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2006-04-07 第164回国会 参議院 本会議 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月七日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十三号   平成十八年四月七日    午前十時開議  第一 所得及び譲渡収益に対する租税に関する   二重課税の回避及び脱税防止のための日本   国とグレートブリテン及び北アイルランド連   合王国との間の条約締結について承認を求   めるの件  第二 所得に対する租税に関する二重課税の回   避及び脱税防止のための日本国政府とイン   ド共和国政府との間の条約を改正する議定書   の締結について承認を求めるの件  第三 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法   律案内閣提出)  第四 海上物流基盤強化のための港湾法等の   一部を改正する法律案内閣提出)  第五 意匠法等の一部を改正する法律案内閣   提出)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、国家公務員等任命に関する件  一、中小企業ものづくり基盤技術高度化に   関する法律案趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 扇千景

    議長扇千景君) これより会議を開きます。  この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、  人事官原恒雄君を、  食品安全委員会委員寺田雅昭君、小泉直子君、長尾拓君、見上彪君、畑江敬子君、野村一正君及び本間清一君を、  預金保険機構理事長永田俊一君を、同理事長島裕君を、  公害等調整委員会委員辻通明君及び磯部力君を、  日本銀行政策委員会審議委員野田忠男君を、  労働保険審査会委員伊藤博元君を、  運輸審議会委員大屋則之君及び榊誠君を、  また、航空鉄道事故調査委員会委員豊岡昇君を 任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  これより採決をいたします。  まず、人事官任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  3. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  4. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成            二百十六     反対               九    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  5. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、食品安全委員会委員のうち寺田雅昭君の任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  6. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  7. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成            百二十四     反対              百一    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  8. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、食品安全委員会委員のうち小泉直子君、長尾拓君、見上彪君、畑江敬子君、野村一正君及び本間清一君、運輸審議会委員のうち大屋則之君並びに航空鉄道事故調査委員会委員任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  9. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  10. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成            百四十三     反対             八十五    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  11. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、預金保険機構理事長任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  12. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  13. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十一     反対              十六    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  14. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、預金保険機構理事公害等調整委員会委員のうち磯部力君、日本銀行政策委員会審議委員及び労働保険審査会委員任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  15. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  16. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成           二百二十八     反対               〇    よって、全会一致をもって同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  17. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、公害等調整委員会委員のうち辻通明君の任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  18. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  19. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成           二百二十二     反対               六    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  20. 扇千景

    議長扇千景君) 次に、運輸審議会委員のうち榊誠君の任命について採決をいたします。  内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  21. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  22. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成            百三十七     反対             九十一    よって、同意することに決しました。     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  23. 扇千景

    議長扇千景君) この際、日程に追加して、  中小企業ものづくり基盤技術高度化に関する法律案について、提出者趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 扇千景

    議長扇千景君) 御異議ないと認めます。二階経済産業大臣。    〔国務大臣二階俊博登壇拍手
  25. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 中小企業ものづくり基盤技術高度化に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  我が国が得意とするものつくりの競争力源泉は、鋳造プレス加工メッキ等のものつくりの基盤となる技術について、極めて高度な技術力を持った中小企業存在することであります。これらの技術力を有する中小企業消費者ニーズをとらえた大企業等と密接に連携協力して製品開発生産を行っていることが、今日の我が国産業発展源泉でもあります。  しかし、近年、国際競争が激しくなったこと等に伴い、従来の固定的な系列取引が大きく変化し、ものつくり中小企業において、製品開発等における大企業との連携協力関係が弱まり、目指すべき技術開発方向性を見定めることが困難となりつつあります。このことが中小企業経営課題となっています。こうした中で、今後とも我が国経済が健全に成長発展を続けるためには、中小企業のものつくり基盤技術高度化に向けた取組を強力に支援し、我が国経済の強みであるものつくりの国際競争力の徹底的な強化と新たな事業の創出を図ることが喫緊の課題であります。  同時に、このような我が国の特色を生かしたものつくりの基盤強化は、アジア諸国等との適切な国際分業体制を実現し、我が国にふさわしい国際貢献の道を開くことにもつながるものと考えております。  次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、特定のものつくり基盤技術を指定し、各技術につき、その技術活用して最終製品を製造する大企業等々のニーズを十分に整理し、中小企業が目指すべき研究開発方向性を取りまとめた指針策定いたします。  第二に、この指針に基づいて中小企業が作成する研究開発計画を個別に経済産業大臣が認定し、中小企業信用保険法特例特許料等負担軽減措置等支援措置を講ずることとしております。  以上が本法律案趣旨であります。(拍手)     ─────────────
  26. 扇千景

    議長扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。津田弥太郎君。    〔津田弥太郎登壇拍手
  27. 津田弥太郎

    津田弥太郎君 民主党津田弥太郎でございます。  私は、民主党新緑風会代表するとともに、機械・金属産業で働く中堅中小企業ものづくり労働者思いを我が思いとして、ただいま提案されました中小企業ものづくり基盤技術高度化に関する法律案について質問をいたします。  我が国製造業の車の両輪は、優れた先端技術基盤技術であり、科学技術基本法及びものづくり基盤技術振興基本法の意義は極めて大きいものと考えます。  とりわけ、本法案とも密接に関係するものづくり基本法は、尾辻秀久議員今泉昭議員を中心とした超党派の討議を経て、平成十一年に本院提出議員立法として成立したものであり、私の出身母体JAMの前身であるゼンキン連合も一丸となって法案制定旗振り役を務めたところであります。  基本法制定後、具体的な基本計画策定され、施策の実現が図られておりますが、冒頭、二階経済産業大臣より、改めてものづくり基本法評価及び今日まで基本法が果たしてきた役割について見解をお伺いしたい。  さて、本法案基盤技術を担うものづくり中小企業群存在こそが我が国製造業競争力源泉であるとの認識に立って提出されたものであり、法案趣旨に基本的に賛意を表明しつつ、以下、順次質問をいたします。  まず、特定ものづくり基盤技術高度化指針についてお伺いします。  経済産業大臣が定める技術別指針は、中小企業が目指すべき研究開発方向性を示すものであり、本法案の最も重要なポイントです。私は、この策定に当たっては、製造現場の生の声に真摯に耳を傾け、実情を的確に把握することが不可欠であると考えます。経済産業大臣は、技術別指針をどのようなプロセスで策定していくのでしょうか。また、製造工程の最も基礎となる鋳造鍛造を例に取るならば、どのような内容を盛り込もうとしているのでしょうか。  次に、特定研究開発計画についてお尋ねします。  同計画は、特定ものづくり基盤技術高度化を図るために中小企業者が単独又は共同策定するものですが、枠組みづくりや具体的な計画策定に関し、コーディネーターや助言指導体制は確保されるのかどうか、お伺いをします。  戦略的基盤技術高度化支援事業についてもお尋ねします。  川上川下では力関係が著しく異なるため、同事業における研究開発費研究開発成果が実質的に川下の大企業に帰属するのではないかとの懸念が持たれています。支援策が真に中小企業のために機能する担保はあるのでしょうか。また、同予算について繰越明許活用を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  関連して、中小企業技術支援のためのSBIRについては、実験段階から商品化までの段階を追ってサポートする本格的な制度に改め、予算を大幅に増額すべきです。さらに、中小企業大学、非営利組織共同研究支援するSTTRの創設やTLOの一層の普及促進も大切な課題であります。政府取組について、経済産業大臣文部科学大臣答弁を求めます。  次に、人材育成についてお尋ねします。  二〇〇七年問題が強く叫ばれる今日、世代に偏りのない技術技能労働者確保育成は極めて重要な課題です。しかし、現実には中堅中小企業が優秀な人材を確保することは極めて困難であり、そのことが技術技能の伝承と高度化を阻む大きな要因となっています。背景には、金もうけに狂奔する虚業がもてはやされ、正に実業中の実業である中小ものづくり企業には三Kという短絡的なレッテル張りがなされてきた許し難い社会風潮があります。私は、こうした風潮学校教育現場ハローワークも踊らされてきたことに対し、文部科学大臣厚生労働大臣に猛省を促すとともに、今後の適切な進路指導ハローワークの積極的な取組を強く求めるものですが、両大臣の明快な答弁をいただきたい。  また、今回、高等専門学校連携し、中小企業技術者育成支援するに当たり、第一線の熟練技能者を講師として用いることが極めて効果的と考えます。厚生労働大臣経済産業省に対し、高度熟練技能者認定制度活用を提言するお心積もりがあるのかどうか、簡潔に所見をお伺いしたい。  そもそも、製造業人的発展基盤を維持し優秀な熟練技術技能者確保育成するには、技能尊重機運社会的に醸成し、ものづくりで働くことに誇りと生きがいを感じられる社会にすることが不可欠です。技能検定、現代の名工、技術士制度日本ものづくり大賞など現行制度については評価しつつも、これらが例えばドイツのマイスター制度などに比べ社会的な影響力が少ないことも事実です。  関係省庁連携し、学士院芸術院と並ぶ位置付けの日本技術技能院創設するよう二階経済産業大臣に強く求めますが、明快な答弁をいただきたい。  関連して、厚生労働大臣お尋ねします。  厳しい修練を経て熟練技術技能を身に付けた場合、雇用されている企業内でふさわしい処遇を得られるかが働く立場では最も大切な問題となってまいります。厚生労働省は、公的な技術技能評価制度対象者に関し、表彰合格等に伴う処遇改善実態把握をこれまでに行っているのでしょうか。また、技術技能が適切に企業内で労働条件待遇等に反映されるために、今後どのような方策を行うつもりでしょうか。お伺いします。  次に、ものづくり基盤技術高度化のための環境整備についてお伺いします。  第一に、知的財産保護及び活用についてであります。  近年、国際競争が激化する中で、金型図面情報流出など、中小製造業に係る知的財産侵害が深刻な問題となっております。経済産業省指針策定し、問題是正に向けた対応を行いましたが、依然として根本的な解決には至っておりません。一刻も早く対策を実施すべきと考えますが、経済産業大臣決意実施方法をお伺いします。  第二に、取引慣行改善についてです。  例えば、鋳物重量取引は、軽量化された高付加価値製品開発意欲を抑制させており、適正な対価の算出を含め早急な改善が求められます。経済産業大臣は今後どのような対策を講じるお考えですか。また、不公正な取引慣行に対し、匿名による相談が可能となる万全の体制を築いていただけますか。お伺いします。  第三に、基盤技術の承継の円滑化に関し、生産技術、ノウハウのデータベース化技術陳腐化につながらないためにどのような方策をお考えでしょうか。  第四に、事業者出会い促進に関し、川下ユーザーニーズ情報の流通及びネットワーク事業の効果的な主体についてどのように考えているのでしょうか。既存の公益団体以外が参入できるのでしょうか。  次に、中小企業信用保険法特例についてお伺いします。  経営上の課題として資金調達を挙げる中小企業は多く、法案を前向きに評価したいと考えます。しかし、信用保証協会役割が高まる背景には、過去八年間に民間銀行による中小企業向けの貸出し残高が我が国国家予算を上回る八十四兆円も減少していることが挙げられます。また、こうした巨額の貸しはがしに加え、中小企業保証料を負担しているため、貸倒れリスクが皆無となっているはずの保証付きの貸出し金利が貸出し約定平均金利よりも高いという信じ難い事実もあります。  二階大臣、このような異常かつ不公正な民間金融機関融資実態について、どうお考えですか。早急に対応していただけますか。お伺いします。  最後に、今回の法案は、トップの次の段階、階層に位置する中小企業をターゲットとしています。施策を効率的に行うためには、選択と集中が必要なことは否定いたしません。しかし、より幅広い中小企業支援対象とし、我が国製造業競争力を高めることも極めて重要な課題です。  議員会館の私の事務所の本棚に「ナッちゃん」という人気漫画が並んでいます。この漫画は、父親の死んだ後、零細町工場を受け継いだ若き女性主人公が悪戦苦闘しながら成長していく姿を描いたものであります。こうした中小零細企業を含め、ものづくりのすそ野を広げるための今後の前向きな施策に関し、二階経済産業大臣見解をお伺いしたい。  民主党の新代表を選出し、国民とともに政権交代に向け反転攻勢ののろしを上げる本日、私自身の議員活動の原点でもあるものづくりについて、このように代表質問の機会を与えていただいたことに感謝するとともに、民主党新緑風会我が国社会経済の根幹を成す中小企業を引き続き全力で支援していく決意を明らかにし、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣二階俊博登壇拍手
  28. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ものづくり基本法に関するお尋ねでありますが、ただいま津田議員から十問質問をちょうだいいたしました。これにつきまして、簡潔に順次お答えをいたします。  政府は、法に基づき、研究開発推進等に関する基本計画策定し、関連する施策を強力に推進しております。また、その成果について、ものづくり白書を毎年国会に提出し、広く普及を図っております。こうした取組を通じ、ものつくりの重要性が広く国民の間に認識され、製造業の更なる発展に寄与しているものと考えております。  次に、技術高度化指針及び研究開発計画に対するお尋ねでありますが、指針策定に当たっては、中小企業者川下製造業者先ほど生の声をよく聞けという仰せがありましたが、生の声を承った上で、さらに、学者等学識経験者から成る検討会を設け、実態を十分踏まえて検討をしてまいりたいと考えております。  鋳造及び鍛造技術につきましては、自動車産業等ニーズに対応した指針検討しております。鋳造については軽量化等方向性を、鍛造につきましては複雑な形状加工等方向性を示してまいります。  また、研究開発計画策定につきましては、中小企業基盤整備機構の各支部の専門家経済産業局助言連携先紹介等を行ってまいります。  次に、戦略的基盤技術高度化事業についてのお尋ねでありますが、本事業は、ものづくり技術を有する中小企業強化が主な目的であります。したがって、予算措置の主な対象はあくまでも中小企業であり、研究成果の配分に関しては、計画実施状況確認等により、弱い立場中小企業が不利になることのないように十分注意をしてまいりたいと思います。  また、翌年度に予算を繰り越すことができる繰越明許制度についてのお尋ねでありましたが、今後、この制度活用等につきまして前向きに検討してまいりたいと考えております。  次に、SBIR制度につきましてのお尋ねでありました。  中小企業向け補助金活用し、技術支援する日本版SBIR制度では、研究開発から事業化までを支援しております。その支出の目標額は着実に増加しております。  中小企業大学連携につきまして、地方経済産業局支援する産学官連携研究開発が昨年度は二百五十六件実施されるなど、活発なものとなってまいりました。大学技術を外部に移転する機関への支援を含め、引き続き中小企業大学との連携を推進してまいりたいと思っております。  次に、日本技術技能院創設についてのお尋ねでありました。  製造業基盤を成す優秀な技術者技能者確保育成は極めて重要な政策の柱であるとさえ考えております。このため、議員がお述べになりましたとおり、技術士等に加えて、昨年、内閣総理大臣表彰ものづくり日本大賞創設したことは御承知のとおりであります。今後、この技術者育成に関して、私どもはあらゆる方法を講じて対応してまいりたいと思っておりますが、議員の御指摘の点等十分考慮に入れてまいりたいと思っております。  次に、御報告を申し上げておきたいと思いますが、私たち、中小企業の中で世界に誇れる中小企業、簡単に言いますと、世界のシェアの五〇%以上を確保しておるような中小企業全国にたくさん存在しております。私は、その中で三百の企業を選んで、それを公表し、技術力のある小規模企業に光を当てると同時に、ものづくり機運を一層高めてまいりたいと思っておりますが、今海外からも、このことに対してのお尋ねでありますから、先般来これを英訳して、海外にもこのことを展開してまいりたいと思っております。  昨日もサウジアラビアの皇太子がお見えになりましたが、またインドの閣僚、総理も近々お見えになりますが、いずれも彼らの日本に対する期待は、日本中小企業を我々の国に進出していただけるように経済産業省で配慮を願いたいというものであります。  私は、この際、中小企業の皆さんが一層奮起されて、世界に羽ばたく中小企業として躍進されますように期待をするものであります。  中小企業の、次に、知的財産の問題について、取引慣行につきましてのお尋ねでありました。  知的財産保護については、金型図面等技術流出防止に関する指針策定等に取り組んでまいりました。今年度からいわゆる知財駆け込み寺知的財産に関する駆け込み寺と申し上げた方がお分かりになると思いますが、全国の商工会、商工会議所に窓口を整備するなど、引き続き積極的に対応してまいります。  また、不公正な取引につきましては、匿名相談中小企業庁で常時受付をしております。さらに、鋳物重量取引慣行については、実態を調査し、より適切な取引が行われるように対処をしてまいりたいと思っております。  また、中小企業におきましては、下請の支払遅延防止法等存在をしておりますが、このことが十分機能できるように政府としては目を光らせて対応してまいりたいと考えております。  次に、基盤技術の継承の円滑化に関するお尋ねでありました。  経済産業省では、熟練技能者技術技能を蓄積する手法開発を行ってまいります。この手法により、中小企業者自らが社内の技術技能データベースとして蓄積することが可能となってまいります。これを日々利用し、更新していただくことにより、技術高度化が図られるものと考えております。  次に、事業者出会いを促進する主体についてのお尋ねでありました。  川上中小企業川下の大企業との連携を適切に推進できる事業者であれば、公益法人に限らず、民間事業者も参入できることになっております。  大企業中小企業関係につきましては、既に議員各位が御承知のとおりでありますが、最近の変化は、中小企業技術に大いに目を付けたといいますか高く評価をされております大企業の幹部の皆さんが、ごくわずかの人々が働いております中小企業の工場を直接訪ねて、そして自分たちと連携して何かができないか、このような設計図面に基づいてこの製品ができないかということをお尋ねに来られていることがしばしばあるのであります。これを受けて中小企業関係者は、相当の自信を持ってこれからの中小企業の振興に取り組んでいくと、こういう決意を私も現場でしばしば聞かせていただいたことがあります。  次に、民間金融機関融資実態についてのお尋ねでありました。  近年、不良債権処理等の過程におきまして中小企業向け貸出しが減少してきたことは残念ながら事実であります。このため、経済産業省としましては、信用保証制度等の活用により、中小企業金融の円滑化に取り組んでまいりました。また、保証付融資の金利は、相対的に小口の融資が多いなど様々な要因で決まるものでありますが、いずれにしましても、現在取り組んでいる部分保証等の信用保証制度の見直しの中で適切な融資を促す仕組みを構築してまいりたいと考えております。  次に、最後でありますが、ものづくりのすそ野を広げる施策についてのお尋ねがありました。  今般の法案に基づく策定される指針、すなわち個別技術に関する将来ビジョンにつきましては、すべてのものつくり中小企業に役に立つようにと考えております。さらに、ものづくり大賞や世界に誇れる中小企業三百社の公表等により、日本版のマイスター等、技術力のある小規模企業に対して光を積極的に当てることによって、ものつくりの機運を一層高めて、中小企業の皆さんが将来に明るい希望を持って取り組んでいただけるように取り組んでまいりたいと思っておりますので、議員の一層の御協力をお願いを申し上げておきたいと思います。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣小坂憲次君登壇拍手
  29. 小坂憲次

    国務大臣(小坂憲次君) 津田委員から二問御質問を賜っております。  最初に、TLOの一層の普及促進についてお尋ねがありました。  大学研究成果の実用化に当たっては、ものづくりを始め、高い技術力を有する中小企業に対し技術移転を行うテクノロジー・ライセンシング・オーガニゼーション、いわゆるTLOの役割は極めて大きいものがあります。このため、文部科学省では、TLO等の外国特許出願など技術移転に必要な経費を支援するほか、国立大学からTLOへ出資する制度創設したところであり、その取組も進みつつあるわけであります。  さらに、中小企業大学との共同研究などへの支援を行っているところであり、今後とも、TLOへの支援を始め、大学研究成果中小企業への技術移転に努めてまいります。  次に、進路指導についてのお尋ねでございますが、児童生徒が将来に対して目的意識を持ち、主体的に進路を選択することができるよう指導を行うことは重要であります。このため、進路指導を始め、キャリア教育の推進に努めているところであります。  具体的には、中学校では、中小企業などで五日間の職場体験を行う事業全国で推進していきます。また、高等学校では、専門高校を中心に、ものづくり中小企業連携してインターンシップを実施しておるわけであります。  今後とも、子供たちが様々な職業の良さに気付き、やりがいを実感するとともに、自らの生き方を考え自分にふさわしい職業を選択できるよう、キャリア教育の充実に積極的に取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣川崎二郎君登壇拍手
  30. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 津田議員から三問御質問がございました。お答え申し上げます。  今後の中小企業人材確保育成円滑化に向けた取組についてお尋ねがございました。  厚生労働省としては、ハローワークにおいて中高校生に対し総合的な就職支援を行う若年者ジョブサポーターの活用、インターンシップ等を通じた中小企業と学校とのネットワークづくりや若者に対する職業に関する情報の積極的な提供等に努めるほか、トライアル雇用の活用や雇い入れた若者に実践的な職業訓練を行う場合の助成など、今国会に提出しております中小企業労働力確保法等改正法案に基づく支援制度活用等により、中小企業の若手人材確保育成に向けた支援を積極的に実施してまいります。  高度熟練技能者認定制度活用についてお尋ねがございました。  高度熟練技能者中小企業技術者育成支援において講師として活用することは適当と考えられ、経済産業省とも密接に連携を取り、可能な限り協力を行ってまいりたいと考えております。  最後に、技術技能を身に付けた労働者の処遇改善についてお尋ねがありました。  これまでの実態調査によりますと、技能検定合格者を社内の管理監督者として活用するなどとしている企業の割合は約三割から四割となっております。技術技能を有する労働者の一層の処遇改善を図るため、技能検定合格者等の積極的な活用についての関係省庁や業界団体への働き掛け、熟練技能者企業内での処遇改善活用に関する好事例の収集と情報提供、社会全体として技能を尊重する機運の醸成等に積極的に努めてまいります。(拍手
  31. 扇千景

    議長扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  32. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第一 所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約締結について承認を求めるの件  日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約を改正する議定書締結について承認を求めるの件  以上両件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長舛添要一君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔舛添要一君登壇拍手
  33. 舛添要一

    ○舛添要一君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、英国との租税条約は、現行条約に代わるものでありまして、投資所得に対する源泉地国における限度税率を全体的に引き下げるとともに、一定の親子関係にある会社間の配当、一定の金融機関が受け取る利子及び使用料を免税とすること、また、条約の特典の濫用を防止するための措置をとること等について定めております。  次に、インドとの租税条約の改正議定書は、現行条約を改正し、配当等に対する限度税率を引き下げるとともに、みなし外国税額控除に関する規定を削ること等について定めております。  委員会におきましては、両件を一括して議題とし、両条約締結の意義とその経済的影響、租税回避行為の防止策、租税条約締結方針と開発途上国における税収の確保等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の緒方委員より、両件に反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  34. 扇千景

    議長扇千景君) これより両件を一括して採決いたします。  両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  35. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  36. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十八     反対               九    よって、両件は承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  37. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第三 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長弘友和夫君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔弘友和夫君登壇拍手
  38. 弘友和夫

    ○弘友和夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、公務執行妨害、窃盗等の犯罪に関する最近の情勢にかんがみ、これらの犯罪に適正に対処するため、罰金刑を新設するなどその法定刑を改めるとともに、略式命令の限度額の引上げ及び財産刑の執行に関する手続の整備をしようとするものであります。  委員会におきましては、刑罰体系における罰金刑の位置付け、今回の罰金刑の新設及び上限引上げの必要性と効果、労役場留置の現状と同制度の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  39. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  40. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  41. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成           二百二十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  42. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第四 海上物流基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔羽田雄一郎君登壇拍手
  43. 羽田雄一郎

    ○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、海上物流基盤強化を図るため、港湾における物流拠点施設の整備、港湾の建設及び管理の適確化並びに構造改革特別区域における特例措置の全国展開による港湾機能の強化特定外貿埠頭の管理運営主体の株式会社化による管理運営の効率化、水先制度の充実強化、海運の効率化に資する高度船舶技術の実用化支援等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、埠頭公社民営化等による港湾コストの削減、我が国の港湾基盤整備のための基本的方向、水先人の全国組織運営、港湾施設の安全性の確保等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小林委員より、本法律案反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  44. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  45. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  46. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成            二百十三     反対              十五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  47. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第五 意匠法等の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長加納時男君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾掲載〕     ─────────────    〔加納時男君登壇拍手
  48. 加納時男

    ○加納時男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、我が国産業国際競争力強化するため、第一に、意匠権の存続期間の延長、小売業等の商標の保護の拡充、特許出願の分割制度改善等の措置を講ずるものであります。  第二に、模倣品対策として、侵害行為に模倣品の輸出を追加し、意匠権等権利の侵害に対して刑事罰を強化するなど、知的財産権の保護強化を図るための規定を整備しようとするものであります。  委員会におきましては、アジア諸国における模倣品の流通・輸出への迅速な対応の必要性、意匠権等の刑事罰強化の根拠、デザインの類似判断を消費者の視覚による美感とすることへの疑義等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  49. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  50. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  51. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十七     賛成            二百十八     反対               九    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕     ─────────────
  52. 扇千景

    議長扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十七分散会