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2006-10-24 第165回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 公式Web版

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  1. 政府参考人の出席要求に関する件 ○外交、防衛等に関する調査 (会議録情報)

    平成十八年十月二十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月十七日     辞任         補欠選任      加藤 敏幸君     白  眞勲君      主濱  了君     喜納 昌吉君  十月二十日     辞任         補欠選任      高野 博師君     遠山 清彦君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柏村 武昭君     理 事                 岡田 直樹君                 山本 一太君                 浅尾慶一郎君                 柳田  稔君     委 員                 浅野 勝人君                 川口 順子君                北川イッセイ君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 関口 昌一君                 犬塚 直史君                 喜納 昌吉君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 白  眞勲君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (内閣官房長官) 塩崎 恭久君        国務大臣        (防衛庁長官)  久間 章生君    副大臣        防衛庁長官   木村 隆秀君        外務大臣    浅野 勝人君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官       北川イッセイ君        外務大臣政務官  関口 昌一君        経済産業大臣政        務官       高木美智代君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣法制局第一        部長       山本 庸幸君        防衛庁防衛政策        局長       大古 和雄君        防衛庁運用企画        局長       山崎信之郎君        外務大臣官房長  塩尻孝二郎君        外務大臣官房審        議官       長嶺 安政君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務省北米局長  河相 周夫君        外務省欧州局長  原田 親仁君        外務省中東アフ        リカ局長     奥田 紀宏君        外務省国際協力        局長       別所 浩郎君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        経済産業省貿易        経済協力局貿易        管理部長     押田  努君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (北朝鮮核実験問題と国連安保理決議基づ  く制裁措置に関する件)  (我が国核兵器保有をめぐる論議に関する件  )  (日朝関係に関する件)  (アフガニスタン情勢に関する件)  (外交実施体制に関する件)  (沖縄米軍基地問題に関する件) ○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国におい  て発生したテロリストによる攻撃等に対応して  行われる国際連合憲章目的達成のための諸外  国の活動に対して我が国実施する措置及び関  連する国際連合決議等基づ人道的措置に関  する特別措置法の一部を改正する法律案内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、主濱了君、加藤敏幸君及び高野博師君が委員辞任され、その補欠として喜納昌吉君、白眞勲君及び遠山清彦君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局第一部長山本庸幸君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 本日は、二つ問題意識を持って麻生大臣とそして久間防衛庁長官に御質問させていただきたいと思います。  一つ目問題意識は、北朝鮮核実験実施をした、もうちょっと正確に言うと、どうも失敗をしたという説が有力なようですので、核実験を試みたと。そして、場合によっては二回目、三回目の核実験を強行して北朝鮮が実戦的な核兵器保有国として日本の近隣に出現をすると、こういうシナリオ現実のものとなりつつあるという状況の中で、日本がこの新たに加わった安全保障上の脅威をどうやって埋め合わせていけばいいのか、すなわち日本抑止力というものをどうやって担保をし、維持をしていけばいいのかというのが私の最初問題意識でございます。  二つ目は、この北朝鮮の核問題、日本にとってはこの拉致問題もあるわけですが、この北朝鮮問題というものを解決していく上で六か国協議というこの枠組みが最も効果的なベストシナリオなのかどうか。  まあ北朝鮮御存じのとおり、アメリカとの二国間の直接対話というものを渇望をしているわけですが、ブッシュ政権はこれについては拒否をしていると。私自身も、もちろん六か国協議枠組みが最も現実的、効果的な北朝鮮問題を解決をしていくツールであるとは思っておりますけれども、改めて、なぜアメリカがこの米朝直接対話をよしとしないのか、なぜマイナス考えているのか、そしてこの米朝の直接対話あるいは六か国協議というものが日本の対北朝鮮政策においていかなる意味を持つのか、この二つ問題意識を持って幾つか具体的な質問を両大臣に対してさせていただきたいと思っております。細かい通告がないものもあるかもしれませんが、まあそこは両大臣の御判断でできる範囲でお答えをいただければというふうに思っております。  さて、まず北朝鮮のこの核実験の試みがあった、東アジア安全保障の環境が様相が一変をする、こういう危険をはらんだ今回の北朝鮮のまあ蛮行と言っていいと思いますが、これを受けてアメリカの有識者、ジャーナリズムやあるいは政府関係者の一部からは日本のこの核武装可能性についての議論が出てきております。  先週末だったと思いますが、ワシントン・ポストのコラム、ちょっとこのコラムの筆者の名前を忘れてしまったんですが、日本核武装論について論じておりますし、アメリカ政府高官はこの日本核武装可能性について非常に懸念を持っているという発言も聞こえてまいります。さらには、日本国内においても、こうした新たな脅威に対抗するためには日本自身がこの核保有議論をしなければいけないのではないかと、こういう流れ、ムードも一部には出てきております。  これを踏まえて、麻生外務大臣は再三、非核原則堅持をするということを明言をしておられますが、改めて、この日本核武装核保有ということについて外務大臣としてどのような御見解をお持ちか、お聞きをしたいと思います。
  7. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 日本核兵器をいわゆる、作らず、持たず、持ち込ませずといういわゆる非核原則と言われるものにつきましては、これまで歴代の内閣は累次にわたって、表明をしておられるというところでありまして、今後とも、これを今変えるというような話が政府部内にあるわけではありません。  また、これは、みんなその原則の話ばっかりよく話題になって、新聞もその程度のことしか書いてありませんけれども、これは法律上もきちんとしておるという点がもう一点忘れられているところだと思っております。これ原子力基本法というのがありまして、この原子力基本法によりまして平和目的にこれ限定をされるという法律になっておるという点がもう一点。  それで、加えて、これは例のノンプロリフェレーション何とかという、非核原則、ああごめんなさい、拡散防止条約にこれは日本の場合は非核国としてこれ加盟しておりますので、これは核兵器の構造や取得等々は、などはいわゆる行わないという義務を負っているというのがNPTという条約でもって決められておりますんで、我が国核保有をするということは、そういう原則に限らず、以上二点という点も記憶しておかれるべきところかと存じます。
  8. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 これは質問通告はしてないんですが、久間防衛庁長官にも同じ御質問をお聞きしたいと思います。
  9. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 私は、法律で書いている書いてないということじゃなくて、そもそも日本みたいな国土の狭い国が核の傘といいますか、核の抑止力というのを持ち得るんだろうかと。やっぱりアメリカとか中国とかロシア、こういう大国だったら、核一発受けてもその十発で返礼をすることによって、まあ核の傘といいますか、かなりの抑止力が利くわけですけれども、日本の場合は相手も、北朝鮮でも日本でも双方がもう全滅してしまうわけですね。だから、そういう意味では日本はやっぱり核兵器を持つ意味がない。むしろ、持たないことによってそういう国々に対して核を廃絶しようという訴えをすることができる。  そして、日本の場合は、やっぱりアメリカというようなそういう核の傘の中で、いざというときにはアメリカの反撃によってあなたは駄目ですよというような、そういう形での抑止力の方が現実的じゃないかという、そういう感じがしまして、昔から私は、日本非核原則を守っていますけれども、それだけではなくて、意味がないと。  そういうようなことから、むしろ核を持たず、作らず、そういうような姿勢で世界各国に訴えていくことの方が核を廃止する、そういう方へ進んでいくことになるんじゃないかなという、そういう基本的な考え方を私自身持っておりますので、日本は今までの政策堅持すべきだと思っております。
  10. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 今、両大臣が、日本核武装論日本核保有というその議論に対してのお考えを両大臣からお聞きをしたんですが、私も一人の政治家として、日本核武装というものは、これはもう日本国益にもそぐわない。久間大臣もおっしゃったように、これは麻生大臣もおっしゃったように、唯一の被爆国である日本非核という国是を持ってやはり戦後六十年を歩んできたということもありますし、さらには、それだけではなくて、もちろん大臣法律のその制約のお話もされましたが、それだけではなくて、今、久間長官がおっしゃったように、むしろその外交安全保障戦略上からいっても、実は費用対効果の面から考えても、やはりその核兵器保有ということはほとんど私は意味がないと思っておりますし、NPT体制の崩壊につながるようなそういうことを日本がするということはできないということもありますし、これはもう日本核保有ということには当然反対ですし、こういう選択肢はないと思っております。  しかしながら、今核保有核武装について議論をするかどうかということについて、核武装についてのこの議論さえ一切いけないと、こういう意見が一部出ていることについて私はやや違和感を持っています。つまり、私は、日本核武装というのはあらゆる意味でこれは日本国益に合わない、アジア太平洋といいますか、東アジアのもちろん地域益にも合わない、これはもう国際社会にとっても良くないことだと思っていますけれども、なぜ日本のこの核武装が戦略的、軍事戦略的にもこれが全く日本にとってあり得ない選択なのか、こういうことをきちっと議論をしておくということは私は実は重要なことではないかというふうに思っております。  この核武装議論は、もちろん佐藤内閣のときに内々に行われたというお話もあるわけですけども、こうしたことをきちっと議論をして検証する、なぜ日本にとって核武装というものが全くのマイナスであって意味がないのか、こういうことをきちっと検証しておかないと、これからもまあ日本の周りでちっちゃな危機シナリオが起こったり、あるいは安全保障上の脅威が高まるたびに非常に情緒的、感情的な核武装論というものが浮遊をしてしまうんじゃないかと、こういうような実は思いを持っておりますけども、麻生大臣、両大臣のお考えもよく分かったんですが、麻生大臣、余り踏み込まないでお答えをいただければと思いますが、この核武装議論をするということについては大臣はどのようにお考えでしょうか。
  11. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 核武装の話をすると、大体持つ前提の話を皆されたがる人が多いと思っております。大体どういった方がされるかもよく傾向値で分かりますけれども。  基本的に言って、なぜ核を持たないかという話をもう一回きちんと頭の整理された国会議員って何人ぐらいいらっしゃいますでしょうね。もう、あの時代えらくやらされたときにおられた方、今ほとんどいらっしゃいませんから。何となく持っちゃいかぬというような固定概念だけでやるのは甚だ危険なんであって、なぜ持たないかという理由をきっちり議論をしておいた方がいいと私自身はそう思っておりますんで、議論というものは、言論封殺みたいな話、やたらはやるのは多いところですけれども、私はこういった話は堂々ときちんとされた上で、納得をされた上でというところが一番大事、したがって議論は封殺されるべきではないと、基本的にそう思っております。
  12. 山本一太君(山本一太)

  13. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 私は、若干ちょっと考え方が違うのは、百人のうち九十九人が山本委員あるいは私みたいな気持ちで思ってるとしても、一人の人がやっぱり持つべきだという話をしますと、それが先ほどちょっと言われましたように、アメリカの有力な人が、日本はそういう議論を始めたのかというようなことを言ってるという、まあそういうふうに聞いたと、おっしゃるように、ほかの方では違った方に、全くフィフティー・フィフティーの議論みたいに喧伝されてしまうおそれがあるわけですね。  そうすると、日本国内においては全然今持とうなんという考えの人はほとんどいないにもかかわらず、そういう議論が沸き起こってきたかのような、そういうことになるから、その辺は静かなタイミングのときに議論しないと、沸騰しているときに話をし出すと、それが非常に変な効果を持ってしまうという、そういうおそれがあるので、まあ議論をするなとは言いませんけれども、する場合もそういうような誤解を招かぬような雰囲気の中で話は静かにしてもらいたいという、そういう思いがあって若干ニュアンスがちょっと違うのかもしれません。
  14. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 両大臣お話、結論からいうと非核原則はもちろん堅持をするということだと思うんですけども。  さて、それを踏まえた上で、先ほど私が申し上げた最初問題意識のところに戻りたいと思うんですが、北朝鮮地下核実験を試みた、場合によっては二回目、三回目やるかもしれない、最悪の場合、日本のすぐ近くに金正日という独裁者のいる国が実戦的な核兵器保有した状況で再出現するかもしれない、こういうシナリオがあるわけで、これは余り国民の方々に危機をあおってはいけませんけども、明らかに日本安全保障上、脅威レベル日本に対して高まっているということは、これは間違いないと思います。そして、今まで百だった脅威が百五十になる、今まで百の抑止である程度埋め合わせていたものがオフバランスになるということを考えれば、やはり脅威レベルが上がったことについての対抗措置をとらなきゃいけない、つまり抑止レベルを上げなければいけないということになってくると思います。  そして、北朝鮮が、まだ確実に実戦的な核保有をしたという状況ではありませんが、核保有をしたということを考えれば、最も単純な抑止力対抗的抑止力をつくる方法は同じく核武装をすることだと思いますが、この選択肢はもう最初からあり得ないということであれば、この核武装をするという選択肢以外のところで日本抑止力というものを維持していかなければいけないというふうに考えております。  今回、ライス国務長官アジアを歴訪した、東アジアを歴訪した、ロシアにも行った、これはもう極めてタイムリーだと思いますし、特に麻生大臣との日米外相会談というのは正に時宜を得たものだというふうに考えておりますが、まず麻生大臣にお聞きしたいと思うんですけども、今の話、つまり日本がこの新しい状況の中でいかに抑止力レベルを高めていくのか、どういうやり方でやったらいいのか、もちろん日米安全保障条約でのアメリカ側コミットメントをきちっと担保する、更に確度を上げるということももちろんあると思いますし、あるいはまたほかの方法もあるかもしれませんが、麻生大臣の目から見て、日本はどうやってこの新しい状況に対して抑止レベルを維持し、上げていけばいいとお考えなのか、そのことを伺いたいと思います。
  15. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今回の実験が起きたときに私が最初にやったのは、多分ライスという国務長官に電話したことだと思っております。私の方は、この実験現実かどうかというのは当時も今も正確なところではありませんので、仮にこれが事実ということになれば、少なくとも日本国内に与える影響、動揺は極めて大きいと。したがって、アメリカ日米安全保障条約基づくあらゆる抑止力というものがいわゆる条約どおりにきちんと作動するという保証がもらいたいと、それがアメリカがやるべき最初の対応なんであって、我々ともその日米安全保障条約上これが一番。契約なんというのは、商売やっておられるから御存じのように、契約書はあるからといってそのとおりに履行するという保証は全くありませんから、したがって条約も同じなんであって、その条約がきちんと作動するためにふだんからの付き合い、ふだんからの人間関係というのがきちんと醸成されている、つくられているのが一番のところだと存じます。  幸いにしてこの五年、六年の間、日米関係というものはいわゆるアフガニスタンやらイラクやら、いろいろなところできちんとこの五年間の間信頼関係は醸成されてきたというのが、今回のミサイルの発射にしても核実験の話にしても、少なくとも日米はほぼ一致して安全保障理事会において、片方は十一日、片方は五日間で制裁決議というものにこぎ着けることができたという関係、これは大きかったと思っております。  いわゆる国際関係というものの中で北朝鮮というものに関しては、中国ロシアも含めて、韓国もちろんですけれども、含めて今回のものに関してはノーという意見を、これは国際世論としてきちんと伝えた。また、中国唐家センという人が北朝鮮に行っていますけれども、一番肝心なことは胡錦濤という中国を代表する人のメッセージ金正日という人に直接意向を伝えたというところが一番のいわゆる圧力になった、また抑止になったということだと思いますんで、こういった関係をきちんとつくり上げているというのが今我々としてやらねばならぬ大事なところだと、外務省としてはそのように思っております。
  16. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 私は、今回、大臣ライス国務長官会談をされて、そこでライス国務長官の方から何回もアメリカとしては安全保障上の必要なコミットを果たすという発言があったと。これは非常に私は意味のあることだと思っています。前回、前々回ぐらいの2プラス2でもインターオペラビリティー、とにかく共同作戦をやったときの相互互換性みたいなものを高めようという議論があったり、アメリカは少なくとも北朝鮮問題で何かあったときにはきちっと抑止力を働かせるというような文言ありましたけども、今回ほどはっきりとした表現はなかったということで、これは大変私は評価すべきことではないかと思っていますし、ライス国務長官、全部、すべて記者会見等々読んだわけじゃありませんが、とにかく日米関係日米安全保障関係においてはいわゆる安保もやると、しかも抑止もやると、両方きちっとコミットしますよということをおっしゃったということが大変印象的でした。  さらに、英語でアンダースコアという言葉を使っておられたと思うんですが、アイ・アンダースコアフルレンジと、フルレンジということをたしか記者会見でも二、三回おっしゃったということで、これは当然核の傘も含めた、ぎりぎりの、余りこう、余りにも露骨ではない、少しスマートな表現です、このフルレンジということをおっしゃったんだと思いますが、日米安全保障体制のとにかく確度を高めていくということに外務省が重きを置いているということは分かりました。  さて、久間防衛庁長官に伺いたいんですが、もちろん日本抑止力を高めていくということは日米安保体制のきちっとした担保を取っていくということなんですが、そのほかにも、もうちょっと、もちろんこれも日米安保条約の、日米安保体制のこの大きな枠組みの中ではあるんですが、もう少し軍事的な観点から見て、北が核保有をする一歩手前まで来たと。これに対抗する抑止として、長官の目から見てどういう手段があるのか。ミサイル防衛なのか、あるいはこれは抑止なのか、それとも国防力の増強なのか分かりませんが、敵地と言うと石破先生にしかられるので、策源地攻撃能力という議論もあると思いますし、あとアメリカに少し軍事的なプレゼンスを高めてもらう。今、フィリピンに置いてある爆撃機をちょっと移動させるとか、アメリカ空母をあそこら辺の地域に展開してもらうとか、そういう防衛庁観点から、少し軍事的な観点から見て日本抑止力を高める方法があれば、ちょっと御見解を伺いたいと思います。
  17. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 先ほど外務大臣が言われましたように、また山本委員がおっしゃるように、日米コミットメントを強化するというのは非常に大事なことでございまして、それを更に具体的にいろんな角度から検討するということは大事だと思っております。  ただ、今直ちに爆撃機を云々という話がありましたけれども、爆撃機というのはいずれにせよ時間が掛かるわけでありますし、今グアムにおるわけですよね。グアムであっても日本におってでもそれほどの爆撃機としての効果は変わらないわけでありまして、時間的には結構掛かるわけであります、それはですね、爆撃機が飛んでいくのに。  だから、そういうことよりも、先ほど言われましたように、日米コミットメントを強化するという形で、いつでもそういうことはもうこちらの抑止力は働きますよということを絶えず言ってもらって実行してもらうような、そういう体制をつくることが大事であって、日本の場合は、そして昔から盾は持つけれども矛は持たないという、そういう政策を持ってきて、あと、このアジア関係諸国ともそういう形でやってきておりますから、それを敵地攻撃するだけのその能力を備えようとしますとまた間違ったメッセージを与えかねない。それが軍拡になっていくこともございますので、そういうことをしないで日米関係を強化していこうと思っておりますが、今、空母についても横須賀に配置しておるわけでございまして、まあもう一隻太平洋にどうかという話は確かにあります。あるいはそのときには母港じゃなくてもう一方は準母港でもいいじゃないかという議論もありますけれども、今直ちにそこまで議論がする必要があるかどうか。現在の体制で一応十分対応できるというふうにアメリカも踏んでいるんだろうと思っておりますので、それを強化していくという、そういうやり方で私はやれると思っております。
  18. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 今、先ほど私が申し上げた二つ目問題意識の方にちょっと行きたいと思うんですが、北朝鮮はもう基本的にアメリカと直接対話をしたいと、こういう政治的な意図を持っていろいろとこの仕掛けをしているという分析があるわけなんですけれども、ブッシュ政権はずっとこの二国間の直接対話というものを拒否をしていると。これは当然、大統領選挙のときからクリントン政権時代の対北朝鮮政策をブッシュ大統領ずっと批判してきましたから、これは政治的にもなかなかこの二か国の対話でいくというのは難しいと思いますし、とにかくKEDOの枠組みもうまくいかなかったと。まともに合意してもちっとも約束を守らない国だという、そういう強い気持ちがブッシュ政権にあるのも分かるんですが、まあ、これ、現実的にはなかなかアメリカが今米朝二国間対話をやるとは思えませんし、またそれがいいことだとは思えませんが、ちょっと改めて頭の体操も兼ねて麻生大臣にお聞きしたいのは、なぜブッシュ政権はこの米朝二国間のその直接対話というものがマイナスになると考えているのか、そのことについて御見解を伺えればと思います。
  19. 副大臣(浅野勝人君)(浅野勝人)

    ○副大臣浅野勝人君) アメリカは、北朝鮮が六者会合に無条件に復帰すればその枠組みの中で米朝二国間の対話には応じてもよいと、そうした対話の中であれば、どんなテーマであれ二国間の問題について話し合うことができるとこれまで一貫して主張してきております。したがって、アメリカ北朝鮮との対話を避けているとは考えておりません。  我が国としては、北朝鮮の核問題の平和的外交的解決に当たっては六者会合が最も現実的な枠組みであると考えておりまして、その点についてはアメリカ側とも一致しています。北朝鮮が六者協議に即時無条件に復帰し、その中で米朝協議が行われることが我が国国益から見て望ましいと考えております。
  20. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今のを補足するようで恐縮ですが、これまで米中朝の三者会議等々の次官レベルなんというのは北京なんかで開かれたことはあります。そのときに、アメリカは時間どおりに席に着く、相手国は出てこない、ずっと待っておる、十五分たっても出てこないと。電話する、相手の国はいるかと。そっちよりおれの方が先に行くわけにはいかない、大体そんな話ですから。意味分かりますでしょう。ああいうときなんかは二国間会議をやる最もいいタイミングだと思いますけれどもね、やろうとはしませんな。だから、本当に二国間をねらっているんですかねというのは、正直我々第三者から見ていると、ちょっと正直その真意が測りかねるというのが正直な現実、今起こっております現実としてはそういう感じがします。
  21. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 時間的にもう一問なんで、ちょっと細かい質問通告はしていないんですが、是非外務大臣の御見解を伺いたいんですけれども。  今、国際社会、これ、国連安保理の制裁決議、全会一致で通過をしたと、これで北朝鮮に対して核兵器の計画を断念させるためにプレッシャーを掛けているということになっているんですが、ライス国務長官も言っているとおり、これはもうとにかく北朝鮮対話の場に引っ張ってくると、六か国協議枠組みの中に引っ張ってくることが先決なんだというふうに言っているわけなんですが、大臣の目から見て、六か国協議北朝鮮が戻ってきたからといって、いって、北朝鮮がその核廃棄に応ずるかどうかというのはこれは分からない。また出てくるかもしれない。しかし、今国際社会がこれだけプレッシャーを掛けている、日本もかなり北朝鮮に対して圧力カードを切っている、これはどういうシナリオを頭に置いて今こういうことをやっているのか。例えば、六か国協議が再開された場合には、前とは違う、今までは中国とか韓国が北朝鮮の擁護に回っていたけれども、どうも中国は何か丹東の辺りで急に貨物検査やったり、資金止めたり、ちょっと石油も削減したり、山東省で軍事演習やって何か緊急展開できる能力を見せ付けたりして、今までとは違うと。  つまり、もう一回北朝鮮が六か国協議に戻ってきたら、ある意味でいうと今までと違うアレンジで北朝鮮に対して圧力を掛けて、ベストシナリオだとそこで北朝鮮核兵器というものをあきらめると、こういうことを頭に描いておられるのか、そこら辺のところはどんなシナリオを頭に、念頭に置いておられるのかをお聞きできればと思います。
  22. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これ、予測の範疇を超えませんのであらかじめお断りをしておきます、予測の範疇。  今、世界じゅうで北朝鮮は孤立しているから大変だろうとよく書いてありますけれども、果たしてそうだろうかと。御本人は初めて世界じゅうに注目されて物すごく高揚しておられるんじゃないかと。そういう発想は全然どなたもおっしゃいませんけれども、私は御本人は極めて今満足しておられるという気持ちの部分も独裁者を見るときに忘れちゃいかぬところだと思っております。  二つ目は、今言われましたように、北朝鮮という国が六者協議に戻ってくるときに無条件という、アンコンディショナルというのがずっと付いていますけれども、これは核保有国として六者協議に参加するということは中ロ米日いずれも認めることはないと。それで戻ってくるかねという話をしておりますんで、ただこれがなかった場合はいわゆる制裁はずうっと効いていきますんで、それはかなりしんどいことになってくるということになるだろうと思いますんで、これからはチキンゲームみたいなことになってきて、両方でこれはかなり長期間にわたってお互いに意地の張り合いみたいなところもあるでしょうし、現実論としてのゲームみたいなことにもなりますでしょうし、北朝鮮現実というのは石油にしても食料にしても極めて厳しいことになってきておるというのは事実ですし、そういったものを含めてどういう具合に対応してくるかというのは、ちょっと予測の範疇をこれ以上は超えないところだとは思いますが、基本としては、望むべくはリビアみたいな形になれば最も望ましいとは思いますが、それが期待できるようなところであろうかということに関しては疑問です。
  23. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 ありがとうございました。  終わります。
  24. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 山本一太君の質問は終了しました。  犬塚直史君。
  25. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 民主党の犬塚です。  今、麻生大臣の方から、日本核保有については法的に無理だと。しかし、なぜ持たないのかという議論はしても、しっかりする必要があるんじゃないかと、逆に納得しないとおかしいんじゃないかというお話があったんですが。  そこで、一点ちょっと大臣の御意見を聞きたいんですが、核に対する抑止力で、仮に日本が核を持つことは意味があるとすれば、相手が日本の核に脅威を感じるという大前提があると思うんです。ところが、今おっしゃったように独裁者の心理というのは全く分かりませんので、果たして米ソのときのように相互確証破壊というのは私はとても成立するとは思わない。つまりは、日本核武装を仮にしたとしても、北朝鮮の核の抑止力にはなり得ないと思うんですけれども、麻生大臣の御見解をお願いします。
  26. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これは抑止力としてどのようなものがあるかというのは、もう犬塚先生、これは絶対殴り返してこないやつが一番殴られるというのは学校におけるいじめの大前提であります。したがって、何もしなければ一方的にやられるというのは、これは何も日本のいじめの話じゃなくて、世界じゅう皆同じなんですが、そういうときにあって、日本の場合はいじめ返すという能力アメリカとの日米安全保障条約に頼っておると、これが現実だと存じます。  したがって、日本の場合は報復できるのをアメリカに頼っているというのが現実。少なくとも今まで北というところには核がないという前提で我々は防衛を考えておりましたが、隣国に独裁者がいて、その独裁者が核を持ち、かなり性能の高い、日本に着弾距離を有する射程距離を持ったノドンというミサイルを少なくとも実戦配備若しくは訓練ができるほどまでに持っているという状況に立ってどうするかという話は改めて考えておかねばならぬ大事なところだ、新しい核の時代に入ったと言っても過言じゃないと思いますが、少なくともこの北東アジアにおいてはそういう状況を踏まえていろいろな物事を考えていかないといかぬことになったと思っております。
  27. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 私がお伺いしたかったのは、要するに北朝鮮日本の間で、仮に日本核武装したとしても相互確証破壊、MADというやつは成立しないとお考えになりますか。
  28. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これ、犬塚先生、相手がどう考えるかであります。  したがって、日本が核というものを仮に装備したという前提に立った場合には、日本人の性格からいったって、どう考えたって北朝鮮よりより正確により速くより何とかというものができ上がる確率は極めて高いと思われます。それが相手にとって、確実に自分のところまでずっと追尾されてというようなクルージングミサイルなものにくっ付いてくるのか、いろんなことを向こうがそれを脅威に感じるかどうかなのであって、私どもはこれは相手との間のいわゆるパリティーというような、均衡というものを考えたときには、今申し上げた点に関して、向こうがどう感じるかというところなのであって、抑止力にならないとは申し上げませんけれども、確実にそれがなるというのが、独裁者にそのような意識はあるだろうかという点はちょっと量りかねるところです。
  29. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 いわゆるその好戦行動といいますか、我が身がどうなろうが我が国民がどうなろうが攻撃を仕掛けるんだというような独裁者の心理といいますか、そこのところは全く分からないわけですから、私は基本的には抑止というのは成り立たないんじゃないかと思っております。  久間大臣が先ほど、日本の国土は小さくて、意味がないんじゃないかと、特に今こういうふうに議論が沸騰していてマスコミが注目しているときに、やっぱりマスコミの影響というのを考えなきゃいけないとさっきおっしゃった御意見、私はもう賛同するところでありまして、そもそも久間大臣、私の長崎の大先輩でありますけれども、長崎の、例えば被爆関係あるいは今回の話でも、市長がいろいろちょっと言うだけでも世界的に注目されたりするわけでして、やっぱり長崎県選出あるいは広島県選出の議員や大臣発言力というのはやっぱりほかとはちょっと違うのかなと思うんですが、マスコミの影響も考えていただいて、是非長崎出身の防衛庁長官として力強い御発言をこの場でお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
  30. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 何が力強いかということございますけれども、先ほどから言ったように、私自身は、日本は核を持たないことによって世界の核をなくすという主張が非常にしやすい立場にあるわけだから、そういう形で言っていくべきだと。それで、この北朝鮮の核については、日本だけではなくて、もう世界各国が非常に今度の非難決議にも参加して、特に中国が、やっぱり自分と接する隣国が核を持つことについては今まで以上に、これはもう非常に脅威といいますか、意識していますから、だから中国があの決議に、普通だったら棄権して制裁を加えないということに動く中国が真っ先に賛成しているわけでございますから、そこをやっぱり我々としては大事にしながら、これから先一緒になって、朝鮮半島に核を持たせない、非核化を図るという、そういう努力を一緒になってやっていくべきだと思うんです。  そういう意味でも、米朝対話だけよりも、中国を交えた形でやっぱり協議をしながら、やっぱり今北朝鮮に一番圧力掛けれるのは中国だと思うんですね。それを巻き込んだ形でやっぱりぐっと締めていくのが私はいいんじゃないかなというふうに個人的にも思っております。
  31. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 それでは、安保理決議の一七一八について外務大臣に伺いたいんですが、まずこれ、マスコミで臨検、臨検と言っていますけど、これは独り歩きしている言葉だと思うんですが、正確には、私の理解では米軍による船舶検査というふうに私は理解しているんですが、その辺はいかがでしょうか。臨検イコール米軍の船舶検査でよろしいんでしょうか。
  32. 政府参考人(小松一郎君)(小松一郎)

    政府参考人(小松一郎君) 臨検、船舶検査、貨物検査、その概念の関係についての御質問ございましたので、私の方から御説明をさせていただきます。  一般には、国際法上臨検と申しますのは、極めて限定的な場合に、公海において旗国主義という原則がございますので、この例外といたしまして軍艦、公船に認められる外国船舶を取り締まるための強制的措置をいうということでございまして、具体的には海賊でございますとか奴隷取引などの取締りについて認められる国連海洋法条約基づく臨検、平時における臨検というのがございます。  それと、いわゆる戦争が違法でなかった時代の伝統的な国際法の下で認められていたいわゆる戦時臨検と言われるものもございますが、現代の国際法の下においては、この戦時臨検というものは、武力行使の一環として、その武力行使が国連憲章上認められる場合に限られるというふうに御理解をいただければと思います。  いわゆる船舶検査でございますが、これについては、国際法上定まった概念があるわけではございません。ただ、一般的には、経済制裁でございますとか大量破壊兵器の拡散防止等について国際社会がこれをやろうということになった場合に、その実効性確保のために洋上における船舶の積荷の検査を行う、このことを船舶検査と言っております。臨検とは異なりまして、国際法上の権利ではございませんので、公海においては、安保理決議により受忍義務が課されない限り、乗船の前提として旗国の同意が必要とされるということでございます。  次に、貨物検査でございますが、これは安保理決議千七百十八号で使用された特定の用語でございまして、この決議は、国連加盟国に対して、必要に応じて自国の国内法上の権限及び国内法令に従い、かつ国際法に適合する範囲で貨物の検査を含む協力行動を取ることを要請しているということは御案内のとおりでございます。  また、この貨物の検査と船舶検査との関係でございますが、この貨物の検査は、洋上における検査に限らず、港でございますとか、また陸続き、陸上における検査等も含んでおるということでございます。また、この決議に基づいていかなる措置をとるかは、各国がそれぞれの国内法制に基づき判断することとされております。  以上でございます。
  33. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 まあはっきりしていないということだと思うんですけど、この一七一八が言っている国連憲章の第四十一条の頭によりますと、この貨物検査にアームドフォースは使ってはならないと、こう書いてあるわけですから、まあアメリカもここのところはよく認識をしておって、今のところどうするかまだ決めておらないという理解でよろしいんでしょうか。
  34. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) この今回の安保理決議を受けまして、この決議の履行のため米国としてどういう対応を取っていくかということについては、現在まだ米国内でも種々議論をしている過程であるということで、具体的にどういう行動を取るかという決定はなされてないというふうに理解をしております。
  35. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 いずれにしてもはっきりしていないと。しかし、この決議に基づいて行動するのは当然であります。ですから、本当に米軍における貨物検査、船舶検査が行われるとすれば、追加の安保理決議が必要だと考えてよろしいですか。
  36. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) 現在、その安保理決議の下で、その貨物検査、これを行う、これについての規定があるわけでございますので、まあ米側が具体的にどういう行動を取るか、それを踏まえた上で、基本的にアメリカはこの安保理決議の枠の中での行動を取っていくというのが原則であるというふうに理解をしております。
  37. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 久間長官に伺いたいんですが、この件についてライス国務長官が、まずは自国領内での検査が重要であると言っておるわけなんですが、これは、もちろん自国の領内に入ってきた船をもっときちんと検査しろということでしょうけど、実際その貨物検査、行ったり来たりしている貨物検査との関係では、はっきりするまでは自国でちゃんとしろと、そういう意味で取っていいんですかね。
  38. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 各国に出入りする船だったら自国で検査できるわけですけれども、一番困るのは、北朝鮮から出ていってどこに行くか分からない、その検査はやっぱり洋上でやる以外にないわけですね。  そこまでやることを今度の決議のときにワンステップとしてみんなが意識しているのかどうか、その辺が私は大事だろうと思っておりまして、今回はもう少しトーンが低いんじゃないかなと。まずは自国の領域から始まって貨物検査をして、そしてじわじわとやっていって北朝鮮がどう出るか見た上でというような、その最初から強く出るという態度はどうもうかがえないという感じがいたしておりまして、私たちは、アメリカがどういうような行為をするか、それによって我が国も、やっぱり第一ステップなら第一ステップで、次の第二ステップの準備なら準備でという、そういうことでアメリカの出方を注意深く見詰めているというのが現在の状況です。
  39. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 アメリカの出方が、やっぱりこの安保理決議をきちんと守るという形でアメリカが出てくれないと困るわけでありまして、次に公海上でまあ強制力を持って米軍が船舶検査をするんであれば新しい安保理決議が必要だという理解で、済みません、もう一度よろしいですか。
  40. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) いや、それは外務省の方のことかもしれませんが。  私は、現在の決議でもかなりのことが事実上はできる。貨物検査となっていますから、陸上の貨物、中国から北朝鮮に入っていく貨物なんかも、これは量は一番多いわけですから、そういうのを含めて、どういうふうに中国が対応するのか、その辺もアメリカとしては非常に興味を持って見ているところじゃないかと思うんですよ。  それで、この今の決議では十分できないというようなことになると次のステップへ行きますよというようなアクションを起こすんじゃないかと。しかし、できれば今のステップの中で、第一の、現在の決議の中でかなりの効果を上げることによって北朝鮮が六者協議に臨んでくるというようなことを望みながらそれを待っているという、そういうような図式じゃないかなと思っております。
  41. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 それでは、本題でありますテロ特措法の一年延長についての質疑をさしていただきます。  昨日のブリーフィングの中で外務省の方にこの資料をお渡しをいたしました。これ、アフガニスタンで活動をしておりますNGOの人たちが、特に安全、自らの安全を確保するために常にブリーフィングをしておると。自分の身の安全が懸かっているわけですから非常に真剣な議論がされておると。その議論の内容を月に一回まとめたものに基づいて今日は質問さしていただきますので、事実関係がもし違うということであれば、昨日お渡ししましたんで、都度指摘していただければと思います。  まず第一点なんですが、政治プロセスというのが終わったわけでございまして、県知事の選挙も含めて終わったと。ここで一応、政治プロセスは一段落だと。しかしながら、最近初めてこの県知事の殺害というのがあったと。これは、いわゆる投票箱を守るということではなくて、やっぱりそこに至るプロセスがいかに大事かということだと思うんですけれども、その県知事が殺害されたということについて、麻生大臣、どのぐらいの危機感といいますか、対応というかをお考えになっているのか、まずはお聞かせください。
  42. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 外務省奥田中東アフリカ局長
  43. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 いや、大臣が手挙げていますけど。
  44. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) それでは、麻生外務大臣
  45. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 細目、役所の方に聞いていただくとして、今御指摘の点は、九月の十日、アフガニスタンのパクティアという県において起きた事件であります。したがいまして、これは依然として治安情勢が不安定だということははっきりしておるということだと思っております。場所によって大分違いますんで、カンダハルのあります南とか、それからそちらから見るといわゆる東側にありますパキスタンとのところで、これは部族が同じパシュトゥン族という同じところでもありますんで、これは国境があってなきがごときような地域もありますんで、ここらのところは非常に話が、取締りとしてはなかなか難しい状況にあるというのは事実だと存じます。したがいまして、タリバンの活動が再活性化しているというような懸念をすべき状況にあるというように、私どももそのように理解をしております。  また、この点につきましては、今年の九月でしたか、アナン事務総長の報告の中にもこれは記されているところでありまして、今年の三月以降、アフガニスタンのいわゆる南部、南東部、そしてパキスタン国境の東部等々においてはいわゆる暴力ざたが急増していて、タリバンの政権が崩壊後、カルザイ政権がスタートして以後の中では情勢は最も厳しいという状況にあるというようにしております。  この中の、じゃどうしてそうなっているのかというと、これは基本的にはタリバン等々の反政府分子というものの攻撃が増加していることと、それに伴ってアフガンの国軍並びにいわゆる外国部隊による軍事作戦というものが増加しておりますので、両方で増加してきておるというのが今申し上げたような結果的な状況になっておるということだと理解をしております。  ただ、現実問題としては、アフガニスタンにおいては、現在、今のカルザイ政権ができて以後、軍だけで三万、三万五千人の正規兵というものができて、また、いわゆる警察官、警察官が六万五千人というような形のものが正式にできて、これを正式に訓練を受け始めているということでもありますし、またNATOやら米軍のやるタリバンの掃討、それから日本もかなりかみました兵士のいわゆる武装解除とか動員解除とかそれから社会復帰等々、通称DDRと称するものを敢行して、これが対象者約六万人というようなものが完了しつつあるというような点は良くなってきているところだと思っております。  いずれにしても、とにかく今社会復帰、国際社会から見て、極めて不安定なところの中にあって、この新カルザイ政権の中で治安の回復というものを主眼の一番に置いて、今言った正規軍やら、またアフガニスタン人による正規軍、アフガニスタン人による警察官というものを動員して、今その治安の回復に努めているというところであって、我々としてはその努力を積極的に応援をしていかねばならぬという立場にいると思っております。
  46. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 そこなんだと思うんですよ。やっぱり地元の人間が軍をつくり、警察をつくり、社会制度を構築していくということをいかに支援していくかということだと思うんですけど、私はこの資料に一番危機感を覚えたのが、お手元の、これは今年の六月の資料なんです、間違えて四月って書いてあるんですが六月の資料なんですが、カルザイ大統領自ら初めて公にテロとの、米軍が主導しているテロとの戦いに公に批判をしたと。批判の内容が一語一語ここに載っているわけではないんですが、その発言の一部としてここに出ているのは、要するに、こういうタリバンを始めとする武装勢力の資金源と、それからトレーニングしているキャンプと、そしてその持っている装備と、そしてやろうと思っているその意志を砕くということをしない限りは、モグラたたき、モグラたたきとは彼は言っていないんですが、モグラたたきになってしまうという趣旨の非常に厳しい初めての米軍に対する批判をここで六月にしているわけなんですが、これについては麻生大臣、どういうふうにお考えになりますか。
  47. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今の話だけで、これは六月の二十二日のセダーイェ・バームダードというアフガニスタンの雑誌に、記者会見におけるカルザイ大統領の発言の要旨なんだと思いますが、これは正確には、国際社会アフガニスタンにおけるテロリズムの撲滅に真剣に協力していない、テロとの戦いは単にアフガニスタン国内だけに制約されるものではないという話をしておられるのは、我々から見ていますと何となく隣国の話かなというような感じが率直なところです。アメリカと言われましたけれども、むしろそちらの方が多いのではないかというような感じが、今これ読んだ範囲ではそのような感じがいたします。  他方、この九月の二十六日、ホワイトハウスにおけるカルザイ大統領とブッシュ大統領との会見の中におけるカルザイ大統領の発言の中で、テロとの戦いは明らかに進捗している、アブソリュートリー・ワーキングという言葉を使っております。したがって、テロリストを排除するべく我々は今排除するのに努めているが、希望を言えばすぐにも排除したいが時間が掛かる、テロリストを永久に排除するために忍耐強く当たっていかなければならないとブッシュ大統領との会見でこの人は答えておられますんで、私どもとしては、これは国際社会の協力というものがなくてああいうふうに、何というんですか、アフガニスタンとか、そのアフガニスタン国内だけでこれが全部完遂できるなどという感じもいたしませんし、少なくとも、今よく言われますように、国連のどこかの資料でしたか、アフガニスタンのいわゆるGNPだかGDPのかなりの部分、四割、四十何%だったかを麻薬の栽培に負っているというような状況というのはかなり貧困ということを前提にしないと話になりませんので、こういったものを含めて、テロというものは必ずしも宗教によるというような単純な話じゃないんであって、貧困とかいろんなものが関連しておるということを考えるときに、やっぱりアフガニスタンの中における、単に暴力の面、プラス、貧困から来るそういったものに入っていきやすい状況等々をきちんと対応していくという、一見手間暇掛かる話ですけれども、根治療法としてはきちんとしたそういった対応が必要と思っております。
  48. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 おっしゃるとおりで、私のこれは個人的な感じ方なんですが、米英というところは病気があるときにすぐに効く対症療法の強い薬を飲ませたがると、逆に我々は漢方薬みたいなものの方が得意じゃないかというふうに思うわけなんですね。例えばこのアフガニスタンにしても、統計によると、麻薬取引がGDPの七割だとかいう統計もありますし、もう明らかにこういう取引がなければ現地の人たちは食っていけないと、じゃ、これをどうするんだという、正に漢方薬の話だと思うんですね。  そこで、一つ大臣にお願いというか御決意を伺いたいんですが、小型武器に関して。日本が初めてATTについて共同提案国になってやるんだという意思表示をされたわけなんですけれども、御存じのように、アフガニスタン、この小型武器による被害が物すごいわけで、これについての取組、今後の予定、そしてATTをどういうふうにこれから世界に広めていくんだというような決意を是非この場でお聞かせいただきたいんですが。
  49. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 細目外務省の方から職員から答弁させますけれども、基本的にはこれをやっていかなきゃいかぬと思っております。元々はこれは日本考えて、これは太閤秀吉の刀狩りから思い付いた発想ですから、それを、ほかの国はこういう発想ありませんから、全然。ほかの国にはないんですよ、こういう発想は、みんな。だから、これは日本でやると、だから日本が先頭を切ってこれをやり始めたという元々の背景があります。それをみんな、みんな全然信用しなかったんですけれども、これをやらせろと。それで言ってやり始めてスタートしましたんで、ちょっと細目につきましては役所の方から答弁させます。
  50. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 大臣、一応挙手の後、指名の後、発言をください。
  51. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) はい、済みません。
  52. 政府参考人(奥田紀宏君)(奥田紀宏)

    政府参考人(奥田紀宏君) 小型武器の取組につきまして、今の大臣の答弁に補足いたしまして状況を説明申し上げます。  アフガニスタンでありますけれども、正確な統計はないんですが、五十万から百五十万、その小型武器があるとか、最大で一千万丁という武器がある、小型武器があるという報告があります。  いずれにしましても、アフガニスタンにおける小型武器の問題は大変深刻でありまして、特に小型武器を回収し、廃棄するということがアフガニスタンの平和、安定の確保や経済社会開発の推進の上で重要な課題であるというふうに認識しております。  そこで、アフガニスタンにおきましては、我が国はいわゆるDDR、すなわち元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰というものを主導しまして、本年六月に完了いたしまして、その後、DIAGと申しまして、非合法武装集団の解体ということに取り組んでおります。これらのプログラムの一環としまして、これまでにDDR、元兵士の武装解除の方では小型武器を含む三万六千五百七十一丁の兵器を回収し、それから、現在までDIAGでは二万二千二百十四丁の小型武器を実際に回収しております。我が国はこれまでのDDR及びDIAGに対する支援として総額一億三千五百万ドルに上る支援を出しております。  アフガニスタンにおきましては、引き続き、このような努力を続けていこうと思っております。
  53. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 いや、外務省の方、もう一度お願いしたいんですが、伺いたかったのはDDRじゃなくてATTに対する我が国の取組なんですよ。もう一回、もう一度お願いします。
  54. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) どなたが答えられますか。外務省奥田中東アフリカ局長
  55. 政府参考人(奥田紀宏君)(奥田紀宏)

    政府参考人(奥田紀宏君) 私は直接担当している者ではありませんけれども、日本は、今大臣も申しましたように、小型武器につきましてはこれまでイニシアティブを取ってやっております。アフガニスタンにおきましてもこのような具体的なことをやっておりますので、国際場裏、いかなる場においても日本としてはこの面で今後ともしっかりやっていくということだろうと思います。
  56. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 ようやく動き出したというのが実感なんですけれども、是非力強く、大臣のお墨付きもいただきましたんで、日本のイニシアチブとしてATT、どんどん進めていただきたいと思います。  難民対策について、隣国のパキスタンに百八十五万人ですか、まだ難民がいると。まあ相当数帰国しているんですが、まだこれだけいるというふうに聞いているんですが、この人たちの帰国支援について今どんな取組をされているのか、是非教えてください。
  57. 政府参考人(奥田紀宏君)(奥田紀宏)

    政府参考人(奥田紀宏君) アフガニスタンの難民における取組でございますけれども、今先生御指摘のとおり、アフガニスタンでは今もって難民の帰還の問題が大きな問題としてあります。  しかしながら、二〇〇二年以降、我が国を含む国際社会の協力によりまして、隣国のイランやパキスタン等から四百七十万以上の難民が帰還していると、これはたしかJANNの資料の方にもそのようにあると思います。今年になってから更に、UNHCRの発表によりますれば、UNHCRの支援の下に帰還した難民が約十万五千人を超えておって、そのうちパキスタンから約十万人、それからイランから約五千人が帰還しているということでありますが、そのほかにもUNHCRの支援を受けずに帰還したアフガン難民も約九万人に上るということであります。  しかしながら、まだ三百五十万人以上のアフガン難民がイランやパキスタンにいるということですので、更に取組が必要であるということであろうと思います。  我が国としては、これまで、この問題の解決のために、難民の受入れ国及び帰還先であるアフガニスタンに対しまして継続的に支援を行ってまいりました。具体的には、二〇〇一年九月以降、UNHCRを通じた人道支援及びアフガニスタンの難民、避難民の帰還が多い地域、例えばカンダハル、南部のカンダハルでありますけれども、そこにおける帰還民の再定住のための支援を合わせまして、これまでで総額約一億五千万ドルの支援を行っております。  今後とも、我が国といたしましてはアフガン難民の帰還を積極的に支援していきたいと思っております。
  58. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 非常に基本的な質問なんですが、今アフガニスタン日本大使館の人たちは何名おられるんでしょうか。
  59. 政府参考人(奥田紀宏君)(奥田紀宏)

    政府参考人(奥田紀宏君) 日本大使館の邦人のいわゆる大使館員、専門調査員、それから草の根の補助してくれる若い館員、合わせまして二十三、四名おると承知しております。
  60. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 二十三、四名が少ないか多いか、私は判断が余り専門家ではないんで付かないんですけれども、ただ、アフリカ五十三か国のうち、日本の大使館があるのは二十四のみと。そして、ソ連の崩壊を受けて誕生したバルト諸国、中央アジア諸国十四か国のうち、大使館があるのは四か国だけと。私もこの夏はスーダンの大使館に行ってまいりましたが、人数が非常に少ないと。しかも、北のハルツームにあるだけで、紛争地域には行く手間もなければ、金もないし人も雇えぬしという状況ですよね。  私は、やっぱり日本がこういうところはもっと金と人間を送り込んで存在感を示すべきじゃないかと思います。アフリカにおける主な国の大使館数でいきますと、アメリカ中国、フランスが四十五、ドイツが三十六、イギリスが三十五に対して日本が二十四と。二十一公館の差があると。ODAをやるにしても、いろいろな難民支援をやるにしても、やっぱり日本の姿が大使館を通じて各、JICAであろうがNGOであろうが、連携を取っていくということが必要だと思うんですけど、大臣、これもっと予算を付けるように頑張っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  61. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これはゆゆしき問題になってきていると、私もそう思っております。  基本的には、今言われたアフリカに置いてある四十五の中国大使館、日本は二十四、その差は二十一なんですが、その中で中国に大使館を置いているけど日本には置いていないという国が十一あります。結果としてどうなっているかというと、日本中国の支店扱いということにならざるを得ませんというような、兼轄をしておるという形になります。それは、これ当然中国経由の情報しか日本の話はアフリカに入っていかないということを意味しますので、これは非常にゆゆしき問題だろうと思っております。また、日本にアフリカが大使館をつくっているけれども、こちら側はアフリカに大使館を持っていないという国もあります。  そういったようなことを考えますと、これはいわゆる外交をやっていく上で最も大事なツールの一つですから、その意味でこれは今御指摘のありましたように、これは大きな問題。  また、人数も、アフリカの中、二十四ありますけれども、十五人以上いる、きちんとした警備やら何やら含めて十五人いますと、これはいわゆるⅠ種の人じゃなくて専門職や何か全部集めて十五という意味ですが、その十五以上おりますのはエジプトと南アフリカとたしかケニアだと思いましたけれども、この三つ以外は全部もう十人以下とか五人とかそういう形になっておりますので、これは外交をやっていく上で一番ベースの手足になる部分でもあろうと思いますので、私どもとしてこの予算に関しては、これはいわゆるただただ一律何%削減という中にあってこういったようなものは少し、今警察官の増員というのをこの五年半の間で約二万人というのを目指して、六年間で二万人を目指して、地方公務員が三十何万減る中、警察官だけは二万人増員ということをさせていただきましたけれども、いろいろなところでめり張りを付けていかにゃいかぬというものの中の一つに、これだけ国がどんどん増え、百九十二か国にもなり、いろんな形で地方というかアフリカとか東南アジアとか、旧東ヨーロッパ辺りでいわゆる反ソ連みたいな形で独立した国々がソ連、ロシアの大使館から兼轄されているとかいうのだけは断固避けにゃいかぬと思って、反対側の、エストニアとかラトビアとかリトアニアに対しては反対側のいわゆるフィンランドとかノルウェーとか、ああいったところから兼轄をするようにとか、いろいろ配慮はしておりますけれども、今物理的には絶対量が不足してきていることは確かだと、私どももそう認識しております。
  62. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 そこで、今度JICAとJBICが一緒になると。いろいろなそれに伴う組織の変更があります。外務省の方もまあちょっとお伺いしたら無償と技協の一本化を考えておるというような話もあるんですけれども、私はここで一つ是非考えていただきたいのは、要するに日本で、東京で新卒で採用して海外に行くけれども、大体三年とかそれぐらいでぐるぐる回ると、あるいは東京に戻ってくるという人たちではなくて、やっぱり現地でその地域に完全に根差している現地採用の人間をやっぱりもっともっと増やしていかないと、これは地域でやっていくということはできないんじゃないかと。  ついては、やっぱり金の話になると思うんですが、そういう優秀な人間を雇うということになると、やっぱり世界各国との取り合いになると思います。せっかく、例えばDDRで伊勢崎先生のような人が成功しても、軍をつくっていくのが失敗して、警察も失敗してというような状況があるわけでありまして、現地の事情に通じていて、顔も利いて言葉もできてバイタリティーがあってという人間は少ない上に私は高いと思うんですが、是非現地採用の枠を増やして予算も増やすように大臣には頑張っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  63. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今言われましたようなローカルスタッフに関しては、私どもも、これは専門調査員といった形の人材が必要であるというのは犬塚先生おっしゃるとおりです。これはもう私どももそう思っております。  個別には幾つかあります。スワヒリ語がえらくうまかった青年海外協力隊の職員を採用したり、いろいろな例は確かに過去ありますけれども、極めてまばらにぱらぱらぱらというような感じなんですけれども。私から見て少なくとも現地向きの人というのはいるんだと思うんですね、その地域に向いた人。また、国連とかいうような国際機関に向いた人というのもいると思います。じゃ、その人がそのまま大蔵省との交渉に向いているかというと全然向いていません。そんな三つの四つの才能を一人で持っているなんてほとんどいませんよ、そういうのは。したがって、そういうのは向き向きに合わせて、十年ぐらいしたらこれは大体現地向きやなとか大体分かってきたら、その向きに合わせて人を充てた方が、人物、経済効率からいってもそちらの方がよほど優れていると思っております。  しかも、そういった人は全く特殊才能ですから、それは全然別の給与体系を考えるとかいろいろな手当てを考えていかないと、限られた人数を効率的にやっていくということを考えたら、今言われましたように、優秀な既にでき上がった人材というものをそこから我々の方に引き受ける、若しくはそこで退職、定年になっているんだったらそれをこちらに採用する。いろんな形を柔軟なことを考えていきませんと、少なくとも今猛烈な勢いで変わっている世界の中にあって、一から今から十年掛けて人を育てますという部分もやらにゃいけませんけれども、そういったでき上がった人を中途採用するという方法を、あの人、中途採用なんて珍しがられているような間は大したことないんであって、どこどこ、国会議員も随分いろんなところからリクルートしてみんな国会議員になっておりますんで、役人の方もいろんなのを合わせてやっていった方がよろしいんじゃないかなと。  私自身は、学校の先生もそういった傾向はいろいろ努力しておられるようですから、私どももそういったようなことは、有能な人はむしろオーダーメードじゃなくてレディーメードってだれかが言ったら、おまえ洋服じゃねえぞって怒られましたけれども、私は、でき上がっている人だっていますから、それ。言葉をゼロから教えるなんて大変ですよ、本当に今から。だから、そういった意味では、私どもはできる人たちを採用するというのは外務省としても積極的に考えるべきだと思っております。
  64. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 やっぱり官庁の大組織の人間の採用とかあるいは昇進、待遇を変えていくというのは非常に難しいと思うんです。しかし、外務省はやっぱり現場主義でいかないととてもじゃないけど対応できませんので、今のところ私はどのぐらいの比率か知りませんが、いわゆる新卒で入ってジェネラリストで外務省内のいわゆる外務省マンという人たちが八割いるのか九割いるのか知りませんけれども、その比率を、やっぱりそういう人たちは中核になって二割ぐらいでいいと。本当はその八割ぐらいは現地の本当にダイナミックに動く人たちがどんどん増やしていけるというような方向性を是非お願いしたいと思います。  時間がなくなってきました。私は最後にODAについて聞きたかったんですけれども、一つだけ、そしたら。  我が国が国際公約で二〇〇五年の七月のグレンイーグルズ・サミットで小泉総理が百億ドルの積み増しということをおっしゃっている。それとは逆の方向にどんどん今動いておると。百億ドルの積み増しだけではなくて、アジア・アフリカの首脳会議では三年間でODA倍増、これは十六・八億ドル、そしてその同じ月にはアジア・アフリカ首脳会議で二十五億ドル、その二か月後には保健と開発イニシアチブで五十億ドル以上、同じ月に世界基金構想五周年で五億ドル、その年の十二月にはWTOの香港閣僚会合で百億ドルと、どんどん言っているんですよね。これは一体本当に資金を手当てできるんでしょうか。
  65. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に、今御指摘のありましたところは、今予算案の関係で一律減らされている中にあって、これだけ例外にするという努力を私どもは、かなり骨太方針やら何やらいろいろ出されている中にあって、この点だけは別に書き出すようにさせるなどいろいろ努力をしてきたところではありますけれども、進捗状況につきましては、今公約は二〇〇七年の実績で十七億ドル、約一千八百億ぐらいにしようというものなんですが、現時点で何割達成済みというような評価できるようなものではありません。  したがって、以上のようなことを前提にして申し上げさしていただければ、基準年にあります〇三年のアフリカ向けODAが八・四億ドルでありましたので、〇四年の地域間の事業量のシフトなどによって約一割増えた、かなりいろいろ数字を触っておりますけれども、一割増えて九・四億ドルまではしております。ただ、それが今から三年間で倍増からはほど遠いというのが現実だと思っております。
  66. 犬塚直史君(犬塚直史)

    ○犬塚直史君 最後に一言だけ。  ヨーロッパ各国がきちんと計画を持って、二〇一五年までにGDPの〇・七%を実現するための行動計画を発表しておりますので、我が国もしっかりとそこはやっていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  67. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) では、続いて白眞勲君。
  68. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。  まず、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、北朝鮮から先週、軍関連の物資の積載が疑われる貨物船が出航したとの報道がありますけれども、この件に関して独自に、あるいはアメリカ側から何か把握していますでしょうか。
  69. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) 今先生から御指摘のありました報道については、私どもも承知しておるところでございます。事実関係については日本政府としてもいろいろ情報収集の努力をしているところでございますけれども、具体的に今、日本としてどういうことを承知しているかと、事実関係としてどこまで把握しているかということにつきましては、公の場でいろいろ御説明するのに限界があると。要するに、我が方の情報収集活動の範囲というのが公になる部分もありますので、詳細についてはこの場での御説明は差し控えさせていただきたいと思います。
  70. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そうしますと、今のところあるともないとも言えないということなんでしょうか。
  71. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) 基本的に、政府としていろいろな情報収集活動は行っていること、これは事実でございますけれども、それによって具体的に今、日本政府がどこまで承知を、事実関係として承知をしているかということについての説明は差し控えさせていただきたいということでございます。
  72. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そうしましたら、続きまして、六か国協議について、この北朝鮮核実験に関連しましてちょっと外務大臣にお聞きしたいと思うんですけれども。  以前、麻生大臣が、六か国協議をつくった本来の目的というのは北朝鮮に対して核を持たせないためにつくっているものなんだと、そういう観点からすると、今の六か国協議というものは失敗に終わったんだというようなお話をされたことがあるんですけれども、そういった今の、そういったいわゆる失敗だったという認識でよろしゅうございますか。
  73. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 核実験が本当に正確に成功したのか、核実験をやったのかどうかということに関してはいまだ確証を得ていないというのは、白先生御存じのとおりです。したがいまして、本来は核を持たせないというのを目的にして六者協議をスタートさせておりますので、仮に持ったというのが事実であるとするならば、明らかに本来の目的は達成されなかったということになろうと存じます。
  74. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 つまり、失敗だったということでございますか。
  75. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) したがいまして、何回も申し上げますように、この問題については今の段階で、核を持ったか持たないかはいまだ分かっていないわけですから、今の段階でどうとも申し上げられるわけにはまいらないということになろうと思います。実際持っていたというのか、まだ持っていないのかが分かっておらぬわけですから、したがって成功だったか失敗だったかとはなかなか申し上げられにくいところだと思います。  ただ、基本的には、今の状況の中で少なくとも六者協議アメリカ中国、ソ連、日本、韓国の五か国と北朝鮮によるこの枠組みに勝る北朝鮮との対話を促進できるほかの枠組みがなかなか考えられにくいんではないかと、基本的にはそう思っております。
  76. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 つまり、基本的に、北朝鮮を除く五か国というのは、いわゆる核保有を認めるわけにはいかぬという考え方に立ってこれからもやっていきたいということでよろしゅうございますね。
  77. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 基本的にはそうだと思います。
  78. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そうしますと、この前、先日ライス長官が来日しまして、外務大臣と船舶検査について協議をして、着実に実施するとの報道があったわけなんですけれども、具体的にはどのように実施するおつもりなんでしょうか。
  79. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 船舶検査を実施するという話ではありません。貨物検査を実施するという話です。これはインスペクション・オブ・カーゴとは意味が違いますので。  貨物検査を実施するという話でありましたけれども、この実施の要項についてはまだ具体的なところはアメリカも詰められていないので、これの担当のプロはジョゼフという人ですけれども、これを引率してきておりましたので、これと日本との間に今後細目を詰めていこうという話をしております。
  80. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 ところで、中国唐家セン国務委員との間で、訪朝を受けまして情勢はどう変化と、どう変化したと外務大臣防衛庁長官、それぞれお考えになっていますでしょうか。
  81. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 私は、唐家センという人が李肇星を連れ、戴秉国を連れ、また武大偉も行ったそうですけれども、そういった人たちを連れて北朝鮮に訪問をしたという事実というのは極めて大きくて、いまだかつてそういったことはありませんから、そして、金正日に直接会って口頭で胡錦濤国家主席の意向を伝えたというところが、今回の中で一番大きな今までと違った成果だったと思っております。  しかし、これをもって直ちに北朝鮮が核を放棄して、六者協議に帰ってくるかというようなことに関しては、全く楽観できないと思っております。
  82. 白眞勲君(白眞勲)

  83. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 久間防衛庁長官、ありますか。
  84. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 私もやっぱり唐家センが直接金正日と会ったというのは、中国も並々ならぬ決意を持っているなと、そういうのは感じましたが、その効果がどうかというのはこれからの北朝鮮との関係で推測する以外に分からないという、そんな感じを持っております。
  85. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 私も、今回唐家センさんがその後、半歩前進みたいに若干、何か若干、少し動いたみたいなことは言っていても、ほとんど変化のないというような内容のことも言っているというような感じなんですけれども、そうしますと、大臣、これから二度目、三度目の核実験可能性というものはやはり排除するものではないというふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
  86. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 私の記憶している範囲で、核実験を一回でやめた国はありません。インドで核実験を一回やって、同日中に四、五回かな、二日置いて二回か三回か、パキスタンも同じように、同日中に四回、二日置いて三回だか二回だか。いずれも核実験を一回でやめたという国はほかに私、例を知りませんので、常識的に言えば、この核実験というのが本当だったとするならば、二回、三回をするであろうというように思っておかないといかぬのではないかと、私どもは基本的にそう思っております。
  87. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 今回中国が、今おっしゃったように相当な気合を入れて訪朝をして、それでいろいろな交渉をして、それでもやはり、いまだもって二度目、三度目の核実験、再核実験をやるという可能性というのは否定できないということでよろしゅうございますか。もう一度お答えいただきたいと思います。
  88. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 可能性は十分にあると思っておいた方がいいと思っております。
  89. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そういった中で、今、日本のいわゆる核兵器保有に関するいろいろな議論があるわけなんですけれども、そういった中で、麻生大臣が今も、先ほども同僚議員に対しまして言論を、議論をと言ったかな、議論を封殺すべきではないというお話をされましたけれども、やはり私自身は、外務大臣とか自民党の政調会長といった非常に政府の、あるいは与党の大きな立場にある人というものが、大きな立場にある方がそういった発言をすることというのは、先ほど久間防衛庁長官もちょっとおっしゃいましたように、こういった特に議論が沸騰している最中にやるのはいかがなものかなというふうに私自身は思うんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
  90. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これは先ほども御答弁を申し上げたと思いますが、日本の政府としては、核兵器を作らず、持たず、持ち込ませずといういわゆる通称非核原則というものを堅持するということに関しては、これは歴代の内閣が累次にわたって表明をしておりますとおりであって、今、政府としてこれを堅持していくという立場に全く変わりはないということはもう度々申し上げてきたところであります。  加えて、ここには法律上の規約もありますと。そういったものも考え条約に限らず法律もある、NPT条約もあるということを考えますという点も考えておかねばならぬと。  ただ、私どもとしては、私が申し上げておりましたのは、核というものを持たないということになっているけれども、じゃどうして持たないんですという話を今の人に正確に議論をされて、これは我々は随分長いこと、佐藤内閣のときに、持ち込ませずというこの話は、佐藤内閣のときにいろいろ論議されてこの話ができ上がったと記憶しますけれども、あのころそこそこ論議を聞いてきた者と、今、全然それを聞いたことのない方との間にその意識の差はかなり現実問題としてはあるのじゃないでしょうか。  したがって、同じ持たないにしてもこういった議論というもの、どうして持たないのか、どうして持つべきと思っているのかというようなことの議論、論議というものを封殺するのはいかがなものか。言論封殺というのは余り私としてはくみするところではないと申し上げております。
  91. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 言論封殺ということというよりも、やはり外務大臣というお立場にある方がそういった議論というものを持っていくというのは、今までのそのいわゆる核保有原則といったものについてのことはあるという、過去のことから今度、未来の方に今度ずれていって、未来の方に行くたんびの議論であるという観点からすると、今までのものは今までのものとして、その先にある議論というものをしていこうじゃないかというふうにも取られかねないんではないかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  92. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 外務大臣としての立場に関しましてはもう累次にわたって申し上げたので、改めてまた申し上げる必要もありません。最初に申し上げたとおりですから。  しかし、問題としては、今新たに北朝鮮が核を保有したということ、自分たちがそう言うておるわけですから、しかもそれを、搬送するだけのノドンというミサイルを実戦配備して訓練をできる。実験じゃなくて、訓練ができるまでになったという現実を七月に我々は見ているわけですから。  そういった我々を取り巻く環境が明らかに変わってきた中にあって、我々はそれにどう対応すべきかという点についていろいろな議論がなされて当然だと思いますし、その中に、核を持つ持たない、非核原則堅持するしないという話が議論として出てくるのを封殺するのはいかがかと申し上げているのであって、外務大臣としての立場は最初に申し上げたとおりです。
  93. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 ここでちょっと視点を変えて質問をしたいと思うんですけれども、経済産業省にお聞きいたします。  過去に日本製のトレーラーを北朝鮮に輸出した実績というのはあるんでしょうか。──ちょっと、大臣に聞かせてください。
  94. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) お答えをいたします。  トレーラーにつきましては、これは核兵器ミサイル等の開発を防ぐという観点から、キャッチオール規制ということで、これはミサイルの発射台等に使われるということで大型のものについてはインフォームをいたしまして、輸出許可申請を取るべしということで通知をしております。  したがいまして、これについて輸出許可をしたことはございません。
  95. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 せっかく政務官いらっしゃっているわけなんで、是非発言の機会をまず政務官の方に与えていただきたいというふうに思います。もちろん、参考人の方にしゃべるなということではないんですけれども、せっかく来ていただける以上、そこから話を始めていただきたいなというのが私の希望ですので、よろしくお願いしたいと思いますが。  そういったことにおいて、今の件について、二〇〇三年五月に、日本の企業がノドンミサイルの発射台に転用可能なトレーラーの輸出をしようとして水際で阻止されたという経緯があるわけなんですけれども、それ以前あるいは以降にトレーラーが輸出された可能性というのは否定できないとは思うんですが、経済産業省としてはどのように認識されているんでしょうか。
  96. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) 大量破壊兵器のキャッチオール規制、これは平成十四年の四月に導入をされておりますけれども、北朝鮮向けの大型トレーラーの輸出につきましては、二〇〇二年に一件、それから二〇〇三年に六件、これインフォームを実施をしております。いずれも、輸出についてこれ輸出申告が撤回をされていると、そういう状況でございます。
  97. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 私は、キャッチオール規制ということではなくて、その以前についてはどうなんだということも聞いているんですけれども、それもお答えいただきたいと思います。可能性はどうなんでしょうか。
  98. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) お答えいたします。  キャッチオール規制は平成十四年の四月に導入をされておりますので、それ以前については、これについてはリスト規制品ではございませんでしたので、大型トレーラーが輸出された可能性はございます。
  99. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 今、可能性が否定できないということでございますけれども、ここで防衛庁にお聞きしたいんですけれども、ミサイル関連部品について、どうでしょうか。というか、ミサイル発射用のトレーラーですね、が日本製である可能性というのは今の話では大であるというふうに思うんですけれども、その辺、軍事的にどのように把握しているんでしょうか。
  100. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) お答えいたします。  北朝鮮ミサイルの関連活動につきましては、防衛庁としてそういう情報の収集、分析に努めております。様々な情報に接しているところではございます。ただし、防衛庁としては、北朝鮮ミサイルの性能、開発状況、それから配備状況等に把握する立場にございまして、御質問の点については、各種の報道等があることは承知しておりますけれども、防衛庁として所管しておらないため、この場でお答えすることは差し控えたいと思います。
  101. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 これですね、ミサイルの発射台ですよね。その発射台について、今防衛庁として把握していないというお答えでよろしいんですか。もう一度お答えいただきたいと思うんですけれども。
  102. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) 北朝鮮ミサイルの発射台につきましては、例えばノドンでございますと、四十トンとか、かなり大型のトレーラーが必要だというふうに認識してございます。ただ、それがどこ製のものかにつきましては防衛庁として所管していないので、お答えする立場にないということで申し上げたところでございます。
  103. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 それは当たり前じゃないですか。それは防衛庁北朝鮮の軍隊まで所管しているわけないわけでして、そういうことではなくて、製品として、製品というんですかね、こういった装備について、どこどこ製でありということはある程度把握しているんじゃないかなという、その可能性についてはどうなんでしょうか。もう一度お答えいただきたいと思います。
  104. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) 防衛庁といたしまして、外国の装備品がどこ製のものかというのは把握してございます。ただ、個々の、例えばトレーラーというのは汎用的に使う部分もございますので、それぞれの詳細についてすべて把握しているわけではございません。  ただ、北朝鮮ミサイルにつきましては、ジェーン年鑑にも日本製のトレーラーが使われているような記述がございますので、そういうことは承知しておりますけれども、承知してございます。
  105. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 もう一度、最後、ちょっと最後に非常に重要なところを言っているんですけれども、大古さん、もう一度お答えください。日本製の何と言ったんですか。
  106. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) ジェーン年鑑の記述に、日本製のトレーラーが使われているというような記述があることは承知しております。
  107. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 つまり、日本製のトレーラーが、いわゆるミサイル発射用のトレーラーの中に日本製が使われているという可能性についてもあるということでよろしゅうございますね。
  108. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) 先ほどから申していますように、防衛庁としての判断につきましてはこの場でのお答えは差し控えたいと思います。ただ、権威あるジェーン年鑑につきましてはそういう記述があるということで御説明をさせていただきました。
  109. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 白委員にも理解していただきたいんですけど、そういう年鑑にそういうことが記述されているということはありますけれども、そのとおりかどうかについて、結局こちらも情報収集いろいろやっていますけれども、結局つかまえ切れていないわけですね。そうすると、可能性があるというふうに、ないかというとあるかもしれぬわけですけれども、あると言ってしまいますと、さもそれが日本製かのような、そういうまたメッセージを送ることになりますので、そういう意味で、こちらとして断定できていないわけでありますから、そういう年鑑に載っているということは事実ですけれども、そのとおりかどうかが分からないというのが正直な話でございますので、そういうふうに理解していただきたいと思います。
  110. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そうしますと、もう一つちょっとお聞きしたいんですけれども、ミサイル部品、ミサイル関連部品については、じゃこの中に日本製が含まれている可能性というのはどうなんでしょうか。これについては装備品ですから、もう少しきちっと答えられるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
  111. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) その点につきましては、各種部品が、北朝鮮は独自に作っているわけではなく、日本を含む外国から来ているという話はいろいろ聞いてございます。ただ、個々の部品がどこ製のものかについては、具体的に詳細には把握しているわけではございません。
  112. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 じゃ、これはやはり可能性はあるというふうに見てよろしゅうございますか。
  113. 政府参考人(大古和雄君)(大古和雄)

    政府参考人(大古和雄君) まず一般的な話でございますが、その可能性は否定できないということであります。
  114. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 非常に、何というんでしょうね、トレーラーにしても部品にしても、今、日本に向けられているノドンミサイルが、実はその内容的には日本製も可能性も否定できないという、何ともじくじたる思いを私はするんですけれども。  ところで、ちょっとここでお聞きしたいんですけれども、これ経済産業省になるんでしょうか、今回の日本独自の制裁に輸出が全く含まれていないのはなぜでしょうか。
  115. 大臣政務官(高木美智代君)(高木美智代)

    大臣政務官高木美智代君) 輸出につきましては、今回の北朝鮮への措置は、政府におきましては諸般の情勢を総合的に勘案した結果決定されたものです。  北朝鮮からの輸入禁止につきましては、これが北朝鮮の外貨獲得手段の一つとなっていることから、北朝鮮の対応を促すための手段として効果的と考えたものです。  輸出につきましては、これまでも大量破壊兵器関連貨物等の輸出管理を厳格に行ってきているところでもあり、これら貨物につきましては近年では輸出を許可した事例はありません。  今後ともかかる措置を継続をしてまいります。
  116. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 その諸般の事情を総合的にというのは、何を諸般の事情というふうに考えているんでしょうか。
  117. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) どなたが答えますか。
  118. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 いいですよ、参考人でいいですから答えてください。
  119. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) これは正に諸般の状況ということで、内外の状況を総合的に踏まえてということでございます。済みません、それ以上のお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
  120. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 何とももはやでございまして、ちょっとどうにもならないんですが、私は思うんですが、やっぱり何でこの輸出を止めなかった。今、一つは何か外貨獲得の手段として輸入を止めたんだと言うんですけれども、例えば自転車にしたって北朝鮮に送ってそのまままた別の国に送ることによって稼いでいるという話もあるわけですよね。ですから、それだけだと輸出を止めない意味というのがどうも私は解せない部分があるわけなんですけれども、その辺ちょっと、外務大臣はどうお考えですか。
  121. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今、諸般の事情なんでしょうけれども、僕はちょっと、直接この輸出をなぜ止めなかったのかという経緯をちょっとよく知りませんのでつまびらかには全くできませんが、三国間貿易というのはありますから、先ほどのトラックの話じゃ、トレーラーの話じゃありませんけれども、韓国に輸出しておいて若しくは中国に輸出しておいて中国経由で北朝鮮に入る等々の三国間貿易のあれは捕捉がなかなかできないところだと思いますので、いろいろこれまで御存じのように、ただ核に関して言わせていただければ、これまでも、遠心分離機の話もありましたし、いろいろな部品がこれ白先生御存じのようにこれはみんな民生用ですから、これは軍事用は全くないわけです。民生用のものが軍事用に転用されているという話ですから、そういった意味からいきますと、いわゆる輸出に関してはこれはかなり、通産に限らず輸出に関してはかなり管理がやかましく今なってきておりますので、そういった意味では安易に転用されるものは可能性は極めて少ないという前提に立っているんだと思いますが、今自転車を、三国間貿易で自転車、置き去りにされた、駅前に置き去りにされた自転車を集めて売ってさや稼ぐという話まで今言っておられるんだと思いますけれども、ちょっとそこのところまでは、余り大した額じゃないですな、もうかる利益としてもという感じがしますので余り、軍事関係に転用される民生用部品のところが一番気になるところかなと、率直な実感です。
  122. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 今、自転車、中古の自転車の話が出ましたけれども、これが例えば今の状態で言いますと、別の国に、つまり北朝鮮からの船舶は入港禁止にしたかもしらぬけれども、例えば別の国の船舶が正々堂々とこれ北朝鮮向けに持っていくんだと言っても、今の状態ですと取り締まることはできませんね。例えば日本の船が北朝鮮にこれは輸出するんですということを言って持っていくとしても、それは取締りの対象にはならないということでよろしゅうございますね。事務方で結構です。
  123. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) 済みません。先ほど輸出につきまして、なぜ止めなかったかということにつきましてちょっと補足させていただきますと、御指摘のとおり、北朝鮮船籍の入港禁止で、貨物を運ぶ船舶が減少するということで輸出の抑制要因にもなりますし、あと、対日輸出で得た代金で日本からの輸入を賄っていると、そういった面もございますんで、そういうところも勘案して今回は輸入を対象に禁輸措置を講じたということでございます。  輸出につきましては大体二千万程度でございます。その程度でございますけれども、これが北朝鮮の方でスクラップにされているとか再輸出にされているとか、そういった指摘はございますが、まだちょっと真偽のほどは私どもも確認はしておりません。  今御質問の点でございますけれども、これにつきましては、今回は北朝鮮船籍の船についての入港禁止ということでございますんで、それ以外の船籍のものについて運ぶと、中国等に運ぶということについては特段規制をされているわけではございません。
  124. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 余りそうぶつぶつ言われちゃうと私はやっぱり政務官の方に聞かなきゃいけないのかなというふうに思いますので、もっとぴりっと答えていただきたいなというふうに思うんですけれども。  要するに、中古の自転車を日本の船が、例えばですよ、日本の船、まあほかの、どこかの国と言っちゃったらまたいろいろ語弊があるけど、どこかの国が北朝鮮に持っていくのは問題ないということですね。そんな難しい話聞いているんじゃないんだからさ。
  125. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) だれが答えますか。どなたですか。経済産業省貿易経済協力局押田貿易管理部長
  126. 政府参考人(押田努君)(押田努)

    政府参考人(押田努君) 北朝鮮に対して輸出については特段の規制をしておりませんので、北朝鮮船籍以外の船で持っていくことについては特段問題はございません。
  127. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 語尾ははっきり言っていただきたいと思うんですよね。  要するに、それで、私が、今何か経産省のお話ですと何かもう減っていますよなんて言っているんだけど、今日もらった資料によると輸送用機器は対前年比一四・六%増えているんじゃないんですか、去年よりも。ですからそれは、どう考えたって輸出を止めていないというのは本当の意味でのいわゆる経済制裁措置になり得ないんではないのかななんというふうに思うんですけれども、まあこれ以上聞いてもまたぐちゅぐちゅ言われるだけだからこの辺で、ちょっとこの辺りから先へ進めたいと思うんですけれども。  今の、麻生大臣も二回目以降の再核実験可能性は排除できないというお話がありましたけれども、当然、今後この再核実験をする場合にはこの輸出入も含めた形での全面輸出入禁止といったことというのはあり得るんでしょうか。
  128. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これは主に内閣府というか、今度、官房長官じゃない、内閣官房でこれを各省のを集めてやっておられますんで私が直接担当しているわけじゃありませんが、二回目の核実験が行われたときに制裁をエスカレートさせる、上げていくというときの一つの手段として輸出も入ってくるという可能性は十分にあると思います。
  129. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 その中で、国連安保理事会で決められたぜいたく品の輸出禁止措置についてお聞きしたいと思うんですけれども、この件について麻生大臣、以前、これを買っているのはあの国は一人ぐらいしかいませんと御答弁されておるわけですね。  具体的に、高価なものというのがぜいたく品ということだと思うんですけれども、高価なものってそれぞれの国によって違うんじゃないのかなと。例えば、国によって日本製の消しゴムも高価なものといえば高価なものというふうにも言えるわけですけど、日本としてはどのようなものをぜいたく品と考えているのかという部分があると思うんですけれども、まずは麻生大臣、どうお考えですか。この霜降り和牛なんかは当然入るんだと思うんですけれども、ほかにどういうようなものがあるでしょうか。
  130. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これは、奢侈品、奢侈品ってそのぜいたく品の品目の範囲というのは、これは基本的に各国連加盟国の自主的な判断に任せられているというように理解をしておりますんで、日本じゃちっともぜいたく品じゃなくても、おっしゃったように消しゴムなんというのは我々子供のときにはぜいたく品でしたから、そういった意味では、この点はどれがぜいたく品かというのに関しましてのあれは、多分各国にそのスタンダード、基準は各国に任せたというように理解をしております。
  131. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 そこがやはり一番私はポイントになってくるんじゃないのかなというふうに思うんですね。例えば、中国が今後北朝鮮に対して輸出をするといった場合に、我々の感覚ともしかしたら違う、あるいは北朝鮮にとってみてのぜいたく品というのが果たして私たちの思っているぜいたく品とどう違うのかという部分においては、ある程度国際的に、まあもちろん今決めてはいるんだろうとは思うんですけれども、相当に幅が出てきてなかなかその議論がまとまらない可能性もあるんじゃないのかなと、私はちょっとその辺懸念をしているんですけれども、その辺について大臣の御見解をちょっとお聞きしたいと思います。
  132. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 私も白先生と同じ意見で、これはかなり確かに私らの基準からいったら使っている人は一人しかいないじゃないかと申し上げましたけれども、これは百九十二か国のスタンダード、特に最貧国から見た、スタンダードから見れば大分いろいろありますんで、そこが中国がこの一七一八にえらくこだわっていた大きな理由は多分そこかなあと、私自身はそう推測をしております。  いずれにしても、これ各国によっていろいろ意見が違うというのはもう十分に推測できると思っております。
  133. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 是非、十分に推測できるだけではなくて、何とか一つの大きな、みんなが、ああ、これはやはりぜいたく品だよねと。やっぱりそれは目標というか目的というのはやはりあそこにいる一人の人の、あるいはその辺の周りの、その周辺の人たちに対しての大きな圧力になるんではないのかなというふうに私も思っておりますので、是非経済産業省の皆さんも、併せて是非お願いしたいなというふうに思うんですけれども。  そこで、その日朝平壌宣言についてちょっとお聞きしたいんですが、先日私質問主意書を出しましたところ、北朝鮮側による核実験ミサイルの発射を日朝平壌宣言違反だというふうに答弁書で書かれてきましたけれども、私もう一つここの質問書の中に聞いたものがあるんですけれども、この日朝平壌宣言において遵守しているところはどこかというふうに聞いたんですけど、答えが書いてないんですよ。これもう一度この場でお聞きしたいんですけれども、この遵守しているところってどこを遵守しているんですか、日朝平壌宣言の。
  134. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) 今突然のお尋ねでございますので結構難しい質問かなとは思いますけれども、例えば前文なんかで、両首脳は日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決して実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが双方の利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を共有したと、例えばこういうことがございますけれども、日本側は少なくとも、というかこの基本認識については今でもこれは有効だと思っておりますし、それから、北朝鮮側もこれは繰り返し彼ら自身いろんな機会に表明しておりますけれども、日朝平壌宣言そのものは依然として自分たちは有効であるというふうに申しております。  今、違反している部分はまた挙げれば切りがないぐらいありますけれども、基本的な考え方のところ、例えば今の部分なんかは北朝鮮も共有をしておるということは言えると思います。  以上でございます。
  135. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 今、梅田さんから違反しているところは挙げれば切りがないとおっしゃっていて、じゃ遵守しているところはどこかといえば基本認識ですと。それって、基本認識って、それは当たり前の話で、それはその遵守しているというところの部分というふうには私は言えないと思うんですけれども、もう一度お答えください。
  136. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。  それ以外にも、例えば、これ第二項になりますけれども、日本側は、過去の植民地支配によって朝鮮の人々に多大な損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止めておわびの気持ちを表明している、これは今も変わらないわけでございますね。それから、双方が、国交正常化の後、適切と考える期間にわたって無償資金協力、それから低金利の長期借款供与等々、経済協力を実施して、するとかですね……
  137. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 いいですよ、もう読まなくて。
  138. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) そういうポイントも、北朝鮮日本も、これは有効であるというふうに考えております。
  139. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 有効であるというふうに考えていると言っても、これは遵守しているというのと私は違うと思うんですね。その守っているところですよ。だから、認識ではなくて、守っているところはどこですかというふうに聞いているんであって、それではちょっと全然明確ではないんじゃないかなというふうに思うんですけど、もうちょっときちっと言ってくれませんか。遵守しているところ。
  140. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) 基本的に、まず日朝平壌宣言そのものが、両国ともに依然として有効であるという認識を共有しておるということは、一つの事実として存在しているわけでございます。その中で、やはり一項であるとか、それから二項であるとか、依然として両方がサインをした条文について双方が基本的には遵守する意向を持っておる、それが有効であるというふうに考えている部分も具体的にも多々あるということでございます。
  141. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 今、有効であるというのは具体的にはまだあるというふうに言っていますけれども、どこですか、有効であるというのは。まだあるというのは。
  142. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) 例えば、先ほど申し上げましたように、前文のところで書いてございます……
  143. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 はい、わかりました。はい。
  144. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) 過去を清算して云々。それから一項のところもまだ有効だと思いますし、それから二項のところの基本的な経済協力保障等の在り方についてもですね。
  145. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 私が言っているのは、守っているところはどこかですよ。考え方を共有しているところはどこかと聞いているわけじゃないんですよ。あの日朝平壌宣言において、いいですか、違反しているの反対が守っているわけでしょう。その守っている場所はどこですかと聞いているんですよ。何も守っていないじゃないですか、今の話でいうと。守っているところはどこですかですよ。そこをちょっと、もう一度お話しください。
  146. 政府参考人(梅田邦夫君)(梅田邦夫)

    政府参考人(梅田邦夫君) これは、少なくともタイミングが許せば、我々は対話を通じてこの問題については解決したい。それで、二国間につきましては包括協議という枠組みがあるわけでございますから、その協議ができる段階になれば、この宣言に基づいて行うということになると思います。
  147. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 聞いてない、聞いてないよ、そういうこと。答えてないよ、答えてないよ。  全然答えてないじゃないですか。外務大臣、よろしいですか、麻生外務大臣。どうですか。
  148. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) こっちは守っておるけど向こうは守っておらぬと、簡単に言えばそういうことが言わせたいわけでしょう。そういうことを言わせたいというあなたの気持ちを代わりに代弁して言っているだけですけれども。  そういうところは多々見られるような感じはしますけれども、だからといって、平壌宣言を直ちに一方的にこちらの方から破棄するというつもりは今現在あるわけではありません。
  149. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 非常に明快な、さすが私の言葉を代弁していただいたというふうに、愛情を持っていただいたことに感謝したいというふうに思いますけれども。こっちを守っているけど向こうは守っておらぬということだと。本当に、端的にそうなのかもしれません。  そういう中で、やはり日本としては誠実にこの日朝平壌宣言を履行しようと努力をしてきた。そういう中で、経済支援を行い、そして一生懸命やってきたわけですけれども、国民がわあわあ言っても一生懸命この日朝平壌宣言に従ってやっていこうじゃないかと、小泉政権は一生懸命それを話していた。しかし、今のところ拉致問題もその後決して誠実とは言えない北朝鮮の態度、ミサイルも発射され、挙げ句の果てに今回核実験もやられたと。完全にこの宣言が今もおっしゃったように北朝鮮守っとらぬじゃないかと。ほごにされているわけですから。そういった観点からすると、今までの日本の対北朝鮮政策は失敗であったというふうに言えるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
  150. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 一概に失敗であったと言うわけにもいかないんだと思うんですね。少なくとも今言われたところに言わしては、例えば拉致を認めた。少なくとも一国の国家元首が、自国の犯罪を国家元首が認めた例は過去に一回もありませんから。  そういった意味では、この拉致の問題については、少なくともないという話だったものがある、自分の部下がやったということを認めたというのは、やっぱりこれは非常に大きなものの一つだったと思いますので、私は今回のこの、今回って、この日朝平壌宣言に至るまでの経緯を考えますと、すべてが失敗であったというわけではないのではないかと思っております。
  151. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 確かに、拉致の皆様が、拉致された方々が一部であれ帰ってきたということは一歩前進であったということは間違いがないと。ただし、それは日朝平壌宣言を調印した折にそれが実現されたわけだし、金正日氏が謝ったということであったと思うんですが、その後の、つまり二〇〇二年の九月のこの平壌宣言が調印された後、今までに至るその日本の対北朝鮮政策は果たしてどうなったのかという評価については、外務大臣、どうお考えなんでしょうか。
  152. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 少なくとも日本の場合は、この拉致されたという事実を向こうが認めて、かつ我々が考えているのは、これほぼ拉致されたということになるんであれば、その拉致されている人、簡単に言えば人質ですから、人質が生きているという前提で交渉せねばならぬというのが我々の立場です。全員もう存在しないという前提で交渉しているわけではありませんから、我々は生きているという前提で交渉いたしますので、我々がそれらに交渉するに当たって、まあ通常の人質と同じで弱みを我々は、人質を取られているという、それは弱みでもありますので、そういった意味ではこれまでやってきた以外にどういう方法があったかなと正直考えるときに、なかなかこうやっておけばよかったという具体的な手口が私どもとして思い付いているわけではありません。  しかし、対話だけで話が進まないことははっきりしておりますので、我々としてはこれは対話プラス圧力というものがなければ話が全然前進しないという前提に立ってこの国とは話をせねばならぬということだと、我々もそう理解しております。
  153. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 最後に、もう時間も時間ですので、防衛庁長官にお聞きしたいんですけれども、平成十八年十月十六日に防衛庁の出した長官の答弁についてという文書があります。  その中で、日本アメリカ艦船に補給をしている最中に攻撃を受けた際、自衛艦があくまで自己等や、自分の、自らのですね、武器等の防護のために武器を使用すると、そういうふうにされているわけなんですけれども、同様ケースにおいて長官は自衛権についても言及されておりまして、集団的自衛権と個別的自衛権の峻別の仕方について述べられております。こういったケースについて、どういう場合を想定されているのかを御答弁いただきたいと思います。
  154. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 先ほどの補給している場合は、これは自衛権の話じゃなくて、それは武器が使えるかどうか、武器使用の話になってくると思うんです。  ところが、その以前の話として私はそこでも言いたかったんですけれども、従来から集団的自衛権、個別的自衛権というふうに二つの自衛権があるかのように議論されているけれども、国連憲章でもあるいは安保条約でも個別的又は集団的な自衛のための固有の権利という言い方をしているんですね、法文上は。どの例を見てもそういう言い方なんですよ。ところが、日本では集団的自衛権と個別的自衛権と二つの自衛権があるかのような議論をして、それを峻別してしまったために、その間のいろんな個別的又は集団的な固有の権利というのは、そういうのが吹っ飛んでしまっているような気がするので、私自身としては、その辺の問題についてはやっぱりやや議論する必要があるんじゃないかというのを絶えず持っておると。  しかしながら、政府が従来からそういうふうに峻別して、個別的権利と集団的自衛権と二つがあって、両方とも国連憲章上は持てるけれども、憲法上、集団的自衛権は行使しないという、そういうような使い分けの解釈をしてきているから、政府の一員としては従来の解釈に、踏襲されますけれども、そういうふうに本当にきちんとAオアBというふうにきちんと分けてしまえるんだろうかという、そういう思いがありますということを前提として言ったわけです。  ただ、補給しているときの状態については、そういう集団的な自衛権の問題ではなくて、武器等防護の規定もちゃんとあるわけだから、それを使ってやらなかったならば、今までの答弁だったら、そういうところから去りますという、逃げますという言い方なんですね。戦闘地域でないところで補給をします。もし万一なったときにはそこから逃げますという、そういうことでは実際守れないんじゃないかと。だから、具体的に同一地点にあった場合には、武器等防護の規定があるんだから、これで反撃するというのが常識的な取り方じゃないかということを言ったわけであります。
  155. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 白君、時間が来ております。
  156. 白眞勲君(白眞勲)

    白眞勲君 はい。ということは、今後やはりこの件についても議論をしていきたいというふうに思っているということですか。
  157. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) それはみんなが議論すべきだと思いますね。もう昔、何十年も前にやった解釈が現時点でもそれが変わらないということ自体が果たしていいのかどうか。やはり状況は変わってきていると思いますので、その辺については、皆さん方がこの立法府でも議論すべきであって、政府の法制局の見解が立法府を縛ってしまうという、そういうことになるかどうかも含めて、そこは議論があってしかるべきじゃないかと思うわけです。
  158. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 以上で白眞勲君の質問を終わります。  遠山清彦君。
  159. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  本日は、高野博師理事の代わりに質疑をさせていただきます。  まず最初に、私は麻生外務大臣の下、昨年の十一月から約十か月半、大臣政務官として働かせていただきました。その間の大臣の御指導、御激励に対しまして、この場をおかりして感謝申し上げるとともに、安倍新政権になりましても、留任後も変わらず卓越したリーダーシップと迅速な危機管理運営をされていることに対して心から敬意を表したいと思います。  また、久間防衛庁長官におきましても、御就任おめでとうございます。大変、額賀長官に続きまして、重量級の防衛庁長官ということで、私沖縄も担当しておりますので、米軍再編問題ございますけれども、大臣の御活躍を心から御期待申し上げる次第でございます。  さて、最初質問でございますけれども、外務大臣にお聞きをしたいと思いますが、私の政務官任期中より外務省の中で外交力強化の方針を打ち出しまして、麻生外務大臣もあらゆる機会をとらえてその重要性をお述べになっております。また、自民党、公明党両党内にもこの外交力強化のためのPTが設けられまして、本格的な議論が開始されているというふうに承知をいたしております。  私自身の政務官時代の経験に照らしましても、外務省職員は本省でも在外でも大多数の方は昼夜分かたず一生懸命働いておりまして、特に在外職員についてはその総数の約六割が開発途上国で勤務をしていて、私も在任中に約二十か国行かせていただきましたけれども、ほとんど開発途上国ですが、かなり厳しい環境で仕事をされている職員が多かったなというふうに思っております。  そういう中で、外務省が現在直面している問題、課題、今日の委員会の質疑を見ても非常に多いわけでございますが、これに職員数約五千五百人、これ全部入れてですけれども、約五千五百人で対応するというのは、一言で言ってやっぱりマンパワー不足に陥るぐらい少ない数ではないかなと。北朝鮮の問題のように非常に緊急対応が必要でオペレーションルームをつくるような事態も日々起こっているわけで、それとプラスしてFTA交渉とかEPA交渉などの膨大な日常業務もあるわけですね。  よく外務省につきましては、もう従前から、戦略性が欠如しているとかいうことが言われているんですが、私はそれを肯定する立場ではないわけですけれども、自分も中にいましたからね、しかしながら、職員一人一人の仕事量が非常に在外でも本省でも多くなって戦線が伸び切っちゃっていると。そうしますと、もう物理的に時間的な制約が大き過ぎて、それはもう睡眠時間も取れない。外務大臣だけ取っても、国会の委員会九つですよね、物すごい量の拘束、国会に拘束されておると。対総理質疑も、たしか予算委員会でいうと約三割は外務省所管の質問だということですので、こういった時間的制約が外務大臣筆頭にそれぞれの外務省職員にやっぱり掛かっていると。そういう中で、野党の先生方一斉にいなくなりましたけれども、野党の委員からいろいろと言われてしまうという状況があると思います。  そういう中で、外務省の方として、職員の純増、これは英米並みの七千五百名、これは自民党のPTがそう言っているんですが、七千五百名体制目指して、十年間で二千人職員数を増やして今の五千五百から七千五百にしようということを打ち出しておられるわけですが、これはもう総務大臣も経験された麻生外務大臣だから最も答えるのに適任な立場だと思いますけれども、今、一方で、国家公務員の純減五・七%という目標を持って、総人件費改革と呼ばれている改革ですけれども、外務省も毎年ポストを百以上減らさなきゃいけないという中で、この十年間で二千人ですから、毎年二百人ずつ外務省の職員を純増させていくということが政府の中で理解得られるのかどうか。また、どういうような主張をされて理解を得ようとされていくのか。これから財務省との折衝等も控えているわけでございますが、是非外務大臣の率直な御説明を聞きたいと思います。
  160. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、やっぱり現実問題として、絶対量が不足している、傍ら赴任をしなければならぬ国数は増えた、もちろん人口も世界的に増えておりますし。そういう中にあって、やっぱり外務省というところは、見ますと、やっぱり、来て一年ぐらいになりますか、一年少々になりますけれども、やっぱり絶対量が不足していることはもうはっきりしていると思います。大使館はもちろんですし、いわゆる要員の人数が足らぬということになる。したがって、外務大臣が訪問するということになると、兼轄している国から全部借り集めてこっちに対応させる、それしか人がいませんから。  そういったことになっているという意味で、せめてこれはイギリスとかフランス、人口は日本の半分ぐらいのところですけれども、我々から見れば七千人ぐらいのところはどうしてもということで、今二千人増の七千五百という数字を打ち出しております。  これが満足かといえば、とてもそんなはずではないんですが、やっぱり期待されております部分というのが、私ども、ただただ本省の職員を二千人増員というだけではなくて、先ほど白先生だか、いろいろ御質問があっておりましたけれども、例えばJICAとか、何でしょうね、今でいえば海外青年協力隊とか、いろいろ海外で活躍しているNGOの方々一杯おられますので、そういった方々で外務省に奉職する気がある人というのを、我々は有能な人なら是非途中採用で採用するということを考えた方が人物経済上もよろしいのではないか。ただただ新卒で毎年二百人の純増というだけで対応できるものではないと、基本的にはそう思っております。  いずれにしても、こういう問題というのは、傍ら我々は毎年百十二人減らしてきてずっと来ておりますので、その意味では、プラス二百ということは、約三百十二人というのの増ということをやらないとこの目的は達成できませんので、これは政府の中はもちろんのことですけれども、党にもいろいろなところから声を上げていただいて、現場を見ない、現場を見たことない方っていうのは何となく、私もこの間バグダッドへ行きましたけれども、いろんなところで生活してそこに耐えている人というのは、それはやっぱり少々なもんじゃありませんので、そういった緊張感の中で生活しているところというのは、これは現実問題として、先ほど犬塚先生の質問の中にもありましたけれども、これ国によって格差が、随分条件が違う話で、何というか、いいところの話ばっかりが外に出ますけれども、かなりしんどい。マラリアだ、いろんなものの疫病にも耐えて頑張るという人たちというのの存在というのを忘れてこの種の話はするべきではない。  やっぱり現場にいる人のあれはすごく大事なものだと思っていますんで、現場もおれも頑張るという気にさせるものが最低限必要ではないか、私は基本的にそう思っております。
  161. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 ありがとうございます。  そうすると、麻生大臣は恐らく、今総務大臣やられている菅先生とかあるいは尾身財務大臣に、外務省だけ聖域化して定員増やすのかと言われたときには、現場を見ろと、外交現場を見ろというお話で、私が所属している公明党も現場主義というのを日ごろから言っているんで非常に共鳴できるお話だったんですが。  次の質問は、事務方でも結構ですけれども、この外務省が要求している毎年二百人の定員増の中には、今大臣ちょっとお触れになりましたけれども、外務省プロパー職員以外、すなわち民間からの採用職員などはどの程度含んでいるのか、お答えいただければと思います。
  162. 政府参考人(塩尻孝二郎君)(塩尻孝二郎)

    政府参考人塩尻孝二郎君) 今も外務大臣から答弁がありましたように、国益を踏まえた外交力を強化するということで、そのためにも、外務省の人間だけでなく、それに加えて他省庁あるいは地方公共団体、民間企業、NGO等から専門性のある方に来ていただきたい、より活力ある外務省をつくるためにもそれが必要だというふうに思っております。  具体的な人数というのはいろいろございますけれども、特に今我々がやろうとしております日本企業支援、あるいは資源外交などの経済外交を進める、あるいは戦略的にODAを実施する、あるいはルールメーキングの分野で更に活躍するということから、民間の方で知見のある方をどんどん来ていただくということが必要だというふうに思っております。  それから、大臣お話しされたような青年協力隊の方、あるいは国際開発関係、NGOで経験された方、海外経験の豊富な方もおありになるかと思いますけれども、再チャレンジ組という方についても受入れを考えていきたいというふうに思っております。
  163. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 分かりました。  是非、外務大臣も重々承知のことだと思いますが、外交力といったときに、やはり外務省の、核である外務省を、外交当局を強化すると、これはもう大前提の話ですが、海外で活躍する日本企業、あるいは大臣もおっしゃったNGO等の市民社会団体の方々も総合的に強化していかなきゃいけないと私思っております。  そこで、これは質問というより要望に近いんですが、私も政務官で海外回っている間に、機会とらえて国連機関で働いている邦人職員や、あるいは海外青年協力隊の隊員や、あるいはNGOの邦人職員等々、いろいろと懇談をする機会がありました。そこで私が非常に感じたのは、欧米と日本の決定的な違いの一つは、異なるセクター間のヒューマンモビリティー、人の移動が非常に少ないということなんですね。  つまり、国際機関で働いた人が企業へ行く、企業で働いた人がNGOへ来る、NGOで働いた人が、場合によってはアメリカなんかだと下院議員になる、下院議員で落ちたらまた企業へ戻る、そこからNGOへ行く、大学の教授になる、こういう人の移動が欧米の場合日本と比べると非常にスムーズにいくわけですね。  ところが、日本人の例えば国連職員に聞きますと、契約が、コントラクトが一年とか二年とか、三年ある人は非常にいい方で、スーダンに今行っている私の友人で職員は、P3レベルですけれども、コントラクトどれぐらいかって聞いたら、六か月と言っているんですね。そうすると、スーダンで日々非常に厳しい環境の中で人道支援とか国連職員としてやりながら、もう三か月ぐらいたつと次の自分のポストどうするかと考えながらスーダンで働かなきゃいけないという非常に厳しい状況に置かれるわけです。  あともう一つ、この世界で生きている人たち、苦しいのは、シニアな年代になったときに自分はどうしているんだろうという不安を覚える方が多いんですね。二十代、三十代のころは若くて元気ですからいいんですけれども、四十、五十になってもこんなことできるのかといったときの、その自分のキャリアプラニングもなかなかできない。  そこで、これ私の要望なんですが、外務省、今、私がいたときからNGO支援強化しよう、特に人材育成支援をやろうということで方針を出しているわけですけれども、その中の一つの要素、エレメントとしてキャリア形成支援みたいな要素をやっぱり入れてあげないと、彼らもやっぱり人間ですから、幾ら国連職員の邦人職員数を増やしますとかって外務省が言って、国会でも言って、日本国会議員も国連へ行くたびにそういう陳情をしてやっているのは事実なんですが、当人たちから見たら、パーマネントな、永久に国連職員になれますよという人数というのは百人切っているんですね、今、恐らく。ですから、それ以外の人たちというのは、もう一時的に雇われている短期雇用労働者みたいな形でやっていますから、華やかさとか、要するにもう人生そのものが不安定になっているということなので、この点についてやっぱりもうちょっとできることを考えたらいいんじゃないかと思っていますけれども、特段コメントありますか。どうぞ。
  164. 政府参考人(長嶺安政君)(長嶺安政)

    政府参考人(長嶺安政君) ただいま遠山委員からいろいろ御指摘にあった点すべてについてちょっと答えることはできないかもしれませんが、最後におっしゃられたNGO支援に関してでございますけれども、これは委員よく御案内のように、外務省は従来からNGOによる国際協力活動の重要性を認識してNGO能力強化のための諸施策を実施してきておるわけですが、今後は、更に人材の育成に着目しまして、NGO職員に対する実践的研修の導入ですとか専門性向上のための短期研修の拡充、それからNGOと学界、民間、政府間の人材交流を促進するための諸施策を積極的に検討していく考えでございます。  委員も大変注目されていただいていますJICAの国際協力キャリア情報サイトの「パートナー」、これを基にいたしまして、国際キャリアパスセミナーを来年度やっていくように、今、来年度の予算要求の中で考えておるところでございます。
  165. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 次、また外務大臣にちょっと後でお答えいただきたいと思いますが、例のテレビ番組の件ですけれども、その前に、私、政務官時代に、これは外務大臣にも直接御報告申し上げましたけれども、一番感動した体験は、昨年の暮れですけれども、タイのプーケットに、津波被害の一周年の式典がありまして外務大臣の代理で私出席をさせていただきました。その際に、タイに駐在する若い女性の日本外交官が、その津波の直後に邦人の遺体確認のために日本から派遣された法医学の専門家と奔走した話を聞きました。  この女性外交官は海岸沿いに、私は一年たってから行きましたので写真で御遺体の全部凄惨な姿見ましたけれども、溺死の遺体ですので、大臣御存じのとおり、棺おけというかケースに入らない形のものが多いんですけれども、それが数百、数千と海岸沿いに並べられておりまして、そこをこの女性の方は法医学の専門の方と毎日朝から晩まで歩き回って、歯形等を取って邦人の遺体の確認作業に当たったということなんですね。  これはもう言わずもがなのことですが、災害直後の凄惨な現場で法医学の、外交官は法医学の専門的な訓練を受けませんので、研修で、法医学の専門的な訓練を受けていない若い方がこういう現場で作業をすると、体力的なものは当然として、精神的な負荷というのが非常に大きいわけなんです。  実は、この御本人に私会ったわけですけれども、御本人は、その作業をしていた当時は何も変わったことはなかったと。ところが、作業が一か月ぐらいあったんでしょうか、終わった後、私とちょうど会ったのは一年後なわけですけれども、そのころから悪夢を見て夜寝れない、いわゆる専門的に言うとPTSDの症状が出てきていたわけですね。  私は、この後本題というか質問の核に入るわけですが、最近、ある民放のテレビ番組で非常に偏った、外務省を中傷、非難する報道内容を含む番組が報道されました。非常にこういう番組見ると外務省外交官の仕事や生活について大きな誤解を国民に与えていると思います。それは、週刊誌とかテレビのバラエティー番組のたぐいをまともに相手にしなくていいんじゃないかという話も一方であります。ありますが、今テレビが持つ国民に対する影響の大きさ考えたときに、ここまで悪質だと私は看過できないというふうに思っています。  ちょっとだけその悪質さを言うと、この番組の中では、夢の超ぜいたく生活を日本外交官がしておると。それから、中堅外交官の華麗なる厚遇ライフみたいな話があって、例えば具体的には、次の質問でこれ聞きますけれども、在外勤務手当のおかげで三年間で四千五百万円貯金がたまりますと、こういう話が言われている。  それから、金田前副大臣、私、一緒に同じ時期に働いたわけですけれども、の御発言を切り文的にある部分だけ取って、ワイングラス片手でパーティーに出ることが外務省の仕事といって、切って放映しているんですね。御本人は、と思われがちですがしかしと言って、全く全否定発言の中でしているわけです。だから、金田副大臣ここにいたらもう怒って真っ赤っかになると思いますが、多分マイクも壊すぐらい怒る、どなると思いますけれども、そういうのを流していると。  それからあと、私が、これで最後にしますけれども、要はこの番組の中で、一等書記官の一日と題したドラマがあったそうなんですね。それで、このドラマの中で、日本外交官というのは大した活動もしないでぜいたくな生活をしているセレブという印象を国民に与える内容だったと。  これ外務大臣、私、二十か国近く政務官として回りましたし、その前、議員としても同じく二十か国近く回っていますけれども、私は日本外務省の一等書記官の方で華麗なセレブみたいな人は会ったことないんですね。あえて言えば、麻生外務大臣よりセレブな人は職員でいないと感じますけれども。  だから、いずれにしても、こういう内容の番組を、外務省に取材を掛けたんでしょうけれども、報道されたことに対して、外務省としてどのような抗議をされて、その概要も併せてお伺いしたいと思います。
  166. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これはテレビ朝日の話なんだと思いますが、今日そこにいるのかどうか知りませんけれども、テレビ朝日の番組の中でこの話が作られておると思いますが、これは基本的には著しい事実誤認に基づいておるということで、私どもとしては、テレビ朝日に対して事実照会をして、私どもとしてしかるべき抗議を行ったところであります。  で、今幾つか、二点ぐらい著しいところがあるんですけれども、あの番組の中で、これがその家ですと言うんですけど、その家を調べたところ、その家に日本人が、外務省が借りたことは一回もないとか、大体、かなり事実誤認も甚だしいという、何だこれ捏造ですかと言いたくなるような記事になっているというのはもう事実なんだと思っております。  これ、例えば今、三年間の勤務で四千五百万円の貯金、ほおっと思って、私もそれはほおっと思ったんですけれども、これ御存じのように住居手当の分のことなんですが、これは実費手当ですから、少なくともこれは、貯蓄の原資としてこういったものが使えるということは、これは明らかに事実に反しております、これは実費手当ですから。  そういった意味では、在外勤務というもの、通称在勤手当というものに関しては、これは海外勤務で追加的に掛かるいわゆる必要経費というものに充てるということですから、名称は、位置は給与法ということに基づいてやるんですが、これは予算の範囲で厳正な支給がされるということだと思います。少なくとも、過去、私が入って、調べて一番驚いたのは、在勤手当というのは、平成十一年以降でいきますと大使クラスで四割、四〇%減というのはかなりの減ですよ。自分で給料が四割減るというのはかなり減だと思いますね。  それから、平均で三割ということになっておりまして、大使で四割の削減を受けているというのが現実。これはもう、したがって子供は連れていけない、夫婦で一緒に行くわけにはいかないというのが続出したという経緯がありましたので、これはどう考えてもおかしいということで、昨年これを改定。しかも、こっちはデフレですけど、先方はインフレですし、こっちは円安で向こうはドル高になっているわけですから、それはダブルで利いてくることになりますので、とてもじゃないということで、この話は大蔵省やら何やらいろいろ当時交渉した経緯がありますので。  今副大臣の話で、私どもとして是非、この番組はもちろんのことなんですが、基本的に地道な努力しているのの話は一切なくて、その一部の話というのをしかも過剰に取り上げて、かつその家は借りてないというような事実無根とかいうような話になってくると、これは何を目的にそういった番組がされておられるのか、そういったところが一番気になるところで、テレビ朝日に対して、いかなる理由かということに対して、目下質問書を出して正式にきちんと対応を求めたいと思って抗議しているところであります。
  167. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 しっかり御対応されているということで安心をいたしました。  ところで、今外務大臣がおっしゃった在外勤務手当については、最近新聞でも報道されましたけれども、財政審、財政制度審議会で、これは十三日だと思いますけれども、議論があって、その中で出ている議論は、アメリカに、在外の外交官の中でも在米勤務の外交官をモデルに取って、これは三十七歳のワシントン勤務者の場合をモデルに取っているようでございますが、給与以外に月額七十六万六千円を支給していると、この中には住居手当が入っているんですけども。そうすると、実質的な給与が国内勤務者の約二倍になっていると。これは東京新聞も後追いでそういう記事を出しておりまして、読売はもうちょっと正確にだと思いますけど、一・七倍、東京勤務の一・七倍だというようなことになっております。もっと言うと、この記事の中で、この財政審の西室会長が、外交力の強化は必要だけども、在勤手当の引上げを論ずる外務省はやり過ぎだというコメントを出しているわけでございます。  私、率直に疑問に思ったのは、今大臣もおっしゃった住居手当の問題なんですね。これ、住居手当っていうのは、その外交官によって住んだところの具体的な家賃を実費で出しているわけですから、こういう画一的な標準化された統計資料にその二十四・何万円とか三十・何万円って載せること自体が余り意味ないんではないかなと。すなわち、元々その住居手当としてこの額までは国が手当として出しますよと言われている額の中でそれぞれの個別の外交官が探された家の家賃をそのまま実費で払っているわけですから、それを平均して出すというやり方はあるにしても、そもそも給与に上乗せして、東京にいるときの何倍だというふうな議論をするのは若干違和感あるんですが、これは外務省見解どうですか。この財政審に提出された資料。
  168. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 細目は官房長の方から答弁させますけれども、全くそれはおっしゃるとおりなんであって、私どもとしては、かつて、だれでしたっけね、ニューヨークの三菱商事か何かの支店長だか何かしていた方を外務省の総領事についこの間引き抜いたことがあります、いわゆる民間人の登用ですが。たしか、新聞のコメントは、僕はよう受けたなと思った最大の理由は給与だったと思っています。給与どれぐらい減ったのかなと思ったら、三分の一と言うかなと思ったら、二分の一に減ったって言う。私、ちょっと正直なこと言うと、社長からこの国会議員になったときに給料が三分の一になったので、これはとてもじゃない、やっておられぬなと思った記憶は正直ありました。これは自分の実体験です。  しかし、役人はもっと低いですから、それからいきますと。だから、よく、大使に民間人をとかよく言われる方は多いんですけども、受ける民間人って一体どれぐらい給料が下がる覚悟で来られるつもりなんですって聞くと、個別に聞いてみると、ええって言って、みんなそれで二度とその話は私にはされなくなるんですが。現実問題として、これはかなりしんどい。いいと言われているアメリカとかそういう場所に行っても、そこに行かされている他の企業の方に比べてもしんどい。また、いわゆる発展途上国におけるところの病気とか子供の学校とか、いわゆる地雷を踏まにゃいかぬかもしれぬとか、そういったような話の危険というものを考えますと、私、ちょっと正直、あの一連の報道というのは何となくこれ一部だけを取り上げられておられるんで、全体の人たちの約六十何%は発展途上国に行っておるという現実を見たときに、私はちょっと正直申し上げて、外務省というものをかばう立場に今なって、総務省にいるときは余りそんな気はなかったんですけれども、外務省に来て、現実回ってみて、おお、これはかなりしんどいなというのが正直な実感です。  細目は塩尻の方から答弁させていただければ。
  169. 政府参考人(塩尻孝二郎君)(塩尻孝二郎)

    政府参考人塩尻孝二郎君) 国内給与との比較なんですけれども、国内給与というのは、これは報酬でございます。これに対して在勤手当というのは必要経費に充当するということでございまして、こういう点からもその両者を比較するというのは私どもとしては適当ではないというふうに思っております。  それからさらに、今委員が御指摘になられましたように、住居手当を含めて比較するということは適当ではないというふうに思っております。
  170. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 今日これでもう時間がないので質問やめます。  残りの質問は明後日にも時間いただいているんでさせていただこうと思いますが、この在外勤務の手当の件で私個人的に何かちょっと議論が変だなと思っているのがもう一点ありましてね、大臣。それは、財務省の方も含めて他省庁の方が在外へ行かれたときも恐らく手当というのは付いていると思うんですね。ところが、どうもその議論は、外務省外交官だけが何か得をしている、不当に大きくもらっているようなその印象を与えるような、まあ先ほどのテレビ番組が一番悪質だと思いますが、そういう雰囲気ができているので、私は、それは他省庁の方でも在外へ行かれている方結構いるわけでございまして、その方はもうそういう保障が同じように付いていると思うんですね。ですから、それはやっぱりその政府、トータルとして在外に出した国家公務員をどう処遇するかという議論だというふうに私は思いますので、その観点からもまた政府内で議論を進めていただければと思います。
  171. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 誠におっしゃるとおりだと思っておりますんで、ただ、これは外務省としても、これはいわゆる財政審始めそういった国内に対する、まあこれは主として財務省ということになろうと思いますが、そういったところに対する説明等々の話が我々のところも努力が不足しているというところもあろうかと思いますので、反省を込めて対応させていただきます。
  172. 遠山清彦君(遠山清彦)

    遠山清彦君 以上です。
  173. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 以上で遠山君の質問を終わります。  続いての質問者。緒方靖夫君。
  174. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 北朝鮮核実験に対する国連安保理決議日本政府の対応について質問をいたします。  日本共産党は、北朝鮮核実験を厳しく抗議するとともに、国際社会が一致して平和的、外交的に問題の解決を図ることを求めてまいりました。この立場から、非軍事的措置によって事態の解決を目指す安保理決議が全会一致で採択されたことを歓迎し、それを強く支持しているものです。北朝鮮政府がこの決議の要求を速やかに受け入れることを強く求めていると、これが私どもの立場です。  麻生大臣に基本的な問題についてお伺いしたいと思います。  安保理決議は北朝鮮に対する制裁措置として、国連憲章七章四十一条に基づく非軍事的措置に限定するとともに、加盟国、とりわけ六か国協議の当事国に対して、北朝鮮が核を放棄し、六か国協議に復帰するよう一層の外交的努力を強め、緊張を激化させる可能性のあるいかなる行動も慎むことを明記しております。この安保理決議をどのように受け止められているのか、そしてまた、政府としてどのような外交を追求すべきと考えておられるのか、その点についてお伺いいたします。
  175. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今、緒方先生の方から、これは安保理の話というのが出ましたけれども、これは一番のところは、何といってもこういったような制裁を含む決議案というものが六日間で出たという例は、多分過去に例がないと思っております。この前のミサイルのときには十一日間掛かったと記憶をしますが、そういった意味では、これは世界じゅうの意識はもう駄目と。だから緒方先生とほぼ、緒方先生の意見と、まあ皆、世界じゅう皆同じに駄目ということだったんだと思いますんで、それはかかって、それは日本にかかわる安全保障の問題、また東アジアにかかわる問題ではなく、これは輸出をされる可能性がありますので、そういった意味では世界のテロリストに渡るという可能性考えますと、これは世界にとっての脅威ということを皆感じて一斉にこの案に賛成をした、中国含め、ロシア含めて賛成をしたんだと思います。  今後これをどうやってやっていくかというのは、取り急ぎ日本日本としての独自の制裁案というのを作っておりますが、先ほど白先生の方から輸出の件について等々いろいろまだ追加的なものをすべきではないか等々の御意見もありましたが、私どもとしては、まず今決められておりますことを着実に実行する。また、アメリカを含みます国連常任理事国等々もこの問題については、これは核が拡散することを非常に恐れているところだと思いますので、そういったところに関しましても協力を、中国を含めまして協力を要請し、実行してもらうというところが我々として最も強く要求せにゃいかぬところだと思っております。
  176. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 久間長官にお伺いいたします。  北朝鮮に対して国際社会一致して非軍事の制裁措置をもって迫る、外交的に、平和的に迫るという、その点でこの決議というのは非常に大事だと。今大臣言われたことと重なりますけれども、やはり六日間、短期間でその意思を確認したということの力強さ、非常に大きいものがあると思いますけれども、久間大臣自身の御見解を伺います。
  177. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 私も、全世界が一致してこの決議が出たということは非常にいいことですし、しかも、最初はワンステップとしてかもしれませんけれども、非常にソフトな形で北朝鮮に反省を求めるような、そういう形で決議がなされた。このままで北朝鮮思いとどまって六か国協議に入ってきてくれれば一番いいなと思っております。
  178. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 決議採択後直ちに、麻生大臣も当事者の一人として、様々な集中的な外交が行われたと思います。バイの会議、三者の会談、こういうことが行われ、そしてこれらの努力も、やはり国際社会の平和的に、理性的な方向でこの問題を、何しろ相手は北朝鮮ですから、そのことをよく示しながら解決するというその試みが、努力がこの間示されてきたと思います。  ライス国務長官は、二十日、中国首脳と相次いで会談いたしまして、双方は朝鮮半島の非核化実現に向けて問題を平和的に解決する、北朝鮮に六か国協議に復帰を強く求めると、その点で一致しました。  北朝鮮の核問題解決のかぎを握る米中両国が問題の外交的解決で一致した、このことは非常に大きな意義を持っていると思いますし、安保理決議の実行で非軍事に徹して問題の解決をするという点でも意義があると思いますけれども、その点で大臣の御見解をお伺いいたします。
  179. 大臣政務官(関口昌一君)(関口昌一)

    大臣政務官関口昌一君) 今、緒方委員がおっしゃられたとおり、アメリカライス国務長官中国において胡錦濤国家主席、また温家宝総理、また唐家セン国務委員、さらには李肇星外交部長会談して、また中国においては唐家セン国務委員の訪朝等の中国の六者会合再開に向けた外交努力を非常に評価しております。国連安保理決議一七一八号の実施を含めて、更なる努力を要請したものと承知しております。  アメリカ中国ともに六者会合を通じた問題解決を目指していると理解しておりまして、我が国としても、今後とも、六者会合の参加国とともに、六者会合の即時無条件での再開に向けて全力で努力していく考えであります。
  180. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 ライス国務長官は、東京、ソウル、北京、モスクワを訪問しまして、その中の会談でも、マスメディアと精力的にインタビューしておりますけれども、それを全部読んでも、共通して、米国側は外交チャンネルを通じての半島の核問題を解決するために努力しており、情勢のエスカレートを望んでいないと、そのことを述べていると思います。この立場は、十八日に、麻生大臣が当事者となった日米外相会談でもライス長官から示されていると思いますけれども、その点についてお伺いいたします。
  181. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 最初に、私どもは、十八日でしたか、ライス国務長官と飯倉の公館で会ったのが最初だったと思いますが、我々が求めたのは、先ほどの白先生か犬塚先生の御質問に答えたんだと記憶しますが、一番肝心なことは、日米安全保障条約というものに書かれておる内容については確実にこれを履行するというメッセージは、これは抑止力を含みますので、そういったものを実施するというメッセージをきちんと出すということが一番、優先順位の一番。  なぜなら、日本においては、少なくとも隣国が新たに核を持ち、それを着実に搬送できるだけのノドンというミサイルを訓練できるほどの数を持っておるという七月の実績等々は明らかに国民を動揺させる。その動揺を抑えるためにはアメリカは確実にそれをという話を保証するということが一番と。これが電話で最初に、実験が行われたと言われる日の午後、最初に電話したのがこれなんですけれども、会いましたので、さらにそれを確実に、私だけ言っても意味がないので、それを確実に記者会見で冒頭にこれを言うというのはきちんとそのとおり実行され、その後も、今先生おっしゃいましたように、緒方先生おっしゃいますように、韓国の潘基文との三人との会談でもそれを言いましたし、多分、中国ロシアにおいてもおれたちは確実にやるという話を言ったんだと思っております。これがいわゆる対外的な、あれから見た、武力を使うぞという圧力、現実には使ってないですけれども、そういった意味での北朝鮮をしてテーブルに着かせる、戻らせる一つの手段として効果があると、私どもはそう思っております。
  182. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 アメリカ危機をエスカレートさせてはならないということは、本当繰り返しのメッセージだと思うんですね。それで、日米協力はこの状況の下で当然なわけで、しかしその決議を履行するときに重要なことは非軍事であるという、その点がこの決議を履行するに当たっての日米双方の合意であると、そういうことだと思います。  そこで、今重要なことは、正に今申し上げました危機をエスカレートさせないということなわけです。そしてまた、そういう行動を慎む、そして冷静に理性的な外交を行う、このことが求められていると思うんですね。その点で、やはり一七一八決議の履行のために努力を集中しているときに関係国やそのほかの世界にやはり驚きを与えたり懸念をもたらす、そういうことがあるということはやはりあってはならない、また次代に対するマイナスだと思うんですね。  麻生大臣自身がソウルを訪問される前に、核保有をめぐって、いろいろ議論した上で持たないのも一つの選択肢という、そういう発言をされた、答弁された、これがやはり波紋を呼んでいるんですね。韓国では三者でも二者のときでも、この問題について日本非核原則堅持するということを大臣自身説明された、パートナーに。しかし、それでも昨日、韓国の外交通商省の高官が日本に対して、この発言に対して懸念を表明する、そのことがあるわけですよ。ですから、説明して分かったといってもそういうことがその役所の中から出てくる、世論だけじゃありませんよ、マスコミだけじゃない、そういう問題があるわけですよね。  そうすると、麻生大臣発言は、国際社会が一致して朝鮮半島非核化のためにもう心を砕いて努力をしているそのときに、また日本のイメージという点でもマイナスになるのではないか、私はそう思うんですけれども、大臣、そう思われませんか。
  183. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 緒方先生、いろんな考え方、取られ方があるんだと思っております。ただ、少なくとも北朝鮮が核を持つなどという前提で非核原則などというものは作られたわけではない、当時は佐藤内閣のときですから、そういった時代でしたから。今の北朝鮮が核を持つ、それを搬送するミサイルも完成したというようなことが言われている状況の中において、我々は核を持たない、作らない、持ち込ませないという三原則どおりで、従来と同じような状況とは全く違ったものになってきた、新しい時代に合わせてそれをやるんですねということを合意するなら合意するでも結構。そういう方に関しては、ただただ議論も何もしないで、非核原則堅持します、なぜ、どうして非核にするんです、どうして非核原則なんですと言うと、今の若い人は答え切れない。だって昔からそうなっていますからと。それは全然おかしいんであって、持たないなら持たないで結構ですから、それに対して、どうして持たない方がいいのかという議論をみんなで広くするという努力なしに、ただただ、お上が言われているからとか上の人がそう言っているからとか派閥でそう言っているからなんというレベルじゃ話にならぬのじゃないかと、私は基本的にそう思っております。
  184. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 どんな状況の下でも非核原則について日本が貫くということについて議論し、そしてそれを確信を持って世界にアピールしていく、このことこそが求められていると思うんですよ。  久間長官にお伺いしたいんですけれども、先ほど、こうした議論が誤解を招くと大臣述べられましたけれども、改めて大臣自身のお考えをお伺いしたいと思います。
  185. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) 私は、日本の現在の国力あるいは国土の広がり、そういったことから見て、核兵器を持つことによって抑止力を持てるかというと、それは無理じゃないかなという、基本的なそういう考えがあるわけですね。  そうすると、むしろ持たないことによって、各国にその持たない点を強調することによって非核化を進めることへの、その接し方の方がより効果を上げることができるというふうなそういう思いがありますので、私は、非核原則はもちろんのこと、日本が持つようなそういう誤解を各国に持たせないことについても努力する必要があるというふうに思っております。
  186. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 麻生大臣が、北が核を持つようになったと、環境は変わったと、したがってその下で改めて議論をすると。そして、それがどういうふうになるのかと。正に選択肢ですよね。  そういうことを今答弁されましたけれども、私は、非核原則議論を促す、しかも外務大臣がこういう場でそういう発言をされるということはやはり非常に大きな誤解を招くことになると思いますよ。それは、非核原則という決まったことを、これを国是としてずっと堅持したことを、要するに、議論するということは、いろいろ議論して、持たないのも選択肢といえば持つのも選択肢になるわけですよね。  だれもがこの問題について、それでは日本がもしかしたら持つという結論を出すかもしれない、そういう懸念を抱くわけですよ。それが今マスコミに大きく報道されて、御存じだと思いますけれども、アメリカでも韓国でもマレーシアでも東南アジアでも、またヨーロッパでも、大臣発言が世界を回っているわけですよ。やはり、そういう大きな影響をもたらすということについてやはり大臣自身がきちっと胸に押さえていただく。  大臣自身は、政府の見解は変わらないとさっきおっしゃった。しかし、大臣がそういうことを、議論は自由だと、それを抑えるのは言論封殺だということで、そういう議論をすること自体が私は政府の枢要な地位にある方の述べる話でないと思うんですよね。また、そういうことがあってはならないと思います。そのいい例は韓国ですよ。大臣が直接パートナーに説明しても、また盧武鉉大統領に説明しても、しかし、それに対して役所から懸念の声が上がる。やはりこういうのをしちゃいけないんですよ。私はこれをやめていただきたいということをはっきり申し上げたいと思います。
  187. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 時間が来ておりますが、それでは、麻生外務大臣、手短にお願いします。
  188. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) そういう緒方先生の御意見があるというのを封殺するつもりはありません。
  189. 緒方靖夫君(緒方靖夫)

    ○緒方靖夫君 終わります。
  190. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 以上で緒方君の質問は終わります。  大田昌秀君。
  191. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 麻生外務大臣には、二度目の御就任おめでとうございます。大変御苦労が多いと思いますが、どうかひとつ頑張っていただきたいと思います。  さて、先日の本委員会麻生大臣は、所信表明の中で、日米同盟を一層揺るぎないものとしていくということをおっしゃいました。沖縄は随分多くの米軍基地を抱えておりますが、麻生大臣日米同盟をこれ以上強化していくということをおっしゃると、また沖縄の基地が増えるのではないかという懸念が出てまいります。  現実に、後ほど申し上げますが、PAC3の配備なんかが進んでおりまして、そのような点からしますと、日米同盟を強化されるということは、それは政府の方針としては結構だと思いますけれども、しかし、それに伴って負担をより多く負わされる沖縄のような状態についても是非御配慮いただきたいわけですが、まあ所信表明で何もかも言うことはできませんけれども、あの表明の中にそのような沖縄に対する御配慮の言葉が全くなかったんで、県内ではどうしてこの日本政府はこれほど冷たいんだろうかという声も出ておりますので、その日米同盟を強化されるということと、今問題になっております再編との絡みでの基地の削減という問題の整合性についてどのように御認識しておられますか。
  192. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 大田先生、所信という限られた中であれも言ってない、これも言ってないという話はもういつも出てきますんで、これ全部言ったとすると総花的だと言われるし、なかなかこれは言い方は、いちゃもんの付け方はいろいろありますんで、いつでもそういうもんだと思って、これは自分で選択して、謝らにゃ、ところはもう正直に申し上げないかぬと、私どもも聞きながら、聞いている立場のときもそう思っておりましたんで、今、大田先生のお気持ちも正直分からぬわけじゃありません。  事実、沖縄というところに、いわゆる日本の在日米軍施設の七五%と言われるものが面積的にいきますと集中しておるという事実は私どもも十分承知をいたしております。また、政府としても、これは県民、沖縄県民の方々のこの負担の軽減というものを考えて、いわゆるSACOでしたか、の最終報告の着実な実施等を通じて、これはいわゆる米軍施設と言われるものの区域の整理とか縮小とかいうものはもちろんのこと、騒音とかいろいろこれまでやってきたと思って、地位協定の運用の改善等々にも努めてきたとは思っております。  今回の在日米軍のいわゆる兵力態勢の再編という問題につきましては、これは今年の五月、2プラス2等々で合意をされておりますけれども、いわゆる今の状況の中にあって、在日米軍の抑止力を維持しつつ、いわゆる普天間の移設とか始まります、海兵隊員の沖縄からの退去等々を含めまして、いわゆる地元の軽減負担という一見二律相反するようなことをいかに成立させるかというのに腐心したところでありまして、沖縄のいわゆる県民の負担の軽減というところが非常に我々としても大いにこだわったところでもありますのが、結果として今日のあの兵の削減につながっていったんだと私どもは自負をいたしております。  そういった意味では、十分そういったものを考えた上で勘案しているというように御理解をいただければと存じます。
  193. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 いま一つ、外務大臣にお伺いします。  所信表明の中で、人間の安全保障観点を踏まえということが言われておりますが、人間の安全保障観点というのはどういうことでございますか。簡潔にお願いいたします。
  194. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 人間の安全保障というところは、これは国連の中で人権委員会というのができたのは御存じのとおりで、日本もこれの理事になっております、会員、メンバーになっておりますが、今、日本としていろいろなところで、例えばイラクで、例えば東ティモールで、例えば、元々はカンボジアから始まった話ですけれども、多くの自衛隊、警察官、文民、PKO、いろいろなものを送ってきました。  こういったような経験を振り返ってみますと、今、何となくこの種の騒ぎで人を送りますと、常にドンパチの、自衛隊の最前線のPKFのフォーシズの話ばっかりが正面に立って出ますけれども、今イラク等々を見ても分かりますけれども、アフガニスタン見ても分かりますが、一応終息した後、はい、復興といったときには、その復興に当たってそれを仕切る行政官の絶対量が全くありません。税金を取るという徴税システムがない、もちろん徴税もない、地方税法もない、地方議会法もない、もうすべてありません。そういったようなものを一からつくっていく、いわゆる行政官をつくっていくということはすごくこれは大事なところであって、今、私がおりましたときの総務省にベトナムから、今年何人来たか知りません、十人前後、人を、行政官を送ってきて、そういう人たちに地方議会とか地方自治とか地方税というのをずうっと教えて、一年間するとまた別の人が来てというのをやってきて、これ何年たちますでしょうか、随分たつと思いますが、その間、人は結構育った。それで、その人たちが今現地でいろいろな、日本から習ったものを基にして税やら何やらをやっている。それは全部ベトナムの人を日本のお金で教育して、また戻しているという事実があります。  そういったものは、ほかにももっと広くやられれば、私どもとしては、人間、人道支援ということになったときには、その人材を育てて送り返すということは我々のできる仕事なのではないかという思いがありましたので、あのような発言をさせていただいております。
  195. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 久間防衛庁長官にお伺いします。  しばらくぶりでお会いしますけれども、沖縄問題に大変詳しい長官が誕生して、基地の問題の解決が早まるのではないかと期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  さて、先ほどの、これは別の問題ですが、核問題についての長官お話を伺って、私、大変心強く思いました。小さな島国で戦争が始まったらいかなる結果を生むかというのは、もう我々、沖縄戦で嫌というほど思い知らされております。この日本はしょせん小さな島国でありまして、その島国の中に五十二、三か所の原子力発電所を持っておりますので、核戦争が起こったらどのような悲惨な事態になるかということについて、私は国民の多くはまだ十分に認識していないのではないかという気がしてなりません。国民保護法制を作っても、地方自治体の協力を頼むといっても、実際に戦争が始まってみると、沖縄県では県知事が逃げたり、連隊区司令官が逃げたり、県庁の最上級の部長たちが逃げたりということが実際に起こりました。  そういうことを踏まえて考えますと、本当に戦争のことについて、今の核問題について、日本では核武装すべきだという声が随分いろんなところに出ておりますけれども、核武装した後の結果について、具体的に、本当にどうすれば国民の生命、財産を守れるかということについて真剣に考えてみる必要があると思います。前の官房長しておられた竹岡勝美先生は常にそのことを言っておられますが、その辺の議論なしに非常に安易に核武装をすべきというような声が出てくるのに対して私は大変懸念を抱いております。長官が、むしろ核兵器をなくしていく方向に努力したいとおっしゃることは、憲法でもきちっとうたわれていることでございまして、是非ともそのような形で御努力くださることをお願いいたします。  さて、長官、所信表明の中で、防衛庁の省への移行について、国民の安全、安心を確保する危機管理体制を一層充実強化し、国際社会の平和と安定に主体的かつ積極的に取り組むためには、防衛庁を省として位置付けるという必要性について述べられました。  防衛庁は、従来、内閣総理大臣を通して国民の安全、安心の確保や国際社会の平和と安定の取組をしてこられたわけなんですが、現在の省のままだと何が不自由、何が困るのか、そして、失礼、庁、庁のままだとですね、そしてそれを省に昇格した場合にどのようなメリットというのが予想されるか、簡潔に御説明いただきたいと思います。
  196. 国務大臣(久間章生君)(久間章生)

    国務大臣久間章生君) まず、形式的かもしれませんけれども、私が閣議を請議、閣議請議を行おうと思っても、防衛庁長官ではできないわけでありまして、内閣府に言って、そこから書類を作ってもらって、内閣総理大臣として、内閣府の長としての総理大臣として閣議請議を行ってもらうという、そういうことがございます。  予算についても、これはもう事実上は専決処分でなっておりますから、防衛庁で専決処分はできますけれども、形式的に言いますと、全部内閣府に書類を回して、そこの決裁を受けることになっております。  いずれにしましても、そういう形で内閣府の下の庁という、英語で言うならエージェンシーということになっておりますので、やはりこれだけ自衛隊あるいはまた防衛庁としての仕事が重要性が増してきておりますと、一つの省としてやっていいんじゃないかと。  確かに、総理大臣は自衛隊法では最高指揮官になっておりますから、防衛庁を庁のままでも、省にしても、最高指揮官のその位置は変わらないわけでありますけれども、やっぱり国家行政組織法あるいはまた各省設置法の位置付けとしては、ほかの省庁と横並びになるような位置付けにすることの方がやっぱりはっきりするんじゃないかなと思っておるわけです。
  197. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 内閣法制局にお伺いします。  マスコミ報道などによりますと、北朝鮮核実験の事態を受けて、現在、政府・与党内で、いわゆる周辺事態法を発動すべきだとの意見が出ています。  そこで、改めてお伺いしますが、周辺事態法で言う周辺事態の認定は、だれがどこでどのような手続を経てなさるのですか。法的な面を分かりやすく御説明ください。
  198. 政府参考人(山本庸幸君)(山本庸幸)

    政府参考人山本庸幸君) お尋ねの件でございますが、まず、周辺事態法の第四条第一項におきまして、内閣総理大臣は、周辺事態に際して、次に掲げる措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、当該措置実施すること及び対応措置に関する基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならないとされているところでありまして、そして平成十一年四月二十六日に政府統一見解があります。それによりますと、ある事態が周辺事態であると判断され、法案、これは成立後のこの周辺事態法ですが、これに基づき特定の対応措置実施する必要があると認められる場合には、内閣総理大臣は、基本計画の案につき安全保障会議における審議を経て閣議の決定を求めることとなるとされております。
  199. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 外務省にお伺いしますけれども、一九九七年九月に合意された日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインの第五章、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合、すなわち周辺事態の協力の第一項に、周辺事態が予想される場合には、日米両国政府は、その事態について共通の認識に到達するための努力を含め、情報交換及び政策協議を強化するとあります。  したがって、周辺事態法が新ガイドラインの合意に伴う国内法として整備された経緯からいって、周辺事態という認識は日米両政府の協議によって行われることと理解してよろしゅうございますか。
  200. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) 周辺事態、この認定につきましては、その時々の状況を総合的に勘案するわけでございますけれども、あくまで我が国国益をいかにして確保するかという観点から主体的に判断するということが、今御指摘のありました政府統一見解、四月二十六日の統一見解の中にも書いてあるわけでございます。無論、米国と必要に応じていろんな情報交換、協議等は行うわけでございますが、判断につきましては我が国が主体的に判断をするということでございます。
  201. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 いま一つ外務省にお伺いします。  去る十月十二日、米陸軍の地対空ミサイル、パトリオットPAC3が沖縄の嘉手納基地に県民の強い反対を押し切って強行配備されました。  今回の配備の具体的な内容について米国側からいつ、どのようなルートで通告があったのか。また、その際、配備の目的についてどのような説明があったのか。政府は、その点について沖縄の地方自治体に対してどのような通達をいつの段階でやったのですか、お聞かせください。
  202. 政府参考人(河相周夫君)(河相周夫)

    政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。  パトリオットの配備に関してでございますけれども、これは本年の七月二十日に米政府はパトリオットを嘉手納飛行場等に配備をするという発表をしたわけでございますが、それに先立ちます七月十九日、今年の七月十九日になりますけれども、米側大使館等から外務省日本政府に通報があったわけでございます。  目的は、日本の平和、安全を守るため、なかんずく沖縄の県民の安全を守るということを目的に考えているということでございまして、こういう通報を受けまして、七月の二十日に防衛施設庁長官、それから外務省からも職員が同行いたしましたけれども、沖縄県、それから周辺自治体を訪問いたしまして、本件米側の決定というものを説明をさせていただくとともに、今後の作業手順でございますね、大まかに九月ごろから、いわゆる機材の搬入が始まるといったようなスケジュールについても御説明をしたところでございます。
  203. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  204. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  いったん速記を中止してください。    〔速記中止〕
  205. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) それでは速記を起こしてください。     ─────────────
  206. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国の活動に対して我が国実施する措置及び関連する国際連合決議等基づ人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎内閣官房長官
  207. 国務大臣(塩崎恭久君)(塩崎恭久)

    国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国の活動に対して我が国実施する措置及び関連する国際連合決議等基づ人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容を御説明いたします。  国際社会によるテロとの闘いにおいては、これまで我が国としても、同法に基づき、海上自衛隊の補給艦等をインド洋に派遣し、海上阻止活動に参加する艦艇に対する給油支援を行うなどの取組を行い、各国から高く評価されているところであります。  しかしながら、今日の状況を見ますと、テロとの闘いについては、一定の進展は見られるものの、アルカイーダ及びその関連組織やアルカイーダの影響を受けた細胞等の関与が疑われるテロ事件が世界各地で引き続き発生しており、国際テロの根絶は、依然として国際社会の大きな課題となっていることから、各国は、今後もテロとの闘いを継続する見通しであります。  このような中、我が国としては、国際協調の下、引き続き、国際社会の責任ある一員としてテロとの闘いに寄与していくことが重要であります。  この法律案は、このような状況を踏まえ、我が国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するため、平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊等の活動に対して我が国実施する措置及び関連する国際連合決議等基づ我が国が人道的精神に基づいて実施する措置を引き続き実施するものとし、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的として提出するものであります。  以上がこの法律案の提案理由であります。  この法律案の内容は、現行法の期限を更に一年間延長し、施行の日から六年間とするものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  208. 委員長(柏村武昭君)(柏村武昭)

    委員長柏村武昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時九分散会