○
鈴木寛君 私は昭和六十一年でございますが、私は霞が関の限界を感じまして脱藩をいたしまして、慶応大学の湘南藤沢キャンパスの助教授になり、役所で磨いた立法技術を活用いたしましていろいろな、その後学者として立法提案活動をさせていただいております。
それで、私はそのために政治があると思っています。だから、私は今政治家としてここに参加させていただいているわけでありますが、
大臣おっしゃったとおりだと思うんです。それは、与党の御
議論の中で、御審議の中でより良いものが追加された、これあるべき姿だと思って、そこは与党の御見識というものを評価したいと思います。
と同時に、これはやっぱり議院
内閣制であると同時に議会制民主主義でございますから、やっぱり
国会の
議論の中で
皆様の思っている立法意思、あるいはやっぱり人間に完璧はありませんから、だからいろいろな与党審査あるいは
国会審査ということを経てより良いものを作っていくために審議をしている、正にこれが熟議の民主主義だというふうに思います。
私は、常々残念だなと思いますのは、
日本ほど
国会における修正というのが行われない国はないんですよね。ドイツでもイギリスでも、正にドラフトが出てきて、そしていろんな知恵を入れて、そしてちょっとでも、もう一%でも二%でもいいものを作っていこうということで
法案ができている、これが本来の私は議会制民主主義だというふうに思っております。
それで、ここでちょっと法務省さんのことを褒めたいと思うんですけれ
ども、私が議員になりまして五年半
たちますけれ
ども、法務省だけビヘービアが違うんです。要するに、おかしいなと思ったら、法務省というのは恐らく霞が関の省庁の中で最も引き続き立法能力の高い役所だと思います。まあ逆に、だから自信があるのかもしれませんけれ
ども、その法務省さんが
提出された
法案、重要
法案、どの役所も重要
法案出していますけれ
ども、
国会の
議論の中で、あっ、これはおかしいなと、みんながあっと顔を見合わせるような条文の、まあ何というか、漏れとまで言いませんけれ
ども不十分なことが、要するにもっと良い案が
議論がなされた場合は、物すごく柔軟に修正に応ぜられるんですね、法務省さんは。
したがって、与党の法務
委員会の
理事の
先生方も、これは過去の
事例見ていただいたら、明らかに法務省だけが議会に出てからの修正多いですよ。残りの役所は、これも私もよく分かりますけれ
ども、役所の原理として、これはきっすいの霞が関の役人ですから。法務省さんの場合は、法務省民事
局長というのは裁判官から来られるんですね。刑事
局長は検察官から来られます。だから、ある意味では正に立法者としての良心というのが、こういう言い方は分かりません、分かりませんけれ
ども、僕はとてもあるべき姿だといって、いいことですから評価させていただいているんですけど。正にやっぱりそういう姿というのはすごく尊重していいと思いますし、とりわけ
教育基本法ですから、
本当に英知を結集して、この国の
教育現場を良くするための
議論と、そしてそのことをより正確に伝わるような条文化、そしてそれを今度は現場にどう
メッセージを伝えていくのかということに私はやっぱり与野党を挙げて全力を挙げたいな、私もそのお手伝い、一員でありたいなと、こういうことを思っているわけでございます。
私
たちは、そういう意味で、
本当に今までの長年の、何といいますか、この五十年、六十年、
教育基本法、今の
教育基本法の下でやっぱりいろいろ制度疲労とか
時代に合わなくなってきたこととかがあると思っています。したがって、
教育基本法をもう一回やっぱり全部見直して、そして
日本国教育基本法ということで出させていただいているんです。
私
たちは、実は
平成十七年の四月十三日に「新しい
教育基本法の制定に向けて」という
報告書を出したんですけれ
ども、そのときのポイントは、こういうことで
教育基本法の
議論をし直そうと。
一つ目は、現場において発生している重要な
課題を解決、改善するため。それから
二つ目は、現場からの国民的な改革運動をより強力に
推進するため。これ現場では実はいい動き一杯もう既に起こっております。これに対してどうやって我々が更にエンカレッジしていくかということ、とっても重要だと思います。それから、長年懸案となっている
課題を政治主導により決着させるため。そして四としては、
憲法、
教育基本法の趣旨実現のために
教育関連法制の
改正、追加を行うため。そして五番目として、国際条約、国際
宣言等で、その実現のための必要な国内法の
整備を行うため。この五項目に照らして今の
教育基本法がどうなのかということを一から検証し直して、そして作らさせていただきました。
例えば、今日も午前中に
岡田委員等の御質問の中でいただきますの話がありました。これは富山県で起こったという事実が確認されているわけですね。こうしたこともやはりおかしなことだと私
たちは思います。
大臣が御答弁されたと全く同じことを私
たちも思っています。それで、であるので、そういうことをきちっと、今一部に解釈の揺れがあって、一部にそういった事実が起こっているから、今後はそういうことがないような、
法律の疑義がないように少しでも書き直せるところは書き直そうとか、あるいは、これは是非もう使ってくれるなということで徒競走の例を前回佐藤議員が申し上げましたが、しかし、あの例は実態なきことでもありますが、ただ、いわゆる形式的平等主義がいろいろなところではびこっているという認識は我々も持っています。
したがって、私
たちはその形式的平等主義を排除するために、
大臣、お手元に私
どもの案もあると思いますけれ
ども、例えば、今まで、ひとしく、その能力に応ずる
教育というふうに書いてあるところを、その
議論をしました。形式的平等主義をなくして、
本当にその
子供それぞれにとっていいことは何なのかを考えてそのための
教育行政をしようと。そのために、せっかくのこの大
改正あるいは抜本見直しの中でしようということで、例えばその発達段階及びそれぞれの状況に応じて適切かつ最善な
教育機会及び
環境を享受する権利を有すると、あるいはこの表現が随所に出てきます。そういうような
一つ一ついろいろ検証させていただいて今回のを出させていただいているんです。
私は決して今の文部省の方々が能力が落ちたということを言うつもりはありません、我々の仲間もまだ一生懸命頑張ってやっていますが。しかし、パフォーマンス、出てきた結果はやはり私は落ちていると言わざるを得ない。その要因を今日ここで
議論するつもりはありませんけれ
ども、それはひとえに、やっぱりいろんな要因あると思うんですよ。
ただ、
大臣おっしゃるように、政治主導なんだと。それ私大賛成です。だったら、もう一回政治家がこの
政府案なり、あるいは私
たちもきちっと
一つ一つそういう
議論を全部して、今起こっているいろんな非常にナンセンスな問題を解決するために、その疑義の源となる
教育基本法の
関連の分については少しでも改善をしようという努力をしてきましたから、それをこの良識の府の参議院で
一つ一つ、一文一文
皆さんと一緒に
チェックして、ここはこういうふうにした方がいいよねとか、もちろん全部の案を我々のんでくれと言うつもりはありません。
それから、我々以上にいろいろな、逆に言うと、四月の
政府案が出たときには気が付かなかったけれ
ども、やっぱり
いじめ問題とか見てみたらこういう案があるなというのは、恐らく自民党の
委員の
皆様方も公明党の
委員でも共産党も、
皆さんいろいろお知恵をお持ちだと思うので、そういう
議論を私は是非していきたいと思いますし、そのことを受け止めていただける
大臣にここにお座りいただいているということは、我々大変に幸せなことであります。
この幸運を生かさない限り、後世の
皆様方に申し訳が立たないなと思うわけでありますが、いかがでございましょうか。