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政府参考人(
松谷有希雄君) お尋ねの勤務医の状況でございますけれども、先生御
指摘のとおり、かつての診療所と申しますと
地域に密着した医療機関ということで、土日や夜間においても、あるいは往診をするというようなことで日常的な対応をしていたわけですけれども、次第次第に、
一つには患者さんの病院志向というものが高まった、要求水準が上がったという面もあろうと思いますけれども、病院志向が非常に拡大をしてきた。
それから、今先生御
指摘のとおり、診療所の側はなかなか、往診をする、患者さんが増えたこともあるんだと思いますけれども、皆保険に伴って、外来だけで手一杯になって往診がなかなかできなくなった。あるいは土日は休むようになったと、あるいは夜間を開かなくなったと、ビルで開業して家と分離するようになったというようないろいろな状況などによって、患者さんが病院に集中をして、結果として病院の勤務医の勤務環境が厳しくなっているというふうに私どもも認識をしてございます。
ただ、病院の勤務医の方が開業する数が増えているかというと、これは調査をしますと必ずしもそうではなくて、かつての開業の度合いとそれほど変わってない。かつてもやはり中堅の方が次第次第に開業するというのは昔からそういうことで、今何か急に増えているということではございませんけれども、勤務医の勤務環境が非常に厳しいということは、御
指摘のとおりだというふうに
考えてございます。
これに対する対応でございますけれども、
一つには、やっぱり病院は本来入院医療を行うところであるということ、あるいは外来にしても専門の外来をするところであるということ、そして診療所につきましては、その
地域に密着をして家族ぐるみで患者さんを診るところ、外来のケアをするところという、そういう役割分担を明確にしていくということが一番大事な基本的な
考え方だと思います。
特に、これからの診療所の在り方、病院の在り方も今病床の問題等ございますけれども、診療所の在り方といたしまして、これからは在宅の支援、先ほど先生も御
指摘ございましたけれども、在宅を支援をしていく、かつての往診とはまた違う形の在宅の療養を支援していく、あるいはゲートキーパーとしての役割ということがこれから診療所には求められてくると思います。
そのための手法は、かつてのように一人ではなくてグループを組んで、あるいはチームを組んでというふうないろいろなやり方があろうかと思います。これらその診療所側の取組、それから患者さんにとってみても病院ではなくて診療所にまず行っていただくというような、その病気の度合いによる認識というものを深めていただくといったようなことをしていく方向にあるんじゃないかと思います。
今回の医療法の改正、御
提案を申し上げていますけれども、その中でも、その第一歩といたしまして、土日や夜間の診療体制につきまして
地域の医療関係者や住民が参加いたした上での協議をしていただきまして、具体的な病院と診療所の
連携を検討して、その
内容を医療計画において十分に住民に明示をすることを進めることを通じまして、住民、患者さんに
地域医療の状況を理解していただくということがまず第一義かと
考えてございます。もちろん各般の夜間診療あるいは休日診療の体制を小児等含めて進めていくということが大事だと
考えていまして、今後とも適切な病院と診療所の役割分担の推進に努めていきたいと
考えております。