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2006-06-09 第164回国会 参議院 本会議 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月九日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第三十二号   平成十八年六月九日    午前十時開議  第一 平成十六年度一般会計歳入歳出決算、平   成十六年度特別会計歳入歳出決算平成十六   年度国税収納金整理資金受払計算書平成十   六年度政府関係機関決算書  第二 平成十六年度国有財産増減及び現在額総   計算書  第三 平成十六年度国有財産無償貸付状況総計   算書  第四 遺失物法案内閣提出衆議院送付)  第五 自殺対策基本法案内閣委員長提出)  第六 容器包装に係る分別収集及び再商品化の   促進等に関する法律の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第七 就学前の子どもに関する教育、保育等の   総合的な提供推進に関する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第八 中小企業等協同組合法等の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、国家公務員等任命に関する件  一、日程第一より第八まで  一、少子高齢社会に関する調査中間報告      ─────・─────
  2. 扇千景

    議長扇千景君) これより会議を開きます。  この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、総合科学技術会議議員に本庶佑君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  これより採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  3. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  4. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十二     賛成           二百二十二     反対               〇    よって、全会一致をもって同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  5. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第一 平成十六年度一般会計歳入歳出決算平成十六年度特別会計歳入歳出決算平成十六年度国税収納金整理資金受払計算書平成十六年度政府関係機関決算書  日程第二 平成十六年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第三 平成十六年度国有財産無償貸付状況総計算書  以上三件を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。決算委員長中島眞人君。     ─────────────    〔審査報告書本号末尾掲載〕     ─────────────    〔中島眞人登壇拍手
  6. 中島眞人

    中島眞人君 ただいま議題となりました平成十六年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  平成十六年度決算外二件の内容につきましては、本年一月二十五日の本会議において財務大臣より概要の報告がありましたので、省略させていただきます。  委員会におきましては、随意契約天下り官製談合問題、特別会計事務事業見直しなど行財政全般について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  六月七日、質疑を終局し、委員長より、本件決算審査を踏まえ内閣及び会計検査院に対し措置を要求する決議案及び本会議で議決すべき議決案を提出いたしました。  以下、議決案の内容を申し上げます。     一、平成十六年度決算は、これを是認する。     二、内閣に対し、次のとおり警告する。       内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。  1 平成十六年度に中央省庁が実施した一件五百万円以上の工事の発注や、業務委託等契約に占める随意契約の件数の割合が約七十パーセントと極めて高率になっており、中でも、国土交通省所管の各建設協会などを始め所管公益法人に発注した契約には、随意契約割合が百パーセント、あるいはそれに近い高率になっている例が少なからず見られ、さらに、これらの公益法人に多数のOBが天下っていることは、契約公平性競争性及び透明性の確保に疑念を抱かせ、看過できない。また、IT調達にあっては、民間企業を相手とする随意契約が金額の七割から八割を占めている省庁もある。    政府は、随意契約見直しに当たっては、相手方の官民を問わず一般競争入札を原則とし例外的に随意契約を認めている会計法の精神に照らして厳格な運用に努めるとともに、所管公益法人等への業務委託の実施に当たっては、天下り状況も含め積極的に情報開示を行うなど、国民の不信を招くことのないよう厳正に対処し、公共調達適正化に努めるべきである。  2 独立行政法人において、従来の特殊法人をも上回るような役員報酬を定めたり、職員給与平成十六年度の対国家公務員ラスパイレス指数で事務・技術職員が一〇七・一、研究職員が一〇三・二となっているなど、概して高い水準となっていることに加えて、国立病院機構において、特定の業者に種々の業務を随意契約により発注する一方で、旧国立病院から多くの天下りが行われている事実や、医薬基盤研究所承継勘定において、政府出資金三百六億円の八十三パーセントに当たる二百五十四億円が繰越欠損金として計上され、国費の毀損が生じている事実等が見られることは、看過できない。    政府は、独立行政法人の運営の大部分が国からの運営費交付金等により行われている実態にかんがみ、原則一般競争入札の徹底及び随意契約受注企業への天下りの抑制、事業実施に当たって収益見込み等の一層厳格な審査による政府出資金の欠損の最小化に努めるよう、指導すべきである。  3 特別会計については、歳出規模が純計額で前年度を上回り二百二十五兆円余と一般会計を大きく上回っており、依然として多くの特別会計において、不要不急事業の実施や多額の積立金資金、不用・剰余金を抱え、一部は引き続き増加傾向にあることは、看過できない。    政府は、各特別会計事務事業見直しに加え、右の各種の余剰資金の縮減、一般会計への繰入れ・繰戻し、事業の実態に即した適切な予算計上を行うなど、透明化のため、一層目に見える改善に努めるべきである。  4 国が公益法人等補助金等を交付して設置造成させている資金等について、本院からの要請に基づき会計検査院会計検査をした結果、平成十六年度末時点で設置されている百十六資金のうち、食品流通構造改善対策債務保証事業基金を始めとする三十三資金において、事業実績が継続的に少ない状況となっている等の問題点が指摘され、その上、平成十二年度決算検査報告でも指摘をされながら依然として事態が好転していない資金があったことは、遺憾である。    政府は、これら三十三資金についてはもとより、行政改革の一環として見直しの方針が示されている公益法人等が行う政策金融類似業務も含めて、事業を継続実施することの必要性、ニーズに即した事業内容及び利用条件、需要に応じた資金規模等の検討を行い、事業の終了や資金国庫返納も含めた所要の措置を積極的に講ずるとともに、今後の資金事業の実施に当たっては、目標達成度を測るための基準の設定やサンセット方式の導入など、定期的に見直しを行う体制を整備すべきである。  5 防衛施設庁において、同庁幹部が特定の建設業者に業務を受注させるため、当該業者と共謀して他の業者に高い入札金額で入札させて公正な価格を害し、刑法の競争入札妨害罪で逮捕されるに至ったことは、極めて遺憾である。また、同庁所管公益法人防衛施設技術協会」に多数のOBがいったん再就職し、自衛隊法営利企業等への再就職を規制している離職後二年間を経過した後、関連建設業界に次々と天下っている事実が明らかになったことは、看過できない。    政府は、防衛施設庁官製談合のみならず、日本道路公団や新東京国際空港公団が発注した工事における官製談合事件の摘発が相次ぎ、官製談合の排除の徹底が強く求められている現状を踏まえ、一般競争入札の一層の拡大、公益法人への天下りの自粛など、抜本的に官製談合再発防止策を講ずべきである。  6 日本郵政公社の複数の郵便局において、郵便料金別納制度等を悪用して、特定のダイレクトメール発送代行会社等に対して料金の不正値引きを繰り返し、多額の損失を発生させている事実が次々と明らかになったことは、極めて遺憾である。また、冊子小包取扱いについて不適切な事例が見られることは、遺憾である。    政府は、これまでも郵便の別納制度等をめぐる不正が生じてきたことを重く受け止め、日本郵政公社に対して、法令順守の徹底、内部監査の更なる充実、この種事案再発防止に向けた運用改善具体的取組を強く求めるべきである。  7 日本放送協会NHK)において、近年、相次ぐ不祥事により国民視聴者の信頼を大きく失墜させ、受信料不払い急増など受信料制度の根幹を揺るがしかねない事態を招いたことに加えて、今般、新たに職員の度重なる架空出張による公金横領が発覚し、再び国民視聴者の信頼を損ねたことは、極めて遺憾である。また、受信料支払いを法律で義務付けるとの議論がある一方、NHK関連団体に多額の余剰金が積み上がっている事実は、看過できない。    政府は、NHKの度重なる不祥事を重く受け止め、NHKに対して、綱紀粛正内部監査の更なる充実によるこの種事案再発防止に向けた取組、及びNHK関連団体が保有する多額の余剰金見直しの検討を強く求め、国民視聴者信頼回復に努めるべきである。  8 航空機を利用した出張に係る旅費について、税関や都道府県労働局では、実際には割引運賃航空券を購入しているにもかかわらず、これより高額の航空賃を支払ったとする領収証を旅行業者等から受領するなどして、国費が過大に支給されるという事態が多年にわたり生じていたことは、誠に遺憾である。    政府は、各府省等における出張に係る旅費の支払の際には、証明資料の確認を強化するなど、この種事案再発防止に努めるとともに、公金等に対する意識の徹底のための取組を強化し、国民信頼回復に万全を期すべきである。  9 独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営するスポーツ振興くじ(いわゆる「toto」)については、売上実績が当初の目標を下回り、その目的であるくじ収益からスポーツ振興事業への助成も少額にとどまっている上に、くじの販売業務等委託経費により生じた累積欠損金が多額に上り、また、運営状況及び財政状況が財務諸表に適切に反映されていなかったことは、看過できない。    政府は、独立行政法人日本スポーツ振興センターに対して、累積欠損金の解消に向けた現実的で国民の理解を得られる対応を求め、その負担が国民に及ぶことがないよう尽力するとともに、「toto」の制度そのものの在り方を再検討すべきである。  10 社会保険庁は、市町村から国への保険料収納事務移管後六割台に低下した国民年金保険料納付率を、平成十九年度に八割にすることを目標にその向上に努めているところであるが、大阪府内を始め各地の社会保険事務所等において、国民年金保険料未納者から保険料の免除あるいは猶予の申請がないにもかかわらず、不正に保険料免除手続等が行われ、かつ、社会保険庁が累次にわたって内部調査を行った際には、複数の社会保険事務局から不正行為を隠蔽する虚偽報告が行われるなど、不正な免除手続の実態が次々と発覚したことは、極めて遺憾である。    政府は、未納者の増加の背景には平成十四年度の制度変更及び不況等による多数の勤労者厚生年金から国民年金への移動があった事情も考慮し、高齢者の生活の基礎的部分を担う公的年金保険料収納において、かかる事態が生じたことを重く受け止め、職員の意識改革及び内部規律の遵守を徹底し、収納事務の適正な執行を図るとともに、国民年金制度に対する国民の理解の向上に努め、未納者の実情を熟知する市町村との協力をさらに強めるなど、国民年金保険料納付向上及び減免制度周知徹底による真に納付不能な人の救済に一層努力すべきである。  11 厚生労働省において、広島労働局における不正経理を受け、全国の都道府県労働局に対し特定監査行い兵庫労働局における旅費等不正支出を発見したが、その後の警察の捜査により特定監査で判明した以外にも同労働局において多額の不正経理が行われていたこと等が明らかとなった。さらに、会計検査院の検査において、北海道労働局ほか五労働局においても、庁費、謝金、旅費等不正支出や職員による国庫金の領得などの事態が見受けられたことは、極めて遺憾である。    政府は、特定監査において北海道労働局等における不正支出等を確認できなかったこと、並びに二年続けて都道府県労働局に係る警告を受けたことを重く受け止め、都道府県労働局に対する監査体制の一層の充実を図るとともに、会計経理適正化、倫理の徹底及び綱紀の粛正についての指導監督に努めるべきである。  以上が議決案の内容であります。  討論を終わり、採決の結果、措置要求決議案全会一致をもって本委員会決議とすることに決し、次いで、平成十六年度決算は多数をもって是認すべきものと議決され、また、内閣に対し警告することについては全会一致をもって警告すべきものと議決されました。  次に、国有財産関係二件は、いずれも多数をもって是認すべきものと議決されました。  なお、併せて会計検査院に対して三項目の検査要請を行いました。  最後に、関係各位の御協力により、会期内に審査を終えることができましたことに対し、委員長として感謝を申し上げ、御報告とさせていただきます。(拍手)     ─────────────
  7. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第一の平成十六年度決算委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。  これより採決をいたします。  まず、本件決算委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。  本件決算委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  8. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  9. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成            百二十七     反対              百一    よって、本件決算委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  10. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。  委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  11. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  12. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成           二百二十八     反対               一    よって、委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  13. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、日程第二の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。  本件委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  14. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  15. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成            百三十二     反対             九十七    よって、本件委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  16. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、日程第三の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。  本件委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  17. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  18. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成            百四十六     反対             八十三    よって、本件委員長報告のとおり是認することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  19. 扇千景

    議長扇千景君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。小泉内閣総理大臣。    〔内閣総理大臣小泉純一郎登壇拍手
  20. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) ただいまの御決議に対しまして所信を述べます前に、一言申し上げます。  参議院における決算重視取組につきましては、改めて敬意を表します。政府としては、決算審査内容平成十八年度予算に適切に反映したところであります。  ただいまの御決議に対しましては、政府としては、従来から国の諸施策推進に当たっては、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般十一項目にわたる御指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。  これらの御決議内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導してまいります。(拍手)      ─────・─────
  21. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第四 遺失物法案内閣提出衆議院送付)  日程第五 自殺対策基本法案内閣委員長提出)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告及び趣旨説明を求めます。内閣委員長工藤堅太郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔工藤堅太郎登壇拍手
  22. 工藤堅太郎

    工藤堅太郎君 ただいま議題となりました二法律案のうち、まず、遺失物法案について、内閣委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、最近における遺失物取扱い状況にかんがみ、拾得された物件の返還及び売却のための手続施設において拾得された物件に係る手続特例拾得者等への所有権の帰属に関する規定等整備するほか、表記を現代用語化しようとするものであります。  委員会におきましては、遺失者拾得者の利便の確保、動物の取扱いに関する配慮、特例施設占有者の位置付け、個人情報関連物件取扱い等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  昨日、質疑を終わり、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し五項目から成る附帯決議を行いました。  次に、自殺対策基本法案について、その提案趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。  我が国年間自殺者数平成十七年に三万二千五百五十二人となっており、八年連続で三万人を上回っております。また、人口十万人当たりの自殺死亡率は二十五・五人となっており、欧米の先進諸国と比較すると、我が国自殺死亡率は突出して高い状況にあります。さらに、自殺未遂は既遂の十倍以上あると言われており、未遂者は三十万人以上いると推計されます。そして、自殺自殺未遂は遺族や友人など周囲の人々にも深刻な心理的影響を与えております。  多くの自殺背景には、過労や倒産、リストラ、社会的孤立やいじめといった社会的な要因があると言われております。我々は、世界保健機関が、自殺はその多くが防ぐことのできる社会的な問題であると明言していることを踏まえ、自殺自殺する個人だけの問題に帰すことなく、自殺する個人を取り巻く社会にかかわる問題として取り組む必要があると考えます。  こうした観点から、平成十七年七月十九日には本院厚生労働委員会において、自殺の予防その他総合的な対策推進するため、「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」が全会一致でなされたところであります。この決議を受けて、政府においても関係する府省が連携してこの問題に取り組んでいるところでありますが、政府取組も国を挙げて施策を展開するまでには至っておりません。  事態は依然として憂慮すべき状況にあります。そこで、こうした現状を打開するためには、立法府の責任において自殺対策に関する根拠法を用意することが必要となっております。すなわち、新たな立法によって立法府政府が一丸となって、より総合的かつ効果的な対策推進を図ることが求められているのであります。  本案は、こうした認識の下、自殺問題が深刻な状況にあることにかんがみ、自殺対策基本となる事項を定めること等により自殺対策を総合的に推進して、自殺防止を図り、あわせて自殺者親族等に対する支援充実を図り、もって国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とするものであります。  以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、自殺対策に関する基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体事業主及び国民の責務を明らかにしております。  第二に、自殺対策実施に当たっては、自殺者及び自殺未遂者並びにそれらの者の親族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮しなければならないこととしております。  第三に、政府は、推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な自殺対策大綱を定め、必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないこととしております。  第四に、政府は、毎年、国会に自殺対策実施状況に関する報告書を提出しなければならないこととしております。  第五に、国及び地方公共団体は、基本的施策として、自殺防止等に関する調査研究推進国民理解の増進、人材の確保等に必要な施策を講じ、また、心の健康の保持に係る体制整備医療提供体制整備自殺発生回避のための体制整備自殺未遂者に対する支援自殺者又は自殺未遂者親族等に対する支援及び民間団体の活動に対する支援に必要な施策を講ずることとしております。  第六に、内閣府に特別の機関として自殺総合対策会議を置き、自殺対策大綱案の作成、自殺対策について必要な関係行政機関相互の調整、自殺対策に関する重要事項についての審議及び自殺対策実施推進等事務をつかさどることとしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上がこの法律案提案趣旨及び主な内容であります。  なお、本法律案は、昨日、内閣委員会において全会一致をもって委員会提出法律案とすることに決定したものであり、何とぞ速やかに可決いただきますようお願い申し上げます。  以上であります。(拍手)     ─────────────
  23. 扇千景

    議長扇千景君) これより両案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  24. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  25. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十四     賛成           二百二十四     反対               〇    よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  26. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第六 容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。環境委員長福山哲郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔福山哲郎君登壇拍手
  27. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、容器包装廃棄物に係る排出の抑制及び再商品化の合理化を促進するため、容器包装利用事業者による排出の抑制を促進するよう必要な指導、助言、勧告等の措置を導入するとともに、容器包装廃棄物の分別収集に当たり、再商品化の合理化に寄与した市町村に対して特定事業者が金銭を支払う仕組みを創設するなどの措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、容器包装廃棄物の削減目標、レジ袋の排出削減に向けた具体策、デポジット制度導入の是非、拡大生産者責任を踏まえた市町村及び事業者の役割分担の在り方、事業者の資金拠出制度導入により市町村の負担が増大する可能性等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑終了いたしましたところ、本法律案に対し、日本共産党の市田委員より、事業者の責務に発生抑制及び再使用の取組を追加する等を内容とする修正案が提出されました。  順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  28. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  29. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  30. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十八     反対               九    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  31. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第七 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供推進に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。文教科学委員長中島啓雄君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔中島啓雄君登壇拍手
  32. 中島啓雄

    ○中島啓雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、幼稚園及び保育所等における小学校就学前の子供に対する教育・保育と、保護者に対する子育て支援を総合的に提供するため、認定こども園の制度を創設するものであります。  委員会におきましては、参考人からの意見聴取や保育所等の視察を行うとともに、認定こども園における教育・保育の質の確保と子供の安全対策の重要性、保育料等保護者負担の軽減策、幼保一元化に対する考え方などについて質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より反対の意見が述べられ、続いて採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  33. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  34. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  35. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十二     反対              十五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  36. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第八 中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。経済産業委員長加納時男君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔加納時男君登壇拍手
  37. 加納時男

    ○加納時男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、中小企業組合の中には運営規律が十分働かなくなり破綻する事態が見られるため、監事に業務監査権限を付与するなど組合の運営規律の強化を図るとともに、一定規模以上の共済事業を行う組合については他の事業との兼業を禁止するなどの措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、共済事業を行う中小企業組合の兼業を規制することの是非、事業運営の規律強化が中小企業組合制度の在り方に及ぼす影響、中小企業組合のガバナンスが機能しなくなった理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  38. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  39. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票終了いたします。──これにて投票終了いたします。    〔投票終了
  40. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十七     反対               十    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  41. 扇千景

    議長扇千景君) この際、少子高齢社会に関する調査会長から、少子高齢社会に関する調査中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 扇千景

    議長扇千景君) 御異議ないと認めます。少子高齢社会に関する調査会長清水嘉与子君。     ─────────────    〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔清水嘉与子君登壇拍手
  43. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 少子高齢社会に関する調査会における中間報告の概要につきまして御報告申し上げます。  本調査会は、第百六十一回国会に設置され、調査テーマを「少子高齢社会への対応の在り方について」と定め、二年目は「少子高齢社会の課題と対策に関する件」を調査事項として、調査を行ってまいりました。  調査会では、政府からの説明及び参考人からの意見聴取、調査会委員間の自由討議等を通じ、団塊世代の諸課題、人口減少社会への対応、企業及び地域における子育て支援取組、女性の健康、経済的支援等について広範な議論を行い、その課題の把握に努めてまいりました。  このような取組を経て、五本の柱、十七項目から成る少子高齢社会への対応の在り方についての提言を含めた中間報告書を取りまとめ、去る六月七日、議長に提出いたしました。  以下、提言の主な内容について御報告申し上げます。  平成十七年の我が国の合計特殊出生率は一・二五と過去最低を記録し、人口減少も政府の予測を上回る速さで進んでおります。もとより、結婚、出産、夫婦間の子どもの数は当事者間の自由な意思と選択に基づくものではありますが、結婚、出産、子育てを阻害する要因を早急に除去し、社会として支援していくことが現在求められている政策的対応と言えます。これまでの少子化対策の中心は子育てをする親の視点に立ったものでありましたが、今後は、その対策の更なる充実に加え、子育ち、結婚・家庭形成の視点、さらには地方分権の推進が強く求められるところであります。  提言の第一は、「結婚・家庭形成に向けての環境整備」として、若者の安定した雇用機会の確保、正規・非正規雇用者間の賃金格差の是正、多様な働き方や再挑戦を可能とするシステムの確立、家庭を築くことや子どもを育てることの重要性に対する意識啓発、長時間労働の是正等、男女の出会いの機会確保のための環境整備等であります。  第二は、「男女の健康と出産」として、妊娠・出産適齢期についての健康教育の推進、中絶を余儀なくされる若い世代の出産、子育てに対する経済的、社会的環境の整備、不妊治療の公費助成の拡充、不妊治療等で生まれた超未熟児の育ちについての調査、長時間労働と不妊の関係についての総合的な調査、助産師の確保等による安全で女性が望む環境での出産のための体制整備、小児科医、産科医の不足に対応するための医師の勤務条件の整備や女性医師に対する子育てとの両立支援等であります。  第三は、「子育てのための環境整備」として、保育の質を確保しつつ待機児童を解消する取組推進、子育ての形態による不公平解消のための対策推進、放課後児童対策の更なる充実、育児休業取得後の職場復帰や退職した女性への再就職支援、採用上限年齢撤廃に向けた指導の強化、分割取得等を可能とする柔軟性の高い育児休業制度の実現、育児休業の父親割当て制度の導入の検討、児童手当の支給内容等についての税制や育児保険制度等その財源も含めた検討、若年層に対する良質な居住環境の確保、所得税における配偶者控除、扶養控除等の在り方や課税単位等についての多角的な検討等であります。  第四は、「子どもの健やかな育ちの確保」として、子どもを対象とする犯罪に対する地域全体の連携による対応の推進、団塊世代を始めとする地域の人の持つ能力の積極的活用による新たな地域コミュニティの形成、子どもの養育環境による法律的、社会的な差別、不利益の解消に向けた取組等であります。  第五は、「地方分権による少子化対策推進」として、少子化対策において地域の工夫や取組が生かされるよう財源の移譲を含めた地方分権の積極的な推進であります。  一・二五ショックとも言われる平成十七年の合計特殊出生率を踏まえるなら、実効ある少子化対策への取組は一刻の猶予も許されないところであり、政府はもとより、企業におかれましても、本提言の趣旨理解され、これらの実現に努められるよう要請するところであります。とりわけ、政府においては、平成十九年度において講ずべき少子化対策に反映させていくことを強く期待するところであります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  44. 扇千景

    議長扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十九分散会