○
山井委員 麻生大臣がどう弁解をされても、
麻生大臣の発言もあって、フィンランドの議長団も、これはもう全世界が心配しているわけですよ。唯一の被爆国である
日本は、これからも核拡散防止
条約の、核廃絶の先頭に立つと。その先頭に立つべき
麻生外務大臣が逆のメッセージを発している、これは非常に問題だと申しておきます。
それでは、この問題ばかり
議論しておれませんので、これは改めて、こういう問題はきっちり予算
委員会を開いて私は
議論すべきだと思っております。
それでは、
看護師、
介護士の
議論になりますが、私は、きょう厚生労働
委員会からやってまいりましたが、この問題、非常に関心を持っております。
私は、二十七歳から三十一歳まで四年間、海外の
介護施設、
日本の
介護施設を回って、実習をしたりボランティアをして回りました。
日本でも老人
病院、特養、老健施設、十カ所ぐらい実習をさせてもらいましたし、
シンガポールの老人ホームでは一カ月ぐらい、イギリスの老人ホームも住み込みで一カ月、アメリカの老人ホームでもボランティアとして手伝わせてもらったことがあります。
そのときに私が感じたことは、アメリカでも移民
労働力が
介護現場の中心となっておりました。やはり、賃金が安いという部分もあって、労働
条件も悪いということで、移民
労働力が中心でありました。イギリスでも、ロンドンあたりではかなりそうでありました。例えば、私がボランティアをしていた
シンガポールの老人ホームでは、そこでは
介護現場は
シンガポール人はほとんどタッチせずに、半分がスリランカからの外国人の
介護者、半分は
フィリピンからの
介護者でありました。
それで、そのときに私はつくづく感じたんですね。
シンガポールで、
介護は安い外国の労働者にやってもらう、そういう私が行った
シンガポールの老人ホームの一部の姿だったわけなんですけれ
ども、その姿を見て、本当にこういうことでいいのかなということを
考えさせられました。
シンガポールのお年寄りは、
中国語です。ところが、
フィリピン人もスリランカ人も
中国語はほとんどしゃべれません。そのことを
フィリピン人やスリランカ人に聞いたら、いや、会話は余り必要ない、食事をさせてトイレへ連れていっておふろへ入れる、シャワーを浴びさせるぐらいだから、会話は
中国語ができなくてもいいというようなことを言っておりました。
しかし、私も
介護問題をライフワークとする人間として、例えば今の老人ホーム、七割が認知症のお年寄りです。どういうコミュニケーションか。御飯食べましたか、食べていないと。食べていないと言うけれ
ども、本当は食べているんですよね。それで、でも、さっき食べたんじゃないのと言う。家に帰りたいと言う。でも、そのあなたの言っている家というのはどこですか。それは今の家じゃなくて、もう二十ごろの家だったりする。非常にコミュニケーションは、これは
日本人でも難しいわけなんですね。
そういう
意味では、この
介護、看護の現場というのは、ただでさえ非常に労働
条件も過酷ですし、かつ、ハイ
レベルのスキルがこれからますます求められている時代であります。そういうときに、安易な安上がりの
労働力ということで万が一あるならば、そういう形で入れるのは非常に問題が多いと思っております。
ただし、一言つけ加えますと、スリランカ人、
フィリピン人あるいは
メキシコから来た
介護スタッフと私も一緒に老人
介護のお手伝いをしましたが、みんな非常に心優しいです、心優しい。もしかしたら
日本人よりお年寄りを大切にする気風は残っているかもしれません、個々人は。しかし、個々人はそうであっても、その方々が大量に入ってくることによって、労働
条件が今まで以上に悪化するんではないかということを非常に私は危惧しております。
そういう観点から質問をさせていただきますが、まず、
麻生大臣、中心のことですので最初に一問お
伺いしたいんですが、ちょっと私も調べさせてもらいましたら、
大臣の地元福岡でも御親戚の方が
麻生飯塚
病院というのを経営されている。うなずいておられますが、この
病院では八月から
看護師が七対一というのを策定しており、人員増により安全なケアが提供されていると
考えられて、大変喜ばしいことであると。
しかし一方で、この七対一という仕組みの導入によって、今まで以上に
看護師不足というものが深刻化しているわけですね。こういうときに今回の
EPAというのが導入されるのは甚だ問題があるんではないか。具体的には、
フィリピンの
看護師が安上がりな
労働力確保の突破口となって、
日本の
介護、看護
労働市場に悪影響を与えるのではないかと危惧されます。
日本の
看護師不足の
一つの大きな要因として、労働環境の低さに起因する離職率の高さ、後でも述べますが、一年目にもう九%も離職されているわけです。それで、
フィリピン看護師が
日本の
看護師免許を取得する前後の労働者保護を徹底しないと、
製造業のように安価な
労働力に転じてしまって、結果的に
日本人
看護師の労働環境が影響を受け、
看護師不足あるいは
介護士不足に拍車がかかるのではないか、こういう心配をしております。
今回の
条約の責任者、
外務大臣として、このような受け入れが労働
条件の悪化につながって、さらなる
労働力不足につながるのではないか、このような
懸念に関して、
麻生外務大臣の見解をお聞かせください。