○阿部(知)
委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日で三回の
質疑のお時間をいただきましたが、私は、この問題に、最初に法案をいただきましたときから、いろいろに、一体これは何の法案かということを考え、せんだっては私案も出させていただきました。きょうは、
三井先生がお取り上げいただきまして、本当に面映ゆい限りであります。
ちょうど数日前、米国では中間選挙が行われまして、共和党が敗れ、民主党が躍進するという報道がございました。実は、九・一一テロ以降、テロという問題は
世界が本当にどう
対処していくべきか、そのとき身をかたくして、そして、
国民もいわば総監視
体制のもとに置いて、アリの穴すら残さないという形で締め上げてきたブッシュ
体制の一つのほころびを今回の選挙の結果に私は見るわけです。
と同時に、テロという問題が避けられない
時代状況であるのであれば、それに打ちかっていくというと変ですが、きちんと
対処していく知恵も
社会は持たなければいけない。すなわち、日ごろどのような管理
体制にあれば、その
危機を少なくしながら、
国民の生活がより心地よいというか過ごしやすいものになるかという二つの観点が必要なんだと思います。
実は、金融
危機という問題、これは
柳澤大臣がもともと金融、財務にお詳しい方でいらっしゃいますから、アジアの金融
危機に対しても、恐らくあれで学んだことは、グローバル化した経済のもとでの日ごろの金融
体制のさまざまな未
整備な部分や、あるいは対応すべき部分、私はあのときもっと円が活躍できるような道が開ければ本当はよかったなと内心思っておりますが、そういう金融面においても、そして、恐らくきょう私が
質疑させていただく健康管理面においても、日常の管理をどうしっかりするか。そして、
危機と申しましても、そこからはなるべく過剰な公安や警察の介入を避けねばいけない。
それは、
柳澤大臣がおっしゃったような、サリンの事件での河野さんという、いわば犠牲者の夫が加害者と思われたり、あるいは、せんだって私が取り上げさせていただきました、ちょうど四十年前のこの、
厚生労働委員会と言いませんで、当時、社労委と言われておりましたが、千葉県で蔓延したチフス事件で鈴木充さんというお
医者さんが犯人と疑われ、その後裁判が重ねられ、彼は人生の中でほとんど名誉の回復ないまま受け入れていかざるを得なかったような
事態等々考えると、今こそ、
時代は、本当にどうやって人間の人権と言われる部分と難問の
時代を越えていくかという分かれ目にあると私は思います。
その
意味で、実は、もっともっと
質疑をさせていただきたいですが、きょうは採決だと言われておりますので、そういう時間制約の中で、本来の法案に入る前に、一点だけ触れさせていただきたいことがございます。
実は、お示しした資料の最終ページに載せてございますのは、この間、衆参両院でいろいろな議員がお取り上げになったリハビリの日数制限問題であります。このことに関しまして、
厚生労働省の保健局
医療課長の原さんが、朝日新聞の「私の視点」という投稿欄に投稿をなさいました。
私は、各官僚諸兄が、こうやって
自分の
意見を
自分の口で
自分の考えとして
責任持って述べるということには賛成であります。何とか外務
大臣の核保有発言とはその
意味では違うと思っています。そして、このことによって、もしかして、厚生省の今回のリハビリの打ち切り問題が
国民に本当に伝わってほしいという思いで書かれたものと思いますが、しかしながら、私から見れば、この文面の中に既に
国民との間のそごが生じた大きな原因があると思います。
もちろん
大臣は今初めてお目通しのことと思いますから、私が感じた部分を
指摘させていただきますが、最も大きなそごの第一は、最後段にございます。最初から二行目、「リハビリという手段が自己目的化してしまう「訓練人生」が望ましいかどうか、よく考える必要がある。」と書いてあります。
だれが考えるんでしょうか。訓練人生と思ってだれもリハビリをやってはおりません。きつい、苦しい、よくなりたい、本当に尊厳を持って生きていきたい。その願いが結集したものが、今、多くの
患者さんがリハビリの打ち切りに対して署名を上げられているところの本当の
気持ちでございます。私は、この原さんが悪意があったとも何とも思いません。でも、こういうふうに書いてしまったときに受け取られる受け取られ方との間の大きなそごが、やはりこれは
厚生労働行政としても私は望ましい方向にならないだろうと。
訓練人生という言い方は、一方で、介護
保険のときにマシンに乗って筋トレをして介護
予防しなさいと命じていた、あの
厚生労働省の姿勢とは、これはどうなっちゃうのと思うようであります。
やはり、命長らえ、障害があっても生きたい、その生きたい思いの発露の一つがリハビリであり、それをどうサポートしていけるかという体系がまだ整っていないと見るべきだと私は思います。
そのことがもたらす大きな
現状の混乱が、この原さんの文章では「不測の
事態が起きる
可能性」と書いてございますが、私
ども医療従事者におきましては予測の
事態でございました。何が予測かというと、余りにこの法律が、例えば脳梗塞の人は最長として百八十日で終わりという一例をとっても、通知、周知、徹底、
準備期間なし。ですから、次にどこの
医療機関に、あるいはリハビリ機関に、あるいは介護
保険施設に移そうかという
準備も何も、できよう間もございませんでした。
あわせて、きょう
指摘されております
感染症の人手不足と同様に、リハビリ
分野も、
医師から、それに携わるパラメディカルまで、すべてすべて足りておりません。
私は、
厚生労働省がリハビリを充実させようという意思があったということは疑うものではありません。しかし、それを現実に移すときの
現状分析が足りておらなかった。あるいは、本当に
患者さん
たちの声を聞くことにおいて、一方的にこういうふうに決めつけてはいけない、この姿勢を持たないと、人を相手の、生身を相手の、今も生きている、きょうも生きている、あすも生きたい、そういう人を相手の
行政はうまくいかないと思います。
きょう
大臣にはぜひこれをお読みいただきまして、私は何度も言いますが出されたことは批判しておりません。だけれ
ども、なぜそごが生じるかはすごく私にはわかります。
そして、今現在
現場で生じている大混乱、混乱はたくさんあります、大混乱の二つだけ早急に是正していただきたい。私は、本質的にはこの日数制限の科学的根拠がありませんので見直しを求めますが、そこまで言うとなかなか今、きょうの限られた時間で討議できませんので。
今、
医療リハビリが終わった人は介護リハに行きなさいと言われましたが、介護
保険適用でない四十歳以下の若い方は、
医療リハが終わった途端、介護リハにも行けません。
医師が必要と
診断してとおっしゃいます。そういう
診断をして延ばしている方もあります。でも、それ以外に、では、これからは日常訓練の中でと言われても受け皿がありません。この問題に一つは早急に対応していただきたい。四十以下、まだ若い皆さんが、大変に行き場がない、
施設がすごく少ない、どこで受けられるかも本当に、ないのです。
それからもう一点、続けてお願いしたいのですが、百八十日を超えて
医療リハをやっていて、
保険で査定されて切られた場合、
保険適用じゃないと言われた場合、その前までさかのぼって
保険適用を外されてしまうかのような報道が出回っておりました。混合診療になるからと。
この点については
厚生労働省に、それまでの既に受けた治療はきっちりと
医療保険で払うと。その後の、残念ながら
医師が一生懸命
必要性を書いても査定される場合がございます、だめと言われる場合がございます。その部分について、
医療者は今
お金が入ってこなくても覚悟してやっているところもあります。でも、
患者さんに混合診療だから全部払えという圧力になって、
気持ちの圧力になっています。そういうことはないんだということを、この間違った
情報がそういうふうに伝わっていることは遺憾であり、
厚生労働省としてきちんと
対処すると。
若年者の問題と後者の問題と、まとめてお願いいたします。