○山下栄一君 私はちょっとやっぱり今回の未履修問題は、もちろん進
学校においてちゃんとした報告もしないで、履修すべき教科・科目を初めから教科書も買わせなかったというふうなところはちょっとこれは罪が深いとは思いますけれども、未履修問題といって大騒ぎするということなのかなと。最終はそんなの
学校現場にいないと分かんないわけで、場合によっては校長
先生も、生徒と授業計画立ててやるわけじゃない、授業計画を書類でチェックしたかて、そんなことは、本当にその授業をやってるのかどうかなんて分からないわけで、教科書を買えば、一応渡っているかもしれないけど、それ本当にめくってやっているのかというようなこと、もう教師と生徒の信頼関係の中でやるわけで。
僕はやっぱり
学校現場で、まあ出席日数もそうかも分かりませんけど、修得にしろ認定にしろ
学校の方で校長の
権限でやるという今
仕組みになっていますし、それをもう三百万人近い高校生を全部そんなこと国がチェックできるはずもないし、そんなこと議論して何の意味があるのかなと。これ全部そしたら授業計画出さして全部文科省チェックするんですかと、本当に授業やっているのかどうかみたいなことを。そんなことナンセンスやと思うんですね。
だから、やっぱり
教育というのはそういう
法律でこう拘束するということもそれは最低限なかったらいかぬと思いますけど、やっぱり
教育という営みは教師の人格によって生徒との交流の中で育って命をはぐくんでいくという、そういうことなわけで、どこまでそれを、いわゆる
行政というレベルでこのピラミッド型の指揮命令系統の中で行えるのかなということを、よく限界を自覚した上で
教育行政をやるべきだという私は
考え方でこういうことを申し上げているわけですけれども。
だから、その履修、未履修というようなことも、余り騒ぎ立てられたから仕方がないから調べざるを得ない状況になってしまったという、針をつつくような話なんですね。何かおかしなふうに行っているなと。
それで、お手元にこれありますかね。「高等
学校における必履修教科・科目について」というペーパーをお配り──行ってませんですか。行ってますね。
それで、私はこの高校における必履修教科・科目というのを久しぶりに見さしていただいて、えらい複雑になっているなというのが正直な感想でございます。今、現行のこれは、この「高等
学校における」という意味は、もうありとあらゆる、全日制であろうが定時制であろうが通信制であろうが、普通科であろうが専門科であろうが総合学科であろうが、これはもうこの前、本
会議で申し上げましたけれども、そういう物すごい多様化しているすべての高等
学校、高校生に勉強せないかぬ科目だと。
例えばこの、今もう社会科なんてなくなって地理歴史科と公民科になっていますけれども、これもその世界史はどっちか必修だと。
日本史A・B、地理A・Bの中から
一つということになっています。公民もややこしくて、現代社会二単位だけれども、現代社会二単位又は倫理、政経の四単位がどちらかが必修だと。数学も、数学基礎と数学Ⅰに分けてどっちか必修。理科も、理科基礎か理科の総合のA、Bどっちかが必修と横に小さい字で書いてありますけど。
それで、難しい進
学校じゃない方の高校の話ですけど、いろんな言い方がございます、学力困難校等とかございますが、そこでは例えば数学基礎というのがあると。数学基礎というのは何をやるんですかと。これは
指導要領を読んでも、理科基礎もそうなんですけど、これはもう中学の
内容ということだというふうに私は理解したんですけどね。
これはどういうことかというと、要するに、中学というのは別に単位制じゃありませんから、九年終わったら出ていかないかぬわけですね、どれだけマスターしたか問われないままに。特に、数学とか理科はもう五年生ぐらいからちょっとずつ分からぬと分からなくなってきて、中学三年になったらもう全然分からないと。そんな状態で、だけど高校には行くと、今高校にほとんど行くわけですから。そういう人たちが学ぶ数学というとどんな数学なんですかと。数学基礎という教科書が、読み物みたいなのがありますけど、そんな教科書やるよりも、もう一回中学の数学をしっかりやった方がそういう学力困難校にとっては身に付いた数学ができると。これは現場の
先生の意見です、数学の
先生の。数学基礎みたいなの無理やり作ってやるものだから、余計やりにくくてしゃあないと。そこに書いてあることなんていうのは本当にもう、場合によったら
学習指導要領の中学の
内容の方が難しい、
言葉的に難しいことが書いてあると。数学基礎に書いてある高校の数学基礎よりも、
学習指導要領の
言葉は中学の
学習指導要領の数学の方が難しいことが書いてあるわけですよ。そんなふうにしてこれ多様化する中で必修を決めているわけですね。
そうすると、僕はそのすべての高校生に、それが必履修科目やと思いますけど、これは非常に丁寧に議論しないと、もうほとんどの
子供が高校に行くわけですから、物すごい多様化する中で、じゃ必履修科目って一体、その中身と科目、教科の設定はどうあるべきなのかという議論はこれはやっぱり丁寧にやらないと、集まって議論する人たちは本当に現場のこと分かって、それは御本人の感覚は三十年ほど前の高等
学校の実態を思い描きながら議論しているんじゃないのかなということを感じ、襲われるぐらいでございます。中教審の
教育課程分科会の中のその議論ですけど、今そういう議論されているとは思うんですけれども。
僕は、だから高等
学校、全入がほとんどの、九七・何%の
子供たちが全部高校に行く中で、必履修科目の在り方というようなことは丁寧に慎重でないと物すごい複雑なことになってしまっている。これ、多様化そのものを表現しているわけですよ。一体必履修ってどういうことなんだということはやっぱり問われるし、高校
教育って一体何なんですかと。
そこで、もう二点
大臣に
質問したいんですけどね。この一覧表にある、これ数学ⅠというのはⅡ、ⅢがあってⅠなんで、数学基礎というのはもうこれ勉強したらもうつながらない、これで終わりということやと思いますけど。そういうことも含めて、必履修科目というのは、これはすべての高校生が学ぶべき
教育内容って一体何かということを現場の実態もよく踏まえた丁寧な議論をしないと、今、世界史だけじゃ駄目だと、
日本史も必修にせいという意見があるそうですけど、そうしたら地理はもういいんですねという、増やす話やから余計これはね、それはいろいろ背景はあるとは思いますけど、これはちょっと丁寧な議論をする必要があると思います。これが一点です。
もう一点は、高等
学校においては普通
教育と専門
教育行うことになっていると思うんですけど、高等
学校における普通
教育というのは、これは
憲法の二十六条とも、また
教育基本法にも、その普通
教育というのはこれはすべての
国民が義務化されている
内容ですのでね、高等
学校における普通
教育の在り方、この二点をちょっと御
質問したいなと思います。