として日常職務を支障なくこなし、自己研さんに努めている者であれば通常に更新されることが期待されるものであると。期待されるものまで来たんですね。方策としては合わないから、三年たったら期待されるものだと。本当にこのとおりのことが行われますかね。  下村官房副長官は、これでは本当の改革はできない、十年とされている有効期限の短縮や更新の条件をより厳しくすることを検討していると言います。どっちを我々は信用してりゃいいんですか。大臣、これは答えてください。
  126. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 先生、その前にお許しをいただいて、人を評価するということは非常に難しいということは先生がおっしゃるとおりです。政治家の評価もやっぱり非常に難しいですね、政治家は大体自分が一番有能だと思っている人は多いわけですから。しかし、やっぱり客観的に、部活もある程度見てくれる、勉強を教えるのは熱心だ、トータルのバランスとしてはこの人がいいということはだれかが評価しなければ人間社会の評価というのはございません。それは、これは勤務評定その他のことに掛かってくるわけですから、これを全く否定して国民の税金を使うということは私はいささかどうかと思います。  それから、今おっしゃっているように、確かに十四年のときの中教審の答申は、なお慎重にならざるを得ないということ、先生御指摘のとおりの答申をしておりますね。その後、今回の答申では十年、そして研修という具体的なことを答申しております。この間、やはりかなり私は社会の状況が変わってきて、今朝も御質問になっているいじめの問題だとか、あるいは世界史、日本史の問題とか、いろんな問題が教育現場で現れてきていますから、先生おっしゃるとおり、確かに九年間ぐらいは固定的というのも一つの考え方だろうと思いますが、やはりおかしいなと思ったときは少し変えていくと。ただ、私は、下村さんが言ったことがいいとか言っているわけじゃないですよ。中教審の答申として出されたものが十四年と現在とで違うということは、私はやはり受け止めてやらねばならないと思います。  それよりも何よりも、バウチャーであるか教員免許であるか選択制であるか外部評価であるか、そういう声が次々次々一般国民、納税者の中から出てくるということを教育に携わっている者はやっぱり重く受け止めるということが原点なんだと思います。
  127. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 それは確かに評価は難しいですよ。ですから言っているんですよ。  評価の観点が明らかになってからめり張りが付くんじゃないですか。最初にめり張りと言っておいて、観点はこうだよという話はないでしょう。いつも出てくるのはめり張りが先でしょう。じゃ、その制度はといったら、まだないんでしょう。文科省が特に扱う公立の小中学校は、私先ほど申し上げたように、普通の学校で普通の子供を育てるんですよ。みんな違ってよい学校でいいんですよ。それぞれ特色があっていいんですよ。選択の自由なんかやらぬでもいいんですよ、それぞれの学校が特色を出せば。そういう努力を私も現場に求めますが、制度が確立していないのにめり張りが先に来ることに私は警鐘を鳴らしておるんですわ。名古屋弁になっちゃったな、いよいよ。    〔理事大仁田厚君退席、委員長着席〕  それで、三年で変わるというのですけれども、九年間は例えばの例であって、僕が言っておるのは、一年生から中学三年、新しい制度を入れるなら新中学一年か新一年生から適用すればいいんですよ、それは。全部を変えるからおかしくなるんですよ。九年間一切いじるなと言っておるわけじゃないですよ、私は。適用をだんだん変えていけばいいわけでしょう。例えば、中学校一年生になったら三年生までは同じ内容でいきますよと決められた、次の一年生はこういうふうですよと。それがころころころころ……(発言する者あり)今、西岡先生が前はそうだったですよと言ってみえるんで間違いないんでしょうかね、私が言っていることは間違いないと思いますが。  じゃ次に、ちょっと今の問題にかかわって、大学等の養成課程を経て教員として職業人を全うしたならば、十年更新制度の下では三、四回の更新を経験することになると思います。伊吹大臣新聞のインタビューの中で、二十年前に取った免許で同じことを教えている、税金の無駄だと、今も述べられました。それまでの成功体験に裏打ちされた自信から自らを省みる姿勢が欠けたり、多忙の余り過去の指導案で授業をしたりしてしまうことがあるでしょう、それは全然ないとは申し上げません、あるでしょう。今必要なのは、そうした教員に気付きの機会を提供することではないかと私は思っております。教員同士が自主的に互いの授業を見せ合い、意見交換ができるゆとりを学校現場に確保することです。  現職だけでも全国百十万の教員の免許状を十年ごとに更新していくには、もう分かりますよね、一年に十万人やっていくわけですね。それこそ莫大な税金の無駄ではないですか。更新制を導入したからには一定の成果を上げることが求められますよ、それだけの金を使えば。現在、指導力不足と認定された教員は二千人に一人の割合です。一定の更新拒否の実績を示すことが無条件に求められるんですよ、こんなものは、それだけの税金を使えば。一年で十万人ずつ更新していくんですよ。何か受けるんですよ、テストか何かを。可能ですか、お金はありますか、義務教育費削ってもこのようなお金を用意するんですか。  昨年実施された指導力不足教員の認定制度に対する保護者のアンケートによると、指導力不足の定義として、子供への態度が受容的でないことを理由に挙げるものと、厳しく指導的でないことを指導力不足と考えているものが混在しております。保護者が教員に求める指導力の内容は多様であることが指摘されています。  一方、教員の指導力向上のために有効な施策は何かという問いに対して、教育活動に専念できるようにゆとりを持たせる、五九・四%、続いて自主研修の充実が二九・三%、採用選考の工夫、改善を図る、二七・六%、職務内容を精選する、二三・六%と続きます。これは二〇〇六年十一月の教育評論から抜きました。  なお、このアンケートは指導力向上の選択肢として教員免許の更新制導入は挙げられていません。アンケートは実施する側の設問によって一定の方向付けがなされがちなので割り引いて考える必要はありますが、保護者は教員に対して多様な指導力を求める一方、自らの求めにこたえてもらうには、今の教育現場に本来業務に専念できるだけの環境が整っていないと感じているわけですよ、この結果から読み取れることは。  総人件費改革の下、職種を問わず人件費を掛けることはすべて悪とみなす空気がとりわけ小泉内閣では広がりました。教育を最優先課題とする安倍内閣は、保護者のこうした声を真摯に受け止め、税金の無駄遣いだと言われないような、先ほど伊吹大臣から私に税金の無駄遣いだと言われましたんで、今度はこれやることが税金の無駄遣いだという言葉を返したいと思います。お答えください。
  128. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 今の先生の御質問について言えば、もう私がるる申し上げるまでもなく、最後は有権者がどういう判断をするかということによって国の判断は決まってくるんですね。  ですから、私は、確かに免許の更新をすればお金は掛かると思います。しかし、掛かるお金以上の国益をつくり出せると有権者が判断をすれば、この免許制度というのは受け入れられると思います。だから、問題はそこにあるんであって、必要なお金であればそれはやはり掛けなければいけない。義務教育費、別に給与を削るとか、そんなことを考えているわけではありませんし、必要な財政需要が生じれば当然そのお金は必要になるでしょう。しかし、なぜ今このことが多くの人たちの間で論じられるのかということをやはり教育現場においてよく考えなければ私はいけないんじゃないかという気がいたしております。
  129. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 まあ、ごめんなさいと言う以外ないですね。国民が決めると言われたら、民主党、自民党より下回っていますので、何にも言えませんね、そうしたら。我々は政権取るために、こうしたらどうですか、こうしたらどうですかと言っているんですけれども、最終的に国民が決めますと言われたら、はあ、そうですかと。委員会要らぬですよ、これ、最後は国民が決めるんだというなら。国民は知らないんですよ、その中身は。一々選挙で全部の項目を挙げないんですよ。こうします、ああします、三つか四つですよ。そんな中に免許の更新制を掲げて選挙やりますか。自民党の皆さんやりますか、私は免許の更新制を公約に掲げますって。言わないでしょうが。教育立国をつくりますとか、そういうことになるんですよ。だから、必要だからと判断を国民に求めるならば、それ相応の努力をしていただかねば私はならぬと、うまくいかぬというふうに思っております。  次に、バウチャー制度導入について伺います。  安倍内閣の義務教育に対する国の責任の取り方を議論する論点として、教育バウチャーの取扱いがあります。バウチャー制度は諸外国においても国全体の義務教育を保障する仕組みとして取り入れられているケースはほとんどなく、公立学校の序列化、階層化を招くおそれが強いとされています。  バウチャー制度による選択の結果、公立校の中でも比較劣位にある学校は一層財政が逼迫し、教育現場は荒廃し、本来再生のためのてこ入れが必要な当該地域教育力が否定されることになり、選択されなかった公立校を努力が足りないと兵糧攻めにして、その学校に通う地域子供教育はどうなるのかと。政府もよく言っていますね、家庭学校地域連携しろって。連携はもうずたずたになりますね。高等教育段階などにおいては学ぶ者の選択性を十分に保障する意味で公私間の競争条件を備えていくという観点に立てば一定の効果が期待できますが、公立校を中心に義務教育段階でバウチャーの導入は、その目的と対象を十分吟味した上で慎重に議論を進めるべきであります。何のためにだれを対象に導入するのか、その目的を達成するには本当にバウチャーしかないのか、冷静な議論が必要であると思います。  伊吹大臣も、謙虚に検討し、副作用より効果が大きいなら当然採用する、副作用が上回る場合は私が首相に話すつもりだと答えられたと思います。これも全く同感であります。副作用は副作用としてきちっと認識をして、論理的かつ冷静な判断を総理に対して示していただけるものと大臣に期待をしますし、期待をいたしております。  伊吹大臣は、さきの衆議院での一般質疑の中で、教育は市場経済で決まる効率や利潤を超えた価値を扱っており、義務教育に市場原理が入ってくることは感心しないと答弁されております。間違いないですよね。──もうちょっと聞いてください、もうちょっと聞いてください。  当初、米百俵を口にした小泉内閣の教育施策に最も欠けていたのが、今申し上げた伊吹大臣の答えなんですよ。経済財政諮問会議を中心にして教育の条理をないがしろにする政策決定過程であったわけです。したがって、伊吹大臣がそのように判断されるということは本当に同感ですし、是非頑張っていただきたいと、私はこう思います。  教育バウチャー制度を義務教育に導入する考えがあるのか、あるとすれば何の目的でどこを対象に導入しようとしているのか、安倍内閣は。中教審での論議の状況教育再生会議の検討の方向性について議論されるのか、それをお示しいただくとともに、我が国の義務教育にバウチャーが本当に必要と考えてみえるとは先ほどの大臣の発言からすればないと思いますけれども、その辺りも併せて伺いたいと思います。  私、資料、新聞資料を付けておきました。私の、どっちが、私が正しいと言っている、これ二人で正しいと言い合いで、どっちが正しいんだ、両方正しいということになっちゃいますが、私は自分が正しいと思っていますので。伊吹大臣と同じように、市場原理を持ち込むべきではないと、義務教育学校間格差をつくってはいけない、それが地域家庭学校が連携することだと思います。これらを含めて御所見を伺えればと思います。
  130. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) その前に、まず私は、国民が判断するべきことだと言ったのは、選挙で勝ったから何でもやるということを言っているわけではございません。教育改革の中でいろいろな免許制その他がこれから取られていくでしょう。そのことについてはこの次の選挙でやはり我々は審判を受けるんです。ですから、私は世論が判断すべきだと言っていることは、まあ新聞がすべて世論を表しているとは思いませんが、新聞あるいはマスコミあるいは識者がこのことについて賛否両論を言っている中で、なぜこういう議論が多くの人の口に上るのかということを教育に携わっている現場の者はもちろん、我々も謙虚に受け止めねばならない、それが国民が判断することだということを言っております。  それから、今大体先生が読んでいただいたことはほぼ間違いないんですが、私のその意見をちょっと途中でお切りになったと思いますね。それは、教育であるとかあるいは社会保障というのは、損益計算書で計算される利潤だとか、あるいは見えざる手に導かれた効率とかというものを上回る価値を維持していると。だから、この分野を市場原理だけで決めるということは適当ではないけれども、それをいいことにして、義務教育で十兆円、教育関係費で国、地方合わせて二十兆円のお金を預かっている人が悪平等だとか非効率な税金を使っているという批判があるのであれば、どちらのやり方の方が副作用が大きく、効果が大きいかということを検証しなければならないと。できれば私は、市場原理を入れずに、それを預かっている人が国民の税金を効率的に使うんだという意識を持ってやってくだされば、大学独立行政法人などということも私は必要じゃなかったんじゃないかという趣旨のことを申し上げておるんです。
  131. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 残念ながら国立大学法人に私どもも賛成しましたが、二十三項目の附帯決議を付けさしていただきました。ここで反対されたのは西岡先輩でございますが、佐藤君、絶対いかぬぞと、これは、そのときは党が違っていましたんで。これをやったら大学はつぶれるぞと、特に地方の大学はつぶれるぞと。その同じ現象が起きていますよね、今。  例えば、私の愛教大なんかはとりわけそうですよ。ゼロ%、地域手当。今年の人勧でトップの一二%、だれが払ってくれるんですか、この金を。効率化係数が一%ずつ掛かっている、人件費は来ない、人勧だけ地域手当が〇パーから一二になったと。職員は一二%もらえると思いますがね。それなのに、その金は後ろを向いたらないがね、学長さんや理事長さんが後ろを向いたら。むしろ一%掛けられた、削減係数が掛かって手元へ入ってきますよ。地方の単科大学はつぶれますよ、これから。総合大学はいいですよ、病院の赤字を埋めるのは大変ですけれども、共同研究ができますから。名前を挙げて大変失礼ですけれども、東大だとか京大だとかというのは産学協同で金入りますし、研究費が入ってきますよ。それで、係数は掛けたけれども、特別な何とかが行っていると言いますね。それ総額しても前の年より減っているんですよ。科研費ですか、特別科研費とかいうのがあるじゃないですか。それで補っているといったって、総額は下がっているじゃないですか。  たまたま大臣が独立行政法人、大学のことを言われたので、一度このことは申し上げたいとずっと思っていましたので、それで申し上げるわけですが、遠山大臣のちょっと答弁を引きますよ。  平成十五年七月八日採決の日、参議院文教科学委員会。佐藤泰介君、じゃ次に、予算、財政措置について伺います。まず、法人への関与は引き続き十分な財政措置をとっていくためには不可欠であると答弁が繰り返されてきたが、法人化を機に国立大学に対する財政措置が削減されることはないのか、この点について伺う。ずっと何か長い前書きがありますのでそれは省略しますが、したがって、この、ああ済みません、国務大臣遠山敦子君、このような重要な役割を引き続き担う国立大学に対する、国立大学のその役割を言ってみえるんですね、その前段で、財政措置につきましては、移行前に必要とされた公費投入額を十分に踏まえ、従来以上に国立大学における教育研究が確実に実施されるように必要な所要額の確保に文部科学省としてはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  当然私はこの中に人件費も含まれるものと、このように思っておりますが、人件費はこれは省かれておるんですかね。一%ずつ毎年効率化係数が掛けられていくと、百年たつとゼロになるんですかね。お答えください。
  132. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 国立大学法人の運営費交付金の措置についてのお尋ねでございました。  国立大学法人の予算については、これは佐藤先生よく御案内のように、六年間の中期目標期間を通じて各大学が見通しを持って着実に教育研究を展開しようと、そういう意味で必要な運営費交付金を措置できるようにということで考えておるわけでございます。人件費については、当然渡し切りの交付金として、人件費、物件費を積算区分を設けずに、それぞれ各大学が自由な人事設計、組織運営あるいは教育研究活動ができるようにという趣旨でそういう措置をとっておるところでございます。
  133. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 地域手当、地域手当。〇%から一二になった地域手当。それを受けた学校。人件費として行きますね。答弁、嫌な答弁、惑わしちゃいかぬですよ。
  134. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 地域手当の問題についてのお尋ねでございました。  基本的に教職員の給与水準については、先生御案内のように、社会一般の情勢に適合したものになるように、また、改定に当たって国家公務員の給与水準を十分考慮して適正な水準となるようにということが要請されているわけでございます。  地域手当でございますけれども、よりそれぞれの地域の賃金の状況を反映した地域ごとの水準であることから、給与と同様に依然として一つの人事院勧告も有力な参考材料と考えられるわけでありますけれども、しかしながら、国と同様とすることにより、複数のキャンパスを有する大学においては、例えばキャンパス間に差が生じます。あるいは、法人における人事管理、経営戦略に支障が生じるというような場合には、各法人における中長期的な財政状況を踏まえた上で、法人全体として差を設けないとか、あるいは様々な判断によることが可能であるというふうに考えておるところでございます。
  135. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 まず、確認をします。地域手当は上げていただいて、それは経費は来るんですね。来るんですね。イエスかノーでいいです。
  136. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 運営費交付金自体は渡し切りの交付金として、人件費、物件費を含めたものとして措置させていただいているものでございます。
  137. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 ということは、地域手当も含んでいるんですね。はい、分かりました。学長にそう伝えておきますからね。
  138. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 人件費、物件費を含めたものとして運営費交付金上算定され、そしてその全体としての、その交付金も含めた大学全体の歳入の中からそれぞれの大学が六年間を見通した経営の判断に基づいて行う、こういうふうに思っております。
  139. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 結局来ないんじゃないですか。中期目標の六年は、今各大学何やっているか知っていますか、清水局長。中期計画練り直しておるがな、金が来ぬから。その大学がほとんどですよ。六年見通した計画で金が行っているわけじゃないですよ。毎年来るのがだんだん減っていくから、中期計画をその都度その都度直しておるんですよ。そんな欺瞞的な答弁して駄目ですよ。  大臣、お願いします。
  140. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 独立行政法人にした意味は、大学の判断、自主的判断の中でやっていただかざるを得ないほど実は国立大学のときに悪平等が学内にはびこっていたという面があったからなんですよ。  これは、私は本来、大学というのは、単に人件費が足りないとかどうだとかというんじゃなくて、例えば法科大学院とか経営大学院とか、あるいは先端医学とか工学だとか、ビジネス社会に非常に乗りやすいものはどんどんどんどん伸びちゃうわけですよ。しかし、リベラルアーツとか、「枕草子」を読んだとか、永井荷風の「断腸亭日乗」をいつも読んでいるとか、そういう人生の機微に触れないような、結果的に裁判官に離婚の判決をされるような大学になっちゃいけないなということを私は言っているわけですよ。だけど、それほどのことをやらないと中の無駄だとか非効率が省けないからやむを得ずやったわけですよ。  だから、今局長が答弁していたように、お渡しした経費の中で必要の優先順位を付けて大学、その独立行政法人が御判断をしていただくということがこれは制度の筋でございます。
  141. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 また分からなくなりました。先ほど遠山大臣の私、答弁読みましたよね。必要な所要額の確保に文部省教育研究が確実に実施されるように必要な所要額の確保に文部科学省としてしっかりと取り組んでまいりたいと思います、これは遠山大臣。後の大臣もそんなこと言っておりませんので、また大臣答弁がこれは同じ政権内でくりくり変わるわけですよ。  十分確保されていない。一%ずつ減っていくわけでしょう、係数掛けられるわけでしょう。結局、学校の中で処理しろということでしょう。そうすると、地域手当というのは学校の中で処理できませんよ、人勧が出す数字ですから。学校が何とかできぬですよ。そうすると、学校で、例えば地方の単科大学が学校の中で処理しようとしたら、あと頼るのは授業料しかないんですよ。授業料を今よりも各校ばらばらにこれから上げていってもいいのかどうか。そうなるですよ。金の入る学校はやっていけるけれども、金の入らない学校は授業料しか当てがないんですから。どんどん上がって、もはや私学より上へ行っておるところありますよ。  どちらでもいいです、しっかり答えていただければ。
  142. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 遠山大臣の答弁を引かれてのお尋ねでございました。  御案内のように、法人移行時、平成十六年度予算における運営費交付金は、各国立大学について、従前の設置基準を上回る教員、事務職員に対する人件費も含めて、法人化以前の公費投入額を踏まえて実質的に同水準の額を措置しました。  平成十七年度におきましては、その措置額に、教育研究の特性に配慮した上で、一定の効率化を図りつつ、新たな教育研究の充実に対応した各大学の取組に対しては特別教育研究経費により増額を図っております。  なお、授業料についてのお尋ねもあったかと思いますが、授業料については、御案内のように標準授業料を設定いたしまして、基本的に各国立大学がこれまで果たしてきている役割等々も十分踏まえたものとして、また一〇%の裁量を言わば可能とするということによってそれぞれの大学の運営にも配慮したい、そういうことにしております。
  143. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 国立大学法人の最終的な責任はどこにありますか。最終的に責任を負うのはどこになりますか。  私は、これから、今の答弁だとすると、授業料も上げれない、収入もない、歳出だけ増えていく、人件費は上がっていく、地域手当は上がっていくというとすると、当然その大学はお金がなくなりますから、このままほうっておいたらつぶれる学校が出てくるだろうと私は危惧しています。そうすると、その大学がつぶれた場合はどこが責任を負うんですかね。法人ですか。
  144. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) 平成二十二年を見通した中期目標計画の下に、例えば先生御指摘の人件費についても、言わば各大学において計画を立てて経営を図っているわけでございます。
  145. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 先ほど質問したじゃないですか、それは。長過ぎる、金来ぬで中期計画をいつもいじっておるじゃないか、そのお金に合わせて。二十年間の額を保障しなさいよ、だったら。大学は中期目標を書き換えておるんですよ、今。二十年か六年か、何年でもいいですよ、そんなものは。書き換えているのが実態じゃないですか。現場へ行っていますか、局長。高等局長、大学現場へ行っていますか。切実な声を聞いてきてくださいよ。
  146. 清水潔

    政府参考人(清水潔君) もちろん大学にも伺っておりますし、各国立大学の学長さん方々からもいろんなお話を伺っているところでございます。
  147. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 それは、そうしたらそんな答弁にならぬじゃないですか。中期目標を書き直しておる実態も見てきたわけでしょう。それはおかしいよ、局長。必ずつぶれる学校出てきますよ。そうしたら何をやるか分かりませんよ、今度。教育経済学なんか特に困るですよ、収入先がありませんから。  それで大学院大学ですか、兵庫と鳴門と上越、あれは全県につくる予定だと私は聞いておりました。まあ、それはいいにしても、そこまでの学歴を付けることが、修士ぐらい終わるということが、これは西岡先生のいつも持論ですが、今は教師は親と同じ学歴ですよ。私が新卒で入ったころは、私が学歴高いですよ。高校卒か中学卒の親ばかりの学校でしたから、それだけでも尊敬されちゃうわけ。今、親と学歴同等だから同じ目線でしゃべるんだろうけれども、お父ちゃん東大、お母ちゃん聖心だったら、先生教育大と言われたら、偏差値でいったらどれだけ違いますか。ちょっと余談になりましたね。まあ、やめますが。  何も見てないですよ、中期目標を変えておるんですから。その変えたのに合うようにお金をというんだから。またたったら中期目標を変えて、それに合ったようにお金をというんだから。このお金は階段ごとに減っていくわけですから。大臣、そういうこと分かります。十分そこを、清水局長現場の本当の実態を、大名行列のように行っていけませんよ、一人で、お付きも付けずに黙って本当の実態を見てきてくださいよ。  ちょっと怒りがこみ上げてきて大仁田さんに似てきましたので、まあちょっとトーンを下げますが。  せっかく樋口局長お見えですので、一、二問聞いて、子供体力づくりの重要性について伺います。  先日、平成十七年度体力・運動能力調査結果が発表されました。大人の体力は向上しているようですが、子供については持久走、立ち幅跳びといった数値が明らかな低下傾向にあると言えます。この調査では、テレビの視聴時間や朝食の有無と運動量の関係も明らかになり、テレビを一日三時間以上見ているグループはそれ以下のグループより運動能力が劣り、朝食を食べるグループと食べないグループを比べると小学校のころから差が現れ、年齢とともに広がる傾向にあります。  大臣は、あいさつの中で子供の体力の向上を挙げておみえになりますが、生活習慣の変化と子供の体力低下についてどのようにお考えをお持ちですか。  体格が良くなる、良くなるというより肥満児が多いんで良くなったのかどうか分かりませんが、体格の方は数値が上がったが、体力の方の低下傾向をどう受け止めておみえになるのか、お聞きしたいと思います。
  148. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 体だけぶくぶくでかくなったってもうこれは困るわけでして、やはり運動能力と一緒に体格が良くなるということがいい、これはもう当然のことなんですが、やはり食生活がかなり豊かになった中で偏在をしているとか、生活が便利になった中で子供すら体をなかなか動かさずに、昔だと野っ原に出て走り回っていたのが今テレビにかじり付いているとか、こういうところを少しずつみんなでやはり見直していかないと、この問題はちょうど今の日本経済のような感じになってくるんじゃないかということを危惧しておりますがね。
  149. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 今大臣言われたように、これもまた、スポーツ、体育も文科省の担当ですが、これも私も特効薬はないなと思います。周りの大人が、あるいはその子供を取り巻く環境をどうつくっていってやるかということが私は大きいだろうと。  大臣は野っ原と言われましたが、昔の子は野っ原走りましたが、今の子供は野っ原がないんで細いアスファルトの道を走っておるんですね。すぐもう曲がり角へ来ちゃうんですね。それで、野っ原で遊んだというのはもう大臣の世代ですよ。今の子の世代はちょっと走ったら壁ですよ、もう。ターンしたら自転車が来るんですよ。それも含めて私は環境を整えていってやらなきゃいけない。いわゆる特効薬がないというふうに思っておりますので、ぜひお互いに知恵を出し合いたいと、こう思っております。  次に、子供体力づくりと学校教育との関係についてお伺いします。  大臣あいさつの中でも、「早寝早起き朝ごはん」国民運動について触れられましたが、子供の体力向上は生活習慣の立て直しと不可分一体であると思います。テレビの視聴や朝食など、学校で指導できることには限界があります。子供保護者に対する不断の働き掛けが重要であろうと思います、今私が申し上げたことでございますが。また、放課後、近所で暗くなるまで遊び、その中で体を鍛えるといった生活環境を今の子供たちに与えることは本当に難しい世の中になりましたけれども子供の環境を、何とか野っ原環境をつくってやれるような、お互いにこれは努力をしていきたいというふうに思います。  一日の大半を学校で過ごす学齢期の子供が体を動かす機会は、学校教育全体を通じて確保していく必要があります。子供の体力向上に向けたこれからの学校教育の取組について、樋口局長お願いします。
  150. 樋口修資

    政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。  学校におきましては体育の授業が中心的な体力づくりの役割を果たしているわけでございますが、児童生徒の体力向上の基礎となるこの体育の授業ということで、自ら体力を高めることができるようにすることを、学習指導要領の中でもこれを目的の中に掲げておるわけでございます。この体育の授業のみならず、学校教育全体の中で特別活動やあるいは運動部活動、こういったものを通じて取り組む必要があると考えております。  このために、文部省としても、子供の体力向上実践授業を実施をいたしまして、地域の実情に応じて子供の体力向上のための様々な活動が行われるよう取り組んでいるところであります。  現在、各学校においては、例えば授業と授業との間、あるいは放課後等に全員で体操やランニング等を実施する体づくりや外遊びで体力向上を図る、こういった取組も行われてきているところでございますので、こういった取組を更に普及を図ってまいりたいと思っております。  また、来年、私ども、学力・学習状況調査を全国的に展開する中で、学力だけではなくて子供たちの体力の状況についても生活習慣等とのクロス集計を行いながら、そういった結果を都道府県別に公表することを通じまして、各学校における問題点や課題、成果というものを検証しながら、この各学校における体育科の授業の改善を含めた指導の改善を図るよう促してまいりたいということで、今後とも学校における体力向上の取組を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  151. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 これで最後にしたいと思っていますが、今、樋口局長のお答えについては同感でございますけれども、学テを出された部分については反対でございますので、スポーツ・青年局長が学テを触れる必要はないと。体育のことを一生懸命やってくださいよ。  それから、もう最近はないのかと思いますけれども、私が中学最初に行ったのが十一か十二クラスありました。三学年掛けると三十二、三のクラスです。一時間目に体育が来るんですよね、時間割が組めないから。今はそういう学校ないですよね、もう。
  152. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 質問ですか。
  153. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 はい、質問です。
  154. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 樋口スポーツ・青少年局長。
  155. 樋口修資

    政府参考人(樋口修資君) 申し訳ございません。  実態は十分把握しておりませんけれども、各学校でそれぞれ教育課程を組んでいただいております。効率、効果的な指導、指導の実が上がるような教育課程を組んでいただいているものと思っております。  私も個人的には、毎日、朝、小さいころ、体育の授業があると、なかなかその後は授業に身が入らないということがございましたので、各学校でもそういった子供たちの興味、関心、適性あるいは実情というものを踏まえた適切な教育課程、取り組んでいただいていると期待をいたしております。
  156. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 それでは、部活の問題と体力の向上の関係について伺います。  学校での運動部活動は、子供スポーツに継続に取り組む重要な機会を提供していると思います。しかし、少子化による参加者の減少により、近隣の学校と合同でなければ団体競技のチームが組めず、指導者の確保も難しくなっているといいます。休日返上で部活動指導に当たる熱血教員が日本じゅうにあふれ返っていれば言うことはないのでしょうが、学校外に適切な指導者が見付からず、学内に指導経験のある教員がいない学校の部活動の活性化を期待するのは酷であります。小中学校のころに運動部活動を経験していない教員が増えていくことも予想され、今後の学校現場での対応が危惧されるところです。  これらの現状を踏まえた運動部活動の充実に向けた何か取組、計画があればお知らせください。
  157. 樋口修資

    政府参考人(樋口修資君) 先ほど佐藤委員が御紹介されました文部省の体力・運動能力調査でも、運動部活動を行っておるお子さん、あるいは地域スポーツクラブに入っているお子さんの方が所属していない児童生徒より体力水準が高いという結果が表れているわけでございまして、学校における運動部活動は非常に体力づくりに大切な分野であろうかと思っております。  ただ、御指摘のとおり、各学校でも児童生徒数が減少してきているということで、集団競技、団体競技の運動部が減少してきております。あるいは、指導者が高齢化してきている等々、多様なレベル、内容スポーツニーズに対応した指導者の確保が難しくなってきている、こういう課題を抱えているわけでございまして、私どもといたしましても、小規模校化している学校の中で複数校の合同運動部活動、こういったものを推進したり、小学校段階では複数の種目、運動種目に取り組むような、そういう運動部活動、総合運動部活動を推進をする、あるいは外部のスポーツ指導者を積極的に学校の中に取り入れていく。これは、運動部活動だけではなくて、体育科の授業の中にも特別非常勤講師等として積極的に登用していく。現在三万人程度の外部指導者が運動部活動等にかかわっておるわけでございますが、更に地域家庭の御理解、御協力をいただいて、学校の運動部活動、充実を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
  158. 佐藤泰介

    ○佐藤泰介君 野っ原はありませんけれども学校には運動場があるわけですので、その活用をまず十分に図って、子供たち、やっぱり体力が落ちるということは何かがまた欠けてくるわけですので、是非今答弁されたように、学校の、東京はどうも狭いようですが、名古屋もかなり、私の地元でいえば小中とも大きな運動場を持っている学校がありますので、まずその運動場をどう利用してどのように体力を付けていくかということの視点も併せ持って取組を進めていただきたいと思います。  大臣には大変失礼な言い方をしたかもしれませんけれども、お許しをいただいて、冒頭申し上げたように久しぶりの大物大臣でございますので、文部科学省の、久しぶりです。伊吹派と言ったら怒られるでしょうかね。その代表でもあられますので、是非財務省に勝てるように、教育予算獲得に向けて大きな期待を申し上げて、私の質問を終わります。
  159. 蓮舫

    ○蓮舫君 民主党の蓮舫でございます。  私は、学校に通っているお子さん、あるいは学校にお子さんを通わせている保護者の立場から、大臣に質問をお願いさせていただきます。  私自身、今、小学校三年生の男の子と女の子の双子を育てています。保護者皆さんお話をする機会、大変多うございますが、大臣、今学校にお子さんを通わせているお母さん、お父さん、何を不満に、不安に思っているのか。当然学力不足もあるんですけれども、最も心配でたまらないのは、学校自分子供いじめられていないか、いじめていないか、あるいは自分たち保護者子供のサインをちゃんと見ているか、見逃して、気が付いたらいじめ自殺という本当に取り返しの付かない事態に至ることにならないんだろうかと、こんな不安を持って朝子供を見送る、夕方子供が帰ってくるのを待つ。  私は、学校はいつからこういう場所になったんだろうかと。教えてくれる場所であった、安心できる場所であった学校子供の心の問題で揺れている。北海道で、福岡でいじめ自殺があった。埼玉では失神ゲーム。御存じですか大臣、失神ゲーム。失神をさせて、危ないと思って顔を殴って、そしてけがを負わせた。あるいは東京都の新宿区では先生自殺をした、女性先生。責任は学校にある、両親がこれは公務災害認定の申請をしたと。学校がどうしてこういう命というものがニュースになるような場所になったのか。いろんな要因があると思いますが、大臣は何が原因だと思っておられますか。
  160. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) これはいろいろな立場でいろいろなことが言えると思いますが、学校というのは基本的に学びの場でありますから、今先生がおっしゃったようなことがあってはならないでしょう。これはもう当然のことでございます。しかし、社会全体にも目を覆わしむるような事件が次々起こっている、その中で学校にもこういうことが起こっているということを私たちは受け止めておかねばならないと思います。ですから、社会全体の規範意識の低下の中で、教育は天職、医は仁術という言葉はこのごろは通じないようでございますが、社会全体のやっぱり規範意識ということを一つ受け止めておかねばならない。  それから、今先生がおっしゃった、うちにも孫がいるんですが、ありていに申しますと、やはり女性は社会にこのごろは出ますね。社会に出て異なる価値観に触れて、そしてそれで自己が成長していくという楽しみはこのごろ女性にも開放されている。これは非常にいいことであって、また女性が社会に出てくれなかったら日本の社会や経済は成り立たないようになっているぐらい大きくなっているんです。  その中で、今先生がおっしゃった子供を送り子供の帰りを待つというのは、誠に幸せな御家庭だと思います。多くの御家庭は、多分、子供が帰ってきたときに待ってくれる母親がいないというのが多くの今共働き家庭の現実なんですね。こういうふうに変わってきた中で、もう一度家族を再生し、地域社会を再生する方向でいくのか、それとも、もうこれは人間のさがとして変わらないけれども、それならよくやっているように、放課後の保育園あるいは幼稚園、小学校の活用という形でやっていくのか、やはりそういうことのどちらかの方向を我々として今決めていかねばならない。そんなこれ社会の大きな変化の中にいるという意識が大切だと思います。
  161. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣がおっしゃるとおり、私も子供が帰ってくるのを迎えるのは本当に少のうございます。私だけじゃないと思います。でも、多くの人が、許されれば本当に子供自分の手から離れるまでは家でちゃんと見たい。でも、残念ながら今働き方がそうなっていない。子供をしっかり育児をして、その間に職がなくなる。一度正社員という職を離すと、どんなに大学院を出ていても大学を出ていても、再就職するときにはレジのパートとかコンビニのアルバイトですよ。そしたら子供なんか産みたくない、こう思うところも出てくる。いろんな意味で少子化というのは対応していかなければいけない、大臣の御認識、ごもっともだと思います。  ただ、私は思うんですけれども、社会も変わってきた。人々の考え方も変わってきた。女性の社会参画も変わってきた。でも、学校もそれに合わせて変わってきている。地域社会を変えなければいけないのは確かだと思いますが、学校が、じゃ、学校で起きた問題を文科省と一体となって正してきたのか、ここに是非着眼をしていただきたい。  私は、教育行政のばらばら、四層構造、やはりこの問題とっても大きいんだと思うんですね。大臣、御認識全く同じだと思いますが、文科省は学習内容や教科書の中身を決めて、都道府県が教員採用や人事、学校の設置管理は市町村、実際に生徒と接する時間の長い学校の権限って非常に限られている。文科大臣がどんなに学校の問題意識を共有しても、直接指導、助言、調査できない、ここがやっぱりとっても大きい問題なんだと思うんです。  私たちが主張しているのは、教育行政を抜本的に見直して、やはり最終的、単位としては学校中心に、学校に主体性を持たせて、もっと権限を持たせて、地域の人に参加していただいて、地域の人たち、多くの大人で子供を見て教育をして、子供子供で多くの人に見守られているという安心感。それと、たくさんの大人が学校子供教育に参加するから、いじめとか問題行動、早期発見、早期対応、早期解決が可能になってくる。学校協議会の設置を提案しているんですけれども。  昨日、教育再生会議いじめ対策が中心に議論をされたようでございますが、この再生会議の中でも、教育委員会については意見が廃止からあるいは強化、いろんな意見があるようでございますが、大臣はこの教育委員会、これどうしたらいいと、廃止したいとお考えなんでしょうか。
  162. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) まず、昨日の再生会議は、いじめのことを主に論じた会議ではございません。ただ、随分報道がございましたので、何人かの方が御意見をおっしゃいました。  それから、教育委員会について云々というお話がございましたが、これも昨日はやっと二回目の会合を開いたわけなんですよ。で、各々のその三つのワーキングパーティーのようなものを設置するということを決めておりますので、これからいろいろお話があると思います。  私は、今先生がおっしゃったことは、一部賛成なんですが、ちょっと矛盾したお話があるんじゃないかと私自身は思います。それは、学校を中心に教育を行うということになりますと、これは義務教育というものは、やはり国民すべてに日本人として大切な最低限の基礎学力と、そしてその規範意識を植え付けると。そして、それにプラスして、各々地域の実情あるいはそのプラスアルファの個性を伸ばすということがあればやっていただいて結構ですが、これを学校にすべて自由にやらせる、地域学校教育の主体に置くということは、私は義務教育においてはおかしいと思います。  そして、教育委員会は、私は廃止すべきじゃない。しかし、今の教育委員会のままにしておいては、やはり役割を十分果たせていない。午前中の中川先生の御質問に私がお答えしたように、やはり我々も議院内閣制で動いている、地方の首長も選挙で選ばれる、そして地方議員の方々も選挙で選ばれるという中で、政治というものが、政治の理念で教育を動かさないようにする防波堤として教育委員会というものはやっぱり機能してもらわないといけないんで、そういう意味で、一つ一つの学校にその教育をゆだねるということは私は賛成できません。
  163. 蓮舫

    ○蓮舫君 教育委員会は廃止はしないということは分かりました。  どうもそごがあるようでございますが、私どもが言っている、学校に全部教育を任せろとは言っているわけではないんですね。これは文科省の方針ですけれども、学力に関しては国の責任で確実な基盤整備を行って、国の責任で結果を検証するとしている、これは正しいと思うんですよ。国の責任をもっと明確化しようと。  だけどもいじめですとか心の問題ですとか、今学校で起きていることに対しては国は直接言うことはできないし、ここに教育委員会というのが都道府県と市町村と挟まれていると。大臣が直接言えないと。ならば、この教育委員会ではなくて学校に、国の責任としての学力、義務教育というものに沿った方向でですよ、もちろん、それが基盤となって、学校地域の人、保護者学校にもっと権限を与えて、協議会をつくって運営をしていっていただきましょうということを私は提案させていただいているんですね。そこは誤解のないように言わせていただきたいんですが。  教育委員会は防波堤になると今日も何度も大臣、御発言されていますが、それと同時に、大臣、今日午前中、いじめ自殺で露呈された教育行政の問題ですね、私先ほど四層構造と言いましたけれども、法律上の国の関与を考えないととおっしゃっていました。つまり、今の教育行政では、文科省は北海道、福岡の二つのいじめ自殺に対しては十分な指導を行ってきていたし、この事件を防ぐすべはなかったということなんでしょうか。
  164. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) まず最初に、国が責任を持つという先生のお考えは、私も別にそれは反対ではございません。  しかし、国が責任を持つけれども、その方針に従って学校の運営協議会を置きながらそこに運営させるという場合は、やはり法治国家でございますから、それをどういうふうに担保をするか、国がどこまで関与できるかということをはっきり詰めて議論をしませんと、学校の単位でばらばらのことになることを恐れているということを申し上げているんですよ。  それから、北海道の問題あるいは福岡の問題について言えば、国が十分なことはできていたかというと、国は一律的にこの調査、例えば自殺いじめ調査の数字を出してくれとか、あるいは学習指導要領をやっているとか、その範囲内のことでやっているわけですね。で、今おっしゃったように、設置者がおり、その設置者のところに教育委員会があり、そこに学校の運営を任せているわけですから、その人たちに、今日朝、中川先生がおっしゃったように、生徒に直接行けるのかと、学校に直接行けるのかといいますと、文部科学省がですよ、調査に、あるいはその保護者のところへ行けるのかというと、法律的には非常に微妙な問題を含んでおりますね。ですから、その辺りのことは私はもう少し国が靴の上から足をかかなくてもいいようにしてもらいたいと、私の気持ちとしてはね。それが国の関与をという意味でございます。
  165. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣、ですから、是非靴を脱ぐような改革をしなきゃいけないんだと思うんですね。その靴を脱ぐ、その靴の考え方がどうやらもう少しこれは議論をしていかなければいけないと思っているんですけれども。  今、調査把握していると言いました。文部科学省の方にお伺いすると、我々は実態を把握していると言うんですね。ただ、午前中の指摘にもあったように、もうこの数年間いじめの発生件数は減っていると、いじめ自殺はもう平成十一年からずっとないんだと。だけれども、明らかになったのは、警察庁の検挙データ、あるいはいじめに起因する検挙件数を見ると、やっぱりこれ明らかに増加をしている。法務省もそうなんですよ。法務省で把握をしているいじめによる人権侵犯件数の推移、これもこの数年上がっている。  法務省にお伺いしたいんですが、法務省がいじめによる人権侵犯件数を把握し出した、これはどんな申告があって救済手続を開始したんでしょうか。
  166. 水野賢一

    ○副大臣(水野賢一君) 法務省が、法務局になるわけですけれども、この人権侵犯事件事案というものを把握する端緒というのは、一つは児童生徒本人やその保護者から申告があった場合、若しくは……
  167. 蓮舫

    ○蓮舫君 どんな申告があったかって聞いているんです。どんな申告が原因ですかって聞いているんです。
  168. 水野賢一

    ○副大臣(水野賢一君) これは、申告が本人の側からあった場合ということでございます。若しくは、報道等などがある場合に、要するに情報として入手をした場合にもこうした手続は開始をされるということでございます。
  169. 蓮舫

    ○蓮舫君 ちゃんと通告しているんで、答弁きっちりしてください。  どんな通告があって法務省、法務局がこのいじめの人権侵犯で救済を始めたのかというと、書いてあるんですよ。いじめに対する学校側の対応が不十分である旨の申告があり救済手続を開始したんだと。  大臣ね、学校側の対応が不十分だと、学校が聞いてくれなかったと。じゃ、どこに行くか。法務省に行くんですよ、人権侵害で。ここに私、学校の問題もあると思うし、こういう深刻な事態があって、人権侵犯で申告があった件数も上がっているのに、文部科学省把握をしている実態というのは、いじめは減っている、いじめ原因になる自殺はゼロだ。これ実態なんですか。私、これ決して実態ではないと思うんです。大臣、短く一言。
  170. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) なかなか難しい問題でございますからそう短くはお答えにくいと思いますが、実態をすべて把握していると豪語するほど実態は私は把握していないんじゃないかと思いますね。  それは、文部科学省はすべての現場へ行って、先ほど先生が四層構造とおっしゃったように、調査をするだけの介入権がないわけですよ。ですから、出てきたものをもって、つまり申告を正しいと思って税務処理をしているのと同じことなんですね、率直に言えば。だから、そのような教育委員会をこれからちょっと相手にして仕事をするのはしんどいなというのは私の印象ですね。
  171. 蓮舫

    ○蓮舫君 申告があって、そのとおりに税務処理をしていると。脱税があった場合にはきっちり取り締まられます。だけど、残念ながら教育行政においては脱税があった場合に取り締まれない。ここをだから靴を脱ぎましょうという御指摘をさしていただいているんですが。  文科省の把握している実態、データ、どうしてこういうのは詳細に把握しないんだろうと思うんですが、今、不登校の児童、これも文科省は減ったとしているんです。まあ人口が減っているわけですからいろんな問題も減ってくるんでしょうけれども、減ったといっても、小学校で不登校の児童は約二万三千人います。中学校で約十万人いるんです。  文科省がこれも調査をしているんですが、不登校になった直接のきっかけにいじめという項目ないんですよね。これ何でいじめという項目入れてないんですか。短くていいですよ。何でですか。
  172. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 不登校になった直接のきっかけの項目については、いじめは友人関係をめぐる問題の中に含めております。不登校の子供のうち約二万五千人、約二〇%がこの友人関係をめぐる問題で不登校になったということでございます。
  173. 蓮舫

    ○蓮舫君 友人関係をめぐる問題というのは多々、多種様々あると思うんですけれどもいじめがこれだけ問題になっていて、文科省としては指導を平成七年から繰り返し繰り返し通知を行って、今年の八月にも通知を行ったのが、一か月強で北海道事件じゃないですか。福岡の事件じゃないですか。いじめを本当に正したい、直したいとするんであれば、不登校になったきっかけにどうしていじめを単品で挙げないのか、友人関係の中で挙げるのか。  不登校児童、きっかけになった不登校児童の小学生の六人に一人、中学生の四人に一人が、友人関係の悩みで学校に行きたいけど行けない、行こうとしない。この子供たち学校に戻すために、もしいじめ原因だったら、正しい措置をして救ってあげるという役割も私は文部科学省の指導にあるんだと思うんですね。  ただ、どうやらもうこの調査の実態の把握の方法とか調査項目にいじめを外すとか、こういう流れを見ていると、文科省は、ただ数としていじめの数を減らせばいいんだと、積極的に関与して実態を把握して、事態を理解して正していこうという姿勢が見えないんですよ。  文科省が調査をしなくても、いろんなNPOとか厚生労働省のデータとかでいじめの実態って知ろうと思ったら知ることできるんです。  チャイルドラインというNPOがやっている、子供電話を掛けて、だれにも言えない悩みを電話で聞こうという活動がある。パンフレットも国会でいろんなところで配られている。小学生の女の子、クラスにいじめられている子がいる。自分はその子と友達になりたいけど、みんながいじめているから怖い、私もいじめられそうだ、こんな声が出ている。電話を受けた人の声。いじめ電話では、先生がそのことを知っていても何も対応してくれないという内容が多い。先生はもっと子供たちに真剣に向き合ってほしい。  情報を真剣に収集して実態を知ろうとしたら幾らでも方法があるけれども、文科省の行っているデータは、この現実からとにかく離れよう、離れよう、何とか数を減らしていこうと、そういうふうに残念ながら私には見えてならないんですが。  筑前町で三輪中学校いじめ自殺があった。私はこの学校の自己評価を入手しました。この学校は、じゃ、いじめ問題にどんな対応をしていたのかと。五段階評価でいじめ問題への対応は三・三です。この三・三は評価の中で極めて高いポイントです。旅行的行事、文化的行事が三・四だから、ほとんど同じなんですね。学校は旅行とか文化的行事必ずやりますよ。それと同じ評価なんです。でも、そのいじめ問題への対応が極めて評価が、自己評価が高い学校先生いじめを招いてああいう自殺という最悪の事態になったと。  改めて私は、こういう評価だけが上がってきたのが実態だと思う文科省の姿勢というのは、大臣、是非正していただきたいということを指摘をさしていただきたいんですが。  ほかにも、平成十五年の中教審答申で政策目標の設定ってあるんですね。これ、例示なんですけれどもいじめ、校内暴力などを五年間で半減を目指す。こういう例示が果たしていじめとか心の問題とかって私は出せるものなのかと思うんですね。数が減ったから、だから子供の心の問題がなくなったということじゃないと思うんですよ。いつ再発してもおかしくないから、数は減らすのはもちろんなんだけど、起きちゃいけないようにするんだと。  この例示が独り歩きして、青森県教育委員会ではいじめ解消率九五%。長野県ではいじめ二百件の比率を半減に。静岡県教育委員会では〇六年、小学生で九百三十四件あるいじめを二〇一〇年に五百件以下にほぼ半減。数値目標に設定して、学校でそれが独り歩きしているんです。  そうすると、先生自分を評価されるのが怖くて、自分のクラスでいじめがあると報告しない。学校自分が評価されるのが怖くて、学校いじめがある、問題があるとは申告をしない。教育委員会は、こういう数値目標が課せられると言われている文科省への顔色も見て、自分たちの所管ではいじめは減っているんだと虚偽の申告をしてしまうようなシステムをつくってしまっているんじゃないかと。  私のこうした考え方は杞憂なんでしょうか、大臣
  174. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 杞憂ではないと思います。正しいとも思うし、一方的にそれだけ主張されては行政はできないということもあると思います。  それは、何らかのやはり目標を持ってそこへ進んでいくということはなければ駄目ですし、目標があるから目標に合わせて自分を良く見せようとして糊塗をして、そしてあらゆることでその目標に、実際は目標に合ってないんだけれども、目標に合った、合ったと言う人がたくさんいるから目標をつくるなということになると行政はできないと思います。
  175. 蓮舫

    ○蓮舫君 子供の問題に関しては、目標って難しいと思うんですね。これ、大臣も多分、先ほど来の御答弁を伺っていると同じ思いだと思うんですよ。確かに目標はなきゃいけないんです、いじめがなくなったと。でも、極めてセンシティブな問題で、学校では表面上先生の前ではいい子ぶっている、学校ではばれないようにする。その代わり外に出たら、通学路で、自宅の近くで、あるいは商店街で、学校外でいじめがじゃ起こっていいのかということにもなるんですね。  そう考えると、学校だけでいじめの問題って解消できない、だから地域の再生と。だから私たち学校地域が一体となって子供の問題に対応していきたいと御提案をさせていただいているんですけれども、一方で大臣、これ是非お考えをいただきたいと思うのは、今回はいじめで亡くなった子供の心の問題、御両親の無念の思い、地域の方たち、いろんなものがテーマになっているんです。私は、一方で、いじめを行ってしまう生徒、ここにも是非目を転じなければいけないと思うんですね。  筑前町の中学校、亡くなられた少年の御自宅に御焼香に訪れた同級生の男の子が先生の言動をまねていじめたことを認め謝ったと、お父さん、お母さんに、と伝えられているんですが、このことは文科省では把握をしていますか。
  176. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 昨日実施をいたしました御遺族からの聞き取り調査において、いじめを行ったとする生徒による弔問があったことについて話があったところでございます。
  177. 蓮舫

    ○蓮舫君 で、文科省の指導を教えてください。いじめ児童生徒に対してはどのような指導をするのが必要と通知をしていますか。
  178. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) いじめを行っている児童生徒に対しましては、いじめは人間として絶対許されないことであるという意識を徹底をさせると。そして、いじめの非人間性に気付かせ、他人の痛みを理解できるように根気強く継続して指導することが大切だと思っております。また、いじめられている児童生徒を守る必要がある場合には、いじめ児童生徒に対する出席停止の措置も含めて毅然とした指導が必要であると考えております。
  179. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣、文科省の指導では、いじめ児童生徒に対して出席停止等の措置も含め毅然とした指導が必要であると。確かに、いじめ生徒、あってはならない、相手を自殺にまで追い込む、絶対あってはならない、厳しい措置をとった方がいいと、こういう意見もあるでしょう。でも、今回の筑前町のようなパターンを見ると、先生いじめを招いていた、先生がやっているから悪いことだと思わなかった、軽い気持ちで参加してしまった、いつしかそれが集団になった。そうすると、助けなきゃいけないと思っていた同級生も怖くて助けられないとか、助けようと思ったけど今度は自分いじめられるから助けることができなかったと、いろんな思いが子供たちの心に広がる。こんなはずではなかったとついいじめてしまった子供たちもいるんですよ。助けられたのに、何で自分はできなかったんだろうと悩んでいる子供たちもいるんですよ。でも、文科省の指導は、出席停止等の措置も含め毅然とした指導が必要であるだけなんですね。  私は、毅然とした態度だけで、自分が行ったことに初めて気付いて悩んで、もう一回やり直そうと思っている子供たち学校から出席停止で追い出してしまうだけでいいんだろうかと思うんです。ここはやっぱり子供の育つ心、だれも確信犯で相手を自殺に追い込めようと重い気持ちでいじめを行っているとは私は思いたくないんです。ちょっとした過ちの思い、それに対して文科省は、もう少し私は福祉の視点というのも是非入れていただきたい。いかがでしょうか。
  180. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 今回の福岡のケースは、多くの生徒に迎合することによって自分がクラスを掌握しているような気分になっていた先生に大きな私、問題があると思うんですが、今おっしゃった指導のやり方というのは、そういうものを重視しろというのはおっしゃる面があると思います。だから、これはやはりその生徒の性格、あるいはいじめ対応、ケース・バイ・ケースなんですね。ですから、やはり一律に、文科省が言っているようにこれだという解決方法は私はないと思いますよ、指導のやり方について。しかし、先生のおっしゃっているだけでいくとは私は思いませんね。
  181. 蓮舫

    ○蓮舫君 是非、一括の通知だけではきっと無理なんですよ、地域性がありますから。だから、問題も違いますから。だから、一口にいじめといっても、やっぱり質が違うし対応も違うんだと。  だから、やっぱりここは私は、文科省から教育委員会教育委員会から市町村教育委員会、市町村の教育委員会から各学校、段階、段階を振って一律にやっていく教育行政というのは、やっぱりこれは是非民主党の提案も含めてお考え直していただきたいということを再度強く御要請を申し上げたいんですが、ちょっといじめから変えさせていただきたいんですが、これ大切なことなので、大臣には是非指導力をお示しをいただきたいことがあるんですね。  大臣所信で、すべての子供たちに必要最低限の学力を身に付ける機会を保障とおっしゃいました。そのために積極的な指導力を迅速に発揮していただきたいのは、まず厚労省にお伺いします。  児童自立支援施設で小中学生、小中学校教育が行われていない、義務教育が行われていない児童生徒は何人いますか。
  182. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) 児童自立支援施設、五十八施設ございますが、平成十七年の三月一日現在の数字で申し上げますと、学校教育を導入していない施設は、小学校教育で三十施設、中学校教育で二十八施設、人数で申し上げますと、小学生六十七人、中学生六百五十九人の計七百二十六人が今のところ学校教育に準ずる学科指導を受けているという状況でございます。
  183. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣、七百二十六人の小中学生の児童生徒が義務教育を受けてないんですよ。これ、平成九年までは児童自立支援施設にいる子供たちは義務教育に準ずる教育でよかったんです。でも、児童福祉法が改正されて、施設長は施設で暮らす子供たちを就学させる義務が課せられたんですね。ただ、経過措置として、当分の間は改正前の規定にある義務教育に準ずる学科指導が行えるとなっているんですが、もう九年たっているんですよ、法律改正して。九年はもう、私は当分の間を超えているんだと思うんですね。  御存じかと思いますが、児童自立支援施設というのは、不良行為をなし又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させて指導を行い、自立を支援する施設。ただでさえ、置かれた環境とか自らの問題行動によって親御さん、家族と離れて更生を目指して施設にいる子供たちが義務教育を受けてない。でも、ここの施設を出るときに子供たちはまた再出発を図る。そのときに高校に行きたい、そういう年齢だと思っても、義務教育を受けてないから高校に入れる学力を持ってない。また再出発しようとしてもそこでつまずいてしまう。  厚労省の通知では、都道府県教育委員会によって学校教育が早期に実施されるように特段の配慮を願いたいとしているんですが、ごめんなさい、厚労省さん、これ特段の配慮って何ですか。
  184. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) 自立支援施設の中で学校教育を実施していくということに当たっては、地域の実情に応じて関係機関の理解と協力が不可欠だろうということで、各都道府県や指定都市におかれまして、教育委員会による学校教育が早期に実施されるようにできるだけの御尽力をお願いをしたいという趣旨でございます。
  185. 蓮舫

    ○蓮舫君 教育委員会により学校教育が早期に実施されるように願っているんです。そしてもう九年たっているんです。  大臣、これは七百二十六人、この子供たち、義務教育を受けてない。やはり、これ教育委員会に相当早い程度指導された方がいいと思います。いかがでしょうか。
  186. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) おっしゃっているのは四十八条のことですね。四十八条のことですね。
  187. 蓮舫

    ○蓮舫君 そうです、はい。
  188. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) これは今厚労省からお答えしたように、できるだけ早く支援施設内に分校、分教室というのを造らないといけないわけですから、ただ、お金が掛かりますし、これは納税者にそれだけの負担をしてもらわなければいけないんだけれども、義務教育のことですから、できるだけ今おっしゃったようなことをやってくれるように教育委員会に私から話しましょう。
  189. 蓮舫

    ○蓮舫君 お金が掛かるという問題ではないと思うんです。確かに掛かるでしょう。でも、義務教育はすべての国民、子供たちにひとしく保障されている。当分の間で保障できない期間が九年、その間に小学生だった子は中学校卒業していますよ、もう。やっぱりそういうことは是非配慮をいただきたい。
  190. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) お金が掛かると申し上げたのは、我々はすべて有権者を対象としているわけですから、私も頑張りますが、民主党の皆さんもそれだけの経費負担を有権者の方に御一緒に負担していただくように御努力をください。
  191. 蓮舫

    ○蓮舫君 御心配、御提案いただかなくても、私どもは十二分に有権者の皆様方に対して教育の必要性、大切さ、義務教育、国民運動を展開さしていただいております。  時間になりましたが、大臣、最後に一言だけ。学校で命の問題が、国会のこうした文科委員会で話される、あってはならないことだと思うんです。靴を、かかとを底からかいているとおっしゃいましたけれども、同じ問題認識持っています。教育行政のやはりそろそろひずみが来ている部分、金属疲労が来ている部分、是非これは正していただきたいし、そのときに、民主党の私ども現場から上がって汗をかいて作った法案も含めて、是非御対応をともにさしていただきたい、考えていただきたいと最後に御要請申し上げ、質問を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  192. 山本香苗

    ○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。  本日は、伊吹文部科学大臣の熱い思いに触れまして大変感動いたしました。大臣のリーダーシップにおきまして我が国の教育を良い方向へと変えていっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っておりますが、時間が三十分でございますので、早速質問に入らせていただきたいと思っております。  九四年の愛知県で起きました、いじめを苦に自殺をされました大河内君の遺族の方が新聞のインタビューで、午前中にも話がございました北海道の問題をどう受け止めたかという質問に対して、いじめに対する教師の認識の乏しさは十二年前と同じで、ショックを受けたと答えておられました。十二年前と同じと、大臣はこの御遺族の言葉をどう受け止められますか。
  193. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 大変痛ましい事件でありますし、我々も法律的に言えば教育委員会に対して十分の指導、援助を行えなかったということについて責任の一端を担わねばならないと思っておりますし、午前中に中川先生からもお話がありましたけれども、命を落とされた人の命の経験を、次の命を失わないように使っていくということをもう少しみんなでやはり真剣に考えてやっていかねばならない、先生がおっしゃったことについては、私は先生と同じ思いでおります。
  194. 山本香苗

    ○山本香苗君 私も本当に十二年前と同じという言葉、その響きだけでも本当にやるせない思いで一杯になったわけでございますが、なぜこういったことが再び起きてしまったのだろうかと。今日もいろいろと、もういろんな議論が尽くされてまいりましたけれども、やっぱりこの問題の本質というものは一体どこにあるんだろうかと、大臣の基本的な御認識をお伺いしたいと思います。
  195. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来、蓮舫先生からも御質問があったように、行政の在り方もございましょうし、法律的な権限の問題もあると思いますが、やはり子供のサインをすぐにキャッチできる人が、本来はこれは御家庭であったと思うんですよね、昔は。だけど、今のこの核家族と共働きの下で御家庭にそれを期待するというのは非常に難しいです。であるから、学校がそれを把握しなければならない、かなり重荷が学校に今掛かっているわけですね。その重荷の中で、実は、それを担ってくれる人が実はいじめの引き金を引いていたとか、あるいは行政組織としてそういうことがあってはならない人たち、ならない教育委員会の人が、さっきからお話があったように、自分を良く見せようとか、お互いに隠し合って何とか切り抜けていこうとか、こういうやっぱり、基本的に私これ人間の力が、力というとそれで終わりになっちゃうかも分かりませんが、教育に従事している人としては誠に私は残念な気持ちでおります。まあ、よほどもう一度気持ちを引き締めて教育関係者すべてが事に当たらねばならないと思っております。
  196. 山本香苗

    ○山本香苗君 本当に、子供の心に接する立場にある人たちがその苦しみを分かってあげられないという状況というのは、本当にどこから手を付けたらいいのだろうかといろいろ悩む部分もありますけれども、必ず何かやっていかなくてはいけないわけでありますが、その再発防止策を打っていくにもやはり実態というもの、今日の大仁田さんの質問の中にもありましたし、先ほども御質問ありましたが、文部科学省の統計でいじめが減少していると、法務省だとか警察庁の方はそういった、それとは逆の動きを、鎮静化していないというような数値を表していると。テレビでもさんざん取り扱われましたけれども、九五年から七年間ゼロが続いていると。もう見た途端に何だという思いで皆さん一致していると思うんですけれども。  何でこういう数字になってしまったのかという理由につきましては、午前中に銭谷局長の方から理由はお伺いしましたので、私は文部科学省としての基本的なところの認識をお伺いしたいと思っております。短くて結構で、確認でございますので、文部科学省いじめの実態を自分たちが正確に把握しているという認識なのかどうかということにつきまして確認をさせていただきたいと思います。
  197. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来からお話をしておりますように、現在の法制度の下で教育委員会に数字を出すように要請をしている、これが調査の実態なんですね。そして、その出てきた数字が最初の方はかなり高かったんですが、一時こうずっと。で、おかしいなと思ったと思うんですよ。教育委員会いじめと認識していなくても、生徒から訴えがあった場合はいじめとして報告をしろという再度の通達調査通達を出しているようです。またすっと上がってくるわけですね。しばらくすると下がってくる。  やはり今からの、私がこういうことを申し上げるのもいかがかと思いますが、反省からしますと、すっと下がってきたときに少しおかしいんじゃないのかということをやはり教育委員会にもう少しきっちりと申し上げるべきであったんではないかと。この数字をもって実態を正確に把握していたというのは少し私はおこがましいんじゃないかという気がしております。
  198. 山本香苗

    ○山本香苗君 大臣、ありがとうございました。  実態については正確に把握しているとは言い切れないという状況だと思うんですけれども、今日、銭谷局長調査についての御答弁の中で、もう一度実態調査をするということをおっしゃっておられましたけれども、他方、その後で調査方法も見直すという御答弁もされておりましたが、これは調査方法を見直した上でもう一回調査をするということですか。
  199. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) ただいま大臣からもお話ございましたように、いじめに関する実態調査についてきちんと実態が反映された、より反映されたものにする必要があると私ども考えておりまして、調査の在り方を工夫をすることにして、その上で本年度の実態調査を実施をしたいと思っております。
  200. 山本香苗

    ○山本香苗君 それで、そこで調査方法を見直すということなんですけれども、勝手に文科省の方でぱぱっとやっていただきたくないなと思っているわけなんです。といいますのも、いろんな現場からも、そもそも教師に聞いても実態が分かるのかと、また現場先生方からもなかなか言いにくいんだというような話も出てきているわけでございまして、対症療法的に何か、今日午前中に項目的に出てきたようなことだけをちょちょっと直して調査をするというのではまた正確じゃないものが上がってきてしまうわけでございますので、是非抜本的な形で見直すということで、なぜ現場からきちんと報告が上がらないのかという背景まで掘り下げたような見直しをしていただいた上で工夫を、検討していただいた上で見直しを是非していただきたいと。  そのときに、本当に皆さん方、いろんな意味で関心を持っていらっしゃいますので、外部の有識者の方を含んだ、オープンな形での検討をしていただいて、見直しをしていただきたいと思いますが、具体的にはどうやって見直されるんでしょうか。
  201. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 私どもいじめについては、これを隠すことなく実態を把握をする必要があるという考え方を再三申し上げさせていただいているわけでございますが、そういう観点からも、今後のいじめの実態の調査については十分な精査、検討した上で新しい調査のやり方を、あるいは調査票を作っていきたいと思っております。  その意味で、こういう心理学あるいは教育等々の専門家の方や、外部の方々の意見も十分取り入れる形で調査の在り方の見直しに取り組みたいと思っております。
  202. 山本香苗

    ○山本香苗君 いつからされますか。
  203. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) この調査の在り方の見直しにつきましては、早急に着手をしたいと思っております。
  204. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、大臣のリーダーシップで早急にやっていただきたいと思っておりますが、今現実に起きているいじめに対する対策というものは、いじめがあるかないかというより、いじめは必ずあるんだという前提に立って急いでいかなくてはいけないと思っておりますが、この十月十九日付けで局長名で出されております各学校及び教育委員会におけるいじめの取組の更なる徹底を求めた通知がありますけれども学校でこれやってください、教育委員会これやってくださいというのは出してあるわけでございますけれども文部科学省としてこのような相次ぐいじめの問題が起きたことを受けて何をするのかというのが今問われている、見られているところだと思うんですけれども。  先日、ある教育委員会に行きまして、こういった関係のこと、いろいろ話をしてまいりましたけれども、大変失礼な言い方かもしれませんが、残念ながら今回のこの事件が、こういった事件が起きているにもかかわらず、今回は今までとは違うんだぞと、本気で文科省徹底的にやるぞみたいな姿勢が全然現場には伝わっていないんです。別にやれないことを、今日大臣がいろいろと御説明をしていただきましたけれども、やれないことをもう思い切ってやれと言っているわけではなくて、文部科学省として、今までとは違うんだと、本気でやるんだぞと、そういうところの意気込みみたいなものが是非感じられるような、この委員会でもいいですし、いろんなところでお示しをしていただきたいと思っているわけなんです。  その中で、いろんな委員会も本当に出て御答弁されることがたくさんあるわけでございますけれども、十月二十日の衆議院におきます委員会におきまして大臣が、その中で、我が省としてはいいもの、いろんな効果的な取組各地でやっておりますけれども、そういうものを集めてみて、教育委員会に全国的にお知らせするという御答弁をされておられました。我が党の遠藤議員に答えていらっしゃったわけなんですけれども、これは具体的にいつごろ、いつから始められるでしょうか。  既に、例えば兵庫県の川西市なんか、新聞にもありますけれども、私も行かせていただきましたが、子どもの人権オンブズパーソン制度というのは前からいい、いいというふうに言われておりまして、そういうものもありますし、各地でいろんな特色ある取組というものはあるわけです。また、文部科学省の傘下にある国立教育政策研究所ですか、あそこのNICERのデータベースのところにはたんと載っているわけなんですよ。蓄積はあるわけです。ストックはあるわけです。もうすぐにでも着手できるものじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうかということと、もう一つ、来年度の予算におきまして文部科学省として新規事業を今回の関係でも挙げていらっしゃるわけなんですね。いじめや不登校、高校中退等の課題の未然防止、早期発見、早期対応につながるような効果的な取組を全国的に普及することを目的といたしました問題を抱える子ども等の自立支援事業として約十四億円、これを要求されておられるわけなんです。今正にこれをやろうとしていらっしゃるわけですよね。であれば、こういった事態に、夏の段階とは違った段階が今出てきて、正に今これをやられようとしているのであれば、これを前倒ししてでもやっていこうとか、やれるよう検討してみようとか、そういう気概が文部科学省にあってもいいんじゃないかと思うんですが、一度御検討していただきたいと思います。
  205. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 詳しくは政府参考人から御説明させますが、既にこの前、北海道と福岡に私が指示をいたしまして調査に行かせまして、その調査結果を踏まえて、全国の都道府県とそれから政令市の担当の、教育委員会の担当の課長、全員集まっていただいております。で、今先生がおっしゃった成功事例を皆さんにお知らせしてあります。それから、今おっしゃったデータベースも必ず見てくれるようにということも伝えてございます。そして、私は出ておりませんでしたが、報告を受けますと、かなり会が、やっぱりこういう後ですから危機感があったのか、盛り上がったようでして、各県からもうまくいった事例その他が積極的に発表されたようです。  ですから、予算の問題は、まあこれは財政法だとか何かの決まりがあって概算要求しているものを今年は使うというわけにはいきませんけれども、やりくりでできれば、少しデータをお送りするとか、そういうことは担当局長の方で考えさせたいと思います。
  206. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 今回の二つの事件を踏まえてのいじめの問題についての文部省の取組について、十分学校関係者教育委員会の方に考え方が浸透してないということについては私ども重く受け止めて、とにかく私どもとしては、いじめはどの学校、どの子にも起こり得ることを前提として、この問題に、兆候をいち早く把握をして早期に対応するということを中心にこの問題への取組をしっかりやっていきたいと、こう思っているということをまず申し上げさせていただきたいと思います。  その上で、各地域で行われているいじめに関する先進的な取組を広げていくということは私どもも一つの有効な取組だと思っておりまして、先般の緊急課長会議でもこういう取組の共有ということを行いましたけれども、今後、更に教育現場における様々な指導事例を収集、情報提供して、例えば指導事例集のようなものを作成をするといったようなことに取り組んで、各教育委員会学校が言わばいじめの問題に関する取組を行う上での参考になるようなことをやっていきたいと思っております。
  207. 山本香苗

    ○山本香苗君 もうしっかりそれはやっていただきたいんですが、先ほど言いました問題を抱える子ども等の自立支援事業につきまして、是非これ早めにやりくりしてやっていただければ一番いいんですけれども、そこの中で、今回要求されている概要を見ますと教育委員会が必ず実施主体になれみたいな形になっているわけなんですが、別にこのいじめ対策というのは教育委員会だけがやっているわけではなくて民間の方もやっていらっしゃるわけでありますから、やるという形にするんであれば、民間団体の方の取組も支援できるような形で是非考え直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  208. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) この問題を抱える児童生徒の自立支援事業は、来年度予算において今お願いを申し上げている事業でございますけれども、私どもいじめあるいは不登校に関連した事業の中でNPO等民間の方の活動にいろいろと御支援申し上げる事業もございますし、また、この新しい自立支援事業の中でも事業の進め方についてはよく検討して、本当に学校家庭地域全体がこのいじめの問題に取り組んでいくような、こういう事業になるようによく考えていきたいと思います。
  209. 山本香苗

    ○山本香苗君 やるということで御答弁いただいたと思いまして次に移らせていただきたいと思いますが、もう本当にいじめで将来ある子供たちの未来が奪われるようなことは決してないように防いでいかなくてはならないわけでございますけれども、ちょっとほかの質問を二つほど、大きなテーマを二つあと用意しているので、あと十分ぐらいの間で頑張りたいと思いますが。  次に、放課後子どもプランについてお伺いをさせていただきたいと思います。  制度概要について、まず簡単に御説明お願いいたします。
  210. 田中壮一郎

    政府参考人田中壮一郎君) 放課後子どもプランの制度設計についてでございますけれども放課後子どもプランは、現在文部科学省子どもの居場所づくりで取り組んでおります地域子ども教室推進事業、これと厚生労働省が実施されております放課後児童健全育成事業、これをできる限り一体的に実施したいというものでございまして、具体的には、教育委員会が中心となって、福祉部の協力の下に、この二つの事業を小学校の施設を活用して、それぞれの目的を生かしながら、子供たちの活動を始め、その運営に関してはできるだけ一体的に、あるいは十分連携して実施してもらおうという内容でございます。  このため、文部科学省といたしましては、厚生労働省と同一の支援制度としたいと考えておりまして、従来の事業を廃止いたしまして、新たに地方公共団体に対する補助制度として放課後子ども教室推進事業を創設し、必要な概算要求を行っておるところでございます。
  211. 山本香苗

    ○山本香苗君 これ非常に現場でニーズが高くて、また地方自治体の担当者の方々ともよく懇談するんですが、そのときにも非常に注視されているなということを感じるわけなんです。  その中でよく出る質問が、今局長、答弁いただきましたけれども、将来的には、いわゆる、さっき一体的あるいは連携して実施するというような言葉がありましたけれども、地方自治体の担当者の方々、将来的には一体化することとなるんですか、それとも二つが並列することになるんですか、又は地方の事情によってその辺のところは任せてもらえるんですかという質問がよく寄せられるわけなんです。ここをしっかり分からないと、地方としても一年やってぱっとやめるとかいう話にならないわけで、部署もいろいろ変えなくちゃいけないわけでありまして、そのところの青写真をどのように描いていらっしゃるのかということをお伺いしたいのと同時に、今予算のこともちらっとおっしゃられましたけれども、このプランにつきましては約総事業費が一千億円というお金で、国、都道府県、市町村が三分の一、三分の一、三分の一という形になっておりますが、是非しっかりこの予算獲得に向けて大臣の力強い御答弁をいただいておきたいと思います。
  212. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) これはちょうど幼稚園と保育所の関係によく似たことになると思うんですが、今もこの二つの施設については総合施設的なものにだんだん変わってくる地域もあるのは先生承知のとおりです。これは、ニーズが非常に高いというのはよく分かりますね。それは、保育園、幼稚園に行っている間は夜間保育だとか何かありますから、共働きのお母さんたちも安心して子供を迎えに行ってから家へ帰ってくるわけですよ。ところが、小学校へ行くと、春休み、夏休み、冬休み、放課後、子供の行き場所がないわけですよ、特に低学年の方は。だから大変な私はニーズがあると思います。ですから、これは今後充実していくというのは当然のことですから、予算はできるだけ確保できるように私も頑張ってやりたいと思います。  将来的にどうするかは、これは私の私見としてはですよ、これは国民サイドに立って考えれば別に二つの省で別々の要求をする必要はない、同じニーズであればね。ただ、保育と幼稚園というのは若干教育とやっぱり福祉措置という出発点が違ったので非常に難しい問題があると思うんですが、放課後の児童の居場所をつくってやるという意味では、私は将来は一緒にしてもいいんじゃないかと思いますが、これは私見ですよ。あと両省で少し検討しなくちゃいけませんから。
  213. 山本香苗

    ○山本香苗君 ちょっと不安になってきたわけなんですけれども、しっかりそこの辺りが地方の実情に合わせてやっていけるような形に是非制度設計としてやっていただきたいわけなんですが。  そこで、副大臣、今日来ていただきましてありがとうございます。というのが、もう先行事例がたくさん各地にあるわけなんです。地域におきましては、子どもの居場所づくりをやっていらっしゃっているボランティアの方なんかもうゼロから立ち上げてこられて一生懸命やってこられたという中で、大変喜んでいらっしゃるんですけれども、他方、今回は補助事業という形になるわけですね。ですから、使途制限がかなり厳しくなるんじゃないかと心配されておられまして、現場で使いやすい形にしてもらいたい、使途制限をできる限りなくしてもらいたいといった声が来ております。  是非、既存の事業を後押しするような形での援助の形にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  214. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) 山本委員がおっしゃいますように、例えば東京都の江戸川区とか大阪府の守口市のように、全国各地で先行して取り組んでいるところが多くございます。むしろそういうところには感謝しなければいけないんで、このいいモデルを文科としては発信できるように、そしてそういうところが先行したがゆえに縛られてしまって補助金が使えないということであってはならないと思います。  このプランを更に拡充していくために弾力的な制度の運用ということが必要だと思いますので、厚生労働省と連携を取りながら、財務の方々とも、私どもの主張をしっかりと受け止めていただいて、使いやすいようにしていきたいと思います。
  215. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、予算獲得に向けても、大臣、頑張っていただくという御答弁いただきましたけれども、財務省との協議のみならず、地方分の総務省の部分のところにつきましての取組も是非お願いしたいと思っております。  最後になりますけれども教育費の負担軽減についてお伺いをさせていただきたいと思っております。  我が党は、国民一人一人が生き生き躍動する人が輝く社会づくりというものを目標に掲げて、教育改革というものをその最優先課題と位置付けております。中でも近年特に重要となっている課題といたしましては、教育格差を生まない教育費の負担軽減策をどうしていくかということでございます。  そこで、十月の二十四日の日に公明党としても教育費負担軽減のために二項目を要請させていただきました。まず一つは、育英奨学金事業の更なる拡充ということと、二つ目が、国立大学及び私立大学における授業料免除を拡充するために国立大学運営費交付金及び私学助成金の充実を図るという、この二点を要請させていただいたわけでございます。  是非、平成十九年度の予算編成を図るにおいて、取り組むにおきまして、この二点につきましてはもう格段の取組をしていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
  216. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) 山本委員を始めとして公明党の方々からの要請書については、伊吹大臣としっかりと御相談をしながら皆様方のお声を受け止めてまいりたいと思います。  今、格差社会と言われておりますけれども子供たち家庭が裕福であるか否かによって勉学ができるかどうか、そのようなことが決まってはならないと思います。子供たちに希望あふれる社会を実現させるためにも、私たちは、教育格差の一因は取り除く努力をしていくことが私たちの与えられた義務ではないかというふうに思っております。  で、授業料が上がらない、これ上げないということはもとよりですけれども、今、山本委員がおっしゃいましたように、奨学金の充実、また経済的に苦しい学生に対する授業料免除というのは更に力を入れていかなければならないと思っております。  御存じのように、奨学金は日本学生支援機構、これは無利子、有利子、今百九万ですが、この方たちを来年度は五万九千人増やしまして、百十五万人の方々に差し上げられるように、お借りできるようにしたいと思っております。また、私立大学においては、授業料の減免のために私学助成は二十億から倍増の四十億にいたしております。また、国立大学の授業料免除についても、山本委員から要請を受けましたように、私どもはしっかりと受け止め、この教育費負担の軽減の観点から拡充することが必要ではないかというふうに考えております。  教育費負担減税は、教育による再チャレンジというのは安倍総理も言っていらっしゃいます、この支援にもつながるのではないかと思っております。  免除の拡充に当たっては、先日、尾身財務大臣も再チャレンジ予算というふうなことをおっしゃいましたので、追加要求もしていけるようしっかりと頑張りたいと思っております。
  217. 山本香苗

    ○山本香苗君 是非、その国立大学の分につきましては新規要求の中に入っておりませんでしたので、追加項目として是非、安倍新内閣の下、できるような形でお取り組みいただけますようよろしくお願い申し上げまして、同僚の鰐淵議員に交代します。  ありがとうございました。
  218. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。  今国会より文教科学委員になりました。重要な教育課題、全力で取り組んでまいる決意ですので、どうぞよろしくお願いいたします。  今日朝から様々、いじめを含めまして審議が続けられておりますけれども、最近、子供たちを取り巻く環境が、いじめ、不登校、虐待など多くの問題を抱えております。そういった問題、課題に対しまして早急に対応する、また二度とこういった問題を起こさないように取り組んでいく、こういった取組とともに、その一方で、子供たちがこういった悩みや課題にぶつかったときにそれを乗り越えていく力、また強い心、豊かな心、また何が正義なのか何が悪なのか、そういったことを学んでいけるような、そういった心をはぐくむような、そういった取組も重要になってくるかと思います。それは、スポーツを通したり、文化芸術を通したり、また読書活動を通したり、様々な取組が考えられるかと思いますが、その中で、今日は読書活動についてまず質問をさせていただきたいと思っております。  一冊の本によって、また読書によって人生観を大きく変えるような、そういったこともあるかと思います。私自身の体験で恐縮ですが、私も小学校低学年のときに伝記小説のヘレン・ケラーを読みまして大変に感動といいますか衝撃を受けて、自分自身もいろんな悩みや壁にぶつかったときに、その本を読んだときの感動を思い出しながら、また頑張ろうということで前に進めた、そういった経験もございます。やはり本を通して、読書の力を通してこういった生きる力、また喜び、そういった心をはぐくむことができるのではないかと思っております。  そこで、是非大臣にお伺いしたいと思っておりますが、大臣所信の中にも、豊かな人間性と社会性を育成することを目指し読書活動の推進を図りますという、そういった趣旨のお話がございましたが、改めてこの読書運動につきまして、読書活動につきまして、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
  219. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 子どもの読書活動の推進に関する法律というのは、先生が今おっしゃったとおりございますね。やはり、読書をすることによっていろいろな自分の知らなかったことに触れるとかレトリックに触れるとか、あるいは詩歌を読めばその美しさに触れるとか、それはもうそのまま自分の人間としての厚みに跳ね返ってくることですから、これはもう読書というのはすばらしい。私はそれだけのことが自分でできているとは思いませんけれども、私が非常に幸せだったのは、やっぱり父親が大変読書家で、私にも子供のときに、万葉からすべての古典、それから鴎外、まあ子供にどうしてああいうものを読ませたのかと思いますが、谷崎潤一郎まで買い与えてくれたということは、今大きくなってみて非常に幸せだったと思っております。
  220. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  私たち公明党といたしましても、子供たちが良書に親しみ、また豊かな心をはぐくむために、二〇〇〇年に子ども読書運動プロジェクトチームを設置しております。座長は池坊副大臣でございまして、私も一年前から副座長をさせていただいておりますけれども、地方議員の皆さん、父兄の皆さん含めて連携を取りながら、この読書運動の推進、取り組ませていただいております。  その中で、先ほども大臣からもお話ありましたが、二〇〇一年に子どもの読書活動の推進に関する法律が制定をされまして、それに基づいて二〇〇二年にこの基本計画、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画が策定をされております。  この計画が見直しの時期を迎えておりまして、この計画の下、どのようにこの読書活動が推進されてきたのか。またあわせまして、成果といいますか、この推進されてきた成果を踏まえて、これからも長期的な読書活動、課題になるかと思いますので、次のまた計画を、五か年計画をしっかりと策定して読書活動を推進していくべきかと思いますけれども対応をお伺いしたいと思います。
  221. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) 子どもの読書活動の推進に関する法律が平成十三年にできましたことを受けて、学校において、あるいは都道府県において、あるいは民間、地域において子供の読書活動というのが本当に拡充してまいりました。  例えばその一つは、市町村区でやっておりますブックスタートは今や五百八十四、そして、朝の十分間読書に親しみましょうというような運動、最初はそれは何なのかと言われておりましたけれども、今や二万三千二百五十五校の学校でいたしておりますし、また、読み聞かせというのは全国的な展開を見せております。  おっしゃいますように、この基本計画は十九年の八月に変えるということになっております。で、更なる充実を図るために、また、五年前とは違ういろんな環境の変化もあると思いますから、新しいものをいろいろ取り入れながら、子供たちの読書活動のために更なる充実した基本計画を策定していきたいと思っております。
  222. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  新しい取組という今お話もございましたが、この読書活動を着実に更に前進させていきたいと思っておりますが、そういった意味でも、これは地域家庭学校が連携をした取組も重要になってくるかと思いますので、そういった視点に立った是非取組を更に推進していただきたいと思いますけれども、具体的に取組がございましたらお伺いしたいと思います。
  223. 池坊保子

    ○副大臣(池坊保子君) 東京都内で子供のための図書館というのが五月にできまして、私も新宿区立子ども図書館を視察に行ってまいりました。ここでの取組は、センター的な役割を果たしているとともに、学校との連携を取っている、あるいは病院に入院している子供たちに本を配付している、こういうことで非常に喜ばれております。  私どもは、平成十九年度においては、子ども読書応援団というのを派遣いたしまして、地域と連携しながら読書への関心を高める子ども読書応援プロジェクトというのをやっていくつもりで、これは三億二千五百万予算を立てております。学校や図書館、公民館で多様な地域活動にその読書というのを使ってほしいというふうに思っております。  それから、今の子供たちは、読む、それから調べるというのが苦手でございますので、読む、調べるを習慣的にできるようにしたいと思っておりますので、国内外の先進事例、例えばフィンランドはPISAで読解力が一位です。これはどうしてかというと、家庭の中で本を読む、そういう習慣があるからというふうなことを伺いました。そのような調査研究をするとともに、その調査研究の連携として、学校を中心として町全体で取り組み、地域レベルの実践的なモデル事業を実施する、読む、調べる習慣の確立ということを実践研究事業としてやっていきたいと思います。  委員がおっしゃいますように、この子供の読書活動を更に進めていくためには、学校のみならず地域保護者、いろんな方々の連携が必要だと思っておりますので、そういう取組を更に進めていきたいと思っております。
  224. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  次に、司書教諭についてお伺いしたいと思います。  司書教諭は、学校図書館法上、平成十五年四月以降、十二学級以上の学校には必ず置かなければならないということになっております。平成十七年の五月現在では、国立、公立、私立の小中高としまして九八・二%、ほぼ司書教諭が置かれているということになっておりますけれども、しかし、担任や副担任、そのほかにも様々兼務をされているということでございます。しかし、現場皆さんからは、是非専任の司書教諭を置いてほしいといった、そういう声もいただいておりますけれども、しかし、なかなかそれを整えていくのも難しい状況でもあるかと思います。  そういった状況の中で、例えばその司書教諭の方の負担を軽減するような取組をしていく中で、この司書教諭の使命といいますか役割をまた果たしていけるような環境づくりをつくっていくことも一つの対応かと思っております。実際にそういった司書教諭の負担軽減をしている学校は全体の約一〇%ということで、まだ一割程度なんですけれども、そういった環境づくりを進めている学校もあると伺っておりますので、是非この司書教諭の役割を果たしていけるような環境づくりを進めていくことが重要かと考えておりますので、その対応と。  あわせまして、この十一学級以下の学校におきましても、やはり子供たちにこの読書活動の機会、均等に与えていくという意味でも、この司書教諭の配置、十一学級以下の配置におきましても進めていくべきと思っておりますが、この二点について簡潔にお願いしたいと思います。
  225. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 司書教諭がその役割を十分に果たせるように教職員の協力体制の確立、校務分掌上の配慮などの工夫を今後とも促してまいりたいと思っております。  また、今年度から各教育委員会教育センター等に学校図書館支援センターというものを置きまして、学校図書館の運営、活用に対してどのように指導、助言等を行うかについて実践的なモデル事業を行っているところでございます。  また、お尋ねの十一学級以下の学校についても、読書活動や学習活動のより一層の推進のためには司書教諭が配置されることは望ましいことであるわけでございます。残念ながら、現在、十一学級以下の学校につきましては配置率が一割程度とまだ低い状況にございますので、引き続き司書教諭の有資格者の養成を進めて配置の促進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
  226. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 是非積極的にその取組を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、日本、中国、韓国の教育交流についてお伺いしたいと思います。  先日、中国、韓国に総理が訪問をされまして、一年半ぶりに首脳会談が行われました。我が国にとりましても中国、韓国は歴史的にも文化的にも大変に恩のある国でもありますし、この中国、韓国と信頼関係、また交流が深まることによりましてこのアジアの発展、そして世界平和が築けるものと考えております。そういった意味で、今も様々な交流が図られておりますが、その中でもやはり重要といいますか基盤になりますのが文化また教育の交流であるかと思います。  安倍総理もこの就任に当たりまして、教育再生を、この教育のことを一つの課題として挙げられておりますし、胡錦濤国家主席も万民に教育の機会を保障する、こういうことも言われております。また、韓国の方も教育に関心を持っておられまして、情報交換や教育課題を検討するためのこの三か国の教育省国際担当局長の会合が今年三月に行われたと伺っております。  このように、日本、中国、韓国、三か国ともこの教育が最優先の課題であるということで認識も一致しておりますし、そういった意味でも、この国民一人一人の幸福、そして平和の実現のために、その基盤となる教育文化の交流を是非ともこの三か国で深めていくことが重要であるかと思っておりますけれども大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  227. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 私が文部科学大臣をお引き受けする前の三月に、先生おっしゃったように、局長クラスの会合が行われたようでございます。そこで五月に日中韓の大臣会議をやろうという提案があったようですが、なかなか国会等の日程もあって、うまく日程が合わないまま現在に至っているようです。ですから、留学生だとか、あるいは修学旅行の相互乗り入れとか、随分いろんな交流が進んでおりますから、できるだけ早く、この少し育ってきた芽がなくならない間に今おっしゃった方向で調整をしたいと思っています。
  228. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございます。  是非この伊吹大臣のリーダーシップでこの三か国の教育交流を進めていただきたいと思いますし、また、そういう大臣会議、この開催、またその定例化も、もうずっとまたこれからも続けていただく中で、本当に普遍的なこの三か国のきずな、交流を深めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  また、その三か国のこういった教育の交流の中で、一つのテーマとして是非環境問題を取り上げていただきたいと要望させていただきたいと思いますが、環境省としても、この環境問題につきましてはそういった会議等を重ねまして対応されております。文部科学省教育関係におきましても、環境調査、技術協力、人材育成、また国民の意識啓発を考えますと環境教育も、充実も大事になってくるかと思いますので、こういった今後未来の世代のためにも、地球温暖化を始めとした環境問題、一つの課題として是非三か国のこの教育交流の中で取り上げていただきたいと思っておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  229. 瀬山賢治

    政府参考人(瀬山賢治君) 環境問題、地球温暖化を始めとして課題があるわけですが、これらいずれも国境を越えた課題であるというふうに認識してございますので、国際的な協力が必要不可欠と、特に隣国である中国、韓国との協力は重要であるというふうに認識しております。  一方、日中韓の教育交流でございますけれども、先ほど大臣から御答弁ございましたように、本年三月、初めて日中韓教育局長級会合を開催したところであります。この会合は、日中韓の教育政策に関する情報交換を行いつつ、未来志向の教育交流に関する議論を行う場だということになっております。  先生御指摘の環境問題でございますけれども、今後、このような場においてこの問題を取り上げることを、先方、中国、韓国に提案することもこれから検討していきたいというふうに思っております。
  230. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  大臣、答弁は結構でございますが、是非、今申し上げました環境問題、この大臣会議におきましても一つの課題として取り上げていただきまして、この三か国で協力をして取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、この三か国の関係の相互理解、信頼をまた築く上で、また長期的な展望に立ったときに、今後未来を担っていく青少年の交流が大変に重要になってくるかと思います。    〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕  私は、先月、外務省派遣の日中両国青少年交流事業で、二十代から三十代の約百名の青年の皆さんと中国の方に行かせていただきました。その中で、参加者の方からは、歴史、文化、そして中国人が日本のことをどう思っているのか、そういったことを実際に直接会って話していく中で、誤解していた部分があったとか、あと中国に親しみを感じたとか中国語を勉強したいと思ったとか、いろんな感想を伺いましたけれども、先ほども申し上げましたが、この三か国の今後の交流促進を進めていきますのは青少年でもありますし、是非ともこういった青少年の交流を活発に行っていきたいと思っております。  文部科学省でも日本と韓国の高校生の交流事業があると伺っておりますが、これは平成十七年の人数で、派遣したのが二十九名、受入れが三十名、あともう一つ、韓国語を第二外国語として勉強している高校生ということで、かなり枠が狭い状況でもあります。また、これは中国に対しての交流事業はまだないということもありますし、更なるこういった交流事業、中国と韓国、そしてこの三か国のこういった青少年の交流事業を更に拡充し、やはりこういった事業に参加したメンバーは、行く行くというか、必ずこの三か国の交流の中心となる人材に成長すると確信しておりますので、是非ともこの交流の充実をお願いしたいと思いますけれども、御見解を小渕政務官、お伺いしたいと思います。
  231. 小渕優子

    大臣政務官(小渕優子君) ただいま委員からお話がありましたように、もう申し上げるまでもありませんけれども、中国と韓国は日本にとって本当に大事な隣国であります。その次世代、これからのそれぞれの国を担っていく青少年が交流するということは大変重要なことであるというふうに認識しております。  文部科学省では、これらの国々との間で青少年の交流、様々行っております。先日も、千名を超える日中の高校生交流がありまして、第三弾ということで、中国から二百名の高校生を受け入れたところでもあります。  委員におかれましては、これまでも多くの日本の若者を連れて交流を積極的に行っていただいていると認識をしております。  引き続き、各国との協議を踏まえながら、これらの事業の推進に努めてまいりたいと思いますので、引き続きましての委員の御支援をよろしくお願い申し上げます。
  232. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  しっかり私も、この三か国の教育を始め、交流含めて全力で取り組ませていただきたいと思っておりますが、未来を担っていくこの青少年の交流におきましては、文部大臣含めて、是非またお力をいただきながら頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。  ありがとうございました。
  233. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  大臣には初めての質問になりますので、まず土台となるいわゆる歴史認識の問題についてお伺いをいたします。  今も日中韓三国の交流の大切さということがございました。このアジアとの本当の友好関係をつくっていく上でも、戦後の国際秩序の土台の上で世界とアジアの一員として生きていくという点でも、私はやっぱり過去に行った日本の侵略戦争と植民地支配に対する態度、これは問われてくると思います。特に中国、韓国との関係でいいますと、教科書問題は非常に大きなことでありまして、この検定の責任者である大臣の歴史認識といったものを問われると思います。    〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕  安倍総理は、いわゆる従軍慰安婦についてのおわびと反省を表明をした河野官房長官談話について、政府として引き継いでいると、こういう答弁をされましたけれども、これは文部科学大臣も同じ認識ということでよろしいでしょうか。
  234. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 教科書検定というのは当然審議会を持ってやっておりますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思いますが、私は安倍内閣の一員でございますから、内閣の一員としては当然安倍総理の考えておられるとおりの態度を取らなければいけないと思っております。
  235. 井上哲士

    ○井上哲士君 河野談話には歴史教育などを通じて同じ過ちを決して繰り返さない決意ということも表明されておりますが、当然この内容も含めて受け継ぐということでよろしいでしょうか。
  236. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 日本は法治国家でございますから、当然教科書検定についてもきちっとした法体系の中で行われていて、河野官房長官談話を受けて御承知の近隣への配慮条項というのが新たに加わっております。これは変わっておりませんから、当然のことだと思います。
  237. 井上哲士

    ○井上哲士君 ところが、下村官房副長官が、八月の下旬でありますが、自虐史観に基づいた歴史教科書も官邸のチェックで改めさせると、こういう発言をしていたということが大きく報道をされたわけですね。今の法治国家という話、そして河野官房長官談話、近隣条項も含めて態度を引き継いでいくということからいいますと、私はこれ全く反する発言だと思うんですが、この点、大臣の認識はいかがでしょうか。
  238. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 御質問の趣旨は、下村副長官の発言についてどう思うかということですか。それは、私は、先ほど申し上げたように、安倍内閣の一員でございますから、閣僚としては当然内閣の方針に従うということを申し上げましたので、副長官ですから、個人の立場と内閣の一員という立場を使い分けられるという立場には私はないと思いますがね。
  239. 井上哲士

    ○井上哲士君 だから、その下村氏が、自虐史観に基づいた歴史教科書も官邸のチェックで改めさせると、こういうふうに言われていたわけですね。これは矛盾するんじゃないでしょうか。
  240. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 何度も申し上げていますように、日本は独裁国家ではございませんので、法治国家でございますから、官邸が教科書検定をできるという法体系にはなっておりません。
  241. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうすると、この下村氏が発言をしたようなことはあってはならないと、こういうことで確認をしてよろしいでしょうか。
  242. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) それは下村さんが自分の個人的見解として御発言になったと伺っておりますが、それがあっていいことかどうかというのは、安倍内閣の一員として下村さんに聞いていただきたいと思います。
  243. 井上哲士

    ○井上哲士君 官邸のチェックで教科書が変わるようなことは法治国家の下ではないんだということが先ほど来繰り返しお話がありました。  ただ、歴史教育の中で実際にこの従軍慰安婦の問題がどう取り上げてこられたのか。教科書からは記述がなくなったりするなど、実際は大きく後退をしているのではないかと私は思いますし、大変問題だと思っております。  そして、今、下村氏の発言も挙げたわけですが、先日は、中川これは自民党政調会長でありますが、デモで騒音をまき散らす教員に児童生徒の尊敬を受ける資格はないと、免許剥奪だろうと、こんな発言も飛び出しますと、私は安倍内閣の言うこの教育改革というものがこういう特定のものを押し付けていくということになるんじゃないかという危惧を大変強く覚えております。それを申し上げておきたい。  それからもう一点大変危惧を持っておりますのは、いわゆる競争と選別、その下での格差が拡大するのではないかということなんです。  文部科学省は、来年の四月から全国一斉に小学校六年生と中学校三年生のすべての子供たちを対象に学力テストを行います。私は、今年の三月の委員会でもこれには反対だということを質問で申し上げました。非常に弊害が大きいと。その際に、文部科学省としても、この学力テストの実施が過度の競争を招いたり学校間の序列化を招来したりすることはあってはならないと答弁もされ、そして結果の公表については弊害的な部分を最小限化すると、これは前の大臣が答弁をされました。  その後いろんな公表方法について検討があったと思いますが、どういう形で公表をされるんでしょうか。
  244. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 来年の四月に行います全国学力・学習状況調査の結果の公表についてでございますが、まず一つは、国全体の状況を公表いたします。二つには、都道府県単位の状況を公表する予定にいたしております。三点目には、地域の規模等のまとまりごとの状況、ちょっと分かりにくいんでございますが、大都市、中核市、その他の市、町村等に分けまして、それぞれの状況を公表する予定にいたしております。  私どもといたしましては、公表するデータの読み取り方等を併せ示すなど、序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮することを基本的な視点といたしております。
  245. 井上哲士

    ○井上哲士君 国としてはそういう公表ですが、都道府県の教育委員会、それから市町村の教育委員会での結果の取扱いはどのようにお考えでしょうか。
  246. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 各教育委員会における全国学力・学習状況調査の結果の取扱いにつきましては、これも序列化や過度な競争につながらない取扱いを求めているところでございます。  すなわち、都道府県の教育委員会に対しましては、域内の市町村や学校状況について個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は行わないこと、市町村の教育委員会に対しましては、同様に域内の学校状況について個々の学校名を明らかにした公表を行わないことを求めているところでございます。
  247. 井上哲士

    ○井上哲士君 過度の競争と序列化をつくらないということでそういう抑制的な公表を求めているわけですが、一方、安倍総理の「美しい国へ」という本を読みますと、全国的な学力テストを実施し、その結果を公表すべきではないかと述べられた上で、この学力テストによって保護者学校選択の指標を提供すべきであると、こう書かれているわけですね。学校選択の指標にするということは、学校ごとの結果を出さなくてはできないわけでありまして、正にこの学力テストが競争と序列化に活用されることになるんじゃないか、こう危惧をするわけですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  248. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 今おっしゃったのは安倍総理が自民党の総裁選に出る前に出版した本に書いてあることをおっしゃったわけですね。ですから、安倍さんが内閣総理大臣として行政権の中で実施しようとすることは、これは施政方針演説の中にある以上のことはありません。
  249. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうしますと、前大臣がいわゆる学校ごと、それから市町村ごとなどを公表すると弊害的な部分があると、こういうことも言われているわけですが、伊吹大臣も同じ考えだということでよろしいですか。
  250. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 学力調査というのは何のためにやるかというと、やはり最低限の学力が全国的に付いているかどうかということを調べるというわけですからね。今政府参考人が申しましたように、文部科学省としては一つ一つの学校の成績を公表するというようなことは考えないと、こう言っているわけですから、それで私はいいんだと思います。  ただし、安倍さんが美しい国という本の中でいろいろ言っているような、つまり学校が本当に納税者の税金をもって効率的に納税者が期待されている役割を果たしているかどうかということは、みんなが責任を持って受け止めなければならない現実だと思います。
  251. 井上哲士

    ○井上哲士君 学校選択の指標になるような形で公表されることについてはあり得ないという御答弁だと私は受け止めました。  ただ、現実にはすべて幾つかの都道府県や市町村でこの学校ごとの結果が公表されております。そして、それがこの学校選択制と結び付くことによっていろんな問題を引き起こしているんですね。安倍総理もこの学校選択制の全国展開に意欲を見せていらっしゃるわけですが、まずこの学校選択制を導入した自治体はどれだけあるのか、数と率についてお聞きします。
  252. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 学校選択制を導入している自治体は、平成十六年の十一月時点でございますが、小学校段階で二百二十七自治体、中学校段階で百六十一自治体でございます。自治体内に二校以上の小学校を設置をしている自治体のうち、学校選択制を導入している自治体の割合は八・八%でございます。同じく二校以上の中学校を設置している自治体のうち、学校選択制を導入している自治体は一一・一%でございます。
  253. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、いじめとか教員とのミスマッチとかいろんな問題があれば、弾力的に運用することで十分に可能だと思うんですね。  そういう中で学校選択制が進められてきましたが、従来の通学区域を残したものと、通学区域をもうなくしちゃって自由選択とかブロック選択という制度があると思いますが、この通学区域自身をなくすという学校選択制を採用しているのはどれだけでしょうか。
  254. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) いわゆる学校選択制につきましては、幾つかのやり方がございます。  それで、当該市町村のすべての学校のうちから希望する学校に就学を認める、つまり、従来の通学区域はなくして、当該市町村内におけるすべての学校の中から学校を選んで就学を認めるという自由選択制を導入している自治体の数は、小学校学校選択制を導入している自治体二百二十七のうち三十一、中学校学校選択制を導入している自治体百六十一のうち四十五となっております。
  255. 井上哲士

    ○井上哲士君 通学区域をなくすやり方を取っているのはまだごく少数なわけですね。これはやっぱりいろんな懸念があるからだと思うんですが、文部科学省はこの三月に学校選択制等についての事例集というのを出されていますけれども、この中ではどういうデメリットを懸念されているんでしょうか。
  256. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 公立学校のこの学校選択制は、保護者の意向や要望に対応するとともに、特色ある学校づくりを進め学校の活性化を促進するなどの観点から、地域の実情などに即して市町村の教育委員会の判断において導入をされているものでございます。  学校選択制のデメリットとして挙げられますのは、一つには、学校地域とのつながりが希薄になるおそれがあると。二つには、入学希望者が少ないために適正な学校規模を維持できない学校が固定化するなど、学校の序列化や学校間格差が発生するおそれがあると。三点目、これはデメリットと言えるかどうかでございますが、過疎地では実際的には導入が困難であるといったことが挙げられるかと思います。  公正のため、メリットというものもちょっとお話しさせていただきますと、メリットとしては、保護者及び児童生徒の選択や評価を通じて特色ある学校づくりと教育の質の向上が図られる。二点目としては、保護者学校への関心が高まり、学校保護者の連携の強化につながる等が挙げられるかと思います。  文部科学省といたしましては、学校選択制を導入すべきか否かは地域の実情を十分に踏まえまして各自治体が判断すべきであり、全国一律に義務付けるということは適当でないと考えているところでございます。
  257. 井上哲士

    ○井上哲士君 今、大きくいえば二つの弊害、デメリットということがありました。実際、既に恐れていたことは起きていると思うんですね。  特に、まず地域とのつながりの問題について大臣に御見解を聞くんですが、子供たちが非常に遠くにある学校に行くケースも少なくありません。やっぱり居住地ごとに学区制度が決まっているということは、地域の中で子供を育てる、そしてそれが地域のコミュニティーになるという大きな利点があったと思います。  大臣、同じ京都でありますから、私ちょっと固有名詞を挙げますと、うちの子は第四錦林小学校というところに行っておりますが、非常に地域でこの間、通学の安全を見守るということで、PTAやら自治連やら各種団体が一緒になって取組をしておりますし、また、学校のクラブで例えば吉田神社のお祭りでやる太鼓とか剣矛なんかをやるという、非常に地域がこの学校を守り育てようという思いもあるし、学校の側も積極的に地域一緒になってやってきているとき、これは非常に京都の良き伝統でもありますし、全国的にも行われていると思うんです。  ところが、これが地域子供がよそにも行ってしまう、そして学校には言わば知らない子供たちもたくさん来るということになったら、この地域とのつながりというのは本当に崩れてしまうと思うんですね。既に、例えばお祭りの太鼓のたたき手がいなくなってくるとか、いろんな問題も指摘をされております。  大臣地元の京都一区なども非常にこういう点では取組が強く、長くあるところなわけですね。こういう、しかも今回の大臣のごあいさつの中でも、地域ぐるみで子供の成長を見守る環境の整備を進めますということが書いてあるわけです。こういう方向とこの学校選択制をするということは私は相反するんじゃないかと思うんですが、その点いかがお考えでしょうか。
  258. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 井上先生、我々はふるさとを同じゅうしておりますから、率直に言って京都というのは非常に恵まれた都市でして、戦災を受けませんでしたし、定着している人も非常に多いですから、学区ごとの地域コミュニティーというのがかなり定着している例外的な私は政令都市だと思います。ですから、これがすべての大都会に当てはまるかどうかということは少し、ちょっと簡単に判断してはいけないと思うんですが、確かに先生がおっしゃるようなメリットが壊される危険があるんですよ。しかし、先ほど佐藤先生の御質問に私がお答えしたように、そのメリットが、今先生が御指摘になったようなメリットを壊しても、なおかつ使っている税金で効率的な学校運営、人材育成ができるメリットの方が多ければ、壊さなければいけないというときが来る可能性があるわけですよ。  だから、そういうことにならないように、みんな学校現場や何かをしっかりしていきたいというのがここにいる者のやっぱり共通の認識なんだろうと思うんですね。だから選択制も、自己評価、第三者評価の公表制も、進んでバウチャーなどということも、みんなやはり学校現場が納税者の負担にこたえているかどうかというところに出てきている提案なんですね。ですから、できるだけ先生がおっしゃったようなメリットを壊さなくてもいいようにみんなで頑張りたいと思いますね。
  259. 井上哲士

    ○井上哲士君 私、言いたいのは、要するに、一方で地域での子供の成長を見守る環境整備を進めるという方向を出しながら、もう一方でそれとは逆行するようなことを打ち出すということになったときに、お互い打ち消し合うことにもなりますし、現場の混乱も招くと。私は、やっぱり今非常に、全国的な取組からいえば、やっぱり地域学校のつながりというのを広げていこうという流れがある中で、それと逆行するものを一遍に出すというのはこれは間違いじゃないかと、こういうことを申し上げているんですが、いかがでしょうか。
  260. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) 先生のようなことを重視されて、学校現場にほぼ納税者を満足させるだけの教育力があるという前提に立てば、先生のおっしゃるとおりでしょう。
  261. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、そういう力を地域一緒につくっていこうという方向をやはり大臣のあいさつでも打ち出しているわけですから、その方向でやはりきちっとやるべきだということを申し上げているわけです。  もう一点、先ほどのデメリットということでいいますと、序列化という問題があります。東京では既に学力テストの結果公表と学校選択制が導入されておりますから、これがリンクして、それぞれが持っているデメリットが言わばくっ付いて更に私は問題を広げていると思うんですね。  二十三区の小学校で入学者ゼロの学校も続出をしておりますし、〇五年度では小学校一校、中学校三校、〇六年度には中学校二校が入学者ゼロだったと、こういうことも聞いております。いったん何かうわさが立つと、それで希望者が減り、それを聞いてまた減るとか、こういう状況が生まれているわけですね。  そうしますと、結局、義務教育の段階に言わばいい学校、悪い学校というようなことが評価ができる。そうすると、結局その子供の世界に優越感とか劣等感を持ち込むことになりますし、時間的、経済的に余裕がある方はそういうところに例えば車で通学をさせるとか、こういうこともできますけれども、そういう選択ができない子供たくさんいるわけですね。  私は、序列化という問題は今日朝から議論になっていますけれども、例えば福岡の話でも、子供にイチゴの等級で序列化をして話をしていた、非常にこれは心を傷付けたと思うんです。学校にそういう序列化やレッテルを張ったときに、子供たちがどう傷付くのか、それが結局クラスの中でまた弱い者に向かうということでのいじめの一つの原因にもなっていくと思うんですね。  こういう序列化というものはつくるべきでないと思うんですけれども、この点での大臣の御認識はいかがでしょうか。
  262. 伊吹文明

    ○国務大臣(伊吹文明君) これは、井上先生、何度も私は御答弁申し上げていますとおり、うまく、現場がすべてうまくいっていれば先生がおっしゃるとおりなんですよ。だけど、現場がうまくいかない場合には、痛い手術だけれども、やらなければいけない手術もあると。だから、そういう手術をしなくてもいい現場をつくっていくようにみんなで頑張ろうじゃないかということを私は申し上げているわけです。
  263. 井上哲士

    ○井上哲士君 痛い手術が命を奪うようなことになってはならないと思うんですね。  さっき言われましたように、学力テストについても、学校選択制も、いずれも過度の競争と序列化が懸念されるということ、それぞれ文部科学省自身が言ってきたことなんですね。それが一体にやられますと、一層これが助長されるということに私はなると思います。  先ほども紹介ありましたけれども、全国の小中学校校長先生のアンケートでも、学校が直面している問題に教育改革が対応してないと答えたのが八二パー、そして早過ぎて現場が付いていけないと答えたのが八五パーという数があります。一方で、その一つ一つの学校を良くしようという努力、そして地域で一体化してやっていこうという努力を出しながら、それと逆行する方向が出てくるというのは一層の混乱を与えるし、その被害は子供現場になると思いますから、私はやっぱり、しっかり今必要なのは、教育基本法の理念を生かして、これを徹底していくことだということを思います。  そのことを申し上げまして、質問を終わります。
  264. 荒井正吾

    委員長荒井正吾君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十六分散会