○平野達男君 最後の留保率の問題は、本当、財政力の弱い
地方にとっては大変有り難い措置だと思います。
そこで、今回の
地方交付税
改革、何が行われたか。私流にちょっと、いろいろこれから生徒に教えるように分かりやすく、ちょっといろいろ講義をしてみたいと思います。(
資料提示)
地方財政計画と
地方財政
対策の概念図がございまして、これは毎年、
財務省と総務省が
地方財政計画というのを作ります。そこでまず標準的歳出というのを、社会保障、公共事業、
教育、警察、消防、公債費等をまず作ります。大体これが今、八十三兆ぐらいでしょうか。その一方で、標準的歳入というのは、これは国と同じなんですけども、
地方税のは全体でどれだけ来るか。国庫補助金は、これは大体
予算編成が行われますと国庫補助金の額が出てまいります。
地方債は、これは規定で何%発行できるというやつもあれば、任意で発券のできるものもあります。で、その他がありまして、先ほど来、足らず前足らず前と言われているのがこの交付必要額、交付必要額ということになります。この交付必要額が、先ほど出ているように二つの要素から成り立つということは御承知のとおりだと思います。その
一つは法定五税分ですね、これは決まっています。それからあと財源補てんということで、これが
地方財政
対策の中でいろんなことをやるという、まあ私に言わせればブラックボックスの
部分です。
そこで、この交付必要額というところが過去八か年でどうなったかというのを整理したのがこの表です。(
資料提示)この縦の図が先ほど言った足らず前の
部分を表した
部分です。
平成十二年までは、先ほど言いましたように国税五税分がまずこうずっとこうあるわけですが、そのほかの
部分は
平成十二年までは実は特会借入れということで借金していたんです。これがずっとやってきたために、今、交付税特会に借金が五十三兆になっちゃった。これは大変だということで、
平成十三年から徐々にこう削減するんです。削減して、その分赤の一般加算、特例加算というのが出てくるんです。そうですね、
財務大臣。
そして
平成十五年になりますと、この特会借金をやめます。やめた分、
一般会計特例加算五・五兆になっちゃったんです。これは当時の国の財政にしたら頭が痛かったでしょうね。これは目の上のたんこぶになったはずです。
そこで、三位一体
改革何やったか。これをずっと減らしていくんです、三位一体
改革の期間の中では。これは例えば
地方税収入が上がったとか国税の五税分がちょっと上がったということがありまして、
地方財政計画の結果こうなったという
説明はできるかもしれませんが、私はここに明確な意図を感じます。
つまり、
地方財政の元の、元々は特会の借入金をやっていたけども、これでもたなくなった。だから暫定的に
一般会計特例加算を入れたんです。ところが今、国はもう財政が火の車ですから、どっか削らにゃいかぬ。そして
日本の、
日本の
一般会計の支出の三分の二は国債と社会保障費と実はこの交付税なんです。交付税というのは
一般会計のこれ特例加算も入ります。
それで、国債費というのは御承知のようにこれから上がります、国債残高増えていますから。ましてや今回量的緩和解除もやって金利が上がったらもっと大変ですよ。社会保障費は過去八年間で、たしか私の記憶だったら四・五兆増えています。どこにしわ寄せ持っていくんですかといったら、全部
地方交付税しか、というか、相当
地方交付税に持っていくしかなかったんだろうと思うんです。
もちろん、人件費の抑制でありますとか公共事業の抑制もやりました。今回の私の、三位一体
改革というのは、
地方の裁量性を増すとかいろいろ言われていますよ。だけど私は、これは財政主導で本当にこういう
一般会計加算、特例加算を、これを減らすことに主眼があったんじゃないかと。
つまり、これはスリム化スリム化といいながら、
地方交付税の幅を、額を圧縮する中で一般歳出を減らしたというのが、これはもう私の、証拠はありません。総務省と
財務省のやり取りをやったメールもありません。何にもありませんが、これは私のこれは推論であります。しかし、かなり濃厚にその気配します。
事実、谷垣
財務大臣は、
経済財政諮問会議で、
平成十五年のこの、失礼しました、
平成十六年のここに三・九兆という赤印ありますね、これの一般加算と実は特例加算、これ折半ルールといいまして、七・八兆あったんです。七・八兆をゼロにしたいと言ったんです。しかし、それはそれ以上は表に出てきませんでした。どうもその当時の議事録見ますと、麻生
大臣は反対しているんですね。その前に私が
予算委員会で減らすな減らすなとここで、
予算委員会でがみがみ言いましたから、その影響もあったかもしれません。しかし、結果的に三年間ではきちっとこれをやっている。
そして、片方で、
地方の裁量性は増しますよ、
地方に任せること、
地方に任せることは
地方に任せましょうといいながら、繰り返しますけれども、補助金の削減四兆円、うち税源移譲に結び付く補助金削減三兆円、税源移譲に伴う法定
地方交付税の減が一兆円です。
地方交付税総額への一般加算分の削減が三年間で約五兆なくなったんです。結果的に、私に言わせれば、国の歳出サイドから見ますと、三位一体
改革では九兆円の補助金削減したんです。そして、
地方への実質の税源移譲は私に言わせれば二兆。しかも、その二兆のうちの一・八兆は首が回らないような動きの取れないやつです。これが三位一体
改革と言えるんでしょうかと。
私は、国の削減総額が悪いとは言いません、削減することは。本当に国の財政きついですから。しかし、繰り返しになりますけれども、
小泉総理が言ってきた
地方の裁量任す、
地方にできることは
地方にやらせるという、そういうスローガンとは全く別の姿が私は今回三位一体
改革の中で出てきたんじゃないかというふうに思います。
私は、これは谷垣
財務大臣にも麻生
外務大臣にも言いましたけれども、
地方は当初三位一体
改革をやってくださいという要請書をたくさん持ってきました。これは、いや、よく見た方がいいですよということで私はその都度
説明しましたけれども、こんなことを見たら本当にこれは
地方はごしゃけますよ。
ごしゃくってお分かりになりますか、ごしゃくって。一尺は三十センチ掛ける五イコール百五十センチとは全く関係ないですよ。これは、これはごしゃくというのは怒るという意味ですよ。本当に怒りますよ、これ、
地方は。こんなもので、こんなものなんか想像もしていなかったですよ。だったら最初から、
地方の財政がきついからかくかくしかじかの理由で
地方交付税交付金を圧縮しなくちゃなりませんということを言えばいいじゃないですか。
改革という名の下に、
改革改革といって
地方に対してはさもいいことがあるようなことを言って、結局は私は一般歳出の削減だけを優先させた。
繰り返しますけれども、これは本当にごしゃけますよ、これ、こんなことだったら。私は、本当に
説明不足ですよ。
総理も多分こんな姿は予想されてなかったと思う。だれがやったのかは分かりません。谷垣
財務大臣は私は心情分かりますから余り言うつもりはありません、財布を担当しているんですから。ただ、本当に
内閣として本当に
説明不足。そして
地方は、今
地方はもう
地方交付税三年間で一一%、一割以上削減されて本当に困っちゃっている。三位一体
改革の正体分かってきましたよ、やっと。これが、繰り返しになりますけれども、
総理の言った、あるいは
内閣の言った三位一体
改革の私は正体だと思います。
反論あると思いますから、どうぞしゃべってください。