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松岡国務大臣 それでは、ただいま
近藤先生から御
指摘がございました点につきまして、お答えをさせていただきます。
その前に、今、
近藤先生、自民党の
農林部会長に御就任をされたということでございますが、本当におめでとうございます。また、これまでも随分、
野菜対策等の小
委員会の
委員長としても頑張ってこられたわけでありますけれども、今度は
農林全体の
まとめ役としてしっかり頑張っていただけるものと思っておりますが、まず、
先生にもいろいろこれから
農林水産行政全般にわたってお世話になると
思いますので、よろしくお願いいたします。
そこで、今御
指摘がありました点でございますが、
安倍総理も
所信表明におきまして、
農林水産業は二十一
世紀の
戦略産業として大きな
発展の
可能性を秘めている、このようなとらえ方で位置づけられたわけでございますが、私も、それを受けまして、しっかりその
方向に向かって取り組んでいかなければならないと思っております。
その
戦略産業としての
方向性の中で、では、具体的にはどういったことがその
中身としてあるのか、こういうことでございますが、まず
一つには、この
農産物、
農林水産物全体でもございますが、なかんずく
日本の
農産物、これを一大
輸出産業化していく、このようなことを
一つの大きな
方向として求めてまいりたい、こう思っております。
では、なぜそういったことが可能か、こういうことでございますけれども、今
世界にありましては大変な
日本食ブームだということが大きな背景としてあると
思います。これが
一つでございますが、私自身、ずっと党にありまして
農林関係を中心にやってまいったわけでございますが、私も
国会に出させていただいてからもう十七年になりますけれども、
最初のうちはとにかく
日本の
農業は守ることが
基本だ、このように思って取り組んでまいりました。
きょう
山本副
大臣もお見えでございますが、ウルグアイ・ラウンドのとき、
平成五年でございましたが、
細川内閣のときでございましたけれども、米の
自由化がなされる、こういうことで、この
国会の前に我々は座り込んで、後にも先にも
国会に座り込んだのは初めてで、今のところ最後になっておりますけれども、そこまでしてやって、とにかく守らなきゃいけない。なぜ守らなきゃいけないかというのは、外国は非常に大きな大
農業でございまして、それからいたしますと
日本の
農業は非常に
規模の小さい小農といいますか、だから、大きくてそして強い、それに対して
日本の
農業は小さくて弱いから守らなきゃ守れないんだというような
思いがずっとあったわけであります。それから十数年たちまして、この四、五年ですか、これは果たして守り切れるかなというのが偽らざる
思いでございまして、守っておっただけではだんだんだんだん少しずつ、ちょっとずつこれはやはりしりすぼみというか弱くなっていってしまう。
そこで、これは本当に弱いのかな、こう思ってみますと、まずその前に、何でこれじゃしりすぼみかといいますと、
日本農業のお得意さんというのは
日本の
国民の
皆様の
胃袋なわけですね。この
胃袋は大きくなるのかな小さくなるのかな、こうやってみますと、
少子化等いろいろ
考えれば、これは大きくなることはちょっと
考えられない。そうなると、お店でいうなら、
お客さんが減っていってしまうお店になってしまう。これでは将来がちょっと危うい。こういうことから、では、
お客さんをふやすにはどうしたらいいか。これはやはり
世界の
胃袋、ましてお隣には十五億という中国の方々の巨大な
胃袋がございまして、そこがまたどんどんどんどん
経済発展で物すごい、食
生活も大変な伸びで、これが高度化してきておる。こういった
状況をこれは黙って見ている手はないな、これが
思いでございます。
そして、本当に弱いのかなということについては、確かに大きさとかそういった点では、経営的な
規模とかでは負けるんですけれども、物のよさ、品質のよさ、こういった点についてはどこにも負けないすばらしいものを持っている。それでは、この物のよさ、強さで勝負しよう。これが、これに取り組もうと思ったわけでありました。
もう四、五年になりますかね、私も、今はいろいろ名称を変えて
発展させまして、
日本の
農産物等を飛躍的に
発展させる会をつくって、今私は会長を仰せつかっていますが、
近藤先生はそこの
幹事長でございまして、ずっと
輸出に取り組んでまいりました。そこで、これを大きな柱として突き詰めていこうと。
ただ、
課題もいっぱいございます。
輸出条件というものをどう
確保していくか。
日本は守ることを一生懸命やってきましたから、出すということは余り念頭に置いていませんでした。だから、ある国から
日本に米は来るけれども、その国に
日本からは米はまだ行くことができない。ある国から
日本に肉は来るけれども、
日本からそこには肉は行けない。こういう一方通行の、片側通行的な
状況になっているのも結構ございます。
したがって、こういう
検疫条件、
輸出の
条件、こういったものをどうしっかりと
獲得していくか、こういう交渉を今後積極的にやらなければならない、WTOの場でもそういったことを目指さなきゃならない。今までは守りでしたが、これからは
攻めで、そういったことをしっかり目指していく、こういうことを思っております。
そして、これを
平成二十五年には、今三千億円台のものを一兆円まで乗せる。そういたしますと、今米の総売り上げが約二兆円ですから、米の半分はひとつ海外への
輸出で
獲得をしよう、それくらいの
目標を持って進んでいこうということでございまして、そういったようなことで、具体的にはいろいろな方策がこれからまだまだ必要でございます。
どうやって
世界のこの
日本食ブームという
状況を生かしていくのか。それには、ブランド化したりいろいろなことをして、場合によっては
世界の
日本料理店の
格付、こういったこともしっかりと目指しながら、本当に、形だけが
日本じゃなくて
中身もやはり
日本であるというようなことを、
格付等によってしっかりと
世界にそういったものを定着させていくことも大事だと思っております。
それから、
バイオマスでございますけれども、これも、これからの
日本農業、二十一
世紀における
戦略産業としての
方向を目指す中で大きな柱の
一つであります。これにつきましては、今までの
食料生産といったような領域を超えて大きく
展開を図れる
分野だと思っております。
といいますのは、これまた地球全体が今環境問題に苦しんでおります。大変な
状況になってきております。今
温暖化と言われておりますけれども、
日本の
環境問題研究所では、この二十一
世紀には最高四・八度ぐらい温度が上がるんじゃないかという研究結果もありますし、また、
世界の
気候変動パネルでは、いや五・八度ぐらいまで行くと。いずれにしても、四・八とか五・八とかになりますと五度から六度上がる。五度から六度上がってしまったらシベリアも
砂漠になってしまうわけでありまして、昔はそういう事態だったんです。六度も違ったら
砂漠なんです。
だから、そういったことを
考えますと、
温暖化というのはもう人類の死活問題。そういう
意味から、どうやって
CO2を減らすか、それには、
化石燃料依存から、これもまた緑の
エネルギー、
クリーンエネルギーへと
転換をしていくことがもう待ったなしで求められております。そういう
課題、問題に対応できるということが
一つ。それから、
エネルギー確保、こういった面でも、新たな
エネルギー源の
獲得、そういう大きな戦略的な
意味を持っております。
したがいまして、そこに
農業の今までになかった大きな役割、将来というものが私はあると。そこに向かってしっかりと取り組んでいく。来年度
予算におきましても、いよいよ
バイオマスエネルギーの
実用化に向けた具体的な
予算措置をして、そして
取り組みをしっかりと強化していく、こういう
考え方でおりまして、今
先生から御
指摘ございました
輸出と
バイオマス、どのような
認識に立ってどう進めていくのかということでございますが、
基本的なことを申し上げますと、ゆっくり、しっかり言えということでしたので、しかし、これ以上言いますと時間がなくなってしまいますので、このあたりでとめさせていただきますが、以上でありますので、よろしくお願いします。