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荒井正吾君 いや、私のようなこの
分野で大変初歩的な者が
法務省の
刑事局長さんにこういう質問していいのかと思いながら質問しているわけでございますが、
法務委員会のせっかくの質問の機会なので一生の思いに聞いておこうかなというぐらいに、野球じゃないですけど、そのぐらいの気持ちでお聞きしたわけでございますが、まあ遠慮されているのかもしれませんが、いろんな
法務行政の中で戦前の思想検察のトラウマが、こう言っては失礼ですけれどもあるように思いまして、思想的な面に余り入られないような気風もあるような、抑制的というようなこともあるかもしれません。
ただ、こういうようなのは
基本的な哲学の話ですので、哲学なしに取り締まったという先輩をむしろ糾弾する思想を持っていただきたいというふうにも逆に思うものでございますので、大変
基本的かつ広範な質問といいますか問いでございますけれども、是非このようなものも、やっぱり三十年
法務行政されていますと、どこか土台を求めて仕事される面が必ずあると思うんですけれども、土台の議論をどこかでしていただきたいというふうに、形式に流れないような
法務行政に向かっていただきたいというふうに老婆心ながら思う次第でございますので、また機会があれば場所を構わずいろんな御議論をいただきたいというふうにお願いする次第でございます。
時間があれですので、最後になりますが、先ほど
刑事局長おっしゃいました少年の刑事免責でございますが、十四歳未満の少年の刑事、
触法ということで問わないということでございますが、これはどういうふうにこれから考えていけばいいのかという、少年法の、少年刑事免責の
基本的な
考え方を伺いたいと思う次第でございます。
最近の少年の刑事犯の
傾向でございますが、
交通関係の業務過失を除く
刑法犯の約半数が少年の
犯罪ということで、
日本は大変優秀な
犯罪の、
効果がある国だと思いますが、この成人
犯罪との
比率が、この
少年犯の
比率が高いというのが唯一と言っていいほど数値で劣っているような感じがいたします。
ところが、全体的な
傾向では、窃盗とか横領とかの初発性非行と言われるようなものが多くて、
統計的には凶悪犯は少ないというふうに出ております。凶悪化しているということでございますが、一九七〇年まで少年の殺人犯は二百件から四百件だと言われておりますが、最近は百件を切っている
状況でございます。だから、想像が今までされなかったような犯行年齢の低さとか方法の残虐さとかいうことが
報道で特に繰り返し強調されるわけで、
厳罰化をしたらどうかという
世論の声が沸き起こっているというように思います。
その
犯罪傾向をもう少し探ってみますと、自分よりももっと弱いものを見付けて、それをいじめてうっぷんを晴らすと。
社会的動機のない
犯罪が、自己動機の
犯罪が増えているようにも思うわけでございます。これは、
犯罪を起こさなくても、
学校で不登校者になるとか自閉症、自閉症は病気でございますけれども、
コミュニケーションがないとか、閉じこもりがちになるということで、自傷する人もあるし、その
犯罪という、他傷して
犯罪に至る
ケースもあるわけでございます。
傾向としては同じであるわけでございますが。
少年法の
基本思想は、少年はいろんな、人格に可塑性があると、変わり得るものだということを信じて
犯罪免責をしているというふうに聞いているわけでございますが、これは脳の可塑性を信じると、少年でなくても可塑をする人としない人というのがある程度分かれてくるようにも思うわけでございますが、ただ、ある程度教育
効果があるということを信じて少年法の
基本的な
考え方が成り立っているように思うわけでございますけれども、その少年法の、対する
基本的な教育
効果といいますか、
改善効果ということを
基本的な思想にしているように思いますけれども、最近の
傾向あるいは最近のいろんな科学の発達を踏まえて、少年法に対する、少年の、
犯罪少年、
触法の少年に対する扱い方という
基本的な
考え方というのはどうなのか、改めてお伺いしておきたいと思います。