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北神委員 いろいろな要因を挙げられました。恐らく、最初の
消費者の多様化の話とか、
製品がいろいろ高度化している、こういったことと、企業のコストダウンの話とか、これら全体を含めると、大分、橋本
内閣の時代から言われているように、大競争時代に突入してしまっている、非常に企業間の競争というものが激しくなってきている、そういったところでなかなか品質管理とかそういったところがおろそかになってきているというのが
一つの大きな
原因だというふうに思います、そのコストダウンの話とかそういうのを含めると。
そういうことを考えると、今後も恐らくなかなかこういった潮流というのはとめようがない、非常に競争も激化する時代にもう入って、それもなかなか変えることはできないという中で、絶えずコストダウンのインセンティブというのは非常に強くなってきている。
私も代表質問で申し上げましたが、非正規雇用ですね、パートとか派遣社員、これは当然人件費が安くなるわけですよ。企業の方も、私なんか地元の中小企業の
社長さんとかとお話ししていると、本当は正社員を雇いたいんだと。正社員を雇わないと、やはり品質がどんどん落ちていく、たくみの伝統というものがどんどん絶えてしまってくる、その危機感は一方であるんだけれ
ども、でも、今回の業績を考えると、決算を考えると、どうしてもやはりそっちの方に、安易な方に流れてしまうと。そういう非常に熾烈な競争の中で、やむを得ず品質管理というものが、ある
意味で犠牲になってきている部分もあるというふうに思うんですね。
こういった時代がなかなかもう変わらない、そういう中で、やはり今回の
法案も、まさにその象徴ですが、事後規制というものをきちっと整えていかないといけないということだというふうに思います。
先ほど何回も申し上げておりますが、私もこの質問の中で、できるだけ皆さんにもわかりやすく、これはなかなか大変だと。
法律で書くのは簡単だし、大体の総論的な論点についてはだれも異論はないというふうに思います。しかし、実際に運用をしたり、万全を期すということに当たっては、非常にたくさんの人が必要になってくるし、その人材も、ただ片手間に、ほかのことをやりながらこの
製品安全の仕事もするとか、そういうのでなかなか対応できなくなってくるし、そういった
意味では、当然、予算の裏づけというものも必要になってくる。
そういう
意味では、
一つ申し上げたいのは、今の
経済産業省の
体制、この資料の二ページ目にありますが、これは、日米の
報告義務制度の比較というもので、
経済産業省の方でつくっていただいたんですが、左側が
日本で右側が米国だと。いろいろ違いがあって、簡単に言えば、やはり米国の方がかなり権限を持っているし人員も持っている、そういった
体制が非常に整備されている。当然、向こうの方が経済規模も二倍ぐらいですから、それは簡単には比較できないというふうに思うんですが、それにしても、
日本の、例えば一番上の方の担当
行政庁のところに
経済産業省があって、組織人員、
製品安全課が二十五名だと、二〇〇六年時点ですね。その下のNITEがありますが、これが、
製品安全業務担当職員数が六十七名ぐらいだと。全部で九十二名ぐらいかかわっている。
これは、当然、今回の
法案は主務
大臣に
報告義務ということですから、
経済産業大臣だけじゃなくてほかの
省庁もかかわってくると思いますが、ほとんどが多分
経済産業省だというふうに理解しております。右側のアメリカの方は、経済規模は大きいといえ
ども、四百八十名ぐらいいて非常な規模だということです。これは、これに限ったことではなくて、何もこれは偶然の話でも何でもなくて、
基本的に、私が申し上げているように、規制緩和をして、小さな政府になって、競争というものをどんどん促すような経済システムというものをつくる上で何よりも必要なのが事後規制なんですよね。アメリカは、あるいはイギリスもそうだと思いますが、そういった事後規制を非常に強化しているわけですよね、ずっと。
このアメリカの
消費者製品安全
委員会もそうだし、向こうの公正取引
委員会みたいなものも、
日本の規模に比べたらもう巨大な規模と権能を持っている。さらに言えば、ホリエモンのあの問題でなった証券取引等監視
委員会、これも、
日本の方ではこの前
改正をして、多少人員をふやしたり権限をふやしたりしておりますが、比べたらもう全然足りない。
ですから、申し上げたいことは、やはり安全、安心を確保するためにはこの事後規制の整備が必要で、この
法案だけでは足りないんですよね。やはり、これを実行して、きちっと監視をして取り締まる
行政の権限というものを強化しなければならない。そういう
意味で、今の
経済産業省の
体制というのは不十分ではないか。それは、なかなかそちらからそういうことを言うことはできないと思いますが、やはりそういう苦しさというものはあるというふうに思いますが、いかがでしょうか。