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園田(康)
委員 ぜひ、これは精力的にやっていただきたいと思うわけであります。これは、岩波のブックレットで「被爆者はなぜ原爆症認定を
求めるのか」というところの中にも書かれておりますけれ
ども、先ほど申し上げた原因確率性であるとかあるいは閾値についても、科学的な知見というものに疑問があるのではないかということが投げかけられている箇所があります。
アメリカの統計学、公衆衛生学の著名な研究者であるグリーンラント氏、これはカリフォルニア大学のロサンゼルス校の教授が
指摘をされているわけでありますけれ
ども、原爆症認定の審査を行う原子爆弾の被爆者
医療分科会の分科会長代理であります草間朋子さんという方が、この原因確率性については多少疑問があるのではないかということで、二〇〇一年度の
厚生労働省の委託研究の中で、このグリーンラント博士の研究を紹介しておられます。そして、労災認定の基準としては原因確率を採用しないという報告書をまとめているわけでありますので、いわゆるこの原因確率論に関しては、さまざまな
観点から今疑問が投げかけられているということを念頭に置いて、ぜひ精力的にこれを集積、研究を進めていただきたいというふうに思うわけであります。
これを早くやっていかないと、原爆症で大変苦しんでいらっしゃる、あるいは申請を出してもどうせ却下されるんだから申請をしないというふうに我慢をしていらっしゃる
方々も中にはいらっしゃるわけでありまして、訴訟をやると、それだけで外に自分の、いわゆるプライバシーではありませんけれ
ども名前も出さなければいけない、あるいは顔も出さなければいけない、自分の生活もさらけ出さなければいけない、そういう苦しい
状況にも置かれるわけでございます。
ぜひそういう
方々を救済する、私は、原爆そのものは非人道的な化学兵器であったと思うわけでございますので、その非人道的な化学兵器にさらされた
方々を救うのは、やはりこれは最後には国の
責任で行うべきであるということを強く要望させていただきたいというふうに思います。
時間がございませんので、もう一点、私が強く
厚生労働省に
求めたいことがございます。
障害者自立支援法の
施行状況、先ほど
福島理事からもその旨触れていただいて、副
大臣からは全省庁的に挙げて取り組んでいくということをおっしゃっていただいたわけでございます。
これは、
委員長を初め各党
理事の
方々にもぜひお願いをしたいと思います。
昨年の
障害者自立支援法、衆議院のこの
厚生労働委員会で成立をした際に、こういう申し合わせが
理事会でございます。
当
理事会は、次の事項を
確認し、
政府に申し入れるものとする。
(一) 前国会において
障害者自立支援法案に関して付した附帯決議の内容は、政省令の制定など
法律の
施行に当たり、
政府において十分尊重すべきであること。
二点目、
障害者自立支援法に係る政省令事項、
運営方針等については、その内容に関する審議が
社会保障審議会
障害者部会で行われる際には、その都度直ちに衆議院
厚生労働委員会
理事会に報告を行うこと。各党
理事は、
理事会において上記政省令事項等につき意見を述べ、政省令事項等を適切にフォローアップするものとすることという形で、それぞれにおいて政省令事項がなされた、あるいはこの
障害者自立支援法の
施行状況について
理事会でしっかりとフォローアップをしていかなければならないというふうにまず書かれているわけでございます。この点、各党の
理事の方、十分共通認識を持たせていただきたいと思うわけでございます。
これは、与野党で合意して、
理事会で申し合わせ事項という形で
確認をされているものでございます。
そしてもう一点、衆議院での附帯決議の第十一条でございますが、「本法の
施行状況の定期的な
検証に資するため、本
委員会の
求めに応じ、
施行後の
状況、
検討規定に係る進捗
状況について、報告を行うこと。」これに対して、
厚生労働省としては、真摯に受けとめて、これを誠実に行ってまいりますという御答弁をいただいているところでございますので、ぜひ、定期的な
検証を行っていかなければならないと私は思っておりますし、先ほ
ども、全国の
障害者団体からもさまざまな声が上がっている、先般も、この
委員会の中でも野党の
委員の方からも御
指摘があったところであります。
ちょっと時間がなくなりましたので、後ほど私の同僚の
委員からもこの点はお話をしていただけるというふうに思っておりますけれ
ども、全国の
障害者団体の
方々、当事者、あるいは事業者、家族、あるいはボランティアで一生懸命やっていらっしゃる
方々というものが大変多く今声を上げていらっしゃる。
恐らく
大臣も御認識をしていただいていると思いますけれ
ども、この新しい
制度をつくられて、大変大きな、
厚生労働省、あるいは
政府として、あるいは国の
責任としてこの
障害者の
施策を大きく進めていこうという心づもりは私も理解をさせていただいているわけであります。
しかし、何せ、去年十月に成立をして、準備期間がもう半年も切っていた
状況の中で、これだけ大きな
改正をして新しい
制度を導入して、それを行っていくという形になれば、どうしても準備期間が足りなかった。それによって各
自治体、あるいは利用される
障害当事者はもちろんのこと、それを行っていく各
自治体の
方々も大変混乱を来しながら今日まで至っているというのが私は
現状であろうというふうに思うわけでございます。したがって、その
状況をしっかりと私はまず把握をしていただきたい。
きょうはいろいろ質問事項を用意させていただいて、職員の
皆様にはきのう夜遅くまでかかって御用意をしていただいたかもしれませんけれ
ども、時間がありませんので、この点だけ
指摘をさせていただきたいと思います。
先般、
厚生労働省が発表した
障害者自立支援法の実施
状況についてということで、概要版とそれにかかわる内容を私も見させていただきました。
これはやはり、今各都道府県、各
自治体が行っている
調査、それを
厚生労働省が集積して、そしてそれを一定の数値的なものとして発表したと理解をしております。しかしながら、これをもって、これが今の
施行状況の
実態だというふうに言うのはいかがなものかなと思っておりますし、これをすなわちそのまま、今の
障害者が置かれている
状況そのものである、しかもこの法案が
施行されてしっかりと進捗をしているんだよということで理解をするのは、まだ私は、実は拙速過ぎるのではないかなと。
したがって、これだけ大きな
制度を導入し、そして進めていくということを行うのであるならば、やはりきちっとした
調査を私は行っていただきたいですし、それを待っているのが、
自治体の
方々もそうですし、あるいは言いわけとしては、今そういう
調査を行うと、また新たな混乱を生む、あるいは事務量を多くしてしまうのではないかという懸念がどうやらあるようでございますけれ
ども、私は逆に、そういう今の混乱している
状況を国の
皆様方にも理解をしてほしいというのが実は
現場の意見ではないのかなというふうに私も聞いております。
ぜひしっかりとした
調査と
実態把握を行って、それをもって次の
施策という形で手を打っていただきたいというふうに思うわけでございますが、
大臣、その点はいかがでしょうか。