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柳澤光美君 ありがとうございます。是非、
厚生労働省挙げてバックアップ体制をしいていただいて、この難病対策に取り組んでいただきたいということをお願いをしておきたいと。そして、このFOPが一日も早く特定疾患治療研究事業の対象患者に指定されることを願いたいなと。全国で署名活動が今、患者さん、家族の
皆さんを
中心に動いておりまして、私の方もこれからも精一杯バックアップをしていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それでは、本題の
雇用問題に入らせていただきたいと思います。
先回、冒頭で、
柳澤大臣の方にいろいろお考えを少し聞かせていただいたその続きに入りたいと思いますが、その中で、特に
雇用の問題と、それから私の場合には労働時間のところに絞って少しお伺いをしたいというふうに思います。
私、当選してから本会議とかいろんなところでちょっと主張させていただいてきた
考え方がございまして、それはグローバル化、グローバル化ということで、グローバルスタンダードに変えなければいけないということで大きなうねりになったんですが、実はそれは基本的にはアメリカンスタンダードが
中心で、非常にアメリカ型に変わっていく、日本の場合にもその動きが非常にきつく動いたというふうに私は
感じています。
私は、アメリカに学ぶことはたくさんあるというふうに思っています。すばらしい国ですし。しかし、日本をアメリカにする必要はないだろうと。ですから、本会議のときも、
改革にも変えていいことと変えては悪いことがあるという主張を少しさせていただきました。アメリカという国はもう、こんなことを、生意気なことを言ってはいけませんが、大変歴史の浅い国だというふうに私は思っています。イギリスから独立して二百三十年、でも実際は、あの一八五〇年の南北戦争でリンカーンが奴隷解放して、南北アメリカが統一をして今の合衆国ができた。そういう
意味でいくと百五十年ちょっとです。しかも、世界の移民の人が集まった国ですから、人種も宗教も肌の色も言葉もイデオロギーも違う国、そういう国を短い期間にあれだけの大きな国にしようとすると、アメリカンスタンダードの一番根幹にあるのが私はダーウィニズムだというふうに聞いています。強い者しか生き残れないというダーウィンの進化論がすべての基本で働いていると。ですから、勝ち組、負け組ができるということも併せてそこから出てきているんだろうと。
それからもう
一つは、アングロサクソンの
皆さんが
中心ですから、狩猟民族の発想ですから、獲物を捕った、銃がうまくて獲物を捕った人が一番偉い。だから、その人が一番おいしいところを取って、あとはみんなに分けてあげる。ですから、企業で言えば、利益が出れば社長が何十億も賃金もらう、これは当たり前のことだと。あるいは、働く
皆さんも、それにはできるだけ猟銃がうまくなって獲物を捕りたい、実力を付けたい。それから、今いる森に獲物がいなくなれば獲物がいる森に移っていく、転職も当たり前という価値観の中であの国ができてきている。ですから、市場経済原理主義と言われる発想があの国に強く根付いたんだろうと。
ただ一方、私は、日本という国はいろいろありますが、二千年以上の歴史と伝統と文化を刻んできました。大きな宗教だとか人種だとかというような問題も、そう世界に比べてありませんし、私、一番根幹は日本人は農耕民族だというふうに思っています。私も長野の農家の生まれですが、生まれたところでみんなで一緒に田植をして、そして一緒に稲刈りをする。だれかが田植が少し速いからというんじゃなくて、労働の単位はやっぱり家族が
中心になります。ですから、田植のときには両親はもちろんのこと、おじいちゃんもおばあちゃんも子供も孫も総出で田植をする。で、それが困ったら地域で助け合うという血縁、地縁というネットワークの中で私は日本の国が成り立ってきたというふうに思っています。
その中に、いわゆる日本の
雇用と言われる労使
関係もあると。ですから、
一つの企業に勤めると、そこを先輩とか後輩と一緒に企業を最後まで勤め上げる。もっと言えば、OBになっても人間
関係をつなげていくという流れの中で日本の歴史と伝統と文化が刻まれてきたと。ここを急激にグローバルスタンダードと言いながらアメリカンスタンダードが日本に入ってくる中で、日本の血縁ですとか地縁あるいは職場の縁というネットワークが壊れてきていることが、今いろんなところで起きている社会問題にもすべて影響するんではないかというふうに、私は、生意気かもしれませんが、ちょっと
感じています。それが家庭崩壊につながったり、今、教育特でやっていますけれ
ども、学校崩壊につながったり、地域崩壊、今日質問させていただく職場の中にも、本当に職場崩壊が広がってきているということを私は一番懸念をしておりまして、そのことをもう一回、日本の良さというのを取り戻さないと、本当にこの先の日本、大変になってしまうというのが、実は先回
大臣にもお伺いして、これだけ社員が使い捨てになっていくと、その
人たちが十年後、二十年後に日本の中核になったときに大丈夫でしょうかというような問題提起をさせていただいた経緯につながっています。
そんな中で、今日はちょっと
雇用についてお伺いをしたいというふうに思うんですが、先回ちょっとこのことを触れたんで、もう一度
大臣のお考えも少し聞きたいと思うんですが、非常にアメリカのコーポレートガバナンスというのは、株主
中心になって、株価を上げてその株主にこたえる。もちろん日本の企業とは、ちょっと株主に配慮が弱かったという
意味では変えなければいけないんですが、先回こういうお話をさせてもらいました。日本の企業のこのいわゆるステークホルダーには、顧客、いわゆるお客様、それから従業員もある、自分の会社だけではなくて取引先ともうまくやる、もっと言えば、地域社会との付き合いも大事にする、そしてもっと言えば、日本の国のためにもあるという社会的
責任を強く負って生きてきたと。そこがここのところ急激に崩れているというふうに私は
感じているんですが、
大臣はどのようにお
感じですか。もうこれは、通告とか何かじゃなくて、率直な御感想をいただければと思いますが。