○遠藤(乙)
委員 公明党の遠藤乙彦でございます。
長年の懸案でありました
防衛庁の省昇格法がやっと
審議の段階に入ったわけでありますけれ
ども、去る十月二十七日に本
会議で
趣旨説明をやり、随分時間がたって、やっと本日から
委員会審議に入ったわけでございますけれ
ども、大変残念なことに、
民主党並びに社民党の
委員の方々の
出席がないということで、大変遺憾な事態であると思っております。
委員長や
今津筆頭を初め、大変丁寧に、また
努力をされてきたわけでありますけれ
ども、また、
野党側の
要求であります
防衛施設庁の問題の
審議にも、ほぼ全面的に
譲歩といいますか配慮したわけでありますけれ
ども、そうしているにもかかわらず、事実上のこういった
審議拒否というのは大変遺憾な事態でありまして、ぜひとも、さらに
民主党並びに社民党の
委員の
出席を強く求め、また
委員長におかれても、
出席につきましてさらなる働きかけを行っていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
私
どもも、
防衛庁の省昇格、大変重要なことであるし、また必要なことであるとよく理解をいたしております。しかしながら、
国民の間には理解がどこまで浸透しているかというのは、必ずしもまだ十分でないところもありまして、そういった
意味で、
国民の方々への
説明責任というのは大変重要なことであるかと思っております。
私も、実は安保
関係の
委員会は出たり入ったりしておりまして、どういうわけか、いつも節目に、
自衛隊・
防衛庁関係の重要な
法案審議のときにいつも何かやらせていただいておりまして、PKO特別
委員会のとき、またガイドライン特別
委員会のとき、また今回が三回目になりますけれ
ども、そういっためぐり合わせになっておりまして、
久間長官とも大変長いおつき合いをさせていただいております。よろしくお願いをしたいと思っております。
私も、特にPKOのときに大変感じたのは、やはり
防衛庁・
自衛隊関連の重要
法案は、特段に
説明責任が大事だということを本当に痛感をしました。もちろん、すべての
法案、
政策については
説明責任が民主主義国家にとっては大事なことは言うまでもありませんけれ
ども、特に
自衛隊・
防衛庁にかかわる重要
法案というものは何倍も、よほど
努力し、
説明責任を誠心誠意果たさないと
国民の理解を得られないし、また、真剣に、誠心誠意やっていけば必ず理解をしていただけるという確信も持った次第でございます。
とにかく、私も振り返ってみると、PKOのときは特に大変だったと
思います。激しい拒否反応といいますか、まだPKO自体が何かあたかも戦争に参加するようなイメージを持たれておりまして、青年よ銃をとるなとか、大変いろいろなキャンペーンがなされまして、また牛歩戦術があったことを
思い起こします。また、ある有力政治家も、本
会議場で衛視の方に排除されるまでPKO反対を叫んで、その後、あたかも自分がPKOを推進しているようなことをおっしゃっている方もいらっしゃいますので、そういった
意味では、やはり……(発言する者あり)
名前は言いませんけれ
ども。ぜひ、そういった
説明責任はしっかりと果たしていく必要があるかと思っております。
特に、私自身、個人的な経験を申しますと、PKOのとき沖縄に参りまして
説明会をやりました。多くの方々の前で一時間ほど、なぜPKOが必要かということを
説明し、一時間ほど
質疑をやったんですけれ
ども、もう
質疑の段階で大変な激しい反発といいますか、批判に遭いました。特に、ひめゆり部隊ではないんですけれ
ども、同じような境遇に置かれて、九死に一生で生き残った老婦人の方が、戦争の体験のない者、悲惨な体験のない者に何がわかると怒られまして、ヤマトンチュには沖縄の心はわからぬと大変一喝をされまして、私も大変恐縮した次第であります。
しかしながら、その場で、その方に、今沖縄の心とおっしゃいました、PKOというのはまさに沖縄の心を体現した活動なんですということを申し上げまして、いかにPKOというものが、そういった戦争が終わった後の状況をさらに安定化して、真に住民の安全と平和を確保していくかということをるる御
説明申し上げましたところ、最終的には理解を示していただきまして、私はすべてを理解したわけではないが、あなたがそこまで言うのなら私は支持しましょうという
言葉を聞いて、大変私は感激して、政治家をやっていてよかったなと初めて思った状況でございます。
そういった
意味で、
我が国の
防衛にかかわる安全保障、本当に実は、過去の戦争体験もあり、また被爆体験もあり、いろいろなことがあって、
国民の間にはさまざまな懸念があり、またトラウマがあるわけですから、そういったことを十分に踏まえた上で、同じ気持ち、感情を持った上で誠心誠意説得に当たるということが何よりも大事かと思っておりますので、ぜひともそういうつもりで
審議にも当たっていきたいと思っているところでございます。
特に、
説明責任という点では、なぜ省昇格が必要なのか、なぜ今なのかという
メリット、問題点をよく
説明するとともに、特に懸念が非常に内外に多いわけです。日本の過去の近代の歴史の中からいって、内外の多くの人々が懸念も持っていることは現実でありまして、これに対して、内外ともに
説明責任を果たす必要があるかと思っております。
特に、まず、この必要性という点でございますけれ
ども、先ほ
ども長官から、
政策官庁としての整備、これは大変大事な視点でありまして、まさに今まで、特に
防衛施設庁なんかは、事務としてやってきたことをやはり政治として、
政策として本当に取り組まないと困難な問題がなかなか解決できないということでありまして、まさに
長官の御
指摘は、私は大変共感を覚えるものでございます。
もう一つは、モラールサポートといいますか、モラールインセンティブといいますか、実際にこういう困難な
任務に当たる
防衛庁または
自衛隊の方々に対して、やはり政治の
立場から、
国民の
立場から、プライドと強い使命感を持って当たっていただきたいということ、またその役割の認知と評価をしていくことが大変重要な
意味を持つということで、モラールサポートの側面も大変大事な
法案の側面ではないかと思っております。
特に、昨今、
自衛隊につきまして、存在する
自衛隊から機能する
自衛隊へという
言葉があって、これは非常に適切な
表現だなと私は思っております。
自衛隊の根本的な性格が変わるわけではありませんけれ
ども、その重要性はやはり格段に増しておりまして、それを
表現する
言葉として、かつての東西冷戦時代の、存在することに
意味があった
自衛隊から、今、現在のさまざまな環境
変化の中での機能する
自衛隊へと変貌しなければならないことは、これは大変適切な
表現であると思っておりまして、こういった点を特に具体的に
国民の方々に
説明していくことが大事じゃないかと思っております。
例えば、
国民の目から見ると、一番
自衛隊を身近に感じ、また頼もしく思うのは、災害派遣だと
思いますね。こういった点も、随分、もう数え切れないほどの出動があり、また、
国民の間からも本当に高い評価を受けているわけでありますけれ
ども、実は、こういった災害派遣の出動回数はこれからますますふえるであろうと私は予測をしております。
一つは、地球温暖化からくる異常気象ですね。つい最近も竜巻がありましたし、異常気象が頻発をしておりまして、こういった中で、どう
国民の生命財産を守り、その中で
自衛隊として役割を果たすか、これは大変大きな期待が高まっております。
また、地震という側面も忘れてはならないわけであります。特に一九九〇年代半ばから、奥尻島地震あたりから、日本列島全体が地震の活性期に入っていると言われておりまして、今後数十年にわたって、従来よりも多くの重大な地震が発生する
可能性が高いと。例えば、首都圏におきましても、今後震度七以上の直下型地震の来る確率が、三十年以内には七割、五十年以内には九割といった大変高い確率予測がされております。
こういったことも踏まえて、災害派遣も大変重大な要素であって、これについても
自衛隊・
防衛庁が最大の
任務を果たしていくということも、よく
国民の皆様方に
説明をされることが必要かと思っております。
また、国際協力の面でも、先ほどからも
長官が言われているように、日本の特に平和維持活動への実績また期待は高まっておりますし、特に、日本が率先して役割を果たしたカンボジアのUNTACは大変大きな成功に終わりまして、今やカンボジアは、新生カンボジアとしてASEANにも加盟し、平和が戻り、日本に、また日本のPKOに対して本当に高い評価をしているわけであります。ぜひともこういったこともさらにアピールをしていただければと思っております。
とともに、安全保障環境も大きく変わってまいりまして、かつての東西冷戦時代から、今、地域の問題、核
拡散の問題、大量破壊兵器の問題等になってまいりました。また、いわゆるテロリズム等新しい事態に直面しておりまして、地政学的リスクが非常に現実のものとして高まり、脅威というものが出てきているわけであります。そういったものに対しても、やはり
政策官庁として高い意識を持って、
防衛省となり、また
自衛隊が取り組んでいただくことは極めて重要な問題でありますので、ぜひともこういったことをしっかりとアピールしていただければと思っているところでございます。
そこで、
国民に対する
説明の
努力ということでお伺いしたいんです。
ことしも既に
防衛庁として各地で
説明会を行った。我が党の東順治
議員もこういったことの必要性を強く訴えられまして、それが実ったものと思っておりますけれ
ども、そういった
努力を含めて、
防衛省への昇格ということについて、どのような
努力をし、どのような
国民の
意見、懸念が寄せられたか、そういったことにつきまして、これは
政府の方から御
説明いただければと思っております。