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鈴木寛君 お答えを申し上げます。
私どもは、正に今起こっているこの
いじめの問題への解決の第一歩にここで行われている議論がならなければ、何の意味もないというふうに考えております。
例えば、衆議院で
教育基本法の議論が行われている間だけ取りましても、実に九名の若いお命が自ら絶たれる、あるいは三名の
校長先生が
自殺をされるという痛ましい
事件が続発をしているわけでありまして、本当に亡くなられた
方々に我々は申し訳ない、そういう
思いで一杯でございます。心からお悔やみを申し上げたいと
思いますけれども、正にこの参議院の
審議の中で、こうした問題に対して我々国会はどうしていくんだと、そういう議論を私は全力を挙げてさせていただきたいというふうに思っております。
私も、
民主党の
いじめ調査団の団長としていろんな現場を議員とともに一緒に歩かせていただいております。私どもは、
いじめ問題解決のポイントは三つほどあろうかなというふうに思っております。
まず第一点は、やはり迅速な対応を、少しでも兆候が表れたときにやらなければいけないというのが一点。それから二つ目は、
いじめの問題というのはケース・バイ・ケースでございます。したがいまして、やはりそのケースに応じてきめ細かな対応を綿密にやっていくということが第二点。それから三つ目は、最近残念な
事件はございますけれども、やはり
子供のことを一番愛しているのはやっぱり親御さん、お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんです。そうした
方々が心配、不安を抱えたときに、きちっと
学校、行政の側がそれをどれだけ受け止められるかと。
こういう制度にしていくということが
いじめ問題に対する重要なポイントだということで、我々は、今回の
日本国教育基本法案、それから関連して出しました新
地方教育行政法、
教育振興法、この三法の中で三点のことについてうたわせていただいております。
第一点目は、
民主党の
日本国教育基本法の十八条、それから新
地方教育行政法の七条で、すべての
学校に
学校理事会というものを設けるということを盛り込まさせていただいております。
学校理事会と申しますのは、
保護者、
地域、
学校関係者、
教育の専門家が入って、
学校で起こった問題は
基本的にこの
理事会が解決をしていくと、しかも
保護者と
地域の
方々が過半数を占めると、こういう機構にさせていただいております。
私も瑞浪に、岐阜の瑞浪の例を岐阜まで行ってお伺いをいたしましたが、お母様、中
学校の二年生の女の子が亡くなられた件でございますが、お母様はもう兆候に気付いておられて、そして
学校の担任に相談に行っておられるんですね。しかし、その相談がその中二の学年では検討されたけれども
学校長まで上がってなかったと、こういうことであります。例えば、
学校理事会があれば、こうしたときに十分に
学校に対応してもらえなかった場合には、
保護者代表の、大体副
理事長になると
思いますが、副
理事長に直接この問題をきちっと対応してくれということをお願いに行けば、
学校理事会がきちっと
学校として動くということがこれ可能になるわけであります。
それから二点目、
民主党の二点目は、これまた十八条の二項でございますが、やや
文部科学大臣誤解されているところがありますが、我々は、現在の教員の人事権は、給料を県が三分の二、国が三分の一払っているということもありまして、市立とか区立の教員であるにもかかわらず、県の
教育委員会が人事権者になっております。この人事権者を県の
教育委員会ではなくて市長さんや区長さんに移譲をしていくというのが我々の考え方であります。知事に移譲をするわけではありません。市長や区長に移譲をしていくということでございます。
今回の例えば福岡の事例を見ますと、これは教員の
子供に対する
いじめを端緒とする
いじめ事件というところでありまして、正にその教員の人事権者である県の
教育委員会が初動をしなければならない。私は
事件が起こりまして三週間たったところで福岡県の
教育委員会にお邪魔をいたしました。しかし、この問題、私たちの感覚であれば、毎日徹夜をしてでも対応するというのが我々の感覚、皆様方もそうだと
思いますけれども、福岡県の
教育委員会は三週間にただの一回、しかも数時間しか開かれてないと、これが実情でございます。
したがいまして、親御さんやあるいは近所の方が心配があったときにその県の
教育委員会に言っても、そもそも
教育委員長は非常勤であります。
基本的には
教育長がその職務を代行しているわけでありますが、
教育長はお役人であります。これ、我々もよく分かったわけでありますけれども、結局は組織の維持、自己保身、これに走らざるを得ないというのが、これは残念ながら実態であります。
私たちは、例えば福岡の事例で申し上げますと、その中一のときの担任に会ったんですかと、話を聴いたんですか、事情聴取したんでしたか、三週間たって一回もしておりません、それは入院されているということでありましたが。であれば、私から、病院に行かれて医師立会いの下でその事情聴取をされたらどうですかと御
提案をしたところ、あっ、それはいいお考えですねと。
こういうのが県の
教育委員会の無
責任、形骸体制の実態でございますから、私どもは今回、そうした事案があった場合には、一番近い、正に市立小
学校であれば市長さんにこういう問題を何とか解決をしてくれということをちゃんと言いに行って、きちっと対応ができる。今回も、町長さんは分かっておられるんですね。しかし、
教育委員会の壁があるのでできないと、こういうことでございまして、正に今の
教育委員会制度というのは形骸化していますし、
保護者の皆さんからすると正に鉄の壁だと、ここをきちっと対応していきたいということでございます。
それで三点目は、先ほど来出ております国の
責務でございますけれども、今非常事態です。全国で連鎖が起こっています。この問題を文部省にきちっと解決をしてくださいということを我々文教科学
委員会でも申し上げました。
伊吹大臣は、文部省にはその権限が十分に与えられていないという御答弁をされます。これ、正しい御答弁であります。
だから、ここを我々は変えなければいけない。そのためには、
日本国教育基本法案できちっと国の最終的な
責務ということをうたって、こうした問題については、やはり非常事態でありますから、全国連鎖を止めなければいけないわけでありますから、国が全面的にありとあらゆるこうした事態には対応できると、こういうふうな制度
改革を具体的に盛り込まさせていただいているというところでございます。