○亀井(久)
委員 直接はお答えいただけなかったんですが、
会長の方は大変謙虚に今受けとめられたなというように思っております。
皆様方あるいは御承知かもしれませんけれども、大変残念なことでございますが、
NHKの総合評価というのは百三十六番目でございます。私、これを見て愕然といたしまして、皆様の
NHKと言われているわけでございますが、今回のこの
調査が
国民全体の評価であるかということについては異論があるかもしれませんけれども、やはり相当の権威のあるこうした雑誌において総合評価がそこまで低いのかということに愕然としたわけです。
その中で、いろいろな評価項目がございますけれども、
経営陣への評価ですね、
経営能力がどうなんだというその評価が実に百四十一番目、最下位ですね。それから、自己革新力がどうなのかという評価、これも百四十位です。それで、公共
放送として安定した
経営を続けているはずですから、長期的な安定性、そういう評価はかなり高いのが当たり前だと思うんですが、それでも百二十三位という評価ですね。一番深刻だなと思いますのは、今の
経営能力の評価以上に、広告宣伝・自己PRの評価という項目があるんですが、これがやはり百四十一位なんですね。
私は、
放送メディアというものは、
情報をいかにして
国民に正しく伝えていくか、また
NHKの公共
放送としての役割というものを
国民にいかにPRしていくかということが一番大事だと思っておりますけれども、そのことに対する評価が百四十一番、最下位ということ、私は、これは一般の
企業でしたら、もう
経営陣が総退陣を迫られるような、そういう事態ではないかと思うんです。
そのことを
前提にして若干お
伺いしたいと思いますが、先ほど来、菅
総務大臣が先般出された
命令放送のことでございますけれども、私は、菅
総務大臣にもこの間質問のときに申し上げたし、また竹中
総務大臣にも、相当しつこいと思いましたが、公共
放送としての
NHKのあり方、スタンスについて私の
意見を申し上げたわけでありまして、先ほどBBCの話がありましたが、私、竹中
大臣にも、BBCのとってきた道、また
NHKの今日に至るまでとってきた道筋ということについてもお話をした上で、やはり
NHKのあり方として、権力に対する一定の距離を保つという、そのことが
国民の
信頼を得るために絶対に必要なことだということを申し上げてきたわけであります。
今、国際
放送全体のあり方について
情報通信審議会の方で
議論をしておられるようでありますし、それを踏まえて法案を提出されるというようなことも聞いているわけでございますけれども、この権力との一定の距離の保ち方というのは、
NHKサイドにとっても重要なことですけれども、それを所管されている
総務省、
総務大臣としても、やはり
NHKの公共
放送としての役割と責任というものは絶えず
意識をしておられるべきだと思うんですね。ですから、せっかく今全体としてそういう
議論があるときですから、何も急いで、
法律にあるからといって国際
放送の
命令を出すというようなことは私は控えられるべきではなかったのかな、もっと慎重にされるべきではなかったのかな。
一般の方々に聞いておりますと、何か
NHKというのはいつの間に国営
放送になったんだというような受けとめ方をされる向きもあるわけですから、そこのところは、これ以上は申し上げませんが、私の
意見として、やはり
総務大臣としても、
NHKのとってきたスタンスというもの、これをお互いに守っていくんだという
意識がないと、私は
NHKの将来はますます大変なことになると思いますので、あえて苦言を呈しておきたいと思います。
それから、もう
一つ、
経営委員会のことでございます。
経営委員会がこれから
NHKにとって大変重要な存在になるということは、先般来、私申し上げてきているわけでございますけれども、今、
経営委員会のあり方についても
情報通信審議会の方でまた幅広く検討されるということを聞いておりますけれども、私は、
経営委員会というのは、どうも地方におりますと、各地方からも
経営委員の方は出られますけれども、いずれもいわば名誉職としてやっているんだという、そんな
意識が定着をしてきているように思います。
私は、今こそ
経営委員会の存在というものがしっかりとしていかなくてはいけないと思いますし、また、
経営委員会の
委員長を含め
委員の方々が兼職で務めておられるということに大きな問題があるということも
指摘をしているわけでございまして、そのこともいずれ結論は出てくると思いますし、また専任の事務局がなかったということについても、これでは
経営委員会の能力が発揮しようがないわけで、執行部の方々の決められたことをただ追認するとかオーソライズするとか、その程度の役割しか果たしていないということでは、本来の
経営委員会の役割というのは果たせないだろうというように私は思います。
そこに加えて、御承知のとおり、今の
経営委員長さんは保険業界のリーダーですよね。また、東京海上日動のトップでもあるわけでございますけれども、今保険業界で大きな
国民的な関心事というのは、保険金の不払いの問題でしょう。これがどんどんどんどん広がってきている。一社ではとどまらずに、どんどん広がってきているということで、これは私は、どうも、今その広がり方を見ておりますと、何か過ってそういうことをやったということではなくて、組織的にそうしたことが行われてきたのではないかという疑いすら持ち始めているわけでございますが、将来これは訴訟問題に発展をしてくる可能性だってあるわけですね。
そういう保険業界のリーダーの方が
NHKの
経営委員会の
委員長に座っておられて果たして、
NHKの今これだけの非常事態、さっきの
企業ランキングにもあらわれましたように、
企業であればもう倒産寸前になりかかっている、そういう評価を
国民からも受けている。その
NHKの
経営に深く関与をしている
経営委員長さんが、自分の本業の方で降りかかった火の粉を払うのに精いっぱい。そういうような
状況の中で、本当に
経営委員会のあり方というものを健全化できるのかどうか、そのことについて私は大変強い懸念を持っているわけでございますが、そのことについての
総務大臣の御見解と
会長の御見解を承りたいと思います。