○馬淵
委員 お話を伺っても、私が御
指摘をさせていただいていることに対するお答えがいただけているような気がしないんですが。
民にゆだねて、そして、まさにおっしゃるようにグローバライゼーションされていく中で、民間
企業、どんどん
海外に進出し、究極的には本当にスタンダディゼーションされたアウトソーシングを徹底している。これが今の
企業の強みだと思います。これによって今日の
成長が図られている。
しかし、繰り返し申し上げますが、
財政当局がなせることというのは
財政政策、すなわち歳入歳出の部分なんです。そして、歳出に関してはこれを徹底的に見直す。これは大賛成です。私も、特別会計等を含めて、これは常に申し上げてきた。しかし、歳入の部分に関してははっきりと、
国民負担が低いんだからこれをどうにかしなきゃならぬという方針を打ち出されている。ならば、ここで多少法人税の引き下げがあったとしても、大きくは増税路線を踏まざるを得ない。そこで、
成長戦略との矛盾がどのように解決されるかの具体的な筋道を御提示いただけていないのではないですかと、こう申し上げているわけであります。
きょうは余り時間もありませんので、
尾身大臣にお尋ねしたいところを、十分なお答えを、この二十分、二十五分ほどの間でいただけませんでしたが、ぜひ当
委員会の中でも、
財政運営の具体を明確にまた示していただけるような質疑をさせていただきたいというふうに思います。
尾身大臣には、大きな所信の部分について御質問させていただきました。
尾身大臣、ありがとうございました。
残りの時間を、
金融担当大臣の山本
大臣にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
山本
大臣は
金融担当ということで、この
委員会にも御
出席をいただいているわけでありますが、
大臣は一方で、再チャレンジの担当の
大臣をされてもおられます。まさに再チャレンジ、だれもが再挑戦可能な社会、これは非常に重要なことでもあります。
そこで、きょう私がお尋ねをさせていただきたいのは、再チャレンジに直接かかわるかどうかは別としましても、まさに本当に、制度からはみ出したり、あるいは制度から漏れてしまった
方々に対する取り組みというのはどうあるべきかということについてお尋ねをしたいというふうに思います。
それは、保険業法の改正における自主共済の取り扱いについてでございます。保険業法の改正がことしの四月になされました。そして、保険業法改正の中で、いわゆる無認可共済の問題というのはかねてより
指摘がなされていた、それに対しての取り組みがこの業法の改正の中で上がってきたわけであります。
お手元の資料の七ページ目をごらんいただきたいと思います。これは議事録でございます。当
財務金融委員会、
平成十六年の十一月十六日、これは
伊藤大臣、
伊藤先生が
大臣でおられたときの、私は質疑をさせていただきました。
この質疑の中で、無認可共済の問題について取り上げさせていただいたわけであります。私の質問として、いわゆる無認可共済と呼ばれるもの、しかしこの共済がオレンジ共済等詐欺まがいの行為をしている、そして、その詐欺まがいの行為をしているようなところがあった場合それを所管する省庁はない、これは大きな問題だということがこの国会でもたびたび取り上げられていた。もちろん、各省庁で所管する認可共済は別です。無認可共済に対してはどのような考え方をするべきかということを
大臣に御質問させていただいたわけであります。
この傍線部、消費者保護あるいは契約者保護のためには一定の法的規制というものは必要だと考えています、これは私の発言であります。共済というのは長い歴史を有しており、資本の論理に基づく保険業とは違って相互扶助の精神であると。そして、こうした
指摘に対しては、前任の竹中
大臣も、一律に横の規制を課すというのはこれはまたやはり難しい面もあるのではないかな、その
意味での慎重さは必要なのではないかなという気もいたします、こうお答えをされている。
伊藤大臣はそのとき、十一月の十六日には、これら前
大臣の発言も踏まえてこのように述べられています。この共済というのは相互扶助の精神のもとに相互扶助を目的として共済が行われていて、それは
日本社会の中で非常に大きな役割を果たしていることも事実だというふうに思っておりますと。この役割の重要性を、当時の
大臣もしっかりお認めいただいておりました。
そして、業法の改正でありました。こうした無認可共済、根拠法のない共済等々を一たんは特定の保険業者として登録していただく、そして、登録をしていただいた後、二年間の移行期間をもって、少額短期保険業者と保険会社、あるいはあとは適用除外という形で分類をしていく、こうしたことがこの法改正の中で定められました。
お手元の資料の八ページをごらんいただきますと、その法案審議の中での私の質問をここに挙げさせていただいております。さて、ここで取り上げたいのは、保険業法改正の中でも、こうした無認可共済、今は自主共済と呼ぶようでありますが、自主共済に関しては、この法改正の中で少額短期保険業者あるいは保険会社に移行していただく、そしてそれ以外の者で、もちろん廃業やあるいは合併等をやっていただく、あるいは適用除外というのも考えていきたい、このようにお話しされ、そしてその適用除外については法で定められております。
その法で定められている適用除外、その項目をごらんいただきたいと思うわけであります。これはお手元の資料の十ページ目でございます。
改正保険業法の適用除外ということで、保険業法、法律の中では、これは
平成十七年五月二日公布ということで、丸でございますように、「制度共済(農協、生協等)」からずずずっと下にまで、「政令で定める人数以下の者を
相手方とするもの」となっております。そして、その上に、「これらに準ずるものとして政令で定めるもの」となっています。法律で定めることの後に政省令で定めていく、適用除外に関しては、それは先ほど、共済の意義も十分に認識しているという御答弁の中で、政省令で定めていくということがこの
委員会の質疑の中でも語られているわけであります。私は、その点に対しては、若干の危惧を持って質疑をさせていただきました。
八ページ目に戻りますが、私は質問として、全部政省令あるいはこれから詰めていくというお話ばかりです、このように申し上げた。つまり、政省令で定めるといっても、本当に必要と思われる自主共済あるいは本来の相互扶助の精神に基づいた共済を、しっかりと
金融庁としてそれを見定めることができるのですかということに対する懸念を私は申し上げたわけであります。
そして、十ページ目に戻りますが、ごらんいただきますと、保険業法の施行令として政令が定められました。ここにも、「
地方公共団体が区域内の事業者、」からずらずらずらっとありまして、一番下、「千人以下の者を
相手方とするもの」ということで、政令で定める人数をここで決めているわけであります。ぱっと見ますとわかりますように、
地方公共団体あるいは
企業の連結対象、宗教法人あるいは公務員、議員、専修学校、学校法人あるいはPTA等々となっているわけでありますが、さてここで、私、本当に必要なものがこの自主共済の適用除外の中に盛り込まれていないのではないかということの御
指摘をさせていただきたいというふうに思います。
この自主共済、さまざまなものもあります。確かに、保険業法の改正によって解散が余儀なくされても仕方ないだろうなと思われる共済等もあるかもしれません。しかし、その中でも幾つか、本当に互助の精神でつくられてきた共済がございます。その
一つが、例えば知的障害者施設利用者互助会と呼ばれるものの共済でございます。
これは、資料の九ページ目をごらんください。
どういう共済制度かといいますと、知的障害等の子供さんを持った保護者の方、例えば病気で入院をする、入院をしたときには、障害ゆえに治療をしっかりとみずからが認識して受けることができない、点滴の針を抜いたり、それこそ病室内で大きな声を出したり暴れてしまう、だから親御さん、保護者の付き添いが必要になる、あるいは個室が必要になるわけです。こうした
状況で、かつては医療制度の中でこれも担保されておりました。しかし、医療制度の中でこの付き添いが廃止をされた。そこで、やむなく必要に迫られてつくられたのが、こうした互助会の仕組みです。
これは互助会だよりの中にある手紙の一節ですが、下線部をごらんいただくと、まさにその思いが伝わってまいります。息子が病気になったとしても入院することなど無理であろうという気持ちがありましたと。この方は、二十七年間、施設にいる息子さん、情緒障害、大きな声を出したり暴れたりということで、病院に入院などできないだろうと思っていた。しかし、病でおとなしく、ぐったりとしていて、入院で治療も受けることができた。
ところが、点滴を受け日増しに元気になってくるのと同時に、いつもの声が出てきました。こうなってくると、私が手を握っている
程度では、自分で針を引き抜いてしまい、点滴を続けることが無理となり退院しました。五日間という短い入院だったけれ
ども、入院生活を送る体験ができた。まあ、親御さんとしては安心されたんですね。そして、このときに感じたことです。障害者には個室が絶対的に必要であるということ、個室に入院するには金銭的にかなりの負担増となること、さらに今後は障害者の負担が増加していくことが決定している、互助会からいただく給付金は本当にありがたく感じます、入院したときにお互いに助け合っていける互助会の活動をますます発展させていきましょうと。
この思いというのは、相互扶助の精神で、
委員長席に座っていらっしゃる
伊藤大臣もあるいはその前任の竹中
大臣も、極めて重要だ、こう御認識をされていたと思うんですね。それに対して、今回の適用除外、先ほど御
説明を申し上げたこの政令の中にはこうしたものが入らない。つまり、なぜなんだと、私はここが非常に不思議に思います。
そして、同様のものは幾つもほかにもあります。
日本勤労者山岳連盟、労山遭対基金といいまして、これは山岳で遭難をされた
方々を救うために、皆でお金をためて、これをまさに基金として互助精神で使っていこうと。大変な費用がかかる、ヘリコプターなどで山岳で救難をする、それには大変なお金がかかるということで、遭難共済制度があります。また、開業医のお医者さん。歯医者さんであれ、あるいは内科医さんやさまざまなお医者さんが、みずからの休業保障をしっかりと担保するために、これも全国保険医団体連合会が休業保障制度という形で互助会的な共済制度をつくっておられる。こうしたものに対しても、この適用除外ということに対する検討が十分になされていないのではないか。
先ほどお示ししましたように、
金融庁が定めるこの施行令の中では、要は学校やあるいは
企業というように、明らかに特定できるものだけということで定められたというふうに聞いております。法的外延がしっかりしているものというお話もありました。自治性が高いものというお話もありました。しかし、本当にそれが本来の趣旨にのっとるんでしょうか。この保険業法の改正の最大の趣旨は、詐欺的な行為を何とか
政府が、所管のない
状況は外していこう、変えていこうという趣旨だったんではないんでしょうか。
これに対して、山本
大臣、再チャレンジということで、本当に人の痛みをもう一度しっかり受けとめて応援しようという、その所管でもある山本
大臣、これに対してはいかがお考えですか。