○下条
委員 そうなってほしいとは思いますが、現実に、六月におっしゃった段階が、今言ったように都市部に集中している。これは何か方策を、これから私どももいろいろ知恵を出していきますけれども、考えていかないと、確かに二年ちょっと先、二年半、三年近く先といいながらも、果たして、さっき言った従事者、大物、小物を含め、また件数を含めて、きちっとした証明を出した方が出せるのかなという疑問を、きょう、この十一月二十八日の議事録に載っけておいていただければというふうに思っているので、質問させていただきました。
というのは、これから
改正を含めていろいろ議論をしていかなきゃいけない中の
一つでございます。そういう
意味では、何といっても、税金も人も今都市部に集中しているので、先ほども言いましたように、最終的にはその辺の落としどころを、
機関をまた設けて、新しくそこに所長を置いてというふうになるかもしれませんし、違った形で、
内容の審査について郵送物でやりとりするような話になるかもしれませんし、それは、そこに
瑕疵がないように、ぜひこれからの中で推し進めていっていただければというふうにお願い申し上げたいと思います。
次に、私が今度のいろいろな
偽装事件の中で最も注目している部分が現場の
工事監理の部分であります。これは言うまでもなく、
工事監理というのは、
建築主の立場に立って、
設計図書と照合し、その
設計図書どおりに
実施されているかどうか確認することである。適切な
工事監理が行われれば、
基準法に違反するような
建築工事あるいは欠陥
工事は決して起きないわけであります。
そこで、いろいろな
方々に私はその後もお会いしました。耐震
偽装の発覚後、現場管理者が
工事監理をやっても十分なチェックをしていなかったり、
設計者が
工事監理者であっても
工事現場の指導をほとんどしなかったり、ずさんである
実態も随分私は目の当たりにしました。また、
建築主が
設計者のその名義を
工事監理者と記入させて、実際は
工事監理者なしで
工事がどんどん進められちゃっている。名義貸しです。こういうことも
実態でありました。
こうした
状況の中で、今回の
改正で、ことし八月の「
建築物の
安全性確保のための
建築行政のあり方について」という社会資本整備審議会の答申を踏まえて、
設計、
工事監理契約締結前に
管理建築士等には
重要事項の
説明及び書面交付を義務づける、これはいいことでありますね。さらに、今回の建設業法の
改正で、
資格者証の交付を受けた監理技術者の配置を要する割合を集合である病院や学校の重要な民間
機関に拡大していった。これは、かなりの部分、前進したと私は思っています。いい発想だと思います。
ですが、ここで私が
一つ加えていきたいのは、
建築主に選任された
工事監理者が適切に
工事監理を行うこととは、一〇〇%、必ずしも結びついていないんじゃないかというふうに思っています。
それはなぜか。まず、
工事の監理技術者については、
建設工事を
施工する建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にある者がなることになっている。簡単に言えば、現場の監理者は、私が建設会社の社長だったら、おまえやれ、山田君やれ、伊藤君やれ、その人が現場の
工事監理をするということであります。あくまでも建設業者側の人として
施工監理を行って、第三者的なチェックが行われていない。ここに僕は何かクエスチョンを感じています。
というのは、今回の、今いろいろ裁判が行われていますが、木村建設、いろいろな問題が今出てきています。篠塚さんはこの間あれになりましたけれども、木村建設の方がやる
工事を木村建設側の人間がチェックしたと同じことであります。
つまり、今言いました、民間の病院や学校にいろいろ拡大しているのは、これはいいことだと思います。新しく拡大しなさいという法制度です。しかし、任命権はあくまでも、木村さんの名前を余り出しちゃいかぬけれども、ある建設会社があって私が社長だったら、おまえやれ、わかっているだろうな、おまえ、サラリーマンだろう、うまくやれよ。この方が、現場での監理者になるということであります。そういう
意味では、その現場の監理者との利益のベクトル部分が全く同じ
方向に向いているんじゃないかというふうに私は危惧しております。
私もいろいろな現場に行きました。コンクリートのひび割れのところとか、それから
建築士さんがつくった
構造図と建設会社がつくった
施工図の違いがあちこちにあったり、また、でかい
マンションが建っていて、でかい
マンションというのは柱だけじゃなくて横のはりがあって、改めて、物というのははりがあるから横に揺れたとき大丈夫なんですね。このはりの一番のつけ根のところに穴ぽこがあいていたりして、ただ柱が立っているだけの
建物の十階に行きまして、私はぞくっとしましたですね。今もしか来たら自分はどうなっちゃうのかなと思いました。まあ名誉の戦死になるのかもしれませんが。
そのぐらいに、現場での監理というのは、利益のベクトルが違った方にやらせるべきじゃないですか、そう私は思っております。なぜこういう話をするかというと、現場での、私が今まで味わった、ある
意味でいろいろな欠陥の部分を見てきているからであります。
そこで、一たん、海外では一体どうしているんだということを見出していただくと、アメリカのロスでは、カリフォルニア州
建築基準法に基づいて、市の職員が、市の職員がですよ、土盛りや
建築基礎
工事が安全に行われているか、また、
構造体、配管等が壁や床などに埋め込まれる前に、法規に適合しているかどうかについて
検査する。現場には記録カードがあって、
検査が済んだ後、
検査官がそれにサインしなければ
工事は前に全然進まないんです。とまっちゃうんです。それが彼らの
責任である。そして、違反があれば、命令が出るまで何度も
検査をし直していくわけです。これが、私も住んでおりましたけれども、アメリカのカリフォルニア・ロサンゼルスの大きい
工事についてのチェック機能であります。
また、戸
建て住宅は、これまた六回ぐらい、市の
検査員が出向いて、大型の
建物についてはコンクリートの打ち込み作業や溶接とか、補強、配筋など
建築法で規定された工程について、
建築の監理とは別に
建築主が、簡単に言えば
建物の主ですね、こうした民間の
検査員が市の代理人としてその現場に常駐している。常駐するわけです。ずっとそこにいて、朝から晩まで見る。結果を市に
報告する。
アメリカは、御存じのとおり、相当やはり裁判とか
瑕疵について厳しいです。
日本はいろいろな
意味でアメリカの文化に追随しておりますけれども、いいところはどんどん追随していいですけれども、やはり罰の面でも、またチェック機能でもちょっとおくれている感じが私はいたしております。
そこで、この
工事監理についての徹底や
建物の品質を
確保するということは、新しい
機関を設けてやっちゃえよと言うのは簡単だと思うんですが、すぐに私、これは絵にかいたもちだと思うんですよ、実際問題として。やはり準備運動が必要だし、徐々にほぐしていきながらと。
それで、私は三つの提案をこれからしたいと思うんですが、その前に、私はなぜこういう提案を、非難じゃなくてプレゼンでしていくかというと、実際こういうことがありました。
ことしの五月に、私が
建築基準法改正の
質疑で、
建物を
施工しているときの監理や
施工品質のずさんさを
指摘した。そのときに、高層の
マンションのバルコニーやベランダの危険な手すりの問題について問題提起をしました。これは釈迦に説法でございますけれども、現実にはそういう法律はないんですね。実際、私はその十階のベランダに出て、
住民の方がさわってくださいと言いましたら、
大臣、本当に十階のベランダがぐらぐらするわけですよ。十階ですよ。一階だっていろいろな問題があります。
大臣もしくはお子さんやお孫さんが、お孫さんいるか、ちょっと私存じ上げなくて申しわけないんですが、十階の
マンションに自分の孫が住んでいる、ぐらぐらした手すりでやっちゃ大変だぞという問題提起をしました。
そうしましたら、このぐらぐらについては、時の山本さんから、手すり、さくの安全
基準はどういうふうにあったらいいのかということを、今回の
建築基準法の
改正や第二弾の法令の見直しに際して、どういう
措置がとれるか勉強したい、こういうふうにお答えいただきました。
実を言うと、この
局長の発言を受けて、先週の金曜日に、
日本金属
工事業協同組合が、本当に自主的に、
局長の発言を受けて手すりの
安全性についての
検討委員会を開いたんです、初めて。そこで、やはり安全
基準は
現状はない、自社
基準になっちゃっている、何の
基準もなくて、組合がつくるべきじゃないかと。はたまた、安全を主張すると逆に受注のチャンスがなくなるとか、いろいろな問題が出ている。手すりは竹でも段ボールでもいいのか、こういう話まで出たと私はお聞きしています。さらに、次回については安全
基準について具体的に深めて提案をしていきたいという話が出ています。いい話だと思います。
要するに、こういうところで、現場で働いている方にとって、安全
基準がなければ、手すりのぐらぐら度合い、これはもう釈迦に説法で御存じだと思いますけれども、そういうことをこの現場の、国交省の
委員会でやったことによって、自主的に手すりについての安全を
検討委員会を設けて、もう開いて始まっている。これはすばらしい一歩だと僕は思っています。
そこで、話をもとに戻すと、現場の監理というのは本当に、榊さん、御自身の
マンションが、優秀な
日本一の
建築士につくってもらった
構造図、
施工図、
構造図ばっちりだ、証明もばっちりだ、ピア
機関もオーケーだ、現場は木村建設に
建てさせますか。これですよ。だから、現場の監理というのは最後の水漏れの、これまたさっきの
建築士の証明と同じであります。
そこで私が提起したいのは、まず
一つは、
構造設計を行った
構造一級建築士に
構造監理をさせたらいいじゃないですか。自分が図書でチェックしているんなら、
設備設計をした
一級建築士に設備を監理させる。その人が全部チェックしているから、現場に行くんです。そして、
建築士の専門家のように分野別に専門の監理者を置いてみるのはどうかなと。つまり、自分でチェックした
設計士が現場でもその部分をチェックしていく。この提案、実を言うと五月にもさせていただいています。これが僕の第一案であります。
第二案は、指定
検査機関、さっき言った、ちょっと人数足りないかもしれないを含めて、中間
検査、完了
検査は確かにやっていらっしゃいます。これは今までも自治体含めてきちっとやっていらっしゃいますが、プラス、抜き打ちでその方たちに指導していったらどうか。つまり、中間、完了
検査以外で、例えばいきなり行ってコンクリートの納入のところを見たり、それからスリットがどうなっているか、
構造図、
施工図がどう違っているかというのをきちっと見ていく、この部分をやらせたらどうか、これが第二案であります。
第三案は、アメリカの、これはなかなかちょっと距離感はあると思います、ゴルフでいくと五百四十ヤードみたいな感じだと思うんですけれども、いきなりすぐは難しいかなと。
建築士を有する外郭団体に、アメリカのように現場に常駐して
工事の
施工を適切にチェックさせたらどうだと。私は、なぜこういう第三者的なチェックが必要かと今まで申し上げておりますのは、資料三の「耐震
偽装見抜けるか」というのがあるんですよ。何か、別に僕は朝日さんの回し者じゃないんですがね。現実にはこういう形でいろいろな不安を抱いているわけですね。
ですから、その中で、下から三段目の右から二行目、「また、東京都は
施工段階の
検査の重要性を強調し、「
建築確認をすべて民間に任せてでも、行政は現場での
検査を手厚くすべきだ」」、現場でチェックしろと提言。新制度で義務化される中間
検査を
複数回、徹底して行う制度を求めている。東京都ですね、これは。というのは、やはり東京都が多かったですからね、今まで見ても。こういうことも言われております。
それと付して、もう
一つは、資料四に出ております東京新聞の十一月十六日の夕刊であります。これに出ております。これもいい記事、いい
内容、これは物すごくいい
内容だと思います。
国交省がお開きになっている
指定確認検査機関を専従で監視する
建築安全調査室、来年度にもつくっていく、これはすばらしいことだと思います。前
大臣の置き土産か、現
大臣がいろいろブラッシュアップをかけた、いずれにしてもすばらしい話だと思います。専門職で固める
建築安全調査室、すべての国指定
機関を年一回以上抜き打ちで監査し、
建築確認した
物件を抽出して審査
内容を精査する。私は、これは大変評価できる部屋が来年できるなと非常に喜んでおります。
この第三者
機関が抜き打ちで監査するというのも、私に言わせてもらうと、榊さん、
大臣、もう一歩広げていただいて現場で、申しわけないですが現場です、現場での監理に、ぜひこのような形の調査室の
方々を含めて
検討していただきたいというふうに思います。ぜひお答えいただきたいと思います。
局長と
大臣、お願いします。