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久間国務大臣 確かに、おっしゃられるように、
防衛庁としてスタートして、単なる
自衛隊を管理する、あるいはまた、先ほど言いましたように、
基盤的防衛力を整備するために必要なものを備える、そういうようなことからスタートしてきたのが、やはり今では、これから先の平和と安全を保っていくためにはどういう
政策をとるのか、
軍事面ではどういうような装備が必要か。あるいは、
軍事だけではなくて、それ以前に、
各国とどういうふうに
防衛問題について
議論していったらいいのか、交わっていったらいいのか、日ごろからの
共同訓練等はどうあるべきかとか、いろいろな幅広い視野から、
外交政策とは別な形での
政策をする、そういうような省庁に変わってきたんだと思うんです。
だから、例えば、経済企画庁がかつて総理府にあったのが、
経済政策というのはどうあるべきかということで、決まったことをきちんきちんとやる
官庁としてだけではなくて、やはり
経済政策を行う
官庁として
独立すべきじゃないかという
議論があったけれ
ども、あそこはとうとう最後まで
独立しませんでした。
しかしながら、
環境庁はやはり
環境省として、
環境行政というのは、単に公害をとめるために許可をするとかしないとかいうだけではなくて、
日本の
環境をどうやって将来守っていくかというような
観点から、
政策官庁として脱皮すべきだということで
環境省になりました。だから、そういう形で少しずつ変わった。
自治省も、昔は地方自治体に任せておったのを、そうではなくて、やはり
地方行政というのはどうあるべきかを国の立場として考えるべきだということで、
自治省として、今は
総務省になりましたけれ
ども、変わっていったわけですね。
そういう
意味では、
防衛庁も、今何でだと言われる方がいらっしゃいますけれ
ども、そういうような
一つの流れの中で、国の
安全政策というのはどうあるべきかということで、ちょうど
過渡期に、そういう
転換点にあるんじゃないかと思うんです。だから、そういう
意味で、これはやるべきだと私は思っております。
そのときに、
組織の
あり方として、今言われました内容も含めて、
自衛隊の
あり方はどういうふうにした方がいいのか、これはいろいろ
議論があるところと思います。しかしながら、今のままでも一応やれるんじゃないか、今のままで
移行していっても
国民の期待にこたえ得るんじゃないかということでこのままやっておりますけれ
ども、これからまた五年、十年とたっていったときに果たして、今言われたように、確かに、空については航空総隊があって、海については
自衛艦隊というのがあって、いざというときにはその
司令官のもとで全国一本で動く。陸の場合は各
方面隊が、
北部方面総監がその
司令官として、その
地域ごとにやっているという問題がございます。
これは、
一つには、やはり
各国がそういうことをとってきていて、陸軍については一本で運用する、地形も異なるし
地域も異なるからそれぞれの
方面隊にそれぞれ任せた方がいい、そういう伝統があってそういうようなことをやってきている、
日本みたいな小さいところで果たして
方面隊に分けるのがいいかどうかの
議論はありますけれ
ども、
各国ともそれでやってきて、そういうノウハウは培ってきておりますから、
日本の
陸上自衛隊をつくったときもそのあれに倣って、しかも戦前ですらやはり同じような
考え方でやっておった、そういうことからきていると思います。
これから先、
少子化社会を迎えたときに、
日本の
自衛隊の、特に
陸上自衛隊の
あり方についてはどうなのかというのは、その辺については、先ほど言われた
予備役の問題も含めて、
あり方を問われる時期が必ずまた来るんじゃないかと思います。しかし、それはまた、私に言わせれば、次の世代といいますか、次の方に検討してもらうような
問題提起としては上げてもらって結構ですけれ
ども、今直ちにここでそういうようなことまでしなければ
防衛省にはできないということにはならないんじゃないかと思って、とりあえずは
防衛庁を
防衛省にして、それから
移行していっても十分いいんじゃないかなと思っておるわけであります。
〔
寺田(稔)
委員長代理退席、
委員長着席〕