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松岡国務大臣 西
先生にお答えいたします。
まず、この結果が
WTO交渉にも大きな
影響を与えるのではないか、
日本が今まで
主張してきた
立場というものが大きく崩れるのではないか、そういう御懸念を持った御
指摘だと
思いますが、先ほ
ども申し上げましたように、まさに、
WTOの
交渉では、我が
日本とそれから
オーストラリアというのは全く対極にある、そのようなことはもう全く御
指摘のとおりであります。
したがいまして、私
ども、
WTO交渉というのは、国を挙げて、これはもう国家を挙げて、それは、農産品の世界では我々の
主張を掲げて戦ってきたわけであります。それが、
EPAという二国間の
交渉によって多国間の世界での
立場が崩れるといったことは、これは
断固としてあってはなりませんし、また、そういったことは間違ってもないように、これはもう国を挙げて貫いていくということについては、これはここではっきりと
決意を持って申し上げておきたいと
思います。
それから、
農業が、
工業というか他の
分野の犠牲になっている、どうもそういう印象がぬぐえない、こういう御
指摘もございましたが、大体、
農業のサイドから見ますと、今まではそういった面がこれは往々にして強かった、私も、それはそのとおりであったと
思います。
したがいまして、今日までは、得るものは少なく、とられるものが多かった、その結果、このような
状況になってきた。これはいろいろないきさつ、プロセスがありますが、これも
一つの否めない事実だと思っております。
そこで、私
ども、攻めるところは攻め、譲るところは譲り、守るところは
断固として守る、今このような
方針でおりますが、先般から申し上げておりますように、
農産物の
輸出というのも、
日本農業の将来の道を切り開く大きな柱として取り組んでまいりたい、このような
方針でありますが、いかんせん、
オーストラリアとの
関係については、
先生方の御
指摘のとおりでありまして、私
ども、これはとにかく守り抜くことが基本である、重要である、こう思っております。
また、それに加えまして、
相手の方にも、我々が
指摘するもの、求めるものはしっかり求めていこうと思っております。というのは、検疫の問題、これは、
オーストラリアの検疫というものは極めて国際的にも厳しい基準でやっております。これは、向こうはどうするのか、これは我々としてはしっかり求めていかなきゃならぬし、攻めていかなきゃならぬと思っています。
また、もう
一つには、
WTOでも問題にいたしております
オーストラリアの
輸出体制の問題、
輸出国家
貿易の問題、こういった点も、これは私
どもの
主張としては、そういうあり方は全廃すべきであるという我々の
主張でありますから、こういったことにつきましても、
相手はこれはどのように対応してくるのか、こういった点もしっかり求めて、また、攻めていくのは攻めていかなきゃならないと思っております。
いずれにいたしましても、先ほどの
赤城先生のときにも申し上げましたように、私
どもは、この足場をしっかりと強固にして、そして、
先生方御
指摘の懸念がない、こういった方向を必ずかち取れるように、そういった形で
交渉に向かってまいりたい、このように思っております。