○
足立信也君 この
移植に関するまとめの話になるかと思います。
十年ちょっとぐらい前ですか、実際の法の制定は九七年ですけど、
移植関係者、学会を始めとしてもろ手を挙げてこの法案に賛成したというふうに、振り返ればそういうふうになっておりますが、実は、現実は、世界の
移植の先駆者たちは、私の上司も日本で初めて
死体腎
移植をやった
人間だったですけど、亡くなった人からの善意で行われるのが
移植医療だと。先ほどの
大臣のお考えと同じですね。ですから、これは本道ではないという
意見があったです、かなりありました。ただ、私は、それでは救えるのに救われない人がやっぱり出てくるということで、これはある意味、日本的解決といいますか、脳死を人の死とはできないけれ
ども、臓器提供の希望があれば
移植をしてもいいと、極めてあいまいな玉虫色な態度が実は日本の
移植医療の進展を妨げてきたんだと私は思います。
来年、十年迎えますね。WHOの勧告の中の一部にも、本人の意思が不明の場合は臓器摘出を拒否しているととらえる理由はないという項目もあります。私は、やっぱり十年を迎えるに当たって、これはしっかりとした
議論、すぐに結論を出すというのではなく、しっかりとした
議論が今正に必要になっていると、ちょうどこれから始めるのがいいタイミングではないのかと、そのように考えております。
では、次のもう
一つのテーマ、未収金問題です。
私がこの問題を取り上げる意味は、先週のうちの櫻井筆頭理事と同じように、この国の公的
医療保険の制度、国民皆
保険を守りたいという
観点から、是非問題として取り上げたいんです。
その前に、これまで私、この
委員会審議で何度か高額療養費の償還払い制度をすべての
医療保険で受領委任払い制度に改めるべきだと主張してきました。我が党の
医療制度改革案、これにも明記しました。このたび、政令案として、すべて受領委任払い制度にするという政令案をまとめたという
報道が二日前ですか、なされました。このことはやはり私は未収金問題の一助になると思っていますし、このことに対しては、まあ感謝というと言い過ぎですけれ
ども、私の同意するところでございますので、お礼申し上げたいと、是非これを速やかに施行していただきたいと、そのように思っています。
皆さん御存じのように、
全国の
医療機関で相当な自己負担金の未払、いわゆる未収金がありますね。ちょっと話が長くなりますけど、やっぱり共通
認識のために申し述べます。
これは四
病院団体協議会、四病協ですね、四病協のデータです。これは
全国五千五百七十施設に郵送して、回収率は五八・八%、三千二百七十三
病院です。その
病院の総ベッド数は七十三万ですから、相当な範囲にわたってこのアンケートが取られているということをまず言っておきます。
これは
平成十六年四月から十七年三月までの一年間ですね。未収金のある施設は三千五十八施設ありまして、何と九三・五%です、九三・五%。一年間ですね。総額は二百十八億九千万円。一施設の平均は七百十六万円です。
平成十四年四月からの三年間の累計では、トータル四百二十五億九千万円。一施設平均が千六百二十万円です。これ、
保険別の内訳、この
議論をすると、それは市町村国保の問題だろうと必ず逃げられる面がありますので、
保険別の内訳です。これ、入院だけに限って言いますと、国民健康
保険は、未収金のある施設は二千五百九十九施設、七九・四%、八割です。そして、社会
保険ですね、健康
保険では未収金のある施設は二千十五施設、六一・六%、六割を超えております。そういう現実をまず知っておいていただいて。
これもちょっと長くなって申し訳ないんですが、実はこの問題への
対応策というのは、国民皆
保険を
導入する際、健康
保険制度が作られる中で解決しなきゃ、国民皆
保険なんかできなかったんですね。それは、未収金が出たらどうするんだと、
医療機関は当然疑問がありました。ですから、詳細にその
検討がされて、整備されているんですね、もう既に。
まず、国民健康
保険法第四十四条及び健康
保険法第七十五条の二において、
保険者は支払が困難な者へ対する自己負担金の減免措置ができる旨
規定されております。その場合、減免した額は
保険者が肩代わりして
医療機関へ支払うことになっています。
そして、今度は自己負担金の話ですね。患者の義務である一部負担金を支払わない場合は、国民健康
保険法では第四十二条第二項、健康
保険法では第七十四条第二項において、
医療機関が善管注意義務を果たしたにもかかわらず自己負担金の支払を受けられない場合は、その請求に基づき
保険者は強制的に徴収することができる旨
規定されております。
善管注意義務というものの説明を少しだけします。当然御存じだと思いますが、善良なる管理者の注意を払う義務の略です。その意味は、その職業、その立場などにおいて一般的に要求される相当程度の注意義務というもので、この場合、
医療機関が患者さんに対し、口頭での請求だけでなく、書面で督促状、催促状を送ることなどを意味しています。これが注意善管義務。
この
規定が置かれた理由ですね、今私が減免措置とそれから強制徴収に関して述べてきたこの理由を述べます。
医療機関がどんなに
努力して自己負担金を徴収しようと思っても受け取れない場合、強制徴収が必要となった場合は、これは
医療機関側から見れば裁判所に申し立てるか、あるいは
保険者に請求するか、二つの方法しかないんですね。ところが、
医療機関が裁判所に申立てをした場合は、当然のことながら相当な労力、費用、時間を要します。
保険者の場合は法によって強制徴収権限を与えられているんですね。このため、
自分でその権限を行使することができる。このように、
医療機関と
保険者の持つ権限には決定的な違いがあるんですね。決定的な違いがあるんです。だから、
医療機関に代わって
保険者が徴収するものと定められているわけですね。
これらの法律の定めを円滑に実施するために、国民健康
保険に関しては、昭和三十四年三月三十日付け厚生省
保険局長通知で、
保険者に対し、減免措置や強制徴収について被
保険者に周知徹底を図り、
医療機関との連絡を保ち、適正な実施をするよう
局長通知で求められております。そして、
保険者は、請求を受けたときは審査をし、速やかに処分を行った上、
医療機関に自己負担金を交付するものと定められています。
さらに、昭和三十五年二月二十四日付け厚生省
保険局国民
保険課長通知で、
保険者は被
保険者に自己負担金の支払義務を履行することを徹底させ、支払が行われるよう配慮することとした上で、自己負担金の支払が困難な者の場合は
保険者が肩代わりをし、支払が可能な者の場合には、
医療機関が善管注意義務に努めなかった場合を除いて、強制徴収をして
医療機関に交付すると定められています。
このように、二重三重にその徹底が実は自己負担金の未払に対しては注意が払われている、つくられているんですね。
また、今は国民健康
保険を中心に言いましたけれ
ども、組合健保や政管健保、つまり社会
保険についても、昭和五十六年二月二十五日付け厚生省
保険局
保険課長及び社会
保険庁
医療保険部健康
保険課長通知においてほぼ同様の内容が示されております。
先ほど言いましたように、
保険に
関係なく、国民健康
保険では入院患者で見た場合八割が未収金があるんですね、未払がある。社会
保険でも六二%があるんですね、施設で見ますと六二%がある。ですから、これから先は
保険局それから社会
保険庁、政管健保の所管である社会
保険庁、この両者の
方々に私は
質問したいと思います。
まず最初は、国民健康
保険法第四十四条によって自己負担金の減免措置を受けている人がどれぐらいいて、その金額はどれぐらいなんですか、教えてください。