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公述人(井口鈴子君)
夜明けの会の事務
局長をやっております
司法書士の井口と申します。
本日、このような場所で発言させていただくことに非常に感謝します。
初めに、本日の
地方公聴会の
公述人は全員が県のヤミ金
対策協議会の構成メンバーだと
最初お聞きしていたんですけれども、今日見ましたら、
貸金業協会さんも今日来ていらっしゃるということで、ちょっと戸惑いがあるんですけど。
そこで、冒頭に発言の機会をいただいた私から、少しこの協議会、県のヤミ金
対策協議会がどういうものかということを少し話させていただきます。
この協議会は、やみ
金融が激増して被害が続出した際に、
埼玉の弁護士の有志でヤミ
金融被害
対策埼玉弁護団というのを立ち上げたわけなんです。やみ
金融ですから、犯罪者ですから、やっぱり撲滅には行政に協力を求めなければいけないということで、県とか県警に呼び掛けて、
平成十四年の四月だったと思います、設立しています。
現在の正式の構成メンバーは、
埼玉弁護士会、先ほどのヤミ
金融被害
対策埼玉弁護団、
埼玉司法書士会、私たちの
夜明けの会、あと、関東財務局、さいたま市、
埼玉県、
埼玉県警ということになっております。ホームページも出ていますので、またごらんになっていただきたいんですけど。
それで、途中、
貸金業協会を構成メンバーに入れるかどうかの
議論をしました。協議した結果、そもそもやみ金の問題は高利で貸している
貸金業者にあるということで、自由な
議論ができないのではとか、いや、やっぱり姿勢を正してもらうためには参加してもらう方がいいんじゃないかとかいうようないろいろな
議論がありました。で、オブザーバー参加ということになりました。
そして、何回か
出席されていたんですけれども、やみ金被害の相談にどのような対応をしているかというような
意見交換をした中で、
貸金業者の協会の方は、元金は返すのが
当たり前じゃないかというような発言とか、その他
金利の問題で、いろいろ
グレーゾーンの問題とかいう話で、やはり弁護士、
司法書士、
被害者の会との
議論がかみ合わなくなったんです。で、いづらくなったなというような言葉を残されて、その後、今は
出席されていません。
この協議会の内容としまして、二か月に一回の
会議をやっています。これは、各団体の
現状報告とか情報交換、年に一回の合同相談会、講演会、一緒に、まあ同日に並行して行っています。この講演会には、
平成十五年第一回のときとか今年の四回目には衆議院の財務
金融委員会で
参考人で発言された宇都宮健児弁護士をお願いして講演していただきました。
最初はやみ金被害
対策というようなことで始まった協議会なんですけれども、最近では、やみ金被害の根っこにあるのはやはりサラ金だということが協議会のメンバーの共通
認識になっておりまして、これからは
多重債務問題全般を考えようという会になっております。
私の言ったことがちょっと間違っていたり補足することがあれば、後で発言される方、よろしくお願いいたします。
そこで、
夜明けの会の概要なんですけれども、
夜明けの会の概要で、一応、今日資料をお配りしています。このちょっと色の付いた、折ったのですね、それとか会則とかお配りしていますので、後で見ていただきたいんですけれども、
平成九年六月に
司法書士十人ほどが世話人となって発足しました
被害者の会です。クレジット・サラ金被害の撲滅と
被害者の
生活の更生を図ることを
目的としております。
名称は、当時、車の中で
生活をしていた
被害者が、きっと自分たちにも
夜明けが来るというような思いで、必死な思いだったと思うんですけれども、そういうことで名
付けました。
現在、会員としては、パンフレットにはこれ七百名というようなことで書いているんですけれども、今いろいろと整理を、会費の納入がなくなったり連絡が取れなくなったりしているのもありますので、まあ大体二百五十人ぐらいかなと、名簿上二百五十人ぐらいかなと思います。実質、例会等参加して活動しているのは二十人から三十人ぐらいです。
賛助会員として、
司法書士、弁護士、それに最近では大学の教授の方もなっていただいて、賛助会員ですからお金をいただくということなんですけれども、そういう形で資金の援助をしていただいております。大体人数は百人ぐらいです。
行事としまして、二か月に一回のニュースの発行をしておりまして、今日は近々の十一月、十二月号のニュース、
夜明けの会ニュースですけれども、お配りしております。毎月一回の定例会、ほかにフリーマーケットとか卓球とか、いろいろレクリエーションもやっております。そして、毎週水曜日には役員会という形で打合せやったり懇親会というような形でやっております。
夜明けの会の、次、
相談活動なんですけれども、新たな相談者は毎週月水金に予約していただきます。午後三時ごろ担当の
司法書士が来ますので、その前に元
被害者の相談員が
調査票を書くのを指導したり、全部相談員は元
被害者なものですから、自分たちの体験を話したりして相談者の気持ちを和らげます。そして、
司法書士と面談して、
法律的な処理をしなければならない場合は担当
司法書士が受託したり、相談者の住所地の近くの
司法書士を紹介したりします。
司法書士は御存じのように簡裁代理権しかありませんので、百四十万以上とか
事業者とかそういうようなことになると弁護士さんを紹介したりしてやっております。
相談件数なんですけれども、相談件数も今日ちょっとお手元に集計表という形でやっておりますので、この辺を見ていただければ、今年大体五百五十、昨日までになるのかな、近々の集計で年間、この一番上を見ていただくと五百五十二件ぐらいあります。
やみ金については、担当
司法書士の指導の下に
夜明けの会の相談員が
被害者自身と一緒に闘います。電話も、
被害者が電話を取ります。相手と電話します。警察の対応が必要な場合とかは、被害届を持って所轄の警察へ行ってもらいます。
夜明けの会の相談員は全部元やみ金
被害者です。だから、やみ金の手口をよく知っていまして、その経験を生かして相談者の気持ちになって、もう私たち
司法書士よりもよっぽどいいアドバイスをしています。
やみ金相談はまた、この表のところに今年の表がありますけど、二千七百九十六という形で件数出ていますけれども、結局、やみ金の撲滅のため、全国で一斉やみ金告発を一生懸命やっているわけなんですね。一番
最後の表ですか、見ていただくと、全国の
数字と
夜明けの会のその
数字を見ていただくと、ほとんど半分、二〇〇三年十一月のときにはもう三分の二が
夜明けの会の
数字ということで、かなりやみ金の告発には貢献しているということです。今年も十二月十三日に弁護団と一緒にやみ金告発をする予定になっております。
あと、
カウンセリングの機能という形でやっていますけれども、時間も余りないようなので、ちょっと簡単に
説明します。
法律家、弁護士とか
司法書士とか付いていますので、必ず借金の解決はします。
法律的な解決はします。しかし、解決したからといって、すぐ次の日から普通の
生活に戻れるわけじゃないわけですね。
結局、過剰融資によりとか、自分のせいでもあるかもしれませんけれども、借金漬けになっていて、本当に金銭感覚をなくしているという方は多いです、確かに。だから、これをやっぱり金銭感覚を普通に取り戻すというのは大変なことなんですね。また、
夜明けの会に来てからもまた借りる人というのも実際います。
だけど、私たちは、そういう人たちを絶対追い返しません。やはり金銭感覚を持てるようになるまで何回も何回もともに相談し合います。とにかく会員同士で話し合って、原因がどこにあるのかということを話し合います。本当に、実際に金銭感覚をなくす、なくしているということは、徐々に徐々に何か毒を盛られているような金銭感覚のなくし方なんですね。だから、それを洗浄をするためにはやはり時間が掛かります。だから、経験者同士でそれを
意見し合ったり、そういう形で直していこうという形でやっております。
例会の後に懇親会を設けたり、先ほど毎週水曜日に懇親会と役員の打合せ会とか、そういう形のときに、忌憚ない
意見を、自分の借金のことは家でも分からない、迷惑掛けた、おまえ迷惑掛けたんだろうという、やっぱり家からも冷たくあしらわれている人が多いです。それを、
夜明けの会に来れば、借金を笑ってこう話せるというようなことで、そういうような機能を果たしています。やっぱり時間がたってくると、すぐには直らないにしても、時間がたってくると直ってきます。実際、今日随行員として来ていただいている人たちも、もう三年ぐらいになるんですけど、やっと少し抜けてきたかなと、そういうような形で頑張っています。だから、今
カウンセリングというようなことが
議論になっていますけれども、そういうようなことの一端を担えるんじゃないのかなという気がしております。
最後になりますけど、今月中にも
多重債務者対策本部というのが
内閣官房にできるということで
山本担当
大臣が答えていらっしゃいましたけれども、そしてまた、全市町村にもつくるというような新聞の記事がありました。
被害者のことはやっぱり
被害者が一番よく分かるといった面で、
被害者の会も事後の
カウンセリングの役割を担えると思います。
多重債務者がどこへ
最初相談に行くというのが本当に大事だと思うんですね。今、
貸金業協会さんがお金を出している
カウンセリング協会というようなところが名前挙がっているようなんですけれども、自分たちが苦しめた
債務者に自分たちが損をするような解決方法は絶対提示できないと私は思います。完全な第三者機関が窓口を持つべきじゃないでしょうか。
先ほどちょっと協議会の結成を十四年四月、冒頭ですね、冒頭のところで言ったのが、十五年の四月の間違いでした。済みません。
全国の
被害者連絡協議会というのがあるんですけれども、その会長を
夜明けの会の澤口宣男さん、今、後ろに随行員として来ていますけれども、がやっております。いろいろ
被害者の会が
カウンセリングを担えるというようなことで、
意見を述べさせていただきました。
ありがとうございました。
以上です。