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2006-12-08 第165回国会 衆議院 総務委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年十二月八日(金曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 佐藤  勉君    理事 岡本 芳郎君 理事 谷  公一君    理事 谷畑  孝君 理事 林  幹雄君    理事 武正 公一君 理事 寺田  学君    理事 谷口 隆義君       あかま二郎君    新井 悦二君       井澤 京子君    石田 真敏君       今井  宏君    浮島 敏男君       岡部 英明君    鍵田忠兵衛君       亀岡 偉民君    川崎 二郎君       木原  稔君    木挽  司君       坂井  学君    実川 幸夫君       篠田 陽介君    鈴木 馨祐君       関  芳弘君    田中 良生君       土屋 正忠君    土井  亨君       萩生田光一君    萩原 誠司君       橋本  岳君    林   潤君       福岡 資麿君    福田 康夫君       福田 良彦君    渡部  篤君       逢坂 誠二君    後藤  斎君       下条 みつ君    田嶋  要君       高井 美穂君    西村智奈美君       福田 昭夫君    森本 哲生君       伊藤  渉君    谷口 和史君       吉井 英勝君    重野 安正君       亀井 久興君     …………………………………    総務大臣         菅  義偉君    総務大臣        田村 憲久君    総務大臣政務官      谷口 和史君    総務大臣政務官      土屋 正忠君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  原  勝則君    政府参考人     (内閣官房内閣審議官     兼郵政民営化委員会事務局長)         木下 信行君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  藤井 昭夫君    政府参考人    (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  岡本  保君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局長)            森   清君    政府参考人    (総務省郵政行政局長)  須田 和博君    参考人    (日本郵政公社総裁)   生田 正治君    参考人    (日本郵政公社理事)   佐々木英治君    参考人    (日本郵政公社理事)   西村 清司君    参考人    (日本郵政公社理事)   藤本 栄助君    参考人    (日本郵政公社理事)   岡田 克行君    参考人    (日本郵政公社理事)   間瀬 朝久君    参考人    (日本郵政公社理事)   斎尾 親徳君    参考人    (日本郵政公社常務執行役員)           塚田 為康君    参考人    (日本郵政公社執行役員) 松本 正春君    参考人    (日本郵政株式会社代表取締役社長)        西川 善文君    参考人    (日本郵政株式会社代表取締役社長)       團  宏明君    参考人    (日本郵政株式会社執行役員)           伊東 敏朗君    参考人    (日本郵政株式会社執行役員)           白金 郁夫君    参考人    (日本郵政株式会社執行役員)           白川  均君    参考人    (日本郵政株式会社執行役員)           高橋  亨君    参考人    (日本郵政株式会社執行役員)           篠田 政利君    総務委員会専門員     太田 和宏君     ————————————— 委員の異動 十二月八日  辞任         補欠選任   あかま二郎君     浮島 敏男君   岡部 英明君     坂井  学君   土井  亨君     新井 悦二君   葉梨 康弘君     篠田 陽介君   萩原 誠司君     木原  稔君   橋本  岳君     福岡 資麿君   安住  淳君     高井 美穂君   後藤  斎君     下条 みつ君   江田 康幸君     伊藤  渉君 同日  辞任         補欠選任   新井 悦二君     土井  亨君   浮島 敏男君     あかま二郎君   木原  稔君     萩原 誠司君   坂井  学君     亀岡 偉民君   篠田 陽介君     林   潤君   福岡 資麿君     橋本  岳君   下条 みつ君     後藤  斎君   高井 美穂君     安住  淳君   伊藤  渉君     江田 康幸君 同日  辞任         補欠選任   亀岡 偉民君     岡部 英明君   林   潤君     鈴木 馨祐君 同日  辞任         補欠選任   鈴木 馨祐君     葉梨 康弘君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  郵政事業に関する件(日本郵政公社平成十七年度財務諸表承認に関する報告)  日本郵政公社平成十七年度財務諸表に関する件      ————◇—————
  2. 佐藤勉

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、特に日本郵政公社平成十七年度財務諸表承認に関する報告について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本郵政公社総裁生田正治君、理事佐々木英治君、理事西村清司君、理事藤本栄助君、理事岡田克行君、理事間瀬朝久君、理事斎尾親徳君、常務執行役員塚田為康君、執行役員松本正春君、日本郵政株式会社代表取締役社長西川善文君、代表取締役社長團宏明君、執行役員伊東敏朗君、執行役員白金郁夫君、執行役員白川均君、執行役員高橋亨君及び執行役員篠田政利君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤勉

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原勝則君、内閣官房内閣審議官郵政民営化委員会事務局長木下信行君、総務省自治行政局長藤井昭夫君、自治行政局選挙部長久元喜造君、自治財政局長岡本保君、総合通信基盤局長森清君及び郵政行政局長須田和博君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤勉

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  5. 佐藤勉

    佐藤委員長 まず、総務大臣から説明を聴取いたします。菅総務大臣
  6. 菅義偉

    菅国務大臣 日本郵政公社平成十七年度財務諸表につきまして、その概略を御説明申し上げます。  本件は、日本郵政公社法第六十四条第二項の規定により、日本郵政公社が提出した財務諸表について承認した旨を国会に報告するものであります。  まず、日本郵政公社全体ですが、貸借対照表については、平成十八年三月三十一日現在、資産合計三百六十九兆四千八百十三億円、負債合計三百六十兆二千百四十九億円、資本合計九兆二千六百六十三億円となっております。損益計算書については、経常収益二十三兆六百十二億円、経常費用二十兆三千九百四十三億円、経常利益二兆六千六百六十九億円、当期利益一兆九千三百三十一億円となっております。  次に、郵便業務ですが、貸借対照表については、資産合計二兆千六百九十四億円、負債合計二兆六千九百三億円、資本合計マイナス五千二百八億円となっております。損益計算書については、営業利益百四十七億円、経常利益百五十一億円、当期利益二十六億円となっております。  次に、郵便貯金業務ですが、貸借対照表については、資産合計二百四十七兆七千四百九十七億円、負債合計二百四十兆七千七百十一億円、資本合計六兆九千七百八十六億円となっております。損益計算書については、経常利益二兆三千三百十七億円、当期利益一兆九千三百四億円となっております。  最後に、簡易生命保険業務ですが、貸借対照表については、資産合計百十九兆九千六百二十三億円、負債合計百十七兆千五百三十七億円、資本合計二兆八千八十五億円となっております。損益計算書については、経常利益三千二百億円、契約者配当準備金繰入額千五百二億円となっております。  なお、監事及び会計監査人意見を記載した書類においては、いずれも、監査の結果、財務諸表等平成十七年度の日本郵政公社財産等状況を正しく示しているものと認められております。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  7. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本郵政公社総裁生田正治君。
  8. 生田正治

    生田参考人 おはようございます。  ただいま議題となっております日本郵政公社平成十七年度の財務諸表並びに監事及び会計監査人意見概要につきまして御説明申し上げます。  まず、公社全体の貸借対照表について申し上げます。  平成十七年度末の資産合計は三百六十九兆四千八百十三億五千二百万円でございます。一方、これに対する負債合計は三百六十兆二千百四十九億八千四百万円でございます。その結果、資産合計負債合計差額である資本合計は九兆二千六百六十三億六千七百万円となっております。  次に、公社全体の損益計算書について申し上げます。  まず、経常収益は二十三兆六百十二億九千九百万円でございます。次に、経常費用は二十兆三千九百四十三億二千五百万円でございます。以上の結果、経常利益は二兆六千六百六十九億七千四百万円となりました。これに特別損益を加え、さらに簡易生命保険業務契約者配当準備金繰入額を差し引いた結果、当期利益は一兆九千三百三十一億千七百万円となりました。  この当期利益一兆九千三百三十一億千七百万円は、全額利益剰余金として資本に積み立てました。このほか、資本にその他有価証券評価差額金として二兆五千二百四十七億六百万円を計上したため、資本合計は九兆二千六百六十三億六千七百万円となっております。これにより、自己資本比率、これは総資産額に占める資本総額の割合でありますが、公社設立時の〇・三%から二・五%となっております。  続いて、郵便業務郵便貯金業務及び簡易生命保険業務のそれぞれの業務区分ごと貸借対照表及び損益計算書について申し上げます。この業務区分ごと貸借対照表及び損益計算書は、公社全体の貸借対照表及び損益計算書の内訳という位置づけとなっております。  まず、郵便業務について申し上げます。  当年度末の郵便業務区分に係る資産合計は二兆千六百九十四億七千六百万円でございます。一方、これに対する負債合計は二兆六千九百三億五千二百万円でございます。その結果、資産合計負債合計差額である資本合計マイナス五千二百八億七千五百万円となっております。  次に、郵便業務区分に係る損益計算書について申し上げます。  まず、営業収益は一兆九千九十億三百万円でございます。次に、営業原価は一兆七千九百二十三億二千四百万円、販売費及び一般管理費は千十九億二千八百万円でございます。以上の結果、営業利益は百四十七億五千百万円となりました。これに営業外収益九十三億千九百万円を加え、営業外費用八十九億三百万円を差し引いた結果、経常利益は百五十一億六千七百万円となりました。さらに、特別損益を加えた結果、当期利益は二十六億八千万円となりました。  この当期利益二十六億八千万円は、全額利益剰余金として資本に積み立てましたが、資本は、依然として五千二百八億七千五百万円の債務超過となっております。  引き続いて、郵便貯金業務について申し上げます。  まず、当年度末の郵便貯金業務区分に係る資産合計は二百四十七兆七千四百九十七億七千七百万円でございます。これに対する負債合計は二百四十兆七千七百十一億七百万円でございます。その結果、資産合計負債合計差額である資本合計は六兆九千七百八十六億六千九百万円となっております。  次に、郵便貯金業務区分に係る損益計算書について申し上げます。  まず、経常収益は四兆五千三百十五億千二百万円でございます。次に、経常費用は二兆千九百九十七億八千万円でございます。以上の結果、経常利益は二兆三千三百十七億三千二百万円となりました。これに特別損益を加えた結果、当期利益は一兆九千三百四億三千七百万円となりました。  この当期利益一兆九千三百四億三千七百万円は、全額利益剰余金として資本に積み立てました。このほか、資本にその他有価証券評価差額金として、マイナス二千四百十二億五千四百万円を計上しました。その結果、資本合計は六兆九千七百八十六億六千九百万円となっております。  引き続いて、簡易生命保険業務について申し上げます。  まず、当年度末の簡易生命保険業務区分に係る資産合計は百十九兆九千六百二十三億三千九百万円でございます。これに対する負債合計は百十七兆千五百三十七億六千六百万円でございます。その結果、資産合計負債合計差額である資本合計は二兆八千八十五億七千三百万円となっております。  次に、簡易生命保険業務区分に係る損益計算書について申し上げます。  まず、経常収益は十六兆六千七百二十一億八千三百万円でございます。次に、経常費用は十六兆三千五百二十一億一千万円でございます。以上の結果、経常利益は三千二百億七千三百万円となりました。なお、内部留保として九千三百十八億九千三百万円を積み増し、契約者配当準備金に千五百二億八千万円を繰り入れました。  資本合計については、設立資産負債差額四百二十六億千二百万円に加え、その他有価証券評価差額金として二兆七千六百五十九億六千百万円を計上いたしましたことから、二兆八千八十五億七千三百万円となっております。  なお、監事及び会計監査人意見書では、監査の結果、財務諸表公社財産損益等状況を正しく示しているものと認められております。  これをもちまして、概要説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。  ありがとうございました。
  9. 佐藤勉

    佐藤委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————
  10. 佐藤勉

    佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。
  11. 谷公一

    谷委員 自由民主党の谷公一でございます。  二十分という限られた時間でございますけれども、何点か質問をさせていただきたいと思います。  来年十月の民営化を前に、一年を切り十カ月となったわけであります。ぜひ、私としては、後世の方々から、成功であった、当時の政治家がよく決断した、国の将来にとってプラスであった、そういう民営化になってほしいし、またそういう民営化にしなければならないというふうに思っているところでございます。  そういう思いを持ちながら、しかし、若干気がかりな点もなきにしもあらずであります。  それは、来年の民営化が成功するかぎに、関係者の方が元気よく、元気な気持ちでスタートできるかどうかということでございますけれども、一部に、元気はもう一つだ、どちらかというと先行き不安の声が多いという声も聞こえます。  具体的に言えば、民営化を前にして、少なくない職員がやめたいという希望を持っている。しかも、管理職である特定郵便局長などは、数字だけを見ますと例年の三倍以上もの方が辞職する予定だというような話も聞こえてきます。これは、民営化という初めて経験する激変、大きな変動へのおそれといいますか、そういったものもあろうかと思いますけれども、まず、公社総裁として、生田総裁はこういう事態をどう見ておられるのかということをお尋ねしたいと思います。その後で、所管大臣の菅大臣の見解、お考えもお伺いしたいと思います。
  12. 生田正治

    生田参考人 お答え申し上げます。  今、先生の、よい民営化に何が何でもしなきゃならないという熱い思いを伺いまして、私も全くそういう気持ちでやっておりますので、大変力強く思います。  今先生がおっしゃいましたように、職員の中にもちろん不安がないわけじゃないので、もちろんございますし、退職希望者もかなり出ているということも事実でございます。十九年三月の高齢者に対する勧奨退職、これに応募している職員は今約一万三百人ございまして、そのうち特定郵便局長は約二千三百人、こういうことでございます。先生指摘のように大体例年の三倍なんですけれども、何か大きく変わるときはかなりの方が退職するという慣行がございまして、公社化するときも二倍やめているんですね。それよりも今度は多いということだと思います。  これは、公社においていわゆる団塊の世代というものに当たる職員がかなりいるわけでありますが、極端に多いわけじゃないんですが、結構いますが、これも一つの要因だろうと思います。それから、今回、その年齢層職員に、高齢者勧奨退職希望していることが理由になっていることに加えまして、公社の間に行う最後勧奨退職ということでございまして、一つ区切りで、将来そういう制度がどうなるのかという不安もありましたから、そういったことも感じながら、今回やめていこうと。それともう一つは、民営化になりますと、非常に仕事が専門化いたしますし複雑化しますので、この辺が区切りかなというふうに思った人たちも多いんじゃないかというふうに考えております。  いずれにしましても、私どもといたしましては、そういうことによって事業に支障が生じるようなことがあっては申しわけないことでございますので、それをどういうふうにカバーしていくかということにつきましては、種々万全の対応策を現在考えているというところでございます。  こうしたことから、会社の将来の制度運営方法をできるだけ早く職員に提示して、日本郵政株式会社と協力いたしましてその辺を早く提示して、職員の不安を払拭する、明るい展望を持ってもらうことが肝要だろう、このように考えております。
  13. 菅義偉

    菅国務大臣 私も、郵政民営化担当大臣として、この民営化というものを円滑にスタートさせて、結果的には、国民皆さんから、民営化してよかった、そう言ってもらえるように全力で取り組んでいきたいというふうに思います。  また、御指摘のありました特定郵便局長であります。特定郵便局長皆さんが、地域に根差して、非常に地域から信頼のある方がたくさんいらっしゃることも私は理解をしております。いずれにしろ、こうした局長の協力なしに成功することはできない、私はこうも思っております。  そういう意味におきましては、職員皆さんの働きやすい環境づくり、そしてまた、職員皆さんも、将来にわたってこの会社というものを自分でつくっていくんだ、そういう士気の高揚、そうしたものができるような環境に私も全力で取り組んでいって、結果的には、かつて国鉄がJRになったときに国民皆さんが、民営化して変わった、サービスも変わった、いろいろな意識も変わったとすぐ言われたわけでありますけれども、そうした、民営化して本当によかった、そう言ってもらえるような会社になるように私も全力で取り組んでいきたいと思います。
  14. 谷公一

    谷委員 ありがとうございます。ぜひ、円滑な民営化といいますか、そして、民営化してよかった、そう言われるような、評価されるような郵政民営化であっていただきたいと思います。  きょうは日本郵政株式会社からも来ていただいております。この際、確認しておきたいことがございます。  郵便局株式会社は、ほかの三つ事業会社から業務を委託されて、その手数料収入をもって経営を維持していく、そういうスキームが基本なわけでありますけれども、そうなりますと、会社間の業務受委託関係が長期安定的に継続していくのかどうか。移行期間の後は経営者の判断にゆだねられることになるわけでございますけれども、将来、経営事情からこの郵便局ネットワークが危うくなったり、あるいは雇用の不安につながったり、結果的に国民に不便を強いることにならないか。現在、集配機能の再編と絡めて、一部にやはり心配だという声があることも事実でございます。  日本郵政株式会社考えをこの際確認しておきたいと思います。
  15. 白川均

    白川参考人 お答え申し上げます。  日本郵政株式会社におきまして、三つ事業会社郵便局会社受委託関係でございますけれども、これにつきましては、一つは、郵便事業会社におきましては、郵便窓口業務郵便局会社に委託する義務が課されております。二つは、郵便貯金銀行それから郵便保険会社につきましては、みなし免許の条件として、長期安定的な代理店契約等を結ぶこととされております。これらの契約は、いずれも郵便局会社相手方として締結されることともされております。  また、郵便貯金銀行郵便保険会社お客様をカバーするためには、全国郵便局ネットワーク代理店として活用することが不可欠でございます。したがいまして、移行期間経過後も、こういう事情がございますので、郵便局会社相手方として代理店契約等が締結されまして、これまでと同様、全国津々浦々の郵便局お客様貯金保険サービスを提供していくことになるというふうに考えております。  したがいまして、将来、郵便局の配置、郵便局ネットワークが危うくなったり、雇用不安につながったり、国民皆さんに御不便をおかけするような事態は生じないものと考えております。  以上でございます。
  16. 谷公一

    谷委員 わかりました。改めてその点を確認させていただきました。  実は、今後のビジョンとして新・郵便局ビジョンというのを先月の三十日に会社の方は示されたわけでございますけれども、郵便局あり方についての基本的な考え方、それを示されたわけでございますけれども、実は、郵政公社の方でも以前、郵便局改革マスタープランというのをつくっておられる。私が見るところ、基本的に大きな変更はないと思うわけでございますけれども、一部組織を除いて、組織あり方も含めて、公社が前に作成した郵便局改革マスタープランと大きな変更はないという理解でよろしいでしょうか。簡単な返事で結構でございますので、お願いします。
  17. 白川均

    白川参考人 日本郵政株式会社が取りまとめをいたしました新・郵便局ビジョンでございますけれども、これは、公社郵便局改革マスタープランの経緯を踏まえまして、新たに誕生する郵便局会社郵便局の基本的なあり方を取りまとめたものでございます。  新・郵便局ビジョンは、各郵便局自律性を高めていくための仕組みとして、郵便局をグループ化した中間組織、それから郵便局長人事制度の大枠を示したものでございます。中間組織機能等については、公社マスタープランとやや異なっておるということではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  18. 谷公一

    谷委員 今答弁がありましたように、前の公社郵便局改革マスタープランにおける人事、任用とか転勤とか定年とか給与はほとんどそのままだと思うんですけれども、組織が、以前の郵便局改革マスタープランでは、営業推進グループ、主に都道府県単位エリア統括本部、そういう考え方で、今回は地区グループ地域グループという考え方を持ち出している。そしてそのトップは、今回の新・郵便局ビジョンでは、地域グループ地区グループは「ふさわしい郵便局長をその責任者に充てる」ということで、ここは変わったのかな。  これは話し合いの結果なのか、ちょっとその辺、何が一番変わっているのかということについて、白川執行役員にお尋ねしたいと思います。
  19. 白川均

    白川参考人 先生指摘のように、新・郵便局ビジョンにおきましては、十三の支社体制のもとで円滑な運営に資するために、地区グループ地域グループを設けるということにいたしております。  地区グループは、少人数の郵便局が共通の営業活動や業務の研究それから休暇等の際の人員の調整を行えるようにするために、十ないし二十局程度をまとめた組織として設置するもので、ふさわしい郵便局長責任者として充てるということにしてございます。  公社マスタープランにおきましては、規模的にこの地区グループに相当するものはおっしゃられる営業推進グループというふうに考えられます。これは、近隣の郵便局が連携協力して営業に取り組めるようにするということを目的としたものだというふうに思っております。  それから、新・郵便局ビジョンにおきましては地域グループがございまして、十程度の地区グループをまとめまして全体の活動の円滑化を図り、また、地域を代表して支社へ意見具申を行うというような組織として設置するものでございます。そして、ふさわしい郵便局長をその責任者に充てるというものでございます。  一方、公社マスタープランにおきましては、支社にかえて、原則として都道府県単位エリア統括本部を設置する。そして、エリア統括本部の区域をエリアに区切って、専任のエリア担当部長等を置くということでございます。エリア部の中では、各エリアの営業・業務推進管理、損益管理を担当するということでございます。  したがいまして、地域グループとエリア部とは、グループ単位で損益管理を行うかどうか、また専任の責任者を充てるかどうかという点で異なっているのではないかというふうに思っております。  なお、地域グループにつきましては、新・郵便局ビジョンにおきましても、「将来は、地域内の経営責任を負う専任の役職を置くことを検討する」ということにいたしております。  以上でございます。
  20. 谷公一

    谷委員 この組織がやや、今の特定郵便局長会といろいろあったようでございますけれども、しかし、民営化については、いずれにしても、特定郵便局長の方々も含めて協力していただかなければならない。しかし、そういう局長さんたちの力もうまく引き出すというか活用してこそすばらしい民営化ができるのではないかと私自身は思っているところでございます。  次の質問に移ります。  現在、集配機能の再編ということで、いろいろ公社の方は努力されているわけでございますけれども、相当、関係自治体への説明も済んで、理解を得ているやに聞いておりますが、直近の状況について、周辺自治体の理解がどの程度まで進んでいるのかという点についてお尋ねしたいと思います。
  21. 塚田為康

    塚田参考人 お答え申し上げます。  自治体への説明状況でございますけれども、これまで、集約に関係いたします六百六十七の自治体のうち九割に当たる五百九十一の自治体には御理解をいただいておりますけれども、現在、御理解いただけない自治体が全体で七十六ございます。このうち五十五の自治体におきましては、地域住民への説明もしてよろしいということでございまして、自治体の施設等を借りるなどいたしまして、順次、住民説明会を開催しているという状況でございます。ただ、二十一の自治体におきましては、まだ地域への説明もすることはならぬということになっておるということでございます。
  22. 谷公一

    谷委員 それでは、最後生田総裁にお尋ねしたいと思います。  今の集配機能の再編とか、あるいは局舎の買い取り、業務の拡大等々、また利益も確保しなければなりませんし、民営化まであと十カ月を切ってはおりますけれども、まだ残された課題というのはさまざまにございます。真っ向勝負で新たな風を吹き込んでいただいて頑張っておられる生田総裁に、残り一年を切って十カ月になった今の時点での公社トップとしての決意を最後にお伺いしたいと思います。
  23. 生田正治

    生田参考人 昨年十月十四日に法案が可決されまして、すぐに私は四つの原則を示しました。準備のための原則。  一は、来年の十月一日に確実に民営・分社化が成功裏に実現するように万全を期する。六カ月間の猶予期間は使わない覚悟でいく、それは天変地変用である。  それから二に、関連する法律、附帯決議、国会答弁、これはすべて遵守する。これは、地域との共生とか国民の生活インフラを守るというようなことが主になります。郵便局ネットワークを維持することもその一つであります。  それからもう一つは、郵便局会社というのは、世界に類を見ない、政府の強い御要請でできた新しいビジネスモデルです。それだけに、チャレンジングではあるけれども、困難もあると思います。だけれども、せっかくそうしてできた世界に類を見ない製販分離の新しいビジネスモデルですから、これを確実に成功させるようにしっかり制度設計をする。  それから四番目に、本当は民営・分社化に必要なシステム開発というのは四千二百万ステップスもありまして、五年かかるんです。それを二年で、来年の九月末まででできる千七百万ステップスで、とにかく暫定対応でスタートせよという政府の方針でしたから、これは、できない部分は政府に法的・行政的セーフガードを張っていただく前提でお受けすることになっております。千七百万ステップスというのもなかなか膨大な作業でございますので、これは貫徹しようということで、それをキーワードに、日本郵政株式会社ができた後はその考え方も共有してもらいまして、現在、その覚悟で全員で努力しているところでございます。  いろいろな具体的な問題はさておきまして、私自身として心に深く思っているのは、まず、民営化準備ももちろんやるんですけれども、それと並行して、公社の間で今立てているアクションプラン、行動計画というものを完遂していく、それが健全な民営・分社化に直結していく。いささかも手を抜かずに業績はきちんと拡大していくということと、職員たちに民営・分社化の意義をよく理解してもらって、前向きにとらえてもらって、それで、みんなが将来展望を持ちながら、できるだけ明るい将来を描きながら、生き生きと民営・分社化に移行していくための最善の努力をしていく。  私は、いろいろ地方回りをしております。そういったことで、みんなの心を何とか前向きに、事業は人なりといいます、前向きにさせるための努力をすべきだ、こういうつもりでやっております。
  24. 谷公一

    谷委員 生田総裁を初め関係者皆さんの今後の御健闘をお祈り申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  25. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、関芳弘君。
  26. 関芳弘

    ○関委員 私は、自由民主党の関芳弘でございます。  本日は、郵政公社の中間決算の承認ということで質問に立たせていただいておりますが、この中間決算の内容を見ておりますと、今後いろいろやっていかないといけない課題も明確になるところでございますけれども、やはり通常の規模の民間の金融機関にはないような非常に大きな規模の体制をとられておりますので、一回一回の決算には一喜一憂することなく、大きな視点で今後の合理化、効率化とか体制の整備に取り組んでいっていただきたいと思うところでございます。  そのような中で、やはり非常に大きな体制でございますので、何かがあれば、不測の事態があれば、非常に大きな影響が世の中に出るのも確かでございます。その点を勘案しまして、本日は民営化に関します質問をさせていただきたいと思います。限られた時間でございますので、当初申し上げておりました質問の内容をまとめて質問させていただく場合もあるかと思いますので、御了承をお願いしたいと思います。  まず第一点目でございますけれども、円滑なる事業の承継について質問をさせていただきたいと思います。  まず一つ目は人事面でございますが、民営化によりまして、現行働いていらっしゃる方はおのおのいずれかの承継会社に帰属することになってまいります。それぞれの事業所におきましては、各職員は、自分の主担当業務以外の業務につきましても、事務量の多い日などにつきましては、相互応援ということで、業務をまたいで効率化を図っていくような運用をされていたことと思います。実際にそういうふうな相互応援を現行されていたかどうかについて、まずは御質問させていただきたいと思います。
  27. 佐々木英治

    ○佐々木参考人 大規模な郵便局におきましては、郵便、貯金、保険というそれぞれの事業ごとに要員が配置されまして、それぞれの業務を行っているところでございますけれども、特定局等の小規模局では、一人の職員が郵便、貯金、保険の三事業業務に従事することによりまして、利用者の利便向上と効率的な業務運営を行っているところでございます。特に繁忙時等におきましては、各事業間の相互応援、私ども総合服務と呼んでおりますが、これが有効に活用されているものと認識しております。
  28. 関芳弘

    ○関委員 現行では非常に効率的な運営をされて、相互応援されているというお話であったかと思います。  そして、今後、民営化をされるに際しまして、承継会社が分離していることによりまして、いわゆる縦割りの運営がもしされてしまって相互応援ができなくなってくると、非常に効率性が下がってしまうということも考えられるわけでございますが、今後、民営化後で、事業がそれぞれ承継されて会社が別々になった後も相互応援をされる御予定があるのかどうかということと、以前、公社様の方から見せていただきました、業務等の承継に関する実施計画の骨格ということで七月におまとめされた資料をちょっと読ませていただいておりますと、今後、新しく事業承継のときにはいわゆる非常勤の職員も雇わなければならないというふうな文言が見えたわけなんですが、これは例えば、今後それぞれの事業がばらばらの会社になりますので、相互応援とかはせずに、そのために発生する非効率性によってそういうふうな非常勤の人を雇わないといけないのか。そこら辺のところを心配するところでございますが、その点について御説明をお願いしたいと思います。
  29. 伊東敏朗

    伊東参考人 お答えいたします。  二つ御質問がございました。  一点目の、一事業所の中で、今度、各職員が異なる承継会社に移った場合に、その相互応援を行うかどうかという御指摘でございます。  今回の民営化におきましては、現在の一つ郵政公社が五つの独立した会社に分かれて、それぞれの会社は自立した民間会社として経営管理を行うことになります。したがいまして、先生の御心配といいますか御指摘の問題が出てくるかとは思いますけれども、先ほど公社の方から答弁がございましたように、相互応援が行われていますのは主として小さな特定局ということでございましたので、小さな窓口だけの特定局ということでございますればほとんどがそのまま郵便局会社に引き継がれますので、その中で今と同じような形で相互応援は行われるのかなと思っております。  いずれにせよ、例えば郵便の場合、郵便の内務作業は郵便事業会社、郵便の窓口部分は郵便局会社に分かれることは事実でございますので、そういう中でも、今まで行われていた相互応援がやはり必要になる場面というのは出てくる可能性は十分あると思います。  しかしながら、今申し上げましたように、会社はそれぞれ独立して経営を行いますので、そういった相互応援が必要な場合には、例えば受委託契約とかそういった必要な手続を踏まえた上で、これまで行われてきた相互応援といいますか、そういうお互いに助け合いながら仕事をしていくメリットを民営化になった後も生かしていければなというふうに考えているところでございます。  それからもう一点、この七月末に私どもが政府に提出いたしました骨格の中で触れられております、非常勤の確保が重要であるという部分についての御指摘、相互応援とのかかわりなどを含めて御質問がございました。  現在、骨格を出しました後、民営化後の組織、要員については検討しているところでございます。しかしながら、一つ組織を五つに分けるわけですので、どうしても人がふえるという傾向にはございます。しかしながら、それぞれの会社が、先ほど来申し上げていますように、市場において独立した民営会社として効率化努力をすることが当然のことながら求められておりますので、そういった観点から、正規職員だけではなくて、非正規職員などを活用して、トータルとしての人件費コストを可能な限り低く抑えるように努めるという観点で、骨格に、先ほど御指摘ありましたような記述をさせていただいているところでございます。
  30. 関芳弘

    ○関委員 よくわかりました。  実際に、民営化というのは、本当によくなっていこうということで進めてまいるところでございますので、その民営化をすることによる分断による非効率性が発生し、今以上に人員が要るというふうなことにつきましては、できるだけ抑制していっていただきたいと思います。  しかしながら、一方、民営化による事業の分断ということについては大変な御負担がありますことにつきましては、人事面、事務運用面並びにシステムの更新、新しい構築につきましては、いろいろな不測の事態が起こることについては、本当に大変な事態を迎え、それに立ち向かわれる御決意をされていることと思います。ですので、いわゆるシステム移行並びに事業承継のときには、不測の事態が起こったとしても、それに十分対応していただいて、国民の方には迷惑がかからないような体制をとっていただき、そして、その後、落ちついた段階では、今以上の効率化をしていっていただいて、例えば事業所をまたいだような相互応援ですとか、事務集中センターをさらに今以上にたくさんつくって効率化を図っていくですとか、そのようないわゆる本当に効率的な事業会社へと大きく成長していっていただきたいと思います。  その点についての御決意を一言聞かせていただきたいと思います。
  31. 伊東敏朗

    伊東参考人 まさに先生指摘のとおりでございまして、私どもの民営化を成功するためには、いろいろなところでも採用されております効率化のための施策というものをそれぞれの会社がとっていく必要があると思います。  事務集中センターなどの御指摘もございました。いろいろな各社の共通の事務をアウトソーシングする仕組みなどにつきましても、他のこれまでの会社が行っている例などを踏まえまして、それぞれの会社が効率化などを十分進めた上で健全な経営を行うことができるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
  32. 関芳弘

    ○関委員 どうぞ、その点につきまして、効率的な運営を進めていただきますように、よろしくお願い申し上げます。  それでは、続きまして、円滑なる事業の承継のうちのシステム面についてお伺いをしたいと思います。システム面につきましては、会社が今後分かれるということでございますが、基本的なところの現状について、また今後のところを含めての質問になるかと思いますけれども、教えていただきたいと思います。  まず、移行に際しましては、承継会社がばらばらになることによりまして、単独システムを有するような、現行システムを分断するような必要が出てくるのかということと、システムを分断するときに、いわゆる顧客データにつきましてはそれぞれ別管理を行うことによって、それに対する守秘義務等を守るような体制が必要になるのかどうか、それに対するお考えを聞かせていただきたいと思います。
  33. 間瀬朝久

    間瀬参考人 お答えいたします。  今回のシステムの開発につきましては、現在の公社のシステムを母体にして暫定システムを開発しております。現在、三事業業務システムにつきましてはすべて単独で独立したシステムになっておりまして、分社化後につきましては、事業会社それぞれに承継する、また所有するという形になるというふうに考えております。  郵便局会社につきましては、単独のシステムはありませんので、三事業会社からの受託業務をする際は各会社の独立したシステムを使ってやるということになっておりますが、その中でシステムの分割は行っていないわけでございますけれども、取扱会社をシステム上認識できるようにということで、分断できるような仕組みを今つくっているところでございます。  また、人事、会計等、共通でつくっているシステムでございますが、これらについては主として持ち株会社の方に承継すると想定しておりまして、システム内では、物理的には一つでございますが、論理的に各会社別に分けたつくりをしておりまして、各社間でほかの会社の内容が見える、それから使う、そういうことができないような仕組みをつくっておるところでございます。
  34. 関芳弘

    ○関委員 わかりました。  それでは、続きまして、そのシステム移行に関してでございますが、私も実は民間企業で働いた経験がございまして、二回の合併という、会社の体制自身が変わることを経験してまいりました。そのときのシステム対応というのは、本当に胃が痛くなるようにいろいろなことに気を使って、漏れがないかとか対応をとっていかないといけないところで、本当に大変でございます。  それにつきまして、それがミスなくできるためには、本当に事前の準備、テスト、いわゆるシステムテストというのが十二分になされていることが非常に大事でございます。そのシステムテストにつきましてどのような御予定を持たれているか、聞かせていただきたいと思います。
  35. 間瀬朝久

    間瀬参考人 お答えいたします。  今先生が御指摘のとおりで、システムの成否が民営・分社化を左右するものというふうに考えておりまして、対応する私どもとしましても、十分なテストを行った上で適用していこうと考えております。  現在、開発中の重点管理システムの大半につきましては、開発も大分終えまして、本格的な試験に今入っております。具体的に言いますと、システム部門だけじゃなくて業務部門も含んだ総合テスト、それから各システム間のインターフェース確認試験、それから外の事業主さんとの接続試験というようなものを今実施しているところでございます。  来年一月以降につきましては、主要なシステムを同時に運転いたしまして、郵便局の一日の業務が正常に行われるかというようなテスト、これをシステムリハーサルと言っておりますけれども、こういうものをやるなどして、品質向上に十分対応していって、分社化後にお客様に迷惑がかからないように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
  36. 関芳弘

    ○関委員 国家の方で決めた民営化でございます。ぜひとも国民の方々には迷惑のかからないような安定したシステム移行に尽力をしていただきたいと思います。  では、続きまして、二つまとめて質問をさせていただきたいと思います。  一つは、現行の事務運営のやり方の向上についてということと、他社との業務提携を今後考えられるのかということについてお伺いをしたいと思うんです。  今、システム移行等いわゆる事業の承継が円滑に進んだ後、今度は内部の効率化というのを本格的に進めていかれることと思います。今回のいわゆる中間決算を見ましても、いろいろな課題がもう見受けられて、恐らくその課題に対する対策はもうすべて計画がつくられていることと思うんです。それに関しましては、そのような事業承継に関します一時費用もかなり莫大な金額になること、並びに今後の対策、合理化とかまた事務の厳正化とかをとられることによって、非常に莫大な金額が、投資が恐らく必要になってくることと思います。  それが円滑にされるように、私も一国会議員として、何かいい対策がとれないかというところは今一生懸命考えているところでございますが、今後、そのように事務の効率化また厳正化を図ることによるシステム投資についてはどのようなお考えを持っているかという、いわゆる事務運営の効率の向上という点。  もう一つは、今度は収益を上げる方でございますが、収益を上げるために、効率的な収益の上げ方というのもあるわけでございまして、民営化後は非常に自由な形で業務運営ができるようになることでございますから、例えば他社との戦略的な業務提携とか、そういうことがいろいろ考えられるところだと思うんです。  その二点につきまして、まとめてお答えをいただければと思います。
  37. 伊東敏朗

    伊東参考人 お答えいたします。  まず第一点目の、事務運営の効率化のためなどのシステム投資の展望ということについての御質問でございます。  まさに先生指摘のとおり、先ほど来、暫定システムの御質問等ございましたけれども、これの移行後になるわけでございますけれども、会社間の手数料突合、連結決算などのそういった民営化、分社化に当たってのシステムなどにつきまして、本格システムの開発を会社において行う予定としているところでございます。  そのため、当然のことながら投資が必要になるわけでございますけれども、現時点では、具体的な業務要件というものがまだ完全に整理されている状況ではございません。したがいまして、早急にそれらを整理いたしまして、投資額も含めた投資展望について明確にしていきたいというふうに考えているところでございます。  それから二点目は、いろいろなところとの提携の点についての御指摘でございます。  当然のことながら、会社が分かれますので、この会社間での提携も必要なわけですが、他社との提携といったものにより円滑な事業展開を図っていきたいというふうに考えているところでございます。  具体的に、簡単に各事業について申し上げますと、郵便では、現在も物流や流通に関しましてさまざまな事業者と業務提携を進めているところでございますけれども、民営化後におきましては、経営の自由度が広がりますので、国内外の物流サービスを柔軟に提供できることとなることから、安定的な収益の確保や一層の経営効率化に資する提携を検討していきたいと思っております。  それから金融に関しましては、他の金融機関との連携を検討しておりまして、特に地域の金融機関との連携、これは骨格の中でも触れてございますけれども、例えば、地域の金融機関の貸出債権につきまして、市場において売買できる証券の形にしたものを郵便貯金銀行が購入するとか、あるいは郵便保険会社が他の生命保険会社の法人向け商品を受託して直轄チャンネルを通じて販売することなど、ほかにも幾つかございますけれども、具体的に申し上げれば、今申し上げたようなことを検討しているところでございます。
  38. 関芳弘

    ○関委員 ぜひ、そのような業務面の収益アップ、並びに事務の効率化というところによる経費の削減という両面から、非常に積極的ないい御対応をお願いしたいと思います。  それでは最後に、このような民営化によって、国民の皆様がサービスが低下しないのかというようなところを心配されているところでございますが、その点について一点だけ、短く聞かせていただきたいと思います。  具体的には、私は神戸の須磨区、垂水区の選挙区でございますが、須磨区で、病院の前にATMを郵政公社様が設置されているのがありまして、利用件数が少ないからそれを撤去するかどうかというふうな話があったわけでございまして、それを地元の方から話を伺ったわけです。そのような際に、病院の前にATMがございますので、いわゆる病気の方がATMを利用するということで、ほかの遠いところまでなかなか行けないということで、病人対策ということで、サービスという面で設置されていたんだと思うんです。  このようなATMにつきましては、そういうふうな特殊性がございますから、今後、利用件数が少なくても顧客のサービス面を考えて残しておこうかとか、そういうような特別な配慮というのを個々のATMに対してとられるのかどうか、そこの点につきましてお考えを聞かせていただければと思います。
  39. 斎尾親徳

    斎尾参考人 ATMの設置につきましては、郵便局内については、設置スペースが確保できない場合を除きまして、すべての郵便局にATMを設置しております。また、郵便局以外の場所につきましては、お客様の利便性を踏まえまして、より利用の見込まれる場所にATMを設置することを基本的な考え方としているところでございます。  こうした考えのもとに、従前より、郵便局以外の場所に設置するATMにつきましては、郵便局内に設置するATMと比べて、土地建物の賃料、警備料などの経費が上乗せして必要となりますので、一定の基準を設けまして、稼働率が低いATMにつきましてはより多くの利用が見込まれるところに再配置しているところでございます。  しかしながら、ATMの稼働率が低い場合でありましても、一律にATMを撤去するのではなくて、まずは利用促進策を講じるなどの対応を行いますとともに、長期入院患者等を専門的に扱う療養所など社会的要請の観点から必要な場合につきましては、個々の事情などをしんしゃくして、適切な対応に配慮しているところでございます。  先生の御指摘の病院につきましては、平成十五年の五月から利用促進をお願いいたしまして、二年間状況を見守ってまいったところでございます。ただ、件数が伸びなかったことから、平成十七年の三月に、本年の九月をもちまして撤去することについて一たんは合意をいただいたところでございますけれども、地元の御要望もありまして、また最近、利用が向上しているということもありますので、本年の九月、再度状況を見守らせていただきたいと思います。  いずれにしましても、今後とも、ATMの設置に当たりましては、限られた経営資源の中で、より多くのお客様に御利用いただき、その利便の向上に資するように、地域の実情を踏まえながらきめ細かな対応をしてまいりたいと思います。
  40. 関芳弘

    ○関委員 時間となりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  41. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、谷口隆義君。
  42. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 公明党の谷口隆義でございます。  本日は、郵政公社の十七年度の決算ということでありますけれども、郵政公社になられてから、ガバナンスということが非常に重要でありますので、民間で言う株主総会的な役割を国会が果たさなけりゃいかぬということで、郵政公社の年次決算が出れば、総務大臣から国会に報告をしていただいて、当委員会で総裁出席のもとで委員審議を行い、最終的に委員会決議という形で意見集約を図るというようなことを各党了承の上で、この委員会が開かれておるということであります。ですから、私の方は、十七年度決算を中心にしてお伺いをいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それで、十七年度決算といっても、十八年の三月末でありますので、本来なら、株主総会であれば六月末ぐらいには開かれておるので、もう中間決算も出ているという状況の中で行われるわけでありますけれども、また、この年次決算も、もう来年の十月から新会社に移行するわけでありますけれども、タイムリーなディスクロージャーということが非常に重要なんだろうと思うので、できれば早くやる必要があったのではないかというように思う次第であります。  それで、この十七年度の決算の状況を見させていただきまして、ちょっと気のついたところを何点かお伺いいたしたいと思います。  まず、十七年度の郵政公社全体の損益、当期利益が一兆九千三百三十一億円と、前年に比べまして六千九百五十二億円の増加となっているということであります。この要因は、株価水準の回復による運用益が拡大をされたということで、郵便貯金業務の収益拡大によるものであるというような状況のようであります。  それで、区分経理されておりますから、郵便業務を見ますと、当期利益が二十六億円ということで、前年対比で見ますと二百五十六億円減少しておるわけであります。それで、いわゆる資本の部、区分経理の上での資本の部が債務超過五千二百八億円、こういうことになっておるわけであります。これは一般の会社で言う債務超過ではないわけでありますけれども、区分経理上は資本の部が五千二百八億円のマイナスになっているということでありまして、損益状況を見ておりますと、この債務超過を解消するというのはやはり非常に大変なことなんだろうと思います。  最大のポイントは、やはりコストをいかに削減していくかというところになるんだろうと思うわけでありますが、まず初めに、生田総裁に、これからの収益性の拡大またコスト削減の具体策を、いろいろなところでもおっしゃっておられると思いますが、お聞きいたしたいと思います。
  43. 生田正治

    生田参考人 公社スタートの時点でいいますと債務超過が五千八百億ございまして、過去を見ますと大体毎年赤字という、典型的な赤字構造の事業だったわけであります。金融二事業はどちらかといいますとシステム産業的な性格が強いんですが、郵便の場合は、物流業の一環として、まさに事業なので、これは厳しいという感覚でまず入りました。  それで、二通りやっております。一つは、とりあえずできることを全部やってみるということ。世に言うところの、ぞうきんを絞るという言い方ができるかもわかりません。もう一つは、構造改革であります。  その前半の、いわばとりあえずできることをやることによりまして、初年度に二百六十三億の利益を出して、二年目が二百八十三億。だけれども、とりあえずできることもだんだん底がついてきまして、この三月期は二十六億しかなかったということであります。  その主な理由は、費用が増加してきているということでございまして、その多くは、労働市場、マーケットが大体全般が上がっておりますから、それにつれて我々の方もゆうメイトを中心に労務費が上がったというのが大きな理由になるわけでありますが、前年度に比較しますと二百五十六億悪くなっている。ただし、そのうち七十六億は民営化対応の先行投資と減損会計による減でありますから、実質上悪くなったのは前年対比百八十億、こういうことになるわけであります。  これを改善するためには、一つは、量、質の売り上げの改善ということで、これは、市場で伸ばそうと思ったら伸ばし得るゆうパックとか冊子小包とかダイレクトメールとか、こういうものをどんどん伸ばしていくという努力をまずしております。それから、お客様に愛していただくために、お客様の御愛顧にこたえるためにCSの向上というようなことで努力しておりまして、幸い、売上高のところだけを見ますと、毎年三、四%減っていたのに歯どめがかかってきております、大体横並びになりました。今後は完全に右肩上がりになるとは決して申し上げられませんが、歯どめがかかった。  あとは、構造改革のところが残っているわけであります。費用の方もとりあえずできることはやった。あとは構造改革。ただ、構造改革をやっているんだけれども、その効果が出るのには少し時差がかかる、二、三年かかる、こういうことであります。例えば、JPSによるコストの削減を一生懸命やっております。それから、就労管理の適正化をやる。それから、例えば集配拠点の再編というようなのもかなりの生産性向上になりますし、それから郵便局改革マスタープラン、これも相当大きく品質を上げるし、生産性は高めるし、コストの合理化にもなります。こういうことにただいま真正面から取り組んで、おのおのについて最善の努力をしているところであります。  それを数字的に損益計算書に反映するほどの収穫期にはまだ至っていないというところでございますが、今後のキーは、やっと歯どめがかかった収益を、必ず右肩、多少なりとも上がるように努力すると同時に、今取りかかっている構造改革をさらに進化させまして、それで実質的にそれが損益に反映するような収穫をねらうということだろうと思います。  私自身、非常に深刻にとらえておりまして、随分叱咤勉励しながら、現在、全力で取り組んでいる真っ最中でございます。
  44. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 生田総裁が先頭になって公社のいろいろな改革を進めておられて、じわりじわりとこの改革の芽も出てきたわけであります。といっても、もう来年の十月で新会社に移りますものですから、大変な御苦労を今までしてこられたわけでございますけれども、郵便業務というのは、そんなにマーケットが拡大するというわけではありません、大変難しい。本当に、ユニバーサルサービスなんて入れますと採算に合わないわけであります。しかし、非常に重要な仕事でございます。それが新会社に移って分社化されてにっちもさっちもいかないというようなことになってくると、これは大変なことになるわけです。  そうなりますと、来年の十月に移行のときの、さっき申し上げました、今区分経理の上ではもう五千億を超えるような債務超過になっているということでありますけれども、資産配分を郵便業務にどの程度配意したような形にするのかというような一つのポイントがあるんだろうと思うんです。これは日本郵政株式会社の方で今検討をされておられると思いますが、そのような観点で、一体どういうような検討状況になっているか、御報告をお願いいたしたいと思います。
  45. 伊東敏朗

    伊東参考人 お答え申し上げます。  公社資産、負債をどのような考え方で分けていくか。具体的に申し上げれば、日本郵政公社業務等の承継に関する実施計画というものを来年四月末までに政府に提出することになるわけでございますけれども、その中に、今先生指摘のそれぞれの会社資産、負債を確定してそこに載せていくことになります。  それを定めるに当たりましては、ことしの一月二十五日に政府が定めました日本郵政公社業務等の承継に関する基本計画というのがございます。そこで考え方が大きく分けて二つ指摘されておりまして、一つは、公社資産及び債務については、承継会社等の目的が達成され、その業務が適切に行われるように、これが一つございます。もう一つは、各承継会社等の経営の健全性が確保されるように承継させるものとする。  これらに基づきまして、これは全く試算ではございますけれども、この七月三十一日に政府に提出いたしましたその骨格につきましては、郵便事業会社は二千億円という資本、純資本を載せる形でつくったところでございます。  今後、また当然いろいろな数値も変わってまいりますし、経営状況も変わってまいりますので、それらを踏まえながら最終的な実施計画をつくってまいりたいと考えているところでございます。
  46. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 分社化された後の会社というのは、必要な財産もあるでしょうし、人員もいろいろな形で移られるということもあるでしょうし、なかなか一言では言えないだろうと思いますが、しかし、いずれにしても、現行では、郵便業務区分ではもう五千億を超えるような債務超過ということでありますから、十分このあたりに配意した資産配分の考え方を取りまとめていただきたいというように思う次第であります。  それで、これはマスコミ報道であったわけでありますけれども、郵政公社の十七年度の全国郵便局別の損益試算によりますと、これは管理資料でありますが、この管理資料によりますと、普通局と特定局を合わせた二万二百二十三局のうち、七一%に当たる一万四千四百四局が赤字であった。赤字局の割合は、十五年度で七〇%、十六年度が七二%と大体横ばいになっておるわけであります。  このような状況を見て、今後どのように民営化に向けて対応されようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  47. 生田正治

    生田参考人 お答え申し上げます。  管理資料なんですが、ちょっと発表の方法が余り親切でなかったのかなと私どもの方で反省しているわけですが、七〇%、七一%と出ている計算方式というのは、収支相償方式と申しまして、郵便局に係る費用を全部まとめて一〇〇としますと、ちょうどその一〇〇に見合う収入があると考えて、今度はそれを一つ一つ郵便局に割りまして、平均よりうまくいっているところは黒字局といい、平均より悪くいっているところはマイナス、赤字局、こういう計算をしておりまして、一種のゼロサムゲームなんです。だから、約七〇%が赤字に出るというのは、十七年度だけじゃなくて、十六年も十五年も大体そういうパターンになっているんです。早い話が、大都市周辺の局が黒字になって、それ以外の地方、その他大勢のところが赤字になる、こういうことになっているので、七〇%に御心配いただく必要も余りないかな。  これは別の方法がありまして、全体損益方式と称しまして、郵便局に係る費用を一〇〇としましたら、一〇〇は一〇〇なんだけれども、その年上がった利益、それが一二〇なら一二〇、一三〇なら一三〇、もしマイナスになれば七〇か八〇、それを割りかけたら幾らかというやり方があるんですけれども、これを例えば平成十五年、十六年でやりますと、赤字局は平成十五年だと一四%になりますし、十六年度だったら二六%ぐらいになりますし、十七年度はまだ正確に出していませんが、私が出しなに目の子で見たら一三、四%なので、その意味では、そっちの方が本当の赤字かなという見方もできないわけではない。  ただ、なぜそんなに収入が動くかというと、それはさっき先生御自身御指摘のように、株価が上がった年はどんと一兆円ぐらい利益が出るし、逆に下がったらそれがマイナスになることもあり得るので、全体の収支をかける全体損益方式でいきますと、赤字になったり黒字になったり毎年数字がはねますので、そういった意味でゼロサムゲームの収支相償方式でやっている、その結果、例年並みの七〇%になっている、こういうふうに見ていただいたらいいんじゃないかと思います。  私どもとしましては、郵便局全国にまたがるネットワークというふうに考えておりまして、ネットバリュー、一つ一つのプラスマイナスももちろん考えますけれども、それを超えるものとして、ネットバリューとして評価いたしておりまして、赤字局があったとしても、それがあるがゆえに黒字局が成り立つわけでありますから、赤字だから直ちにどうのこうのというふうな短絡的な考え方はしていないということをまず申し上げておきたいと思います。  それにいたしましても、こういった収支相償方式を見ますと、うまくやっているところと余りうまくやっていないところ、だけれども地域差によって無理もないところ、いっぱいあるんですけれども、それでも、それを指標にしながらおのおのにも経営改善の努力をしてもらいますし、私ども経営としましては、それをマクロで見ながら全体としてどういう対策がとれるのかな、こういうことの経営資料とさせていただいている、こういうことでございます。
  48. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 今総裁おっしゃったように、全体損益方式と収支相償方式とあって、十七年度は収支相償方式で、私も資料を見させていただきましたが、おっしゃるように、やはり地域性もあります、非常にたくさんおられるところもありますでしょうし、非常に過疎地のところもありますから、それだけではなかなかわかりにくいんですが、しかし、同じ基準をずっと続けてまいりますと、前年に対して当年度はどうだ、こういうトレンドがわかりますので、それは努力の結果に結びつくということですから、そういう意味では、なかなか年度で横に比較するとわかりにくいですが、縦に比較していくとその分の状況がよくわかるということもございますので、一つは、やはり同じ基準を続けていただくということが重要なんだろう。  そういう意味では、来年の十月に民営化された後も同じ基準、このような基準で多分管理資料をつくられるのだろうと思いますが、そこはやはり分析をしていただいて、何か出血しているといいますか、問題があればそれをとめていかなきゃいけませんから、そういう観点も持っていただくということは、もう既に民間で長らくいらっしゃった総裁の頭には非常に持っていらっしゃるんだろうと思いますが、今やっていらっしゃることを公社で終わらないで民営化後の会社も引き継いで、同じようなことをやっていただくというようなことが必要なのではないかというように思います。  今私が申し上げたことに対して、何か御意見がありましたら。
  49. 生田正治

    生田参考人 まさに今先生に言っていただきましたとおり、どっちの方式をとりましても正確な比較はできないわけでありますけれども、少なくとも、一つ一つの局の立場で見ますと、毎年出しておりましたら、それによって努力の程度が相対的にも比較できるし、何が問題点であるかということも浮き彫りになりますので、私どもとしましては、大変重要な経営指標として活用したいし、各局長には実は全部伝えてあるわけです。毎年、あなたのところはこういう位置づけになっているので、あなた自身が何か工夫できることはありませんかというふうなことでもやらせていただいております。  民営化になった後どうするかは、これは日本郵政株式会社考えることでありますが、私の知っている範囲では、こういったものをさらに深めまして、さらに、それをもって郵便局をうまく指導していくといいますか、いい経営ができるように努力するように準備をしているというふうに理解しております。
  50. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 それと、先ほど、いろいろなことを総裁公社の中でやっていらっしゃって、その一つに、トヨタ自動車の生産方式を導入して経営の効率化を図ったということで、これもマスコミ報道を見たわけでありますけれども、全国すべての普通郵便局約一千局で導入前に比べて一八%ほど生産性が向上し、約二千三百人の余剰人員を生むといったようなトヨタ方式の効果が出ておるということでございます。  このポイント、どういうようなところがポイントになっておるのか、特定郵便局にもこのような方式を導入する御予定があるのか、また、出た余剰人員をどのように再配置されようとしておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  51. 松本正春

    松本参考人 お答えいたします。  公社におきます生産性向上の取り組みにつきましては、平成十五年一月に、埼玉県の越谷郵便局というところから改善を始めてまいりました。この具体的な改善の進め方といたしましては、トヨタ生産方式に学びまして、これを郵政公社なりに応用していくということで、公社独自のものとしてつくり上げましたのが、ジャパン・ポスト・システム、JPSということで展開しているものでございます。  それで、先生御質問の、まず第一点目の、JPSによる経営効率化のポイント、これは何かということでございますが、三点ございます。  一点は、郵便事業で申し上げますと、これは郵便の全作業工程、郵便物をお引き受けいたしまして配達に至るすべての工程でございますけれども、この工程を徹底的に見直しまして、ムダ・ムラ・ムリ、これを三ムと言っておりますけれども、この三つを排除していく。これによって生産性を向上し、その生産性向上というものは無駄な経費を削減していく、それによってコストを低減していくということが第一点でございます。  二点目といたしましては、この生産性向上がお客様の役に立たなきゃいかぬということでございまして、どういうことかと申し上げますと、やはり作業をしていく上では、決まったやり方といいますか、だれがやっても同じやり方できちんとやるという標準作業が非常に重要でございます。例えば配達でございますと、間違いのない、かつ丁寧な扱いで配達をしていくということが重要でございまして、こういうことによってお客様に対するサービスの品質を高めまして、顧客満足度を高めていくというのが二点目でございます。  三点目につきましては、やはり職員にとってこれがメリットがあるということでなくちゃいけませんので、やはり職場は、整理整頓がきちんとされて、整然とした安全な職場の中で作業いたしまして、その作業結果はどういう成果になったか、あるいは自分はどういう能率を上げているかというのがきちんとわかるようにいたしまして、かつ、これが評価にもつながる。そういうことで、働きがいを持って仕事ができるようにしていくということがポイントでございます。  それから、二点目のお尋ねの、これを特定局の方に導入していくのかということでございますが、先ほども申し上げましたように、JPS、この基本的な考え方というのはどこでも適用できるものでございますが、ただいまJPSを展開しておりますのは普通郵便局千局でございます。まずはこの千局の普通郵便局での取り組みをしっかり行いまして、改善し、定着させ、効果を上げていくということが重要であると考えておりまして、そのように進めているところでございます。  次に、三点目の、余剰人員をどうするのかというお尋ねでございますが、まず、JPSで改善をやっていきまして生産性向上が出ますと、労働時間の削減ということが次いで出てまいるわけでございます。普通は、労働時間が削減できますと、これを削っていきまして、具体的には人件費の削減、これによってコスト低減ということになるのが一般的な方式でございます。  しかしながら、現在、JPSに取り組んでまいっておりますけれども、一千局で始めまして、まだ三年目でございます。そうしますと、やはりやり方とか知識、ノウハウをしっかり持って取り組まないことにはこれが定着しないということでございまして、そういう定着、発展をさせていくために、まずは人材を育成していくことが重要だということでございます。  それで、先ほど先生おっしゃいましたように、二千三百名ぐらいの人の生み出しをしておるわけでございますけれども、これを直ちに削減するということではなくて、改善の専担取り組み要員あるいは営業の専担者というふうなことに今従事させておるわけでございます。この要員につきましては、改善を進めていく上で、まだある程度の期間、必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
  52. 谷口隆義

    谷口(隆)委員 ぜひ郵政公社、あと残りそんなにありませんけれども、頑張っていただきまして、いろいろな改革を進めていただきますようにお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、終わらせていただきたいと思います。
  53. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、後藤斎君。
  54. 後藤斎

    後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。  きょうは十二月八日ということで、六十五年前、ちょうど太平洋戦争の勃発した日であります。きのうシベリア抑留の話も議題となりまして、いろいろな観点から歴史というものを学びながら、それをどう生かすかということ、これは、きょう議題になっております郵政公社の決算、来年の上半期というのが最終年になるということでありますが、ほぼ、年トータルとしたらこの十七年度決算が最終年になるということであります。  思い出せば、本当に、つい四、五年前までは、このような状況になるというのはほとんどの方が多分想定をしていなかった。なぜならば、この郵政事業というのは、ある意味では、地域社会の中に溶け込み、そしてその地域の中の人たちと一緒に成長してきたという歴史が多分あるからだというふうに私自身は思っております。  そして、大臣、この間、この数カ月と言ってもいいかもしれませんが、夕張市の問題、これは私は、大臣総務省の方々とお話をしておりますと、以前もこの委員会で質疑をさせていただきましたが、現行の財政再建法の中で対応するということで、その法的な措置は当たり前のことなんですが、いろいろ考えると、きのうも大臣、新聞報道によりますと、北海道の高橋知事とお会いになって、もうこのくらいでスタートさせてくださいよというようなお話をされたというような記事もきょう拝見をさせていただきましたが、その是非はともかく、今、財政再建計画を夕張市がつくって、実際の市政がどうなるかということも含めて、ちょっとこの決算の前に幾つか大臣とお話をさせていただきたいというふうに思います。  まず、三百六十億を抱えている夕張市が二十年かけて、毎年十八億ずつ返していくことが基本の骨格になりますが、以前も御指摘をさせていただいたように、十一校ある小中学校が二校になる、そして公務員の、職員の方の給与を三割カットし、すべての行政サービスが当然低下をし、そして負担が増加をする、その中で再建をするというのは、フレームとしたら当然、当たり前のことだと思います。  しかしながら、例えば、きょうは生田総裁も、もと民間の経営者というお立場よりも公社総裁という立場で来ていますが、民間を立て直すときに、幾つかの法体系がございます。そのときには、会社更生法か民事再生法かは別としても、破産や倒産という概念は自治体や国には今まで決してなかったということで、少なくとも事業継承しながら新しいフレームにしていくというので対応してきた。ですから、その際に何が一番メーンなのかというと、当然、自助努力をしてやっていけば、その法的な枠組みに入らないわけですから、債権放棄をどこかの部分でしていく。要するに、民間の会社を立て直すときには、金融機関や債権者が、何割か何十分の一かは別としても、債権を減額するということでその再生をさせるということがメーンになっています。今の現行の再建制度の中では、そういうことは基本的にはないという仕組みで対応させる。  ですから、大臣、まず一点確認をしたいのは、本当に今のままで、市の自助努力だけで対応させるのかどうか、まずそこから、一点お尋ねをしたいと思います。
  55. 菅義偉

    菅国務大臣 まず、きのうの高橋知事と私の会談でありますけれども、私は、知事から、夕張について、今北海道でさまざまな問題を取り組んでいるけれども、よろしくお願いしたいということでありました。私も、これはしっかりとした経過を見てから私も判断させてください、そういう程度であったことをまず御報告させていただきたいというふうに思います。  そして、夕張市の財政再建でありますけれども、今、委員から、小中学校が十一から二になった、職員の方の給与三割カット、いろいろな御指摘がありました。  まず、基本的な考え方としては、基礎的な行政サービス、これを提供するということは当然前提になります。そして、夕張市自身が危機的意識を持って今さまざまなことを検討しているというふうに実は思っています。小学校が七から一、これを他の全国の市町村から見てどういう基準にあるとか、そうしたことも私どもは十分に精査していかなきゃならないだろうというふうに思っております。  とにかく、市が聖域なき歳出削減、歳入確保にまず全力で取り組んでもらうこと、このことがやはり私は最優先だというふうに思っています。そうしたものの努力を重ねる、そういう計画が示された中で、国民から見てだれもが納得できる内容にするということがまず私は必要であるというふうに思いますし、そうしたものを見て私は判断をしたい、こう考えております。
  56. 後藤斎

    後藤(斎)委員 大臣、確かにそのとおりだと私も思います。  ただ、実質的に、これも報道でしか承知をしておりませんが、夕張市の職員の方は、再建計画では、消防署の職員を除く部分の二百二十人が、再来年、二〇一〇年に七十人、ですから、三分の一くらいに削減をするというふうな計画が対応されています。あわせて、退職金も現行の上限五十七カ月というものが二〇一〇年には二十カ月、ですから、三十七カ月分を減らすというふうな措置をとることになっております。  市の行政執行をされている職員の方は、先ほど、郵政公社のこれから民営化に向けての話の中で谷さんからもお話があったように、人をどう大切にしながらそれを生かすかというお話がありました。しかしながら、給与体系や退職金が今やめればいいということなのかどうかは別としても、実際もう八五%の方が早期退職を検討しているということのようであります。  大臣、例えば市長や議会が幾ら納得したにしても、実際働く人が、早期退職という制度があるわけですから、例えば今三百人でやっている仕事を、段階的ではなく、もう来年から百人しかいなくなってしまった、五十人しかいないということで、それで市の執行ができるんでしょうか。  ですから、私は、緩やかにしろという話をしているわけではないんです。この夕張市という問題は、八月に総務省が調査されておる実質公債費率、夕張は三割近い公債費率のようでありますが、その予備軍、実質公債費率が一八%を超えている市町村が既に四県、四百十四市町村、総体の自治体の数からいえば二二・二%ある。ですから、この四百十八団体もいずれ夕張市と同じ可能性が出てくるというその予防策として、夕張市をモデルにしながら、再建をどうするのか。  債権放棄というものが実質できない。総務省の検討会でもいろいろな御議論をされているようでありますが、ストック部分だけを入れた検討というよりも、むしろ、先ほどもちょっと触れさせていただいた民間の会社や、事業継承をどうしても自治体のものはしなければいけない。実際、夕張市のいろいろな方の意見、こんなに行政サービスが低下をして負担がふえていけば、昔の逃散、江戸時代の前、近世とか中世のころ領主様の圧制に苦しんだそこに住んでいる方が税の重さに耐えかねて自分の町を放棄してしまう。同じようなことが、今一万二、三千人の住民の方、市民の方がいらっしゃるということでありますが、例えば人口が半減をした、人口がなくなった、ゼロになったというのが極論でありますが、それでは市の財政再建計画が幾らあっても支える人がいない。  ですから、債権放棄というものが適切かどうかは、今までそういうことはありませんから別としても、これは金融政策や経済政策全体にもかかわってくるかもしれませんが、大きな中でこの夕張市の問題をきちっと結論をつける。そして、国や、北海道ですから道、通常であれば県、そして市町村という三層の形にとりあえずなっているわけですから、そういうものの構築の対応の仕方、それぞれの部分がどういう形で参加をするか。それで、ストック部分の借金でいえば、民間の金融機関からもお金を借りているということもありますから、民間のそういう部分も入れながら、トータルとしてどうするのかということをやはり私はきちっと検討していただきたい。  実際、市の職員の方も、八五%がもうすぐにでもやめたいと。今、奥様と検討しているのか、御家族全体と話をしているのかは別としても、そういうふうな現状にあるという前提で、この夕張市の問題をどういうふうにしようとしているのか、大臣の御見解をもう一度お尋ねしたいと思います。
  57. 菅義偉

    菅国務大臣 まず、ぜひこれは御理解をいただきたいんですけれども、私は、基礎的な行政サービスを行うことを前提としてこの再建計画を行うべきである、これをまず御理解いただきたいというふうに思います。  そして、なぜ三百六十億円というこうした赤字を生むことになったのか、まずここをやはり私は徹底して夕張市の皆さんに反省をして、そして歳出削減に努めてもらわないと、やはり私どもが国民皆さんから納得できなくなってくるだろうというふうに私は思います。  私がこのことになぜこだわるかといえば、この財政破綻というものを発表した後に、夕張市は昨年を上回るボーナスを支給しているんですね。こういうことが実は七月にあったわけですから、私は、国が夕張市に、もし私が今そういう状況の中でいろいろなことを配慮したら、国民から私は理解を得られないと思うんです。  職員の数も今二百七十人ですよね。人口一万三千人規模からすれば、倍なんですね、普通の平均からすれば。やはりそうしたことをまず夕張市自身、徹底して再建するという意欲を私は示してほしい。  そういう中で、ぎりぎりのところまで夕張自身で計画をつくってもらって、それで基礎的な行政サービスに支障を来すことであれば、これはやはり私も判断をせざるを得ない。私は、基本的にそういう観点からこの財政再建というのは考えていきたいというふうに思っています。  そして、現在の再建法制でありますけれども、地方公共団体が再建団体への申し出をしなければできない仕組みにもなっています。そして、第三セクターだとか、そうしたものもこの中には入ってこれない。連結になっていません。そういう中で、地方公共団体の中も、平時からフロー、ストックに係る財政指標を整備し、一定程度悪化した場合には早い段階で財政健全化への道をつけられるように、今研究会でその早期是正、再建のスキームをお願いしておりまして、きょう実は報告を受けることになっています。  そういう意味で、まず財政悪化の早い段階からやはり情報公開ができるようなことが一番大事だと思いますし、夕張については、先ほど申し上げましたように、私は、基礎的な行政サービスは提供したい、これは当然の役割であるというふうに思っています。ですから、それを支えるのに、国民皆さんから見てなるほどな、そういう納得がいくまでに努力をしてほしい、そういう計画であってほしいということであります。
  58. 後藤斎

    後藤(斎)委員 私は、大臣のおっしゃるとおりだと思うんです。  ただ、私は、予備軍が既に四百十八団体も、予備軍と言ったら大変失礼かもしれませんが、夕張と同じような状況にかなり近い将来なる可能性を含んでいる自治体もあるという前提で、この委員会でも何度か、今大臣が触れていただいたように、いわゆる一般会計と特別会計の連結の部分、そしてわかりやすい形で住民の皆さんに公開する。要するに、その連結の決算の部分もなかなか遅々として進まないというのが現状なんですね。  ですから、例えば市議会や町村議会や、県議会も含めてかもしれませんが、議会の対応も、見えなかったから、情報公開が十分でなかったからそれを見過ごしてしまった、それは結果論でありますけれども、これはある意味では、議会や監査機能の不十分な部分がたくさんあったというふうに言わざるを得ない点もあると思うんです。  大臣、私がぜひお願いをしたいのは、例えばその連結決算の部分、そしてわかりやすい形で住民の皆さんに公開をする仕組みを、いつも、できるだけ早くというふうなお答えであるのですが、具体的な形で、いつまでに例えば県を含めた各自治体にそういうふうな決算のあり方を対応するようにというスケジュールをぜひ、今の大臣の、夕張は夕張だけの問題じゃないという意識は大臣と全く私は共通ですし、この予防策をどうするかということがきちっとできれば、四百十八団体の今実質公債費率が一八を超えている自治体にも、もしかしたらそこは、そのモデルと言うとこれも失礼な言い方かもしれませんが、見ながら対応を進めていく。  ただ一方、大臣、これは地方財政計画の中で、地方債の部分が常に一〇%以上ですね。来年の分は知りませんが、平成十八年度でも一一%ほどの地方債の分、これは大臣、いわゆる借金ですよね。それが積み重なって夕張という部分が一つの問題として出てきた。ですから、その予備軍をなくすためにも、連結決算も含めたわかりやすい形で、今自分たちの住んでいる町や村は、市も、どういうふうになっているのかということを、具体的に市町村が対応に取り組めるように、多分、いろいろな目とか款とかいうのをつなぎ合わせる手法は、総体の標準的なものはあるはずなので、それをきちっと早急にやってもらいたいと思いますが、その辺は大臣いかがでしょうか。
  59. 菅義偉

    菅国務大臣 特別会計、地方三公社と第三セクター等を含めた連結バランスシートについては、平成十七年の九月にモデルを提示して、全都道府県あるいは政令指定都市ではこれはすべて作成、公表済みになっています。しかし、今指摘がありましたように、市町村では整備率というのはまだ三・四%で、その整備というものは急務であります。  また、ことしの八月に、全都道府県、市町村に対して通知をした地方行革新指針については、人口三万人以上の都市には三年後まで、人口三万人未満の町村等は五年後までに、連結ベースを含めたバランスシート、行政コスト計算書等の財務諸表の書類の整備を要請していますけれども、これについてもできるだけやはり早くすべきである、こういうことを私は事務方に指示もいたしております。  そして、先ほど申し上げましたけれども、きょうその財政再建に向けての早期是正スキームの研究会が私に、現在まで研究した結果を答申することになっていますけれども、そうしたものを踏まえて、私は、できれば来年の通常国会にもそうした財政再建の法案というものを出せるように、全力で今取り組むように事務当局に実は指示をしているところであります。
  60. 後藤斎

    後藤(斎)委員 この夕張の問題はこれで終わりますが、大臣、一点だけ。  先ほどちょっと指摘をさせていただいたような事業継承をどうしても自治体はしなければいけないし、大臣がおっしゃったように基礎的な行政サービスは提供しなきゃいけない。これは当たり前のことなんですが、ただ、ほかの市町村は他山の石としてそれをきちっと見なきゃいけないし、議会や監査の機能もきちっとしなければいけない。  これは、なぜ五月の時点で地方自治法を改正して、議会権能の強化ということをしたのか。それは各自治体の責任だといえばそれまでなんですが、私は、民間の再建の法体系の部分をやはり入れ込んでやらないと実質的にはすごく難しい部分があるということだけは、ぜひ要望として出しておきたいというふうに思います。  そして、もう一点なんですが、ここで話がちょっとかわって、また来週いろいろな御質疑があるかもしれませんが、今、近未來通信という会社がいろいろ問題を起こしております。  これは、実質的にはもちろん直接の問題ではありませんが、一応、電気通信事業法という事業を所管する立場から、やはり規制緩和の中で、特にこの電気通信事業法の第二種という電気通信事業者はほとんど申請主義でやられてきた、ほとんど内容をチェックせずに、紙だけで受け取って許可を出してきた。でも、総務省が許可をした、認定をしたというのは、結構やはり世の中的には重いわけですから。  そういう部分で、これはちょっと時間もありませんからまとめてお伺いをしたいんですが、総務省としては責任というものはないんでしょうか、そして、仮に責任があるとしたら、これからそれを課題として、電気通信事業法というものの仕組みとしてそれがないように、やはり制度設計を変えていく必要がある。これは大臣が記者会見でもお話をされたようでありますが、その点について大臣、簡潔で結構ですから、あわせてお尋ねをしたいと思います。
  61. 菅義偉

    菅国務大臣 届け出制にして、今一万を超える会社が実は届け出をし、現在サービスを行っている。規制緩和によって料金が非常に安くなって使いやすいと評価も受けているということも、これは事実だと思います。  そして、この電気通信事業法において、この近未來通信に対しては、利用者保護を私どもが所管をしています。それから、今回の場合は利用者の皆さんから苦情というのは全くなかったんです、全くなかったんです。しかし詐欺的な行為の新聞報道がありました。ですから、私はその決算について彼らに、この近未來通信に報告を実は求めていました。その報告が出てきたのが一年前の報告でありましたので、それをもとに立入検査を行ったということであります。  ですから、それまで全く私どもが所管をしている通信のことについては問題なかった。それは、この会社がKDDIと契約をし、利用者の皆さんにはその利用が途絶えることがないようにやっていたということも事実だったというふうに思います。  とはいえ、私ども、これを所管いたしておりますので、こうしたことを何らかの形で類似的なものを防ぐ方法はないかなという思いの中で、今回、この電気通信事業法を、利用者保護ということに限定でなくて、会社の健全性というんですか、そういうことも含めて、そういう詐欺的な問題があっても何らかの措置はとれないかなという形で、改正に向けて今検討をしているということであります。
  62. 後藤斎

    後藤(斎)委員 大臣がお答えをいただいたような、私も総務省から資料を、届け出の文書、そして報告を年に一遍もらっているもの、確かに一万数千社あると言われているからチェックも大変だとは思うんですが、大臣も就任をされたときの所信の中で、やはり情報通信産業というのはこれからもっともっと成長していくし、それがひいては国民生活全体の底上げにもなるというお話をされております。  ぜひ私は、そういう観点からも、届け出したイコールそれで処理が終わったのではなくて、その業をやっているかどうかも含めて、やはり内容的なものもチェックと言えるのか、一万数千社あって全部立入検査するわけにはいかないんでしょうけれども、やはり予防的な部分での対応もぜひしていただきたいというふうに思います。  かなり時間もたってしまったので、本論に入らせていただきます。総裁、済みません、お待たせしました。  この決算書を見させていただいて、これは総裁自身にお尋ねするのはちょっと失礼かもしれないので、総裁の給与というのが十九ページに、この白いものですね、載っております。総裁の給与は平成十七年度、この決算書によりますと約三千七十四万円ということのようであります。副総裁皆さんはお二人いて、お一人二千六百八十三万円。これは十五年、十六年を見させていただくと、十五年は二千六百十万円、十六年が二千九百四十九万円、これは総裁ですね。副総裁が十五年が二千百四十六万円、十六年度が二千五百七十七万円。  この水準が高いかどうかは別としても、どのような基準でこの金額を決められているのか、まず冒頭お尋ねをしたいと思います。
  63. 佐々木英治

    ○佐々木参考人 公社総裁の給与につきましては、日本郵政公社法第五十一条で定めることとされております役員の報酬等の支給の基準という規程に基づいて決定しているところでございます。この支給の基準は、この公社法五十一条三項の規定によりまして、三つの要件を考慮して定めなければならないこととされております。まず一番目が国家公務員の給与、二番目が民間事業の役員の報酬等、それから三番目が公社経営状況その他の事情ということでございまして、これらを考慮して定めるということになっております。これらを考慮の上作成をいたしました支給の基準は、公社理事会で決定の上、総務大臣に届け出ているものでございます。  なお、付言いたしますと、支給の基準につきましては、法律上、今申し上げましたように、総務大臣に届け出というのが二項で規定されておりますし、総務大臣がその届け出を受けまして郵政審議会に通知をする、それが四項でございます。それから、郵政審議会は、支給の基準が社会一般の情勢に適合しているかどうかについて総務大臣意見を申し出ることができるというふうにされております。第五項でございます。  なお、この届け出た支給の基準につきましては、公社のホームページにより公表しているところでございます。  以上でございます。
  64. 後藤斎

    後藤(斎)委員 今お答えをいただいた部分で、国家公務員の給与も勘案するというお話がございました。これはこの委員会でもせんだって議論をされておりますが、少なくとも、国家公務員の平均給与は、年間平均給与というと、もう平成十一年からずっと下がっているというのは指摘をしておきたいと思います。  あわせて、大臣大臣もその来た資料をごらんになっているということなんですが、私、大臣が幾らもらっているか、別に関心は余りなかったんですが、ちょっと調べさせていただいて、国務大臣の給与は二千八百六十四万円であります。多分そうだと思うんです。総理大臣が三千九百二十二万円。これはなぜ決められているかというと、平成十五年から、いろいろな、やはりそういうものが妥当かどうかという問題があり、幹部公務員の給与に関する有識者懇談会というのを総務人事・恩給局でやられております。平成十六年の三月にその報告書が取りまとめられております。そのときの基本的な考え方というものが、最後に、国民にできるだけわかりやすいものとする、職務の多様性や多様な人材の要請にかんがみ、弾力的運用を可能にすることも配慮ということであります。  そのときに、総理大臣の給与の決定の仕方は、例えば三千人以上の会社のトップの方、大臣は五百人以上の会社のトップの方、そういう議論がいろいろされているんですが、大臣よりも総裁の方がお仕事がお忙しいかどうかは別としても、やはりこれはこういう決算だから出てきた。  これはちょっと関連をするのでお尋ねをしたいと思うんですが、これから民営化をされた以降は、今度は五つの株式会社になります。現在、実質的にスタートをしているのは、企画準備ということが今メーンでありますが、日本郵政株式会社が、将来、民営化以降のことをされています。今、西川社長社長というお立場で対応されておりますが、西川社長の給与というのはどんな形で、どんな基準で幾らと、具体的にもしお話しいただければ。
  65. 伊東敏朗

    伊東参考人 お答えいたします。  西川社長の報酬は、年約二千九百万円でございます。これの決め方でございますが、公社及び他の特殊会社等の状況も勘案いたしまして、創立総会におきまして役員報酬全体の総額を定めました。個々の役員の報酬額は取締役会で定めている、こういう状況でございます。
  66. 後藤斎

    後藤(斎)委員 大臣、今まではなかなか、株式会社社長の報酬というのは明定をすることは結構ためらったようですが、今、二千九百万ほどという話を聞きました。  大臣、今公社も、先ほども、この決算の中にありますけれども、要するに十七年度も五千四百人、公社の人員を効率化、合理化ということで削減をしている。そうですよね、総裁。いろいろな判断があると思うんですが、やはり職員の方にとってみても、そして、まだ今公社というのは公社法という法律で対応されている、民営化以降も、少なくとも政府が出資した特殊会社である事実は変わらないと思います。  ですから、私は、どこが下位かは別としても、やはりトップの方がどういうふうな思いで、そしてもちろんそれに見合った報酬というのは、当然のことですがあってもいいと思うんですが、やはり国民皆さんが見て、ああそうだなというふうに、先ほどの、大臣が繰り返し強調された夕張市の再建も、国民皆さんが、ああ、ここまで夕張市自体が努力をすればということと、多分共通する部分はたくさんあると思うんです。  ですから、大臣よりも総裁はかなり、かなりかどうかは別としても、報酬は高いようですが、ぜひ大臣、それを受けたときに、やはり総務省の中の議論をある程度すると思うんです。先ほどの近未來通信のように、申請主義で、数がふえ続ければいいということであってはやはりいけないし、常に大臣もそういうお立場の中でやっていただけると思うんですが、その点について、これはこれからの大臣思いの中で、こういう給与体系や、実質、これから民営化になる前に結構早期退社も、先ほども御指摘が他の委員からもありましたけれども、やはり減少後、普通の年以上に職員の方がおやめになる部分もあるという中で、これからの職員の方の給与額、そして役員の方の給与額を含めて、どんな形のものが一番望ましいというふうに大臣思われますか。
  67. 菅義偉

    菅国務大臣 私は、西川さんの給料も公表すべきだという話を実は指示したんです。それはやはり委員が先ほど来指摘しております。それと同時に、私は、西川社長にしろ、生田総裁にしろ、前任から比べればはるかに少ない中で、この国の大事業を私どもお願いをしておるという思いというのを実は強く持っております。そういう中で、かつて小泉総裁が二人にお願いをするときに、やはりこの郵政事業という大事業、改革を推進するにふさわしい、そうした方にお願いをして、今日このような状況になっていると思います。  しかし、とはいえ、規定があるわけでありますから、そういう中で、先ほどの公表したような金額でお願いをしている、これが実態であります。  また、詳細については事務方から答弁させます。
  68. 須田和博

    須田政府参考人 基本的な考え方につきましてはただいま大臣がお答え申し上げたところでございますけれども、私の方から、現行制度考え方につきまして述べさせていただきたいと思います。  先ほど、公社の方につきましては、法律に基づきまして役員報酬の決め方等が定まっておりますし、また、それを公表するという形になっております。こうした取り扱いにつきましては、独立行政法人などにつきましても原則同様でございます。また、情報公開という観点からも、こうした公社あるいは独立行政法人につきましても同様な取り扱いになっているところでございます。  しかしながら、今回御指摘ございました日本郵政株式会社は、特殊会社として設立されておりますので、基本的には公社、独立行政法人と違いました、やはり民間ということがございますので、そうした中で現在の法律の枠組みが定まっているところと考えております。
  69. 後藤斎

    後藤(斎)委員 時間がなくなってきましたので、大変いろいろな方においでいただいていますが、最後に一点だけ。  今の公社法では、三十七条で公社の国庫納付という規定がございます。これは総裁がこの三月にも記者会見でお話をされていますが、一期が終わったら大体六千億、計算するとそういうふうになるんですが、これからは税というものが民営化されたら出てまいります。  現在、公社は、この決算表にもありますけれども、三百六十八億円の租税公課ということで対応されております。  これは、民営化された以降どの程度税収がというのは、この経営の見込みというので計算をしたら、平成十九年度で二千三百十億、これは法人税だというふうに思いますが、二十一年には六千億ほどに法人税だけで多分なるんではないかなというふうに思いますが、この点、税というものが、実際この国庫納付というものは、公社法が廃止をされますから納入をされずに多分終わってしまうと思うんですが、そうですよね……。まだ終わっていませんから。その国庫納付の関係とこの民営化後の税はどのくらいかという、この関係について、あわせてちょっとお尋ねを最後にしたいと思います。
  70. 須田和博

    須田政府参考人 恐縮です。必ずしもちょっと御質問の趣旨を理解できていないかもしれませんけれども、国庫納付につきましては、公社時代の四年間、来年の三月までの利益、これを基準にしまして、一定の計算方式で納付額を決めるところでございます。これは、来年の三月末で締めます決算、その間の四年間の数字をもとにした上で初めて決まるものですから、その上で、あと全部資産をしっかり承継する形につくりまして、そこから具体的な税の計算が出てくるものと考えております。
  71. 後藤斎

    後藤(斎)委員 民営化後の、おおよそで結構ですから、どのくらいの税額が見込めるのか、株式会社の方にお尋ねしたいと思います。
  72. 伊東敏朗

    伊東参考人 私ども、七月末に政府に出しました骨格におきまして試算した結果、これは通年ですので二十年度で申し上げますが、五社合計で、法人税等、その他租税公課含めまして六千四百二十億円ほどでございます。
  73. 後藤斎

    後藤(斎)委員 総裁、これからまだまだお仕事、今まで以上にお忙しくなると思いますが、先ほどの報酬の件は、大臣がお話をされたように、本当に今までの御経験や大事業に取り組んでいただいていることに敬意はあらわすものの他意はございませんので、あわせて、大臣がお話ししたとおり、やはり情報は公開をきちっとしながら、民営化以降の事業の取り組みもぜひうまくバトンタッチができるようにお願いをして、質問を終わります。  ありがとうございます。
  74. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、逢坂誠二君。
  75. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。きょうはお世話になります。よろしくお願いいたします。  きょうの郵政公社の決算に入る前に、一点だけ簡単にちょっと菅大臣に御質問したいんですけれども、実は、先ほど後藤委員からも話のありました夕張市の関係でございます。  夕張市の財政再建は、現行のルールを旨としながら、これからいろいろな新しい仕組みも出てくるかもしれませんが、市の自己責任を基本として、淡々と財政再建というのはやっていかざるを得ないものだろうというふうに私は思っております。  しかし、その中で、今ちょっと資料としてお配りをさせていただきましたが、先ほどこれも後藤委員から話のあった点でございますけれども、これはきのうの北海道新聞のホームページからの抜粋、引用でございますが、これを見ますと、夕張市の職員が八五%退職検討ということでございます。この中で、後段の方にございますけれども、こんな状況になってしまうと、「国からの法定受託事務を続けることも無理だろう」というようなコメントも載っているわけでありますけれども、仮に職員がどんどんどんどん減っていったとしても、市の機能を維持するその責任というのは、第一義的にはやはり私は夕張市にあるんだろうというふうに思っているわけですね。とはいうものの、財政再建などとは別に、全くそういうことができ得ない状況というものが出る可能性も否定できないわけですね。実際に現地へ行ってみますと、本当に苦しい状況になっている。  そういう観点からしますと、最低限のサービスすら提供できない状況が生まれる可能性もなきにしもあらずというふうに思うわけですが、そんな場合にどうこの体制というものを組み立てるべきなのか、そういう場合にどんな仕組みで基本的なサービスを提供すべきなのか、このあたりについて、大臣としてのお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
  76. 菅義偉

    菅国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、財政再建に当たっても、地方公共団体は、法令で定める事務など、住民に対する基礎的な行政サービスというのは提供を続けていく、そういう前提に立って私はこの再建計画というのはあるべきだということを申し上げています。  夕張市についても、こうしたものを前提とし、市が抱えるこの三百六十億円という多額の赤字を解消するために、歳出削減、歳入確保、両面から聖域なき努力をしてほしい。  そして、こうした見直しの中で、先ほどお話がありましたけれども、職員の数も、同じ規模、人口からすれば倍以上の職員皆さんがいらっしゃるわけでありますし、さらに、小学校の数も一万三千人の中で七校というのは、確かに面積は広いと思いますけれども、やはりそうしたものも当然見直しをしてもらう。こうした基本的な行政運営を行うための最低限の事務的な人員、組織体制というものをまずつくっていただいて、それについて、北海道庁が今、夕張市といろいろな計画等の打ち合わせをしておられるというふうに思います。  その計画を見て、国民皆さんから、なるほどなと、そういう中で私どもは決断をしていきたい、こういうことでありますけれども、少なくとも基礎的な行政サービスということがし続けられる状況というのが前提になるのは当然のことです。
  77. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 今の大臣の話は私も非常によくわかるわけでありますね。基礎的なサービスというのは提供するのが前提でその財政再建計画というのはつくられなければいけないというのは当然のことだというふうに思うわけです。  しかも、夕張市の場合、類似団体の倍近い職員がいるということで、それももちろん減らしていかなきゃならないということもわかるわけでありますが、この報道を見る限り、あるいは職員の意向調査を見る限り、その度を少し超えているような感じがするわけですね。  類団を五〇%以上上回っているというような今の大臣のお話でございますが、八五%の職員が退職検討でありますから、となると、ここにも指摘があるとおり、「法定受託事務を続けることも無理だろう」というような話になるわけで、その計画の意図するところとは別に、現実がもうそうなってしまうというようなことがあった場合の質問を私はしているわけですね。そういう場合に、やはり自己責任だから市でやりなさい、とはいうものの、でも実際にできないだろうというような現実があるときにどう対応するのかということであります。  特に、憲法二十五条との関係において、健康で文化的な最低限の生活を営む権利というものを、その地域にお住まいになっている皆さんにどうやって提供していくのかという観点から、どう思うかということをお聞きしたいのですね。
  78. 菅義偉

    菅国務大臣 この調査というのは市の職員労働組合が行った調査結果であるというふうに、ここにも書いてあります。私は、先ほど申し上げましたけれども、夕張市が財政再建ということを決議する中で、昨年度より多いボーナス、七十五万、数%多いものが支給されたということも事実ですから、私は、国民皆さんから見てなるほどなというところまで、やはり自助努力というのはしてほしいというふうに思っていますし、八五%の方がもしやめられるのであれば、それは市がまた新しい方を採用してやるということも一つだというふうに思いますし、いろいろな方法というのはあると思いますし、また、北海道庁がそれについて、基礎的な行政サービスを行うためのことも考えられるし、いろいろな選択肢というのはあるというふうに実は思っております。  ただ、そうした基礎的サービスは必ず行えるということは、私ども地方自治を所管する責任者として、そのことはしっかり担保しなきゃならない、こうも思っております。
  79. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 了解いたしました。いろいろな方法がある、だけれども、最終的には基礎的な行政サービスを提供する責任者としてきちんとしなければならないという御答弁だったというふうに理解をいたしました。  それから、これはちょっと言うつもりはなかったのでありますけれども、二度発言されましたので、夕張市の名誉のために申し添えておきたいと思うんですが、夕張市が確かにことしの夏の手当、去年より多かったものを支給したというのは事実だというふうに思います。しかし、これは、当然、自治体の手当というのは恣意的にやっているわけではなくて、条例の決めによってやっているわけです。しかも、あの財政再建団体の申請のスケジュールというか、あのときの日程的なものを見たときに、その条例改正というものをうまく組み込んだことができたかどうかということをやはり多少考える必要があるのではないか。  要するに、確かに事実はそうではあったかもしれないけれども、行政というのは恣意的に、そこでそれじゃすぐ変えられるかということ、変えられなかったのも事実だというふうに思いますので、そういう目線もプロとしてお持ちいただきたいというふうに私は思います。  さて、そこで本題に入りたいと思いますが、十七年度の郵政公社の決算について、総務省からの「日本郵政公社平成十七年度の業績評価 総務省」というものを見せていただきました。その中で特に、いわゆる郵便事業についての評価を見たところ、「郵便業務の目標に関する業績評価」というのを見たら、例えば「財務内容の健全性の確保」、これはランクでいうとCだということですね。A、B、C、D、Eというランクがある中でCだ、「取組の強化が必要である」。その中に書いてあるのは、「一層の郵便利用の拡大とそれを通じた収益の確保並びに」云々というようなことが書いてあります。  それから、「業務運営の効率化」においても、これもやはりCだということですね。だから、Cだということは評価が必ずしも余りよくないということだと思いますね、強化が必要だ、取り組みがおくれているということでありますから。それから、「サービス水準の維持及び向上」においても、やはりこれもCランクなわけでありますね。  現に、それでは決算がどうなっているかというのを見ると、十七年度は、百三億円のプラスにはなっているけれども、計画比百四十六億円のマイナスだということであります。要するに、民間に移るとかそういうようなことの経費を差し引くと当期利益というのは二十六億円にとどまったというのは、これはもう既にいろいろ報道されているとおりであります。  さらに、十七年度の決算をちょっと飛び越えて十八年度の見込みを見てみると、これがまた、やはり計画比二百九億円のマイナスだということでありまして、今回の民営化で幾つかの事業があるわけですが、その中でもとりわけてもなお、この郵便事業の将来見通しというのが極めて不安になってくるわけでありますね。  保険事業だとか貯金事業というのはどんどん民間化していくというか、郵便事業よりも民間化の度合いの強い分野だとは思うんですけれども、郵便事業は、どちらかといえば保険や貯金に比べれば民間化の度合いの若干薄い、公的側面の非常に強い事業かなとは思うんですが、そこの分野が非常に、計画から見ても、何となく見通しがどうなのかなという状況になっている。それから、総務省の評価自身もCランクが割と多目に並んでいるところだということであります。  まず、この点を踏まえて、こうなってきたこの状況を踏まえて、来年の秋から郵便事業株式会社になっていくわけでありますけれども、郵便事業株式会社事業の見通しというものについて若干御説明をいただきたいなというふうに思うわけでありますが、よろしくお願いいたします。
  80. 白金郁夫

    白金参考人 お答えいたします。  郵便事業会社経営見通しの関係でございますけれども、これは、去る七月に公表いたしました実施計画の骨格における郵便事業会社経営見通しで明らかにしておるところでございますが、その中では、郵便事業会社に承継する予定である業務資産、負債の帰属をもとにいたしまして、公社の十七年度決算の状況も踏まえて作成したものでございます。収益につきましては最近の郵便物数の推移、それから費用については、今後の業務量の増減見込みに対応した人件費、集配運送費の変化などを織り込んでおります。  具体的に申し上げますと、収益については、ベースとなる郵便物数について、通常郵便物の種類ごとの平均伸び率、また、小包物数については、平均伸び率及び市場における最近のシェアの増加を参考に見通しを立てた年度別物数をもとに算出しております。  それからまた費用の関係では、人件費につきまして、十九年度以降の種類別物数見込みに応じた所要労働力の増減、例えば、通常郵便物については減っておりますけれども、ゆうパック関係についてはふえている、そういったようなもの。それからさらに、現在検討中の効率化施策に基づく要員の増減を見込んでおります。それから、費用のうち集配運送委託費も非常に大きな分野でありますけれども、これも、郵便物数見込みに基づき荷量を想定して経費の増減を見込んで算出したところでございます。  具体的な数字につきましては、既に公表したところでございますけれども、十九年度当期利益五百十七億、二十年度三百七十九、二十一年度四百四十二と推移しておるところでございます。
  81. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 今のは、前段お話しになった、こういうことをやって、それで後段にお話しになった十九年度の五百十七億からの当期利益が出てきますよという話なんですけれども、今の郵政公社の段階の状況を見ると、どんどんそちらの分野は縮小しているというか、苦しい状況になっているわけですね。それがなぜ今おっしゃったような、十九年度は半期しかございませんけれども、二十年度三百七十九億とか二十一年度四百四十二億にいくのかというところをもうちょっと詳しく、確実性のある話をしていただけますか。二十三年度ぐらいになると随分先だから厳しいかもしれませんが、せめて二十年度ぐらいは、こうこうこういう理由でこうなんだぐらいは言えないんでしょうか。
  82. 白金郁夫

    白金参考人 今の経営見通しの関係でございますが、十七年度の決算をもとに今回といいますか七月に発表した骨格の見通しを立てたと申し上げましたけれども、それの乖離、こんなに大きいのではないかという御指摘ではないかと思っていますけれども、十七年度決算では、公社経常利益が百五十一億ということでございます。このほかに特別損益等がありまして、結局二十六億、そういう数字になっているというふうに承知しております。  私どもの経営見通しの関係でございますが、十九年度は確かに半期の話でありますので、二十年度ベースで考えていただきますと、郵便事業会社関係につきましては、公社と同じベースで見ますと、大体経常利益は百三十億ベース、そういう意味でいきますと、純利益が八十億程度、公社の十七年度決算ベースの経常利益百五十一億円と近い数字になるのではないかと思っています。  なぜこんなに数字が大きいかといいますと、先般も実は申し上げたわけでございますけれども、整理資源と呼ばれる恩給負担金に係る共済組合の追加費用の分が約五百億ございます、十九年度ベースで。それを今回持ち株会社がすべて負担する、そういう計算にしておりますので、その分を除いた結果、こういう数字になっているということでございます。
  83. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 次に、もう一つ質問したいんですけれども、そういうもろもろのことによって、今この骨格見通しというのは、確実性はまあ二十年ぐらいは大丈夫だろうというような話というふうに私は承ったのであります。しかし、世の中の動きというのはなかなか複雑で早いものでありますから、万が一これが達成できないというような状況になる可能性も否定できないわけですね。  ただし、この郵政民営化のときに、ユニバーサルサービスというものは必ず確保するんだという話があったわけでありますので、万が一赤字になるというような可能性があった場合に、現時点でどのような対応、対策というものを考えておられるんでしょうか。
  84. 白金郁夫

    白金参考人 お答えいたします。  骨格の中では、確かに、現時点で黒字基調といいますか、非常に数字としては小さいものでありますけれども、黒字基調ということで考えておりまして、いわゆるこれからの通常郵便物の減少の傾向、そういったものを踏まえた形になっております。最近の物数の推移を踏まえまして、毎年三、四%程度の減少を実は見込んでおるところでございます。  私どもとしましては、IT化の進展あるいは民間事業者との競争の激化ということが非常な要素であると思っておりますけれども、成長分野と考えられるDMの需要拡大を図ることにより、減少に歯どめをかけていきたいというふうにまず考えております。  それから、ゆうパック関係につきましては、これは、平成十六年十月のゆうパックリニューアル等により、平成十七年度は対前年度比一四・九%増加というふうになっていまして、最近でいっても十数%の増加になっておりますものですから、こういうまさに伸びている分野、今後、郵便事業会社が物流分野における経営の自由度も拡大するといったことから、お客様のニーズにこたえるサービスを一層充実することによって収益の増加を図りたい、そういったことで経営の安定を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  85. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 としますと、何としても赤字にはしないんだという強い決意だというふうに思うわけですが、ただ、今の御説明からいうと、新規事業分野の話も若干あったかと思いますが、先ほどの骨格見通しには新規事業分野というのは入っていないんですよね。どうでしたか。
  86. 白金郁夫

    白金参考人 骨格の経営見通しの中では、いわゆる国際物流分野、そういった意味での新規業務の展開は入っておりませんけれども、既存の郵便業務あるいはゆうパック、そういったものについてのサービス改善、そういったものは盛り込んでおります。
  87. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それで、今までの話を踏まえまして、日本郵政株式会社西川社長にお話を伺いたいのですが、今、まだ先の会社のことでありますので、どうこう言うのはいかがなものかという考えもあるかもしれませんが、でも、もう一年を切っているという段階でありますので、特に、国民が一番懸念している郵便事業会社経営見通しに対する基本認識、あるいは将来に対する決意をお聞かせください。
  88. 西川善文

    西川参考人 お答えいたします。  七月末に公表いたしました実施計画の骨格における見通しにつきましては、ただいま御説明を申し上げたとおりでございますが、この骨格の経営見通しについては、その後に公表されました公社の、十八年度、今年度の中間決算の状況でありますとか、あるいは今後作成されます十九年度、これは上期ということになりますが、これの経営計画等も踏まえまして、一定の見直しは必要だというふうに考えております。  いずれにいたしましても、郵便事業は、御承知のように、民間業者のメール便やあるいは宅配便、これらの業者との競争が大変激しくなっておりますし、その中で、手紙、はがき等の郵便物の減少が見込まれます。  こういう厳しい事業環境にございますので、決して楽観視できないというふうに私は認識をいたしておりまして、業務の一段の効率化等によりまして経営改善に努めますとともに、中堅中小企業向けなどを含めまして、営業活動の積極的な展開、これは、ただいま申しました民間業者との競争に負けないように、積極的な営業活動の展開を通じまして極力安定した経営の確保を図ってまいりたいというふうに考え、ただいまいろいろと施策を検討しておるところでございます。
  89. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 ぜひ来年の秋以降の会社も、きちっとしたサービスが提供できるように、しかも安定的な経営ができるように、私も強く望みたいと思います。  次に、これは国民皆さんに非常に密接、近い仕事でありますので、国民皆さんに安心感を与えるということも非常に重要なことかと思います。  そこで、今後幾つかの株式会社ができる、今既にもうできているものもありますけれども、その幾つかの株式会社の情報公開でありますとか、国民に対する説明責任の基本姿勢というのはどのようにお考えになっているか、お伺いをしたいと思います。  ただ、保険の会社ができたり貯金会社ができたり郵便事業会社ができたりするということで、いろいろお伺いしますと、それぞれどうも担当が違って、考え方も違うから一括して答えられないという話もございましたので、郵便事業株式会社の部分についてのみ、どういう考え方で情報公開あるいは説明責任、リライアビリティーというものを発揮していくかというあたりをお伺いしたいと思います。答弁される方はまずどなたでも構いませんので。だれに聞いていいかわからないんですね、複雑なんですね、これ。よろしくお願いします。
  90. 白金郁夫

    白金参考人 それでは、郵便事業会社関係ということで申し上げたいと思うのですけれども、郵便事業会社の企業情報の公開の関係でございます。  郵便事業会社を利用されますお客様に的確な情報を提供いたしまして、事業運営状況を御理解いただいた上で、安心してサービスを利用していただくということが極めて重要だというふうに考えております。  郵便事業会社につきましては、郵便事業会社法あるいは郵便法の規定に基づきまして、それぞれ定められたところに従いまして収支の公表が義務づけられているところでございますけれども、これにかかわらず、幅広くお示しをしたいというふうに考えています。  ただ、現在、郵便事業会社の私ども担当の方では、その情報公開のあり方につきまして、民営化に向けての組織あるいは会社運営あり方とともに検討しているところでございまして、現段階で具体的にお話しできる内容は持ち合わせておりませんが、現在公社が行っている情報公開の取り組み、それから、同業他社初め他の民間会社の事例も踏まえ、今後十分に検討してまいりたいというふうに考えております。
  91. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 この点につきまして、いわゆる形式上は株式会社でありますから、一般の株式会社と同じ考え方を持っていればいいという形式的な思いもあるかもしれませんけれども、私は、今回の郵政民営化で生まれる株式会社というのは、やはり、経歴からいっても、さまざまな経過からいっても、通常の株式会社とは違うものだというふうに思っております。  その意味で、情報公開というものは積極的に行われなければならないし、説明責任、単に情報を公開するだけではなくて、しっかりと説明をして、国民皆さん地域皆さんに安心感を持ってもらうということが大事だと思いますが、全体を所管する官庁として、菅大臣、どうお思いになられますか。
  92. 菅義偉

    菅国務大臣 私も、たびたび、情報公開の必要性というのはこの場でさまざまな問題について述べております。そういうことだというふうに思います。
  93. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それでは、今後も、単なる株式会社としてではなくて、国民により身近な、公共性の強い株式会社としての立場を十分に踏まえた説明責任と情報公開の姿勢を持っていただきたいということを強く要望しておきます。  次でございますけれども、私が田舎に住んでいるものですから、近所の話題となるとどうしても、最近郵便局の話題では、私のことを今でも町長と呼ぶ人がいるのですけれども、いや、町長、集配局がなくなるんだってなという話にまたなるもので、すぐその話題になってしまうものですから、この点をちょっとお聞きしたいと思うのです。  先ほども与党の議員の方の話にも出ていましたが、集配局廃止計画の進捗あるいは反対の状況、特に反対されているところの状況について、簡潔で構いませんので、お知らせ願えますでしょうか。
  94. 塚田為康

    塚田参考人 お答えします。  自治体への説明状況は、六百六十七の自治体の中で五百九十一の自治体には御理解いただいた。御理解いただいていないのが七十六あります。そのうち五十五につきましては、地域住民への説明もやってよろしいということで、今住民説明会をやっている状況、それから二十一については、まだ地域への説明もできていないという状況でございます。  実施状況でございますけれども、全体千四十八を集約するわけでございますけれども、九月からやりまして、現在までに約六割に当たります六百二十八局について集約を実施いたしまして、現在の状況としては、特段の状況が生じることなく、円滑な業務運行がなされているということでございますし、今後、年末年始の繁忙を避けますけれども、来年の三月までに残りの四百二十局を実施するということでございます。  それで、御理解をいただけない七十六の自治体についての状況でございますけれども、先ほど申し上げたように、五十五につきましては既に順次住民説明会をやっておりまして、自治体の方にはそういう住民説明会の状況などを報告させていただきまして御理解を賜るということで今進めておるわけでございます。  残りの二十一でございますけれども、これはそもそも反対されている理由というのが、隣町の小さな町に吸収されるのは住民感情とかメンツが許さないという話とか、一自治体に一集配局はやはり残すべきだというような話でございます。  こういう自治体に対しまして、私ども、そもそもこの集配拠点の再編につきましては、事業の公共性と事業性を両立できる体制を構築しようということでございまして、そのために必要な内側の効率化、改革であるということでございます。  ただ、実施に際しましては、利便性や公共性というのを確保する、お客様サービスは低下させないということを前提に取り組んでいるということを再度説明するとともに、先ほど申し上げたように、六百二十八局を既にやっておりまして、その状況をお話しする、さらには個別のその地域についてのサービス面での御不安の点というものを十分お伺いいたしまして、それに対する対応策をつくって御説明をするというようなことをいたしまして、サービスは低下しないということで御理解をいただき実施するようにということで進めているという状況でございます。
  95. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 随分御苦労されてやられていることというふうに思いますけれども、今話のあった七十六自治体でありますけれども、来年の三月までに何とかしたいということでありますが、仮定の話なんですけれども、この七十六自治体が、説明した結果やはり同意が得られないというような場合、どうされるのかという話が一つ。  あと、七十六のうちの二十一、説明会すら開けていない、地域事情すら説明できないというような状況があるということでございますけれども、そういうような場合に、三月末の時期が来た、時期が来たからあとはやっちゃうんだということにされるのかどうか。  この二点についていかがでしょうか。
  96. 塚田為康

    塚田参考人 これから三月までございまして、七十六のうちの五十五につきましてはやはり丁寧な説明をしていくということで、ぎりぎりまで説明をして御理解を賜るということでございまして、私ども主眼としておりますのは、サービスの低下ということに主眼を置いておりますので、個別具体的なお話を伺いながら対応していくという努力をしていきたいということでございます。  それから、同様でございますけれども、二十一のところはまだ地域住民説明会もできないということでございますけれども、これも粘り強く対応していきたい、それで、三月に向けて私どもぎりぎりまで対応していきたいというふうに思っております。
  97. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 いつも仲よくしている塚田常務なので、余り質問を繰り返したくはないのですが、聞いたことにお答えになっていないので聞かざるを得ないのです。  説明会も開催できないというような場合どうするんですかと、私は二十一のところについて聞いたんですけれども、いかがでしょうか。
  98. 塚田為康

    塚田参考人 私ども、説明会を開けるように自治体と緻密にやっていきたいということでございます。
  99. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 その結果、三月末までに説明会が結果として開くことができなかったというようなところはどうするんですかということを私は聞いているんですね。  それともう一つ、実は、私がよく地域を回っていて言われるのは、確かに説明会は開きましたよ、それは説明させるのは道理だと思うよ、説明は聞いた、だけれども我々は賛成しているわけじゃないからねと言っているようなところもあるわけでありまして、二段構えなわけですね。  だから、大変恐縮ですが、もう一度、特に、説明会すら開けないという、多分郵政公社さんから見ると最悪の状況になっているところについて、三月末でどうされるおつもりなのか、お聞かせください。
  100. 塚田為康

    塚田参考人 大変繰り返して申しわけございませんけれども、まだ三月まで時間がございますので、住民説明会ができるように努力していきたいというふうに思っております。
  101. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それでは、現時点で、説明会が開けないとか最終的に了解の得られないところについては、まだ方針が決まっていないというふうに理解をしていい、粘り強くとにかく説明をして御理解をいただくことを今旨としてやっているというふうに理解をさせていただきました。  さて、そこで、生田総裁にちょっとこの点についての最後にお伺いしたいんですけれども、郵政公社として最初にいろいろな計画をつくった、それで千四十八廃止しようと思った、しかしながら、説明会を開き、地域のいろいろな声を聞いた結果、どうも地域の言っている声に合理性があるなというふうに思われたり、あるいはまた、先ほどもお話が若干あったようですが、同じ地域の中のほかにある集配局の存在している自治体と比べてみて、向こうの自治体の方が人口規模、産業の状況からいっても圧倒的に小さいのに、そちらの方に、地理的な条件だけによって、あるいは局舎のサイズだけによって集配局が残って、大きな町から集配局がなくなるというようなことについては、やはりこれまでの日本の自治の雰囲気からいっても、なかなか地域としては容認しがたいというような状況もあるとか、そういうつぶさにいろいろ声を聞いてみると、郵政公社として、合理性を旨として、サービスが保たれることを旨として準備はしてはみたものの、ちょっと状況が違っているぞというようなものがあった場合に、やはり私は柔軟に対応すべきではないかなと思うんですが、総裁、いかがでしょうか。
  102. 生田正治

    生田参考人 その前に、ちょっとルール違反かもわかりませんけれども、今の二十一自治体の問題で一言だけ加えさせていただきますと、今、非常に難しいところと同じような事情ではあるけれども、やはり各自治体も合理化の大変な努力をしているので、公社が内部努力するのはわかる、公共性はきちっと守るし、利便性はきちっと守るし、かつ事業性も追求しなきゃならないなら、内側の合理化をするのは当たり前でしょうね、だから、イエスとは言えないけれども、おやりになるのはしようがないと思いますよ、我々自治体も同じようなことを取り組んでいますというところがたくさんあるんです。  そういうことで、イエス、イエスと言っていただいているところがたくさんありますので、私としましては、やはり来年の三月末を一つの大きな区切りとしまして、今度は不公平が出ないように、不公正が生じないように、ぎりぎりまで同じように理解していただく努力を徹底したいとは思っておりますが、何とかやはり公正を期す格好で三月末にターゲットを持っていきたいな、かように考えているということをつけ加えさせていただきたいと思います。  御質問にお答えしていきますと、要するに、今やっていることは、非常に事業として難しい郵便局の損益構造を何とか健全化しようという努力であります。  公共性も守ります、利便性も守ります、だけれども企業性も追求しなきゃならない。そういう中で、例えば郵便局マスタープランで、郵便局会社が本当に経営できるように内容を変えていくということもそうですし、JPSもそうですし、集配再編もそうなわけであります。そういったことなんですが、決して全国の皆様方に御迷惑がかからないように、一に、本社、支社、郵便局が協力いたしまして十二分に検証いたしました。  二番目に、集配拠点の再編は、現行のネットワークや郵便配達のサービスレベルを考えながら、徒歩と自転車でやっていた今のシステムを、高速道路もある、道路ネットワークが整備された上での自動車とバイクへの切りかえ、そういうシステム変更をねらったものであります。  それから三番目に、現在の送達速度を維持しながら、現行サービスもきっちり維持いたします。  住民の皆様方にもしっかり御説明しておりますから、私は、そごはほとんど出ないと思いますが、実施させていただいた後、その後も十分モニターし、住民の皆様方のお声にも十分耳を傾けまして、もしサービスダウンがあるようなことがありましたら、それは責任を持って改善して、そのようなことが起こらないようにやっていくつもりでおります。
  103. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 結論から言うと、基本方針は変えないというふうには読み取れたわけでありますけれども、それであれば何のために説明して歩いているのかなという気もしないわけでもないわけでありまして、ぜひ本当に地域の声に真摯に耳を傾けてやるという姿勢をお持ちいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  さて、そこで、今回我々がこういう議論をしているある種の一つの出発点になったのが、昨年の九月十一日の衆議院総選挙でありましたけれども、あの総選挙のコストというのを調べさせていただきましたら、何と七百六十九億円なんだそうですね。いや驚きました。先ほどの夕張市の赤字が三百六十億円でありますから。それはともかくとしまして、これは、郵政民営化法案が参議院で否決されて衆議院が解散されたという、どちらかというとイレギュラーな解散だったというふうに私は思うわけですね。この解散というのは本当によかったのかどうか。これは、選挙を所管する菅大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、解散権ないことはもちろんわかるんですが、この解散の適法性、しかも解散権の濫用ではないか、選挙を所管する大臣としてもまことに迷惑ではないかというふうに思うわけですが、いかがですか。
  104. 菅義偉

    菅国務大臣 解散権は総理の専権事項でありますから、それに基づいて総理が行った、私ども総務省はその選挙を適切に円滑に執行した、そういうことだと思います。
  105. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それは、まことにもってごもっともな答弁だというふうに思いますが、ただ、解散した、七百六十九億かかった、それであのような選挙結果が出た。その結果、きょうここでまた民営化のことなどいろいろ議論しているわけです。ところが、今回十一名の方が復党されたというようなことですね。大がかりな選挙をやって、七百六十九億円もかけて、国民の信を問うとやった選挙、その結果。何か国民にしてみると、あら、ちょっとあの選挙は一体何だったのという気がしないでもないんですが、選挙を所管する大臣として、七百六十九億円もかけて、あれほどの大がかりな国民の信を問うことをやった結果、また十一人も復党しちゃって、はしごを外されたような気持ちになっている国民の立場から、この選挙、どう思われますか。いかがでしょうか。
  106. 菅義偉

    菅国務大臣 七百数十億円というのは、国民の民主主義のコストであったのかなというふうに実は思います。  まさに、私ども政治というのは、国民皆さんに、そういう時々によって審判を仰ぐ、そういうことも許されておるわけでありますから、その結果として十一人の方が先般復党された。これは、民意を受けて、この十一人の皆さんは、その後の国会審議の中で民営化法案に賛成をされたわけであります。そのことを政党である自民党が受け入れた、そういうことではないでしょうか。
  107. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 質疑時間が終わりましたので、これでやめたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、余りころころ目先が変わるようなことを七百六十九億円もかけてやるのは、やはり慎重でなければならない。私は、特に国民皆さんに申し上げたいのは、簡単に解散、解散、選挙、選挙と言うけれども、七百六十九億もかかっちゃうんだよということは、やはりしっかりとアナウンスしなきゃいけないだろうなというふうにも思っているところであります。  これで終わります。どうもありがとうございました。
  108. 佐藤勉

    佐藤委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十四分休憩      ————◇—————     午後一時二十六分開議
  109. 佐藤勉

    佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。福田昭夫君。
  110. 福田昭夫

    福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。これから質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  御案内のとおり、郵政民営化関連六法案でありますが、昨年の、参議院で否決をされて衆議院を解散するという憲政の常道を大きく逸脱する小泉総理の暴挙を経て、十月十四日、参議院において賛成多数で可決されたことは、記憶に新しいところであります。それから一年しかたたないうちに、郵政民営化に反対して自民党を追い出された人たち十一人が復党を認められ、安倍総理の指導力のなさがはっきりしてまいりました。そうした中で、信念を貫かれた平沼先生は、偉い、すごいなと感服をいたしました。  私も、郵政民営化は何かおかしいな、ポイントがずれているなと思っている一人であります。本日をスタートとして、今後、その矛盾点を何度かただしていきたい、こう思っているところでございます。生田総裁を初め郵政関係者皆さんの御指導をよろしくお願い申し上げます。  まず、中期経営目標についてお伺いをいたします。  平成十五年度からスタートいたしました四年間の中期経営計画が十七年度で三年を経過し、最終年度も既に半期を終えたわけでございますけれども、経営計画の目標の達成ぐあい、進捗ぐあいを総裁御自身どのように評価されていらっしゃるのか、また総務大臣の業績評価をどう受けとめられているのか、お手元にあります総務大臣による行政評価の一覧をごらんいただきながら、郵便事業、それから貯金、保険、公社全体について簡潔にお答えをいただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  111. 生田正治

    生田参考人 お答え申し上げます。  公社のスタート以来、三事業経営につきましては、三つ経営ビジョンの実現を目指しましてアクションプランをつくりまして、改革を前倒しにしながら努力をしてきているところでございます。過去三年間は、政府に提出いたしました中期経営計画上求められている数字を多少上回る実績を上げてきているところでございます。これは、表面的に見ると上回っている、こういうことになるわけでございますが、私自身といたしましては、公社法という枠があります、いろいろな規制があります、そうした枠内で見れば改善してきているということも事実でございますが、その枠を離れまして市場という視点から眺めますと、経営としては大変厳しい数字であって、まだまだ改善しなきゃならない、かように考えているわけでございます。  十七年度決算におきましても、郵便は二十六億の黒字ということなんでございますが、売り上げが一兆九千億もあるわけですから、二十六億というのは実質ゼロに近いわけでございまして、深刻に受けとめております。これは、収益面では、減収幅が縮小いたしまして減収傾向に歯どめがかかってきていることも事実なんですが、労働マーケットが次第に上がってきているというようなことも受けまして、費用面で見込みよりもかなり金額がかさんだというふうなことがございまして、このような結果になっているわけでございます。  郵便部門の構造を黒字構造に転換する、こういう大きなチャレンジにつきましては、JPSとか郵便局改革とか集配再編とかいろいろやっておるわけでございますが、まだ渦中でございまして、それが数字として出てくるにはもう少し時間がかかる、こういうふうに考えております。  郵便貯金に関しましては、金融環境が順調だったこともありまして相当の黒字となっているわけでございますが、金利の上昇期にも入っておりますし、楽観は許されない。定期性預金の商品性の再点検とか、運用の仕方に関する自由度が多少なりとも緩和される必要がある、すなわち利益率のアップということが望まれると思っております。  簡易保険につきましては、株価の上昇によりましてキャピタル益がかなり出たわけでございますが、その結果として、内部留保が九千三百十八億円ということで、十六年度を三千八百億ほど上回ってきてはおります。ただし、商品メニューが非常に限られておりまして、貯蓄型なものですから、新規契約が急激に減ってきております。これは企業にとりましては致命的なことでございますので、深刻に受けとめまして、民営化を契機にできるだけ早い機会に、いつも例えばということでお願いしているわけでございますが、枠を一千万から三千万にするとか、あるいは第三分野に適度適切な参加を認めていただくとか、何か早くそういった改善が望まれるかと考えております。  総じて申しまして、三事業とも過去との比較では改善に向かっているわけではありますが、市場において、同業他社との比較では、まだまだ大きく改善しなきゃならない、このように考えております。  総務大臣からいただいております評価に関して多少付言いたしますと、一部、業績面ではまずまずの成績というふうな御評価もいただいているわけでございますが、まだまだ改善しなきゃならない、いわばCというところで、例えばコンプライアンスといったものの整備がおくれているという厳しい御指摘もいただいております。これはまさに我々もそのとおりに受けとめておりまして、現在、内部統制強化本部というのをつくりまして、何とか民営化までにコンプライアンス体制というものも総務大臣の方に御了承いただけるようなレベルに、市場のレベルに高めるように最善の努力をしていきたいと考えております。
  112. 福田昭夫

    福田(昭)委員 ありがとうございました。  総務大臣の評価も「おおむね順調」というのが多いわけですけれども、そうした中で、二点さらにお伺いしたいと思います。一つは総合評価について、もう一つは個別評価についてお伺いしたいと思います。  総合的な評価につきましては、いろいろな心配はありますけれども、おおむね順調に進んでいるということでございます。しかし、総裁が中心になって立てられたこの中期経営計画がそれなりに順調に進んでいるということを考えると、民営化をしなくてもこのようなことができたのではないかというふうにも考えることができるんですが、総裁、そろそろやめるのにちょっと申しわけないんですが、お答えをいただきたいと思います。
  113. 生田正治

    生田参考人 これは、去年の特別委員会、衆議院、参議院両方ございまして、五月の下旬から、中抜きの選挙の休みがありましたけれども、十月十四日まで、実は何度もお答え申し上げたんです。  公社法の大きな枠内でも、本当にがんじがらめの規制ですよ。だけれども、その枠内でもまだ努力し得る幅が随分残っていたわけです。その努力し得る幅を利用して改善しているのが今の状態でありまして、この幅を活用できるのは、まだ数年はあるかと思います。ただし、実はもう天井感が出てきておりまして、これではいかさま利益を伸ばすということは無理だし、ますます民間との格差がつく、こう考えております。  大ざっぱに言って、どの事業も、民間との比較におきますと、売り上げに対する利益率という点から考えますと約三分の一であります。これでは、せっかく国からお預かりしているお金を生かして使っていない、あるいは労働力を生かして使っていない、こういうことになるわけでございますから、それを十年間に広げてみますと、売り上げも利益も約半分になるんです。大ざっぱで済みませんが、約半分になるんです。それではユニバーサルサービスの維持も困難になりますし、郵便局ネットワークの今のレベルの維持も難しくなるでしょうし、雇用の問題にも響いてくると思います。  したがいまして、数年はもちますけれども、それ以降を見ますと、確実に縮小、均衡すればいいんですけれども、余り均衡のない縮小に向かいますので、その意味では、いいタイミングに民営化していただいたことは、もちろん国家の大義のためによかったわけでありますが、公社という、あるいは郵政事業という事業から見ましても、やはり大変助かったといいますか、健全化に向かうよい手だてではなかったかと考えております。
  114. 福田昭夫

    福田(昭)委員 ありがとうございました。やめてからまたお伺いしたいような答えでございました。  総裁が、ことしの九月二十日、定例記者会見で述べている言葉をちょっと紹介させていただきますと、公社は国家の補助を受けていないのだから、もう民間会社と同じですと。ことしの九月二十日ですよ。公社には二つの使命がある、一つは、明治以来の伝統であり、信念であり、職員の誇りであるパブリックな使命、それは地域貢献、あるいは地域と共生するということです、すなわち、郵便を御利用される皆様の生活インフラを守るといった、そういう大切な使命があります、こう言っております。  それからもう一つは、独立採算ですから、ユニバーサルサービスをきちんと維持しながら自立的にやらなければならない、要するに、きちんと事業性と収益性を維持向上させなければならない使命です、この二つの使命を果たすために最大限の努力をしてきました、それを可能とするため、全職員に呼びかけ、公社スタート以来、聖域なき改革をキーワードとして取り組んできたところですと、ことしの九月二十日に述べております。  この二つの使命を達成するために、民営化で果たして達成できるんでしょうか。これからおいおいと質問を展開していきたい、こう思っております。  それでは、個別の評価でございますけれども、この総務大臣の評価を見ても、一番弱いところといいますか、Cランクの評価のところが「コンプライアンスの徹底」ということでございます。この「コンプライアンスの徹底」が評価Cということで取り組みがおくれているということですが、その原因はどこにあるのか、教えていただきたいと思います。
  115. 生田正治

    生田参考人 ほかに担当がいるのかもわかりませんが、私から答えさせていただきます。  大変ざっくばらんに申しますと、コンプライアンスという意識と概念は公社化までは希薄だったと思います。公社化とともにコンプライアンスという概念を極力全員に浸透させまして、ガバナンス・コンプライアンス委員会というものをつくりまして、過去の分も含めて総点検をしてコンプライアンスを整備していこうと。そのときはまだ民営化は予定していないわけですけれども、これは公社としても一つ事業体質として欠くべからざることであるということで、ずっと進めてまいりました。  その結果、いろいろな過去の分も含めて、大きく浮上してきたのに約二年間かかりました。なぜならば、総務大臣からいただいた業務改善命令書の中でも、例示されている多くのものは、実は十年ぐらい前に発生しているものがほとんどなんです、郵政省時代ですね。それが事業庁のところを素通りして公社に来て、それで整理されてくるのに二年かかって、もう一年かかってそれをさらにひもといてその対策に当たる、それがちょうどことしの正月ぐらいからでございました。  そういったことで、余りコンプライアンスという意識が徹底していなかったのを徹底させる、まだプロセスにありまして、まず、それが完全に意識として定着しシステムとして整備されているかといいますと、まだその過渡期にあります。過去のものも含めて相当大きく、私は全部情報開示をしますから、分母に出ますから、大変と思われるかもわかりませんが、古いものがかなりの部分を占めているんですが、それを、平たい言葉で言いますとうみを出し切る形で、民営化に向かって、今度こそ、新しいものについてはコンプライアンスの意識も徹底するしシステムも徹底させる、今ちょうど途上にあります。  と言いまして、いい格好を言っているようで、それでは今起こっていないのかといったら、まだ起こっているんですよ。起こっているんですが、大分少なくはなりつつありますし、程度も小さくなりつつあるんですが、まだ起こっております。だけれども、今のような事情で若干その面が不完全であったことは事実でありますから、何とか残された期間にそれを市場レベルに、金融庁にも承認をいただけるレベルにしたいと、今、懸命の努力をしている最中でございます。
  116. 福田昭夫

    福田(昭)委員 このコンプライアンスにつきましては、どっちかというと日本人全体の倫理観が低下している中で、郵政公社職員に限ったことではないと私は思っておりますが、そういった意味で非常に難しい大変な問題だと思いますけれども、生田総裁にはぜひ今後とも頑張っていただきたいと思っております。  私も実は昨年のサプライズ選挙で議席を得た一人でございますが、その当時は、郵政民営化がどんなふうなものなのかということでただ傍聴していた一人でございます。しかし、これはどうもおかしいぞという思いをいたしながら見聞きをさせていただいていたところでございますが、昨年の九月の当時の総裁の容姿からすると、何か随分やせられたな、ちょっと顔が小さくなったんじゃないかということで、大変な御苦労なのかなと実は大変心配をいたしているところでございます。  次に、郵便局等の改革についてお伺いをしたいと思います。  一つ目は、特定郵便局についてです。  特定郵便局につきましては、ヒューマンとかソフトとかハードとか、幾つかにわたってそれぞれ改革がなされているようでございますが、特定局長は、内外を問わず広く人材を求め公正に登用する、原則不転勤から原則転勤扱いとする、それから六十五歳定年から六十歳定年へ変更するということで、給与も、普通郵便局長と同じような、俸給表等を一本化して一律の給料表及び管理職手当を新制度として定めて適用する、そのように特定郵便局と普通郵便局局長の扱いを同じようにするということでございます。  これにつきましては、どうも特定郵便局長会と話がまとまったと伺っていますが、それはそれでよろしいのでしょうか、お伺いをいたします。
  117. 團宏明

    ○團参考人 お答えいたします。  今先生指摘のテーマにつきましては、民営化した後の郵便局会社において現在の特定局ないしその制度をどう取り扱うかということで検討してまいりました。そういう中で、公社でも検討された状況を受けまして特定局長の代表ともお話をしてまいりまして、新しい姿として、新・郵便局ビジョンと言っておりますけれども、こういうものでやっていこうということでおおむね合意をしております。  眼目につきましては、先生指摘ございましたように、公募による任用というところがございますが、やはり一番難しゅうございますのは定年のところでございまして、昭和五十九年に定年制を設けまして、六十五が基本で六十八まで勤務延長できるというものを、今度は普通局と特定局が一緒になりますので、シームレスな格好でやっていきたいということで、おおむね五年かけて、経過措置を設けまして、同一化を図っていくというふうなことでやっていきたいと考えているのがその中心でございます。
  118. 福田昭夫

    福田(昭)委員 私の考えとすると、定年制については逆なんじゃないかなと思うんですね。給料表を合わせるとか人材を広く登用するとか、こういうことはいいかと思うんですが、これから定年制をむしろ六十五歳に延ばそうという時代に、六十歳に合わせるというのは逆じゃないか、逆に六十五歳に延ばすというのが実は定年制のあり方としてはベターなんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  119. 團宏明

    ○團参考人 お答えいたします。  現在、国の政策としましても、高齢者を雇用していって、年金の問題も多分あると思いますので、六十歳定年というのを延ばしていく、ないし高齢者の再雇用をやっていくというふうなことは承知しておりますし、法律でもそういうことになっております。  したがいまして、現在考えておりますのは、とりあえず普通局と特定局をシームレスにやっていこうというのが方針でございますが、これとは別としまして、これは管理者に限らず一般職員の問題がございますので労働組合との協議も必要でございますけれども、そういう国全体の高齢者雇用制度、それから、定年にしていくのか、定年にした場合に俸給の制度をどうやっていくか、これについては継続して検討していくということでございます。  とりあえず、今あります六十五という一般と違った制度についての是正という措置はとりますけれども、全体のそういう定年延長とか高齢者雇用をどうやっていくかということについては、全般のテーマとして、その中にもちろん特定局長も入れて検討していこうということでございまして、継続したテーマだというふうには考えております。
  120. 福田昭夫

    福田(昭)委員 ぜひ継続して検討していただきたいと思います。  それから、局舎の扱いですけれども、特に局舎につきましては、集配特定郵便局については原則として公社が建物を買い取る、無集配特定郵便局については当面は借り入れを継続して、借料については適宜適正な額に改正する、こういう話でございますけれども、特定郵便局長との話はどの程度進んでいるのか。  私も、実は地元へ帰ったときびっくりしたことがあるんですが、ある特定郵便局長からいきなり泥棒と言われました。何のことかなと思っていましたら、やはり局舎を取り上げられるという感覚なんですね。それで私、泥棒といきなり言われたものですから、びっくりして、事情を聞いてみたらそういう言われ方をして大変愕然といたしましたが、その辺の対応はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
  121. 團宏明

    ○團参考人 お答えいたします。  これは今、公社で進めていただいているものでございますけれども、集配局の再編ということがございまして、多くの特定局で配達しておりましたものを集約していくということになりますと、今配達で使っております局舎のスペースがあくということになります。これをどうやっていくかということで、一部だけを借りるというやり方も考えられたわけでございますけれども、それは権利の区分とか将来の変動ということについて非常に不安定であるということで、もちろん合意を前提として、その部分を含めまして買い取る、無集配局はその必要はございませんので引き続き借り入れをしていくということで方針を決めました。  今、それぞれ局舎の所有者といいますものは、第三者のところもありますし法人もありますし、いろいろなところがございます。もちろん、これは民事的な契約になりますので、そういう者と交渉して、納得しながら買い取っていくという方針で進めておるものでございます。いろいろ事情があるようでございますので、丁寧に折衝してそれぞれの契約を締結していくということで進めているというものでございます。
  122. 福田昭夫

    福田(昭)委員 少なくとも政府や国会議員が泥棒と言われないように、懇切丁寧にぜひ説明をして対応してほしいと思います。  それから二つ目、集配局の再編についてでございますが、これは先ほど我が党の逢坂委員の方から質問がございましたので、具体的な点だけちょっとお伺いをしておきたいと思います。  私の地元でも、鹿沼市の粕尾、それから日光市の三依で集配局が無集配局になっております。そうした中で、三依の方は、地元の自治会が、ぜひ集配をやめないでほしい、ぜひとも今後とも続けてほしいということで市議会に陳情し、意見書が届いていると思うんです。それに対して、説明が済んで、どうも既にスタートをしているようでございますが、その後順調なのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  123. 塚田為康

    塚田参考人 お答えします。  御指摘の二局、三依局と粕尾局につきましては、それぞれ十月の十六日そして二十三日に集配の再編ということで集約させていただきまして、現在、業務運行に支障はないということでございまして、また、再編に伴うお客様からの申告等もないという状況でございます。  また、今、こういう集約されたところにつきましては実施状況をフォローしておりまして、もし問題があれば、それについて必要に応じて業務方法とかサービスの提供方法を変えるということでやらせていただくということでございます。
  124. 福田昭夫

    福田(昭)委員 特に三依局の場合には、川治局と十五キロほど離れておりまして、特に雪深い地域なものですから、これからが心配かなと思っておりますので、その辺も、事後フォローといいますか、ぜひとも事後調査をよくしていただきたいなというふうに思っております。  だんだん時間がなくなってきましたので少し早目に行きたいと思っていますが、メルパルクとか簡保施設などについてはまた後日質問をさせていただきます。  次に、民営化に向けての課題についてお伺いをしたいと思います。  一つ目は、民営化についての現場職員理解状況についてでございます。  職員については、平成十九年の一月にはどの承継会社に帰属するのか内定通知が出されるとのことでございますけれども、民営化が決まる前から導入され、民営化が決まってからさらに労働強化が行われたんじゃないか、そんな話が実はございます、先ほど自民党の方々からもそんな質問がございましたけれども、この訓練道場つきの、JPSですか、トヨタ方式、この導入効果がどうなのか、お伺いをしたいと思います。
  125. 松本正春

    松本参考人 今先生お尋ねの、公社における生産性向上といいますか、これにつきまして、訓練等を訓練道場で行っているというようなこと等、一体どういうことだということでございますけれども、公社におきましては、やはり生産性向上を高めていくということが今後の民営化を控えて非常に重要なことだということで、平成十五年から、トヨタ生産方式に学びまして、かつ、これを公社独特のシステムにつくり上げまして、ジャパン・ポスト・システム、JPSということで今展開しているところでございます。  その中身につきましては、やはり仕事の基礎から、つまり整理、整頓という四Sから……(福田(昭)委員「先ほど聞いていますから、簡潔に」と呼ぶ)わかりました。  それで、やはりしっかりした仕事をしていただくためにはきちんとした仕事ができなきゃいかぬということで、無駄な作業とか無駄な動きをなくそうということで、みんなが同じような仕事をできるということで、訓練道場というようなことでやっておるわけでございまして、新聞等で時々否定的な意見が出ますけれども、これは非常に皆さんしっかりと取り組んでもらっているところでございます。
  126. 福田昭夫

    福田(昭)委員 この問題はまた後でやりたいと思います。  どうも内部から聞こえてくる声は、今現場は大変厳しい状況だ、もう私は郵便局をやめます、あるいは仲間も何人かやめます、そういう声が続々と聞こえてきておりますので、民営化に向けて相当労働強化が行われているのかな、こう思っておりますので、このことについてはまた後ほど、機会を見つけて質問させていただきたいと思います。  先ほどの、あれは自民党の方でしたか、お答えがありましたけれども、希望退職者が三倍にもなっているというのはやはり少し異常な状態かなというふうに思っていますので、そういった点から、今後引き続き、少ししっかりウオッチをしていきたいと思っております。  時間がなくなってきましたので、一つ飛ばしまして、二つ目になりますが、民営化になります株式会社、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の資産運用先についてお伺いをいたします。  まず、現在の公社における郵貯と簡保資金の主な運用先はどちらですか。主な運用先と金額がわかれば教えていただきたい。
  127. 高橋亨

    高橋参考人 お答え申し上げます。  平成十七年度末の数字でございますけれども、公社の郵便貯金資金の運用状況といたしましては、国債が百二十四兆ということで、全体の六二%を占めております。それを含めまして、有価証券が七一・八%でございまして、大宗を占める格好になっております。それ以外は、金銭の信託というのが三兆三千億、貸付金が四兆一千億、預託金が二兆五千億ということになっております。
  128. 福田昭夫

    福田(昭)委員 簡保の方はないんですか。
  129. 篠田政利

    篠田参考人 簡易保険の資産の運用の状況でございますけれども、手元に平成十七年度末の数字を持っておりますので、それで御紹介させていただきたいと思います。  有価証券が全体の七一・四%でございます。この内訳といたしましては、公社債が割合にいたしますと六九・八ポイントを占めております。そのほか、公庫、公団や地方公共団体等への貸し付けということで全体の一九・一%を占めている。主な運用種目は以上でございます。
  130. 福田昭夫

    福田(昭)委員 ありがとうございました。  十七年度末で、郵貯が国債が六二%、それから簡保の方が有価証券が七十数%ということでございますが、問題は、民営化になったときにこれがちゃんと国債じゃなくて違う方へ行くことができるのかどうか、この辺が非常に難しいところだと思いますが、時間がありませんので、きょうはここでとどめておきたいと思います。  御案内のとおり、今回の郵政の改革は、資金の流れを官から民へということで、大変な大騒ぎをしたわけでございますが、これが一番肝心なところでして、これができなければ、何で民営化したんだ、こういう話にもなりかねないので、このことは今後さらに追及をしていきたいと思っております。  最後一つだけお尋ねしたいと思いますが、自民党が発行いたしました郵政事業懇話会ニュース第三号についてお伺いをしたいと思います。  ここには、アメリカの要求どおり郵政民営化法案をつくった、日本政府(竹中大臣ほか)は、法案作成に当たり十七回もアメリカと交渉していますと書かれているようですが、これが本当かどうかだけお答えください。
  131. 菅義偉

    菅国務大臣 そういう事実はありません。
  132. 佐藤勉

    佐藤委員長 もう時間が参りましたので。
  133. 福田昭夫

    福田(昭)委員 はい、わかりました。終わりにします。  自民党ニュースはうそだということですね。
  134. 菅義偉

    菅国務大臣 いや、その内容です。
  135. 福田昭夫

    福田(昭)委員 では、同じじゃないですか。  ちょっと待ってください。私、もうやめますけれども、この後また追及することにしたいと思いますが、大臣は、竹中大臣初め担当職員がアメリカと交渉したことはない、こういうことですね。自民党ニュースに書かれていることはうそだということですね。これだけ確認させてください。
  136. 菅義偉

    菅国務大臣 アメリカの要求どおりやったことではないということです。
  137. 福田昭夫

    福田(昭)委員 わかりました。確認をさせていただきましたので、これは今後さらに追及をしていきたいと思います。  大変ありがとうございました。
  138. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、森本哲生君。
  139. 森本哲生

    ○森本委員 民主党の森本哲生でございます。  まず初めに、郵政民営化造反議員の復党について、少し大臣から所信をお伺いさせていただきたいと思います。  先般、十一人の郵政造反議員の皆さんが自民党に復党をされました。報道によりますと、落選議員の復党も検討中であるということでございますが、今回復党された議員の皆さんの中には、記者会見などで、民営化には反対ではなかったとか、選挙では一言も反対とは言っていない、党内手続が乱暴だっただけだなどと会見をされております。小泉前総理なども、いわゆる小泉チルドレンを前にされまして、政治家は使い捨てにされることを嫌がってはいけないとまで言われる始末でございます。こうしたことでは、昨年の総選挙が一体何であったのか、有権者は一体何に投票をしたのかと言わざるを得ません。  現に、各種の調査でも支持率が、これは自民党の党内のことであると言われればそれまでなんですが、郵政民営化の質問に当たって、担当大臣として関係がないということは言えないと思いますので、大臣の感想をまず冒頭お聞かせください。
  140. 菅義偉

    菅国務大臣 小泉さんの発言については、まあ小泉さんらしいなという、率直な私の感想であります。  委員御承知のとおり、昨年、郵政民営化賛成か反対かという、それを最大の焦点として衆議院解散・総選挙を行いました。そして、民意は民営化を行うべし、そういう形で、私ども、かつてないほどの支持を得ました、議席も得ることができました。今回復党された十一人の皆さんは、その後行われました国会において郵政民営化法案に賛成をされております。ですから、そういう経緯の中で、今回、自民党に復党をされた、自民党もそういう中で認められた、このように考えています。
  141. 森本哲生

    ○森本委員 ありがとうございました。関連して、後でもう少しお聞かせをいただきたいと思いますが、大臣はその程度で、それ以上突っ込んだお話は、個人のことでもありますから、できないということは承知をいたしております。  郵政民営化に対する取り組みについて、少し意欲をお伺いしたいと思うのでございますが、郵政民営化は、小泉政権にとっては構造改革の本丸であったわけでございますが、復党問題を見てみますと、安倍政権になって構造改革路線が後退しつつあるのではないかと懸念を持っております。  実際、安倍総理は、九月二十九日の所信表明演説では、郵政民営化については、「郵政民営化法の基本理念に沿って、平成十九年十月からの郵政民営化を確実に実施します。」と一言述べられただけでございます。また、十月二十四日の総務委員会での菅大臣の所信表明的な発言でも、郵政民営化については余り多くを語られておりません。  郵政民営化への熱意が少し冷めてしまったのではないでしょうかというふうに私は思うわけでございますが、安倍政権における郵政民営化の位置づけに関して、郵政民営化の担当大臣としてどのようにお考えになっておるのか、お願いします。
  142. 菅義偉

    菅国務大臣 私が総務大臣として就任すべく官邸に呼ばれた中で、総理から重点事項というものが四点示されました。その中の第一点に、郵政民営化をしっかりやる、このことも入っておりますし、総理も、時々の記者会見なりあるいは国会の場でも、さらに改革を加速する、そういうことも述べていることも事実であります。そうしたことから、この郵政民営化に対していささかも、減速するとかそういうことはあり得ないことであります。
  143. 森本哲生

    ○森本委員 ありがとうございました。決意のほどを聞かせていただきました。  それと、少しこの問題についても、郵政民営化に直接関係のないことではございますが、この点については私は特に総務大臣にお願いしたいということがございますので、あえて触れさせていただきます。  今回の復党をめぐって、さまざまな方の発言などを聞かせていただいておりますと、事は郵政問題にとどまらないということで、いろいろな意味で大きな問題ではないかというふうに私自身は感じています。  例えば、十二月二日付の読売新聞によりますと、これはどなたかということは差し控えますが、もう既におわかりではあると思うんですが、郵政造反組と争った刺客組について、「一回一回の勝負が選挙だ。(造反組を復党させないで)次の選挙まで保証しろなんて、甘えだ。刺客は相手をやっつけたら自分が死ぬものだ。」という発言。そしてもう一つ、先ほど紹介した使い捨てといった言葉もそうですが、こうした死ぬとか捨てるというような言葉が、私は、最近のいじめの問題などにもやはりつながっているのではないか。(発言する者あり)これをやじられるということは……(発言する者あり)いや、こういうことは非常に、国権の最高機関である国会がこういう言葉を平気で使っていくところに私は異常さがあると思うんです。ですから、あえてここでお話をさせていただきますが、私の見識なんです。物ではないんですよ、私たちは、人というのは。ですから、こういうことを平気で使っていくところに異常さがあるのではないかということを私は申し上げたい。  特に、安倍総理は、美しい国づくりに、品格、倫理、道徳というような目標にされておるんですよ。ですから、先ほど申し上げましたように、くどいですが、国権の最高機関である国会がやはり美しい国づくりを担うべき、やはり発言というものはある面では心得ていただかないと、波及が余りにも多いということを私は感じるんですけれども、大臣の所見はいかがでございますか。
  144. 菅義偉

    菅国務大臣 私も、そうした発言、新聞記事では読ませていただきましたけれども、国会の公の場の発言でもなかったというふうに思いますし、ある意味ではそういう議員の人を叱咤する意味で使った言葉であったかもしれません。  いずれにしろ、自民党は非常に自由闊達な政党でありまして、非常にバラエティーに富んだそれぞれ性格を持った議員がいることも事実であります。それと、総理の美しい国とは全く関係もしていないと思いますし、まさに総理が所信表明で述べられましたように、歴史とか伝統とか文化とか、あるいは自然というものを大事にする、そして自由というものを基本としながらも律する、そういう中で、美しい国、外国から尊敬される国をつくるために、私ども内閣は全力で頑張っていきたいと思います。
  145. 森本哲生

    ○森本委員 なかなかお答え、個人個人でいろいろお考えはございますから、ありがとうございました。  ただ、マスコミ関係とかいろいろな分野で、全体の中でこの日本が考えていかなければならないということは承知をしておりますので、きょうのところは、これはまた別のところの議論ということで、本題に入らせていただきます。  逢坂議員も先ほど触れられたことなんですけれども、十七年度決算におきまして、郵便事業当期利益は二十六億円、前年よりも二百五十六億円もの減少ともなっておるわけでございます。その要因は先ほども述べられましたからここであえて申しませんが、公社が先ほど発表された平成十八年九月期では、郵便業務については七百十億円の赤字、平成十八年度の見通しでは二百七十九億円の赤字というふうにぐっと、これから冬場の御商売というんですか、それの利益が含まれておると思うんですが、赤字を二百七十九億円と見込まれております。  公社が十七年三月に策定したアクションプランのフェーズ2によりますと、平成十八年度の当期損失を、民営化対応経費を加えて五十六億円の赤字と見ておられたようでございます。しかしながら、実際には、平成十八年度には二百七十九億円の赤字になる見通しで、五十六億円と二百七十九億円の乖離は余りにも大きいのではないかということでございます。  計画から一年半しかたっておりませんのにこうした乖離が生じたのはどのようなことなのか、その認識なり評価をお聞かせいただきたいと存じます。
  146. 岡田克行

    岡田参考人 お答え申し上げます。  十七年度の郵便事業の決算は、御指摘のとおり二十六億円の黒字でございまして、このうち、民営・分社化に要する経費ですとか減損会計への対応のための損失分を除きますと、この数字は百三億円の黒字というふうに変わります。  それで、先ほど先生指摘の十八年度当初の計画では、十七年度の決算と対応する見方で会計上の最終損益を出しますと五十六億円の赤字ということになりますけれども、アクションプラン上の数字、すなわち、民営・分社化に要する経費ですとか減損会計への対応のための損失分を除きまして、アクションプラン上は三百億円の黒字を見込んで、実質的に前年度よりも二百億円近い改善を見込んで計画を立てて、公社として取り組んでまいりました。しかしながら、収益低下にはおおむね歯どめがかかったのですけれども、費用の対策が十分進まなかったために、黒字構造への転換が実を上げることには至らなかったわけでございます。  十一月二十二日に、こういう上半期の結果を踏まえまして通期の見通しをもう一度行いましたけれども、これは本年度の損益の見通しの修正を行ったわけですが、会計上の最終損益二百七十九億円の赤字ということですけれども、これは、アクションプラン上の数字、すなわち民営・分社化に要する経費三百三十七億を見込んでおりまして、減損会計への対応のための損失分三十三億がございまして、これらを除きますと九十一億円の黒字ということになります。  したがいまして、民営・分社化分ですとか減損部分ということを除きますと、実は、昨年が損益が百三億円、本年度の通期の見通しも昨年と実質的にほぼ同じ水準の九十一億円ということになりまして、それほどの乖離はございません。数字上に民営・分社化のための経費ですとか減損部分の数字が入っておりますので、ちょっと誤解を与えたかと思います。  以上でございます。
  147. 森本哲生

    ○森本委員 それでしたら、くどいようですが、この年度の乖離がないということであれば、例えば、先ほども逢坂議員から言われた、十九年度には純利益が五百二十億円の黒字、二十一、二十二といって、二十三年に五百三十億円というような、概略なんですけれども、黒字を計上されておるということは、大きくギャップはないというふうに考えさせていただいていいのかということ。  この点について、八月二十四日に総務委員会で参考人の方から、整理資源、いわゆる現在支給されている共済年金のうち昭和三十四年以前の恩給公務員期間に係る共済の追加費用については、今回の郵便事業会社の負担には入っておらず、すべて持ち株会社の方で負担している、これを職員数比で負担するとした場合には、平成十七年度決算とほぼ同レベルではないかと言っておられるわけでございます。  十七年度決算をもとにした話と今言われたようなことを決算上の乖離がないというふうに考えさせていただいた場合は、こうした見通しどおりまずいけるというふうに解釈してよろしいのですね。いかがですか。
  148. 岡田克行

    岡田参考人 日本郵政株式会社が本年七月末に発表いたしました実施計画の骨格には、先生ただいま御指摘のように整理資源を入れるか入れないかで数字が変わってきます、これは整理資源を除いたベースということになっておりまして、数百億の経常利益を見込んでおりますけれども、整理資源を除いたベースでは、本日午前中にも日本郵政株式会社から答弁があったと聞いておりますけれども、百億円強の黒字という数字からスタートいたしまして、毎年百億円程度の改善が行われる見通しというふうに私どもは聞いております。  それで、先ほど申し上げましたように、公社の十八年度の郵便事業の通期見通しでございますけれども、民営・分社化に要する経費ですとか減損部分といった要因を除きますと、今、純利益で九十一億円の黒字、経常ベースで百二十数億の黒字を目指して取り組んでおりますので、ほぼ同じレベルという認識を持っております。  ただ、現在、公社でも、損益改善に向けて、商品の見直しですとか集配拠点の再編、マスタープランの推進などの改革に取り組んでおりますけれども、総裁からもちょっとお話がありましたように、JPS等についても改善効果が出てくるまでにはちょっと時間がかかるわけですし、そういった郵便事業経営環境は厳しいわけですけれども、ただいま申し上げましたような施策を積極的に進めまして、黒字構造への転換を果たしていくことができるというふうに考えております。  以上でございます。
  149. 森本哲生

    ○森本委員 ありがとうございました。  しかし、それは資料としてもう少しわかりやすく整理して、また後日、きょうは時間がありませんからその議論はもういたしませんので、届けていただきますようにお願いをいたしておきます。  それで、公明党の谷口議員の方からも御指摘があったと思うのですが、郵便局の維持について非常に心配をしています。今言われた、これは省略をさせていただきますが、郵便局の七一%が赤字ということが、これは収支相償方式の数字なんですけれども、これが全体損益方式になると、午前中、ころっと変わって、数字が七一から一四、二六、一三に変わるということなんです。この数字を見ておると、株価の動向とかいろいろなことを言われて、わかるのですが、果たしてそれなら安定した郵便局事業ができるのかどうかという問題が、一般的に話を聞いておっても非常に不安感が漂うわけです。  ですから、この問題については、郵便局七一%の赤字ということは、そして全体を見ると、郵便事業だけで見ると、全体の九四・五%が赤字というような数字が出てくるのですけれども、こういうことはないというふうに考えさせていただいてよろしいのですね。
  150. 岡田克行

    岡田参考人 郵便事業につきまして、九四%という具体的な数字が先生からお示しされましたので、まず郵便からちょっとお答えしたいと思います。  郵便事業は、九四%の郵便局が赤字ということになっているのですけれども、基本的に郵便事業はネットワーク事業でありまして、加えて、都市部など非常に効率性の高い地域利益を上げまして、山間辺地などを含めて全郵便局事業全体の費用を賄う、こういう構造が基本的な構造でございます。その結果、局別の損益を見ますと九四%の赤字ということになるわけですけれども、郵便でいいますと、こうした郵便事業の基本的な構造は、ネットワーク事業である以上、今後とも大きくは変わらないというふうに考えております。  したがいまして、これからも郵便事業は、都市部でできるだけ利益を上げまして、また、山間部の局はどうしても局別損益で見ますと赤字になる局が多いわけですけれども、山間部の局につきましても、業務の効率化によりましてコストの削減を進めてもらって、赤字局なんですけれども、できるだけその赤字額の削減に努めていただいて、全体として郵便事業の黒字経営化を図っていきたい、こういうふうに考えております。
  151. 森本哲生

    ○森本委員 郵便局の存続、再編については、午前中の議論もありましたから、極端な方向には動いていかないというふうに思っておるわけでございますが、例えば、きょう、再編に反対されておる二十一の自治体、これにつきましてはかなり逢坂議員も突っ込んでやられたのですけれども、ここはある程度強い態度で最終的にはもう臨んでいかざるを得ないというようなことではないですか。そのことを確認させてください。
  152. 塚田為康

    塚田参考人 お答えを申し上げます。  二十一の自治体に対しましては、強い態度というよりも丁寧な説明をさせていただきまして、本当に何が問題かということを明らかにして、私ども、それに対して対応策を打つということでやっていきたいというふうに考えております。
  153. 森本哲生

    ○森本委員 先ほども時間を大分逢坂議員も使われましたので、それ以上の答えはなかなか出てこないというふうに思っておるのですが、ひとつ総務大臣、これからの郵便局。ちょっとこれは通告にもないのですけれども、過疎の町で合併をして、バスの運行とかそういったことも、だんだん鉄道も減らされてきて、それでJAが金融関係で統合されていって、しかも、地域合併の地域振興局、それとこの郵便局。縦割りでなしに、この三者が、三位一体ではないですけれども、もう少し協力して地域の大変なところを救っていくというような、救っていくと言うと失礼なんですけれども、そういうところに手当てをしていくというような役割がやはり総務省に要ると私は思うんですよ。  ですから、そのことについて、いきなりきょうお伺いするんですけれども、これも今、残すか残さないかとか、強制的に随分、これはもう日にちを費やすごとに計画の方向に行くんだというふうに私は思っておるんですけれども、本当に今大変な状況にありますので、総務大臣、個人的な見解で結構でございますので、お聞かせいただけませんか。
  154. 菅義偉

    菅国務大臣 郵便局というのは、今、全国に張りめぐらされているネットワークでありまして、これは国民の貴重な資産であるというふうに私は思っています。この資産を生かしていく、これがある意味で私どもの極めて大事な仕事であるというふうに思いますし、この民営化法案のさまざまな議論の中でも、一定の水準以上のものは保つ、こういうこともうたっております。  私は、そういう中で、特に地方の郵便局については従来どおりそのまま存続させて、地域皆さんの場所として、さまざまな規制もなくなるわけでありますから、ある意味では、地域の名産の販売だとかあるいは住民票だとか、そういうものの拠点として使えるような形になることが望ましいと思いますし、そういう方向で頑張っていくべきだというふうに考えています。
  155. 森本哲生

    ○森本委員 縦割りの弊害というか、法律案をまとめていくということは、非常に難しい問題は承知しておりますが、それをやることによって本当に地方分権が進んでいきますので、三者、四者でも結構でございますので、地域の存続、そういったことも視野に入れながら、よろしくお願いを申し上げます。  少し急ぎますが、郵貯と簡保の資金運用についてでございます。  国債等の資金運用については、今もうちの方の福田議員からもありましたが、こうした資産の、民間に移行していくわけでございますが、そのときの国の方の規制や仕組み、ちょっと前段を省略して話しておりますのでわかりにくいかと思うんですけれども、こうした資金運用についての制約について、少しお答えいただけませんか。
  156. 須田和博

    須田政府参考人 お答え申し上げます。  民営化後の郵便貯金銀行及び郵便保険会社の運用等のそういった仕組み、規制、どのような形でというお尋ねと理解していますけれども、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の当初の運用範囲につきましては、来年の十月の時点でございますけれども、現在の公社と基本的に同様となっております。  また、それ以降の移行期、十年間ございますが、ここにおけます運用範囲につきましては、郵政民営化委員会の意見も聴取の上、他の金融機関とのイコールフッティングの状況や両社の経営状況などを勘案しながら、内閣総理大臣及び総務大臣の認可によりまして段階的に緩和していくという仕組みになってございます。
  157. 森本哲生

    ○森本委員 その点で、きょうの読売新聞の「完全民営化前でも」の中で、郵政民営化委員の田中委員長が触れられておる言葉はあえて触れませんが、このことと、これまでの、国債等のいろいろな民間に与える影響とか、そういった規制とこの記事とは整合するんですか。それについて、これは通告外なんですけれども。
  158. 木下信行

    木下政府参考人 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘のような報道についてでございますけれども、これにつきましては、郵政民営化委員会としての見解ということではございませんで、委員長であらせられますけれども、田中直毅さん個人の御意見である、そのように承知いたしておるところでございます。
  159. 森本哲生

    ○森本委員 よくわかりました。  最後になりますが、谷垣前財務大臣が、昨年七月十五日に参議院の民営化に関する特別委員会におかれまして、市場に無用な混乱を与えない、市場の予測可能あるいは透明度を高めながらこの十年間移行をしていくというふうに答弁されておりますけれども、一方、竹中前総務大臣が、昨年の七月二十日に同委員会におきまして、十年後には、国債に向かっていたお金のうち三十五兆円が別のところに向かう、国債市場に与える影響はそれほど大きなものではないと認識しているという答弁をされておるわけでございます。  そこで、大臣、現時点におきまして、郵貯・簡保資金の国債に運用されているお金のうち、どのぐらいのお金が国債以外に流れていくと見通されているのか、市場にどのような影響を与えると考えておられるのか、見解をお聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと存じます。
  160. 菅義偉

    菅国務大臣 御指摘の竹中大臣の三十五兆円という話でありますけれども、採算性における試算において、一定の前提を置いての試算であったというふうに思います。現時点で、十年後の貸し付け等の見込み額については、具体的に申し上げることは困難であると思っています。
  161. 森本哲生

    ○森本委員 どうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。
  162. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、吉井英勝君。
  163. 吉井英勝

    ○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。  私は、まず、郵便集配業務の統廃合問題から伺いたいと思うんです。  公社は今、民営化に向けて、人員削減とか集配業務の統廃合といったコスト削減計画を進めておりますが、こうした中で、最近、これはマスコミなどでも随分取り上げられておりますが、遅配、誤配などがふえていると思うんです。  実は、私も、九月に自宅へ戻って、それで、滋賀県で高レベル放射性廃棄物の処分場問題が起こっていましたので、原子力の講演に行ったんですが、その講演に行くために、国会図書館の方から琵琶湖の地史とか活断層等の資料を取り寄せて、東京から自宅へ届けてもらえるようにしたんですけれども、一週間かかったんですね。とうとう講演に資料が間に合わなかったという苦い思いをしました。それから、二、三軒近くの人の郵便物が私の家へ一緒に配達されたりとか。これはたまたまの例かと思ったら、最近、遅配、誤配問題が取り上げられております。四月から七月にかけて大阪・伊丹郵便局では四十万通の遅配が生じたということが紹介されておりましたし、それから、千葉県内で、ある郵便局の会合が開かれた、出席した郵便局員が語る、二日前に都内の局から会合用の資料を郵送したのに当日に郵便物が届かなかったとか、こういったことが紹介されております。  私は、郵便物が確実に安全に速やかに届くということが郵便サービスの基本だと思うんですね。公社が今進めているコスト削減などの、あるいは集配業務の統廃合という施策によって、サービスを低下させないということをずっと言ってきているわけですが、サービスが低下したかどうかということについてはだれがこれを評価するということになっているんですか。
  164. 生田正治

    生田参考人 今先生から御指摘いただきました遅配、誤配の具体例と数字、ちょっと今手元にデータがございませんので、もし御必要がありましたら後で担当の役員にその点は回答させるといたしまして、後半の御質問にお答えしたいと思います。  集配再編の関連の御質問と思いますが、集配再編を企画いたしますについては、幾つかの点を前提に置いて考えております。  まず一つは、本社、支社、郵便局が一致協力しまして、徒歩と自転車、自動車事情の悪かった半世紀前のシステムというものを、道路網も当然勘案いたしまして、自動車とバイク、こういう前提で、ハブセンター方式で考えていくということですね。(吉井委員「それはさっき言うてはった話やね。先ほどもうそれは聞いていますよ。もうそれはいいです」と呼ぶ)はい。そういったことを中心に再編をやってきたわけでありますが、私自身といたしましては、そういった内部的な慎重な検証によりまして、遅配や誤配が起こったりしない、無論起こらない、サービス品質は絶対に確保できるということを、ある程度実地検証もいたして現在の案を出しております。それと同時に、その内容につきまして、地方自治体及び地方住民の方たちに御説明いたしまして御納得、御理解をいただくということで、それを検証しながら進めているということでございます。  今後とも、極力、再編をいたしました後にいたしましても、地方自治体や地方住民の方たちとの対話をできるだけ深めることによりまして御意見をいただき、もし品質等に問題があるようでございましたら直ちにその改善策をとるということで対応していきたいというふうに考えております。
  165. 吉井英勝

    ○吉井委員 話し合いとか説明の話じゃないんですね。私が伺っているのは、サービスが低下したかどうかをだれが判断するのか、だれが評価をするのかということを聞いているんです。
  166. 生田正治

    生田参考人 ただいまお答え申し上げましたとおり、まず我々自身が、そういうことが起こらないように、全部レコードがあるわけでございますから、それをもって検証いたします。それでも、思わぬあるいは気がつかない点があるといけませんから、それは地方自治体及び住民の方たちの御意見をいただきながら、我々の気がつかない点がありましたら、それは直ちに修正していく、こういうふうな方針をとりたいと思っております。
  167. 吉井英勝

    ○吉井委員 要するに、サービス低下したかどうか、自分の判断でやっておってはだめなんですね。それはあくまでも国民の側、利用者の側が、サービスが維持されているのか、低下したのかを評価するわけでしょう。  そこで、これまで公社は六百二十八局ですか、十一月六日現在で、集配業務の統廃合、再編をやってきたわけですが、その結果サービスがどうなったかについて、利用者からアンケート調査などをしておられますか。
  168. 塚田為康

    塚田参考人 現在のところ、利用者からそういうアンケート調査はしておりません。
  169. 吉井英勝

    ○吉井委員 お手元に資料を配付させていただいておりますが、二枚目の方を先にあけていただきたいんです。これは郵政産業労働組合西宮支部が実施したアンケートなんですが、兵庫県の塩瀬郵便局の集配業務が九月二十五日から宝塚郵便局に集約されました。塩瀬郵便局は無集配局になったわけですが、この組合の西宮支部が十一月四日に塩瀬郵便局周辺の地域の生瀬地区の住民にアンケートを五百枚配付して、返ってくるかどうか、もちろん自主的な回答を期待したんですが、早い時期に百十七枚記入して返ってきて、今は何か二百三十四枚ぐらい、四七%、非常に高い率で返ってきているんだそうです。  それによると、平日及び土曜・休日の時間外窓口の廃止については、それぞれ六十二人、七十三人ですから、五三%、六二%の人が不便になったと現実に回答をしているわけです。時間外窓口の廃止というのは今まで行われてきたサービスの停止なんですから、これはだれが考えてみてもサービスの低下ということになるのは当たり前だと思うんですが、これについてはどういうお考えですか。
  170. 塚田為康

    塚田参考人 時間外窓口を廃止するということになります。それにつきましては、私ども、サービスの低下を避けるための代替措置といたしまして、今までこういうものについて、例えば不在の持ち戻りのときに通知書を渡しますけれども、それについて、私ども、局の方に来ていただくということをやめまして、それを配達し切るというような形で対応しているということで、サービス低下を防ぐという対応をしておるところでございます。
  171. 吉井英勝

    ○吉井委員 時間外窓口の廃止以外にも幾つかの項目がありますけれども、時間外窓口の廃止というのは明白にサービス低下なんですね。その結果がアンケートにもあらわれておりますが、実は、このアンケートには、一番下に書いてあるように、裏面に自由に御意見をお書きくださいというので、随分出ていたということが紹介されております。  それを見ていると、手紙、はがき等の配達時間が全く不規則になり、新聞の夕刊より遅いときがある、翌朝の朝刊の新聞と一緒にとることもあると。ちなみに、私がさっき言いました、私のところへ来た誤配分も、夕刊は既にとってあったんですが、後から夜遅くにとりに行ったら入っていて誤配のものがわかったということだったんです。  それから、担当者が宝塚局の方にかわってしまい、何でも教えていただいていたのにとても不便に思っております、今後も保険のことなど相談したいと思っておりますが、すぐに来ていただくということがこれからできないので困りますというお話とか、要するに、時間外窓口の廃止だけでなくて、低下しないと言っていた郵便配達業務貯金、保険の外務でもサービス低下が起こっているというのが現実だと思うんです。  利用者の調査はしていないという話ですが、利用者へのアンケート調査など調査をしないで、サービス低下は起こっていないんだということ、そんなこと言い切れるんですか。
  172. 塚田為康

    塚田参考人 そういうサービス調査はしておりませんけれども、そういう集約局になったところは、例えばお客様からの苦情とかそういうものを承るということで、それの中で私ども、対応できるものは対応するという形でやっておりまして、御指摘の各点につきましても、具体的に教えていただければ、それに関しての問題とか、そういうものは是正をしていきたいというふうに思っております。
  173. 吉井英勝

    ○吉井委員 問題が起こって、苦情が出たり教えてもらったら対応しますでは全然話にならないですよ。そういうのが根本的なサービス低下の実態を示しているだけじゃなしに、そもそもサービス低下を招いちゃいけないんだ、郵政民営化の議論のときには絶対後退させないと言ってきたのに、何か後退して当たり前みたいなことを言っているということ自体が、私は、これは本当に、市民の皆さんからすれば、とてもじゃないけれどもそんな答えというのは我慢ならないところだと思います。  統廃合に反対している地方自治体に説得に行く前に、公社は、統廃合を既に実施した郵便局周辺でサービス低下が起きていないかどうか、利用者や住民の調査によってまずきちんと検証した上で行うべきだと思うんですが、アンケートでは、地域のことを何でも知っている方をできるだけ、ここの塩瀬の場合ですけれども、塩瀬郵便局に残してほしかったですとか、地域に密着した郵便局員がサービスを提供することが安全、安心という郵便局の何よりのサービスになっていることを多くの方が意見として上げておられます。  そこで、やはり安全、安心、信頼というのが郵便局サービスの土台ですから、最大のサービス、ここが低下するようなことがあってはならないということで、今、多くの地方自治体が、今回の集配業務の統廃合に反対するという意見書を採択したり取り組んでいるのは、私は当然だと思います。郵便局の集配業務の廃止計画というのはまず凍結をして、これを中止するということを真剣に検討していくべきだと、集配問題については私は思います。  それで、何で遅配、誤配などこういうサービス低下が起こるのかということなんですが、これはやはり効率ということを口実にして利益優先に走っている、そっちが中心になってしまっているんじゃないかというふうに感じまして、幾つか調べてみました。  上の方の資料をごらんいただきたいんですが、これは郵政公社が発行しておりますディスクロージャー誌「郵便二〇〇六」に掲載されている資料ですから、もちろん総裁もよくごらんになっておられるものであります。それで、下のこの内訳表の方の肝心の部分だけ抜き書きしたのが上の方の表です。それで見ると、営業費用の内訳なんですが、人件費は、二〇〇三年度から二〇〇五年度にかけて二百九億円の増加ですね。その増加要因は、給与手当の増加で三百六億円増加。この給与手当の増加の要因は何かといったら、超過勤務手当の増加で二百六十三億円ですね。郵便事業の年間利益に匹敵するものがこれです。  超勤手当の増加要因には、サービス残業調査によるサービス残業代の支払いも含まれているかと思うんですが、その残業代の方は幾らでしたか。
  174. 佐々木英治

    ○佐々木参考人 平成十六年度に実態調査をいたしまして、平成十六年の十月から十二月までの三カ月間、全局所を対象といたしまして調査をいたしました結果、超勤の追加支給を行ったわけでありますが、これは三十二億円でございます。
  175. 吉井英勝

    ○吉井委員 三十二億の超勤手当、しかしそれは、二〇〇四年度の十月から十二月の三カ月間の分ですね。ですから、四月—九月にもサービス残業があり、実は〇三年度にもサービス残業があるわけですから、実際払ったらもっと超勤手当の方がふえてくるというものになります。  このサービス残業について、生田総裁経営の恥だと答弁されました。サービス残業というのは犯罪であるということで、厚労省が通達まで出して是正を指示しているものですね。この超勤手当の増加の推移からしても、二〇〇四年度の四月から九月、二〇〇三年度にもサービス残業があったことは明白だと思いますが、私、八月に指摘しておきましたが、公社の方できちんとそのことについては調査されましたか。
  176. 佐々木英治

    ○佐々木参考人 公社といたしましては、不払い残業を根絶するために、十六年度に、勤務時間の適正管理に関する各種会議の開催ですとか、あるいは超勤目安箱の設置等、取り組みを実施してきたところでございます。その後も、これらの取り組みに加えまして、超過勤務手当予算の管理方法の見直し、例えば、具体的に言いますと、超勤手当が不足する場合の事前承認制というのを廃止するというふうなこととか、あるいは監査職による超勤手当の適正支給状況監査等を行ってきておりまして、その結果、本年度につきましては、労基署からの是正勧告は、一件発生したんですが、十一月現在で一件ということで、非常に減少しているということで承知しております。
  177. 吉井英勝

    ○吉井委員 いや、何か今年度の話をされたけれども、私がこの間八月に指摘したのは、今言った〇四年度の四月から九月の分、〇三年度の分まで言っているんですが、そっちはやっていないということが今のお答えでわかりました。  それで、〇三年度から〇四年度には百四十八億円、サービス残業分三十二億円として、それを除いても百億円以上、超勤手当がふえているんですね。異常にふえています。公社は、郵便事業の効率化のために、無理、無駄、むらをなくすというトヨタ方式、JPSというのを導入してきたわけですが、アクションプランでは一五%の効率化と言っているんですが、そうした効率化が行われていれば、本来は超勤というのは減るはずなんですね、無駄がなくなったら。  ところが、越谷局で職員に配られているJPSのチラシを私は見ましたけれども、労働時間削減は、十三支社一千局で四・五%見かけ上は削減となっているんだが、実際の実効性につながる人件費の削減で見ると全体で一二九・五%アップ、大幅アップだ、業務関係だけで見ても一一一・〇%で、下がるどころか一一%アップしていると。要するに、トヨタ方式、JPSによる改善の実態ということについて、「この実態をどう思いますか!何一つ結果に繋がってないじゃないですか!」と越谷で言っていますね。  超過勤務手当の増加というのは、この間の効率化施策、トヨタ方式の失敗の結果だということは明らかだと思うんですが、総裁は、四月二十六日の定例記者会見でデータを挙げて、越谷局で三三%、全体で一八%生産性向上した、千四百六十七人の余剰人員が出たと言うんですね。余剰人員が出たといいながら、先ほど言ったように超勤が物すごくふえているんですよ。これはどう考えても矛盾していますね。超勤で片方ぎゅっと仕事量をふやしておいて、片方で余剰人員だ余剰人員だといったって、これは全く矛盾した話です。  JPSの責任者である林さんが、高橋総裁塚田本部長にあてた報告文書を読ませていただきました。四月十九日から六月二十二日までの調査の結果、その結論として、トヨタ方式を導入した局の八一%は、つまり一千局中八百十局は「デタラメ局!誤魔化し局で何もやっていませんでした!」と報告されております。総裁は、四月の定例記者会見で、生産性向上した、千四百六十七人余剰人員が出たと言っていたわけですが、つまり、総裁はうまいこといっているんだと言ったけれども、それは全部でたらめな報告に基づくものだったということが林さんの調査で出てきたんじゃないでしょうか。  これだけ、今まで三年間やってこなかったことがいきなりできるとは思っていませんとも書いています。つまり、三年間、実際うまくいっていないのにうまくいっていたという報告を上げられ、そのうそのデータに基づいて、生田総裁はJPSは進捗していると評価して、人員削減し、全国展開を図ってきた。その結果、現実には労働条件が悪化し、穴埋めに超勤がふえる、人件費がふえる、郵便の年間分の利益が吹き飛び、そして、郵便の外務員が超過勤務になるということは、結局、私が冒頭に言いました遅配、誤配が異常にふえている、サービス低下が生まれてきているという根底にあるんじゃないでしょうか。  私は、この点で、労働条件悪化等を招いた経営責任というものは極めて重大だと思うんですが、総裁はどのようにお考えか、伺っておきます。
  178. 生田正治

    生田参考人 大変ざっくばらんにお話しさせていただきますけれども、トヨタから来ていただいた林さんは、もう極めて熱心な熱血漢で、情熱を傾けてやってくださるんですが、大変過激な言葉をお使いになるんです。多分、今先生リファーされた書類は、彼が郵便総本部長に出した報告書で、むしろ経営陣にハッパをかけるつもりで大変過激な言葉を使っていらっしゃる紙だと思います。彼の言っていることはもちろんうそじゃなくて、数字的に正しい部分も随分あるんですが、表現そのものは、そういう愛のむち的表現であるというふうに御理解いただきたいと思います。  JPS、これでもう三年半、四年近くやってきておりますが、先生指摘のとおり、無駄、むら、無理を省くということで、大変、正直申し上げて、きちんと成果は上げてきているわけであります。この改革は決して労働強化をもたらすものではなくて、システムを合理的に組みかえることによって、結果としてトータルに生産性を上げる、その中においては一人一人に逆に余裕をもたらす、こういう理念でやっているわけでございまして、先生が既に御指摘になったように、十七年度までの累計で、総本山である越谷では三三%、その他やっている千局では一八・一%の生産性向上は、その作業をしている区分に関しましては確実に上がっております。これはうそでもでたらめでも何でもない、上がっているのであります。  ところが、それが経済的な効果としてはなかなかPLに反映していない、それも事実でございますけれども、それはなぜか。大きく二つ理由を挙げたいと思います。  そこから出てきた余剰の人間、千四、五百人とたしかおっしゃいましたけれども、トータル二千二百三十七人の人間を実は生み出しているんですが、これは、JPSの指導要員にして全国に展開させて作業させておりますから、経費の軽減には通じないわけであります。  もう一つは、就労管理にあいまいさがあります。キーワードは、適正に働いた者には適正に払う、こういうことで徹底しているんですが、適正に働くというところでまだなかなか管理者の意識が徹底しておりませんで、就労管理が徹底していないために、本来なら減し得る超勤等が、逆に超勤が減らない格好で支払いを強いられている、こういうようなことがありまして、確実に作業は成果を上げたんだけれども、そういった収穫の時期はこれからでありまして、それが出てきたら経済効果も出てくる。こういった大型の改革というものは、やったときと、本当にそれが経済効果を生んでくるのには一年から二年、場合によると三年ぐらいのタイムラグ、期間のずれがあるということは、ひとつ御理解いただきたいと思います。  これを完遂していき、収穫を進めることによりまして、先生に大変御心配いただいておりまして、申しわけなく思いますが、散見されます遅配とか誤配というものも、品質もよくなりますから、これを低減させていくことに大いに役立つだろうというふうに私は考えております。
  179. 吉井英勝

    ○吉井委員 今おっしゃったのは越谷で配られていますよね。越谷で配られているもので、要するにごまかしの実態というのが言われているわけで、ごまかしたデータに基づいて三三%だ何だと幾ら言ってみても始まらないわけで、JPSは別称ジャパン・プア・システムと呼ばれているということも指摘されておりますが、やはり、本当に遅配、誤配をひどくするような……
  180. 佐藤勉

    佐藤委員長 質疑時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
  181. 吉井英勝

    ○吉井委員 こういうことでは、これはもう全くだめだ、経営責任をきちっととるべきだということを指摘して、質問を終わります。
  182. 佐藤勉

    佐藤委員長 次に、重野安正君。
  183. 重野安正

    ○重野委員 社会民主党の重野安正です。  それでは、まず最初に、郵政民営化委員会の諸問題についてただしたいと思います。  郵政民営化委員会の重要性は、今さら私が申し上げるまでもございません。したがって、この委員会を構成する五人の委員各位の責任もまた大変重いものがあるはずであります。民営化法第二十一条、「委員は、優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」このように書かれております。  きょう私が問題にするのは、この五人の委員の中の一人について大変問題がある、私はこのように思っていますので、お伺いしたいんですが、まず、当初任命された五人の委員はだれか、明らかにしてください。
  184. 木下信行

    木下政府参考人 お尋ねの、郵政民営化委員会の当初の五名の委員のお名前を申し上げます。  田中直毅、大田弘子、冨山和彦、野村修也及び増田寛也の五名の方々でございます。
  185. 重野安正

    ○重野委員 この民営化委員会、第一回の開催は四月三日というふうに認識いたしておりますが、これまでの開催状況はどのようになっているか。
  186. 木下信行

    木下政府参考人 お答え申し上げます。  本年四月三日の第一回会合以来、前回十一月二十九日の会合まで、十七回開催されております。
  187. 重野安正

    ○重野委員 そこで、民営化委員会の今日までの議事要旨、これをずっと見てみますと、その中で第十回から第十五回まで、この間、都合六回の会議が持たれております。その六回の会議の内容はさまざまでありますが、いずれも重要な会議であります。第三者を委員会にお招きをして、そしてそれぞれの状況説明を聞いているわけですね。  これらはいずれも、この民営化を推進していく上で重要な糧となる問題を吸収する場でもあったんだろうと思うんですが、そういう重要な会議に大田委員は六回欠席をされている。先ほど、今まで何回開催されましたかと言ったら、何回されましたと。そのうちの六回、欠席をされているわけであります。  そして、十一月二十二日の第十六回の会議において、大田委員辞任に伴い、新たに辻山栄子氏が委員に就任する、こういうことが経過でありますが、まず、この大田弘子委員が正式に委員辞任した月日はいつかという点、この点をひとつ明らかにしていただきたい。そして、辻山栄子氏が就任したのが、今言いましたように十一月二十二日でありますから、もしかしてその間に空白があったのかという懸念を持つわけでありますので、大田氏の辞任した日を明確にしていただきたい。
  188. 原勝則

    ○原政府参考人 お答えを申し上げます。  大田委員は、平成十八年十一月二十二日付で郵政民営化委員委員辞任しておられます。
  189. 重野安正

    ○重野委員 そうしますと、十一月二十一日と十一月二十二日ですから、つじつまは合うわけですね。  そこで、大田委員が当初は民間人として識見を有する者、つまり、二十一条に言う、委員はすぐれた識見を有する者のうちから選ぶ、こういうことになっていますから、大田委員はすぐれた識見を持っておられたんだろうと思います。そういうすぐれた識見を持っておられる方が、経済財政政策担当大臣に任命された九月二十六日から、今言うように十一月の二十一日まで、事実上この委員もしていながら、一方においては大臣としての仕事をする。私にしてみれば、これはちょっと異常だなと言わなければならぬ。  インターネットで議事録をずっとひもといてみますと、いずれも欠席になっていますね。欠席ということは、この民営化委員会に委員として存するということをあらわしているわけです。  すぐれた識見を持った者が民営化委員になっている。そのすぐれた識見を持っておられるこの大田さんが約二カ月全くこの委員会に出席をしない。わかり切ったことです、大臣になったんだから。その方がなぜ十一月二十一日まで委員としておったのか。日本じゅうからわずか五人しかいないんですから、この民営化委員会の委員は。しかも、内閣総理大臣が任命をする、そういう重いポストなんです。それが、結果として約二カ月委員としてのお役割を果たしていない。こんなことがまかり通っていいものか、こういうふうに私は思うんですが、いかがでしょうか、それについて。
  190. 原勝則

    ○原政府参考人 郵政民営化委員会は、郵政民営化法におきまして、「委員五人をもって組織する。」こういうふうにされております。このため、大田委員には、後任の人選が決定するまでの間、委員としてはとどまっていただいたということでございます。
  191. 重野安正

    ○重野委員 そんな軽い答弁で済む問題じゃないんじゃないですか、これは。二カ月ですよ。そんな軽いものですか。  民営化法の十五条、この中で、国務大臣はもちろん有力なメンバーとして位置づけられている。一方では民営化委員会の委員も兼ねる、こんなことがまかり通るんですか。しかも、後任ができないから二カ月間放置をした。これは、まさしく怠慢というか、余りにも事を軽く見ているんじゃないですか。  総理大臣が任命する委員というのはそんなに軽いものですか。確認します。
  192. 木下信行

    木下政府参考人 お尋ねの件につきまして、郵政民営化委員会の議事の規則に照らして御説明申し上げたいと思います。  郵政民営化委員会の議事に当たりましては、郵政民営化委員会令によりまして、委員の過半数が出席しておれば、会議を開き、議決することができるといたしているところでございます。したがいまして、委員委員会を欠席なさるということですけれども、残念なことではございますが、もともと想定されているところであるということでございます。
  193. 重野安正

    ○重野委員 今の発言は、私は問題があると思うんですよ。過半数が出ればいいんだと。本来、五人の委員はすべての会議に全員出席すべきである、それほど重要な任務を負っているのじゃないですか。  私も、今そういうことを言うんだろうと思って、ずっとこの間の民営化委員会の出席状況を見た。平成十八年の九月から十一月二十二日までの間、五人全員がそろったのはわずか一回しかないんですよ。三人しか出席していないのがそのうち四日もある。それは、今あなたがそういうふうなことを言うからこうなるんですよ。総理大臣が任命する者が、そんな中くらい、大分の方言でいうと、適当なことでいいんですか。そんな軽いものですか。確認します。
  194. 木下信行

    木下政府参考人 恐縮でございます。  今、民営化委員会の規則につきまして申し上げましたのは、委員会の審議といたしまして成立しているということを申し上げたところでございます。  一方、委員会の御出席につきましては、識見のある方々はできるだけきちんと御出席いただきたいということは願っているところでありますけれども、なかなか、全員がいつもということにつきましては、物理的に無理があるということについてもぜひ御認識いただきたいと存じます。
  195. 重野安正

    ○重野委員 この民営化委員会というのは、言うならば最も根幹をなす、方向を決める重要な委員会でしょう。それが、いや、全員そろうことは難しいのが当たり前みたいな形で人選するんですか。出られる人を選ぶべきじゃないですか、そうなれば。  そして、なぜ五人なんですか。三人ではなくて五人ということは、やはり五人がそろって、三人よりも五人そろって知恵を出し合ったらいいんですよ、議論し合ったらいいんですよ。それは、あなたが言うように、そんなことではこれは集まりませんよ。欠席を奨励しているようなものじゃないですか、これは。どうですか。
  196. 木下信行

    木下政府参考人 お答え申し上げます。  ぜひ御出席いただきたいということについては、先生指摘のとおりでございます。  なお、大田弘子委員につきましては、国務大臣に御就任でございましたので、いろいろな御負担がございまして、残念ながら欠席が続いていたということでございます。その間につきましては、後任の、先ほど御紹介がございました辻山栄子委員に御就任いただくというまでの間の作業をやっておったということでございます。
  197. 重野安正

    ○重野委員 この民営化委員会はいつまでやるんですか。
  198. 木下信行

    木下政府参考人 郵政民営化移行期間中ということで承知いたしております。
  199. 重野安正

    ○重野委員 これは無限にやるわけじゃないんですよね。やはり終わりがあるわけですよ、今言ったようにそう遠くない時期に。  そうすると、この間の六回の会議、全委員が集まらずに、時には三人、時には四人というふうな形で、調べてみると、いろいろな方から意見を聞いていますよね。これは、わざわざ行って意見を開陳する人に対しても失礼だと思う。そういうことの重みをあなたたちは二カ月間放置して、できるときできればいいんだというような感じでこの問題をとらえるというのは、僕は問題があると思う。そう思いませんか。
  200. 木下信行

    木下政府参考人 繰り返し申し上げておりますけれども、可能な限り全員に御出席いただきたいということでやりくりをしておるということは御理解いただきたいと思います。  その中で、大田弘子委員の後任につきましては、可及的速やかに任命いただけるよう、私ども準備作業をしておったところでございます。  ただ、その際につきましては、先ほどから御指摘ございますような郵政民営化の趣旨にかんがみまして、すぐれた識見を有する方、また専門的、中立的な知見を有する方、さらに民営化会社との直接の利害関係がないこと、またさらには女性委員の積極的登用に配慮する必要もあること、こういうようなことから、候補者の選定につきましては大変難しいというようなことがございます。こうしたことによりまして、結果としまして御指摘のような期間が生じてしまったというようなことでございますけれども、事務局といたしましては、そうした任命に向けまして最善を尽くしてきたところでございますので、何とぞ御理解をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  201. 重野安正

    ○重野委員 加えて私が言わなきゃならぬのは、大田さんは委員長代理なんです、そうでしょう。では、この二カ月間、田中委員長が病気なんかになったらだれがするんですか。大田さんはもう大臣ですよ。しかも、委員長代理のまま大臣になっているんですよ。だれがするんですか。会議はだれがつかさどるんですか。田中さんが出られなくなった、だれがするんですか。
  202. 木下信行

    木下政府参考人 結果として見ますと、この間、委員長委員会をつかさどっていただいたということでございまして、その点につきましては、結果として問題はなかったということであろうと思います。この間につきましては、結果としまして、委員長がこの委員会の進行をつかさどっていただいたということであったというふうに理解いたしております。
  203. 重野安正

    ○重野委員 いや、私が聞いたのは、結果と言うけれども、それは結果論ですよ。田中さんが病気になった、出られなくなった、そのときにする人がいないじゃないですか。委員長代理はもう大臣をやっているんだから。そんなことが結果としてまかり通っているんですよ。これに対してやはり率直に反省しなきゃいけませんよ、悪かったと。はっきり言いなさいよ。
  204. 木下信行

    木下政府参考人 大変厳しい御指摘でございます。  先ほども申し上げまして、言いわけになりますけれども、後任の委員の方を御任命いただくにつきましては、いろいろな難しい条件がございまして、その中で最善を尽くしたところでございますので、何とぞ御理解いただきたいと思います。
  205. 菅義偉

    菅国務大臣 重野委員指摘のとおり、本来であれば、できるだけ早い機会に後任の委員を選定しなきゃならなかったわけでありますけれども、多分、大田委員も、国務大臣に任命されたのは九月二十六日、その当日であったというふうに私は思います。それから二カ月間、なかなか後任が決まらないでこのような形になったことにつきましては、申しわけない、そんな思いであります。  本来であれば速やかにと思ったのでありますけれども、なかなかその選定基準というんですか、そういう中で手間取ったことも事実でありますので、御理解をいただきたいと思います。
  206. 重野安正

    ○重野委員 それで済むわけではないので、私は、到底これは、はい、いいですと言うわけにはいきません。そこのところはやはり事の重大さというのをしっかり認識してもらわぬと困ります。その点、確認しておきたいと思います。  あと、私は郵便局の問題をいろいろ聞こうと思ったんですが、もう時間がなくなってしまいました。前もってレクをしてお願いしておったんですけれども、この次の機会に回すということにしまして、以上で終わります。      ————◇—————
  207. 佐藤勉

    佐藤委員長 この際、谷公一君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合の四会派共同提案による日本郵政公社平成十七年度財務諸表に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。谷公一君。
  208. 谷公一

    谷委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     日本郵政公社平成十七年度財務諸表に関する件(案)   政府及び日本郵政公社は、平成十七年度日本郵政公社決算等を踏まえ、郵政民営化が円滑に進むよう、次の事項について十分配慮すべきである。  一、平成十七年度決算においては、引き続き黒字を確保したが、前年度に比べて貯金業務以外は経常利益が減収となっていることから、民営化に向けて一層の経営の効率化を進めること。また、特に郵便業務については、平成十八年度決算においては赤字に転落することが見込まれることから、経営改善に向け、さらなる収益の確保、業務全般の見直しに努めること。  二、公社においては、現在、集配拠点の再編が進められているが、集配郵便局の無集配化によるサービス水準の低下等、利用者の利便に支障をきたさないよう努めること。なお、再編にあたっては、今後も地元住民の意見を十分聴取すること。  三、不正事件等による懲戒処分を受ける郵政公社職員が後を絶たないことから、国民・利用者の信頼を確保するため、職員一人一人が法令遵守の徹底に努めること。  四、郵政民営化への円滑な移行のために、国民・利用者に対して混乱を生じさせないよう民営化の趣旨の周知徹底を図るとともに、郵政民営化のための情報システム開発に万全を期すこと。  五、準備期間及び移行期間における各新会社等の業務範囲の拡大の認可にあたっては、公正な競争が確保されるよう十分配慮すること。  六、新会社への職員の配置にあたっては、職員の意向を十分配慮するとともに、職員の勤労意欲が低下することのないよう、良好な労使関係の維持に努めること。  七、平成十八年度決算については、決算審査の結果を民営化後の新会社事業運営に反映させることができるように、国会への早期提出に努めること。   右、決議する。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  209. 佐藤勉

    佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  210. 佐藤勉

    佐藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり日本郵政公社平成十七年度財務諸表に関する件を本委員会の決議とするに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。菅総務大臣
  211. 菅義偉

    菅国務大臣 ただいまの決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  212. 佐藤勉

    佐藤委員長 お諮りいたします。  ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  213. 佐藤勉

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十五分散会