○山下八
洲夫君 仮に私が
一級建築士の
資格を持っていたとしますね。そうして、今ですと、超高層の
構造の
設計、できるかできないかは別ですよ、超高層の
構造の
設計をできる
資格を持っているんですね、現行法では。
設備も持っているんですね、現行。やれるやれないは別問題です、持っているんです。だけれ
ども、この
法律が施行されますと、今度は五年の
実務経験を経て、また後ほど詳しく触れたいと思うんですが、そして、何だったですかね、五年の
実務経験と研修、
講習ですね、受けて一級の
構造なら
構造の
資格を得ると、こうなっているんです。そうしますと、今度はそれ、二十メートル超はそういうことでやれますよと。だから、今日の
一級建築士、それを持っていないと超高層はできなくなっちゃうんですね、簡単に言いますと。ですから、
設備も一緒でございますけれ
ども、ですから私はある
意味では今の
資格を剥奪しているんじゃないんですかということを申し上げたんです。
どちらかといいますと、こういう新しい新法ができますと既得権で大体今まで持っていた方は認めていらっしゃるんですね。それを認めないということでありますから、今の教育基本法で言えばいじめ問題と一緒で、一生懸命
一級建築士さんをいじめているというふうにしか取れません。これはまた後ほど触れていきたいというふうに思っております。
それは、
大臣が今回も
法律の
専門家だから大変有り難いんですね。例えば、ちょっと横道にそれますけれ
ども、
弁護士さんだって一緒だと思うんですね。民法とか刑法、別々の
資格を取っているんじゃないんですよね。そして、生涯ずっともう死ぬまで
資格あるんですよ。私は、正直言いまして、
日本の
国家試験で一番難しい
資格試験の難しいのは私は
司法試験じゃないかと勝手に
理解しております。それぐらい難しいと思うんです。そういう難しいのでも、だんだんだんだん横道に入っちゃいますが、学生
時代から
試験を受けることは今まではできました。これから法科大学院で若干変わってきますけれ
ども、今日までのシステムでいいますと、
司法試験というのは学生
時代、早い方、優秀な方は学生現役で
合格なさっている方もいらっしゃったんですが、これからは法科大学
制度、ちょっと変わってきますが。
だけれ
ども、この
建築士の一級の方は、大学を出て、二年間
実務をやって、そして一級の
合格をされて、それから今度五年間、
設備なら
設備の一生懸命
実務を行った後受けるという。だから、
設備の一級受かるまで新しい方は最低でも大学出て七年は最低でも掛かるんです。そういう大変またある
意味じゃ厳しい
制度なんですね。だけれ
ども、その前の一級だって学生
時代現役で受かることはできないんですよ。それぐらい厳しいんですね。そういうことを考えますと、そう簡単に安易にいじめをやっていいのかなと思ったりしております。
それで、今回の
構造及び
設備一級建築士創設の流れなんです。今日どういうふうに流れてきたんだろうと。ですから気になったんです、私は。これを見ていきますと、
建築士改正法案、さきの
通常国会に提出された
建築基準法の
改正が、比べますと、今言いましたように、
制度改正に相当踏み込んでいるんです。内容もそういう
意味では豊富だと思うんです。
建築士制度見直しに当たり、私が度々提案しましたね。
制度の剥奪じゃなくて、仮称ではございますが、本当なら前山本
住宅局長の方が本当ならよかったんですけど、役所もなかなかしたたかでございまして、次の法案のときはもう
局長もちゃんと替えて答弁者を替えてしまうというので、どうもある
意味じゃやりにくい面もあるんですが。
私はさんざん、前回、そういう剥奪するようなやり方じゃなくて、仮称ではありますが、ハイパー
構造建築士のようなステップアップの方法を考えたらいいじゃないかと、その方がいいんじゃないかなというふうにさんざんお訴えをさせていただいたんです。だが、結局は
国土交通省は
構造設計一級建築士と
設備設計一級建築士の創設で決着をされたんですね。どうもだからこういう決着をさせた最大の戦犯は私は
国土交通省の
住宅局長じゃないかなと思うんだけど、本当は。まあそれは別にいたしまして、
建築士制度の
見直しをめぐる
社会資本整備
審議会建築分科会の第八回の基本
制度部会以降の
国土交通省の動きを改めて振り返ってみますと、全く不可解と言わざるを得ないんですね。
六月の二十六日の第八回基本
制度部会に
国土交通省から提示された「
建築士制度の
見直しの
方向性について」、これ素案です。これは、
一級建築士でなければ
設計ができない
建築物、先ほど申しました鉄筋コンクリート造り、高さ二十メートル超に引き上げた上で、新一級の
資格の創設ですね、
構造や
設備の専門
資格の創設をして、既存の
資格者の新一級への移行に当たっては先ほど言いました
講習受講と修了
考査の義務付けなどで、見方によれば今回の
改正案で創設するとしていた
構造設計一級
建築・
設備設計一級建築士制度の原型を示されたと思うんです。
そして、だが、第八回の基本
制度部会に提示されました素案は、既存の
一級建築士のいろんな多くの
意見が出まして、これはふるい落としじゃないか、あるいは格下げじゃないか、あるいはふるい分けと、いろんなものを内包したものですから、大方の
資格者が反発をいたしたものですからまた変えちゃったと。
そして、七月二十日の第九回の基本
制度部会に示された
国土交通省の新案においては、
設計一式、
構造、
設備などの業務区分に応じた
建築士事務所
登録の義務化、専門
知識の持った
建築士事務所への配慮などを盛り込まれました。しかし、この新案についても、
構造設計技術者が抱えていない意匠事務所の
設計を総合的に受注できないということで、意匠
関係のところの事務所から反論があって、結局は業務区分
ごとの
登録も撤回をされたというふうになっているんですね、流れは。
そして、その後すぐ後、七月三十一日の第十回基本
制度部会においては、
答申の素になる最終報告書案の、提示されました最終報告案は素案と新案のそれぞれ一部採用という形の内容となっていて、そして最終報告書は、その後パブリックコメントを得て、一部修正されて、八月三十一日の第十一回基本政策部会で最終報告として了承され、そして
社会資本整備
審議会から北側
国土交通大臣に
答申をされたと、こうなっていますね。
そして、今回の
建築士法改正案はその
答申の内容を実施すべく提出されたものでありますが、基本
制度部会における素案、そして新案、そして最終案に至るこの一連の動きをずっと見ていますと、どんどんどんどん変わってきているんですね。まあ迷走と言った方がいいのかも分かりませんし。
同時に、そういう中で、結局は、私はまず
大臣に申し上げたいのは、さきの
通常国会でさんざん申し上げたんですが、先ほど申しましたように、一級の
建築士の
資格をどちらかというと弱めるんではなくて、その上に先ほど申しました仮称ハイパー
構造建築士のようなステップアップ方式を提案したんですが、
国土交通省は一顧だにしないで今のような
法律を提案されたんですが、これ、
大臣じゃなくていいです、
局長でいいです、そのような
議論をなさったんでしょうか。