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加納時男君 大事な点に
大臣は今触れられたと思います。
京都議定書は、
日本で初めて開かれた大規模な国連の
環境の
会議であり、そして、京都という名前の付いた議定書ができたということから、京都議定書に対する思いは、私も含めて全
国会議員が持っていたと思います。だからこそ満場一致でこの批准に皆さん賛成したわけでございます。
さて、さはさりながら、この京都議定書について、本当に京都議定書の目標が達成できるのかという点が非常な気掛かりでありまして、
政府としては昨年春、京都議定書目標達成
計画、我々略して目達と言っておりますが、目達を作り、現在それを積極的に
推進しているところであります。
しかし、この京都議定書、何か
日本人はこの京都議定書がもう唯一最高のものだと思いがちですが、正に今
大臣が御
指摘になられたことが国際的には大問題になっております。つまり、世界でCO2排出のオリンピックが開かれたとしますと、金メダルはどこか、
アメリカ、断トツの金メダルで、CO2排出シェア二三%。銀メダルが、急速に伸びてきていると、こういうのが伸びていいのかどうか分かりませんが、CO2が急速に伸びております
中国で、最近では一四、五%を占めて、これが銀メダル。そして、金メダルも銀メダルの国もこの排出義務を負わない、負っておりません。銅メダルがロシアで、これが少ないんですが六%で、やっとこれ批准した。メダルを逸して四位に入ったのが
日本で、これが五%。そして第五位が
インドですが、これが四%で、これも義務を負っていません。したがって、トップファイブだけで五三%ぐらいのシェアがあるんですが、そのうち義務を負っているのは三位のロシアと四位の
日本で、一一%しかない、つまりこれは世界をカバーしてないんだというのは大問題だと思います。その第一点を今
大臣は
指摘されたと思うんです。
したがって、
大臣がおっしゃったメジャー級の参加、つまりオリンピックの金メダル、銀メダルはともかく入らなきゃおかしいよというのは当然でございまして、そして五位の
インドも含めまして、これは
インドも急速に伸びる可能性がありますから、こういった国が入った枠組みというのが、京都議定書を否定するんじゃなくて、京都議定書の補完としてこのAPPを位置付けたいと私は思っておりますけれども、
大臣、恐らくそういう前提で御発言なさったんだと思っております。
第二に、
大臣の
お話を伺っていていいな、いいなといいますかとても賛同したいのは、ボトムアップアプローチといいますか、要するにふわふわっと何%、えいやっ、何%減らそうというようなことで京都議定書は決まっちゃったんですね。私、あのときの当事者の一人でございますんで裏話も全部知っておりますけれど、ともかく
最後はえいやっなんですね。別に六、七、八なんて何の根拠もないわけですから、まあそう言っちゃ身もふたもないんですけど、まあそれは、それが政治でありますので、国際政治ではそういうことありますから、ともかく妥結することが第一というので、
最後はみんなが妥協してできたものでありますが。
しかしながら、あれはそういうことを決めたんですけど、一番大事なのは、それを現実にどうやって減らしていくのかという技術的な担保が不十分だったわけです。確かにメカニズムはいろいろ、京メカというのを作ったわけですけれども、京都メカニズム作ったんですが、もっと大切な、自主的に技術を開発してそれをお互いに交流し合っていこうという言わばボトムアップアプローチがこのAPPにはあると思いますので、今
大臣が非常に大事なことをおっしゃったんで、私の感想も込めて申し上げたいと思うんですが、そんなことで
大臣、
是非、これも
応援したいと思いますので、APP、成功させていただきたいとお願いをしまして、
最後の
質問に移りたいと思っております。
最後の
質問は、ちょっと専門的な話になって恐縮ですが、RPS法の問題であります。これはリニューアブルエナジー・ポートフォリオ・スタンダードって、何だか長い名前の、略してRPSと言っておりますけれども、このRPS法の、今、目標年次といいますか、当初目標にしたのが二〇一〇年ですけど、その先の目標を決めていこう、四年、四年、八年間ということで目標を決めているわけでありますが。
ところで、このリニューアブルエナジー、
再生可能エネルギーって私は訳しておりますけど、この
再生可能エネルギーは、特徴はとてもいい特徴があります。純粋の国産
エネルギーである、そして
クリーンな
エネルギーである、それを燃やしても炭酸ガスが出ないのが多いと、正確に言うとですね、それから再生可能で、文字どおり再生可能である、こういったようなことから
エネルギー政策基本法の原則、先ほど
大臣がおっしゃった原則を正に満たすものであります。
もちろん、いいところばかりではありません、課題もあります。もうウエートが極めて小さい、水力、大水力は物すごい量を持っているんですけれども、これを、国によってはこれを
再生可能エネルギーというのが常識なんですけど、
日本はなぜか大水力は除くなんていうんで、新
エネルギーから外しているようです、これは私は変だと思っていますが。ウエートはその水力とか地熱を除くとごく小さなもので、せいぜい〇・〇二%から〇・一%、そんな一%未満のオーダーで今勝負をしているところでございます。ですから、
再生可能エネルギーとはいうものの、実際にこのRPS法の適用の対象となるものとしては非常に苦労が多いというのが実態でございます。ウエートが小さいのが
一つ。
二つ目に、変動が大きい。夜になると太陽は照らないとか、風は時々暴風になったり止まってしまったりする。だから、だからいけないというんじゃなくて、ですからフルに動くことは期待できなくても、動いた分だけは電気でいえば発電電力量になる、キロワットアワーと言っていますが、これの価値はある。しかし、じゃ、よく言っていますが、原発何基分の風力と言うけど、ああいうインチキを言っちゃいけないんで、例えば一千キロワットの風力というのは、一番風が適当に、適切に吹いたときのその瞬間が一千キロワット出るというんで、一千キロワット常時保証はしていませんから、我々の
言葉で言うと、キロワット価値はないというふうに風力については言っております。ただし、これは動けばとっても値打ちがあるんで大事にしよう。
それからまた、コストが高いと。これも倍だ、三倍だ、四倍だといったコストでありますので高い。つまり、小さい、頼りにならない、高い、
三つ欠陥があります。しかし、じゃ駄目かというと、私はそう思いませんで、これ
甘利さん、
甘利さんが
自民党におられ、今もおられますけど、
自民党の
エネルギーの幹部をやっているときに御一緒に議論した話ですけれども、小さくてもいいと、大事なものだから大切に育てようよというんで、我々はむしろRPS法の発起人といいますか、あれの
推進者になって、
連立与党の
協議会も、当時の
甘利先生と私、
加納が事務局を務めて、そして
連立与党の
合意を取り付け、そして民主党さんと御相談して、これは非常に大きな賛成を得て成立したのがRPS法であります。ですから、RPS法いけないとかなんとか私は全然言っておりません。これはちゃんと
意味があったと今日も思っております。
質問なんでございますけれども、この
再生可能エネルギー、リニューアブルエナジーの
推進は目的なんだろうかと。私はどうも目的じゃなくて手段ではないだろうかと。何のための、何が目的なのかというと、
環境を良くしていく、
エネルギーのセキュリティーを守っていく、もっと端的に言えば、CO2を減らす、CO2を出さない
エネルギーとしてこれを利用するんだというのがどうも正解じゃないかと思います。
そうだとすると、ともかくやみくもにその
再生可能エネルギーを基準を作って義務付けをどんどん増やしていけばいいというんじゃなくて、少なくとも発電燃料として
考える場合にはCO2対策が大事だと。これを目標にひとつ設定して、そしてそのための手段を費用対効果の観点で評価をして、そしてこれは値打ちがあるからやっていこう、これは余り値打ちないけれども補完的に位置付けていこうと、そういっためり張りがあっていいんじゃないだろうかと。
何事もそうですけど、
原子力にしてもそうですけど、何か
一つに夢中になるとほかのものが見えなくなっちゃうんで、この
再生可能エネルギー、RPS法をやっている方は、ともかくこれだけが大事だ、これをともかくどんどん増やせ、電力会社に勝手に義務付けを増やせばいいんだというようなことをおっしゃるんですが、本当にそれが正しいんだろうかと非常に疑問があります。
そういうことなんで、このRPS法、今検討が始まっていると思いますけれども、次の義務量の策定についてどのようにお
考えなのか、まずお
考えを伺いたいと思います。